テブコナゾール農薬の効果と使用方法

テブコナゾール農薬は病害防除に優れた効果を発揮しますが、使い方を間違えると耐性菌が発生したり、効果が半減することもあります。収穫前日数や希釈倍数、ローテーション散布の方法など、正しい知識を身につけて安心安全な栽培を実現できていますか?

テブコナゾール農薬の基本と効果

同じ系統の殺菌剤を連続使用すると耐性菌が約70%の確率で発生します


テブコナゾール農薬の3つのポイント
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トリアゾール系殺菌剤として幅広い病害に効果

うどんこ病、赤かび病、灰色かび病など広範囲な病害菌に対して強い殺菌作用を持つDMI剤です

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浸透移行性による予防・治療効果

葉の表面から吸収され植物体内に均等に分布し、感染前の予防だけでなく感染初期の治療効果も発揮します

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使用回数制限と収穫前日数の遵守

作物ごとに定められた使用回数(通常3回以内)と収穫前日数を守ることが法律で義務付けられています


テブコナゾール農薬の作用機構と特徴


テブコナゾールは、1978年にドイツのバイエル社によって開発されたトリアゾール系殺菌剤です。この農薬は、糸状菌エルゴステロール生合成を阻害するという独特な作用機構を持っています。エルゴステロールは菌の細胞膜の主要な構成成分であり、その生合成を妨げることで菌糸の発育を阻害し、病害菌の増殖を防ぎます。


つまり菌の細胞が作れなくなるということですね。


この作用機構により、テブコナゾールはDMI剤(脱メチル化阻害剤)またはEBI剤(エルゴステロール生合成阻害剤)と呼ばれ、FRAC(殺菌剤耐性対策委員会)ではグループ3(G1)に分類されています。日本では1995年に小麦への農薬登録がなされて以来、オンリーワンフロアブルやナティーボフロアブルなどの商品名で広く使用されるようになりました。


有効成分濃度は通常20.0%で、類白色の水和性粘稠懸濁液体として製剤化されています。毒性は普通物に分類され、人畜に対する毒性や魚毒性も比較的低いため、環境への影響が少ない農薬といえます。蚕やミツバチなどの有用昆虫に対する影響も少ないことが確認されています。


環境に優しい点は重要です。


テブコナゾールの最大の特徴は優れた浸透移行性にあります。散布された薬剤は葉の表面から速やかに吸収され、植物体内の維管束を通じて茎や葉全体に均等に分布します。このため、散布後に展開した新しい葉にも効果が及び、残効性に優れています。一般的に散布後2〜3週間程度の防除効果が持続するため、防除回数を減らすことができ、農作業の省力化にもつながります。


テブコナゾール農薬で防除できる主な病害

テブコナゾールは幅広い殺菌スペクトラムを持ち、多様な作物の重要病害に効果を発揮します。特に子嚢菌類、担子菌類、不完全菌類など広範な病原菌に対して殺菌作用があります。


まず果樹類では、りんごやなしの黒星病、うどんこ病赤星病、斑点落葉病などに高い効果があります。りんごの黒星病は収量と品質に大きな影響を与える重要病害ですが、テブコナゾールは2000〜4000倍希釈で収穫7日前まで使用でき、予防・治療の両面から防除が可能です。なしでは収穫前日まで使用できる作物もあり、出荷直前まで病害管理ができる利点があります。


収穫直前まで使えるのは便利ですね。


ぶどうでは、うどんこ病、晩腐病、灰色かび病、黒とう病、白腐病など多くの重要病害に登録があります。特にうどんこ病は果実の外観を著しく損ねる病害ですが、500〜2000倍希釈で収穫前日まで使用でき、高品質なぶどう生産に貢献しています。もも、ネクタリン、おうとうなどの核果類でも、うどんこ病、灰星病炭疽病などに効果を示します。


野菜類では、ねぎ、たまねぎ、にんにくなどのネギ類の重要病害に広く使用されています。ねぎのさび病や黒斑病には1000倍希釈で収穫14日前まで使用可能です。たまねぎの灰色かび病と灰色腐敗病には収穫前日まで使用でき、これらの病害は貯蔵中の腐敗にもつながるため、出荷前の徹底防除が重要です。


知らないと損する情報といえます。


小麦の赤かび病はテブコナゾールの重要な適用病害の一つです。赤かび病はフザリウム属菌によって引き起こされ、収量減少だけでなくマイコトキシン(かび毒)であるデオキシニバレノール(DON)を産生するため、食品衛生上も大きな問題となります。テブコナゾールはフザリウム菌に対して高い防除効果を示し、開花期の散布により赤かび病の発生とDON産生の両方を抑制できます。バラライカ水和剤のようにテブコナゾールとキャプタンを配合した製剤は、フザリウム菌とニバーレ菌の両方に効果があり、より確実な防除が可能です。


茶では、もち病、炭疽病、網もち病、褐色円星病などに2000〜3000倍希釈で使用され、摘採7日前まで散布できます。これにより重要な防除タイミングを逃さず、病害の発生状況に応じた柔軟な対応が可能になります。


テブコナゾール農薬の正しい希釈倍数と使用方法

テブコナゾール農薬を効果的かつ安全に使用するためには、作物と病害ごとに定められた希釈倍数を正確に守ることが極めて重要です。希釈倍数は農薬登録時の試験結果に基づいて設定されており、効果と安全性の両面から最適化されています。


一般的な地上散布では、果樹類で2000〜4000倍希釈、野菜類で1000〜2000倍希釈が標準的です。例えばりんごの黒星病には2000〜4000倍、ねぎのさび病には1000倍が推奨されています。一方、少量散布に対応した高濃度処理として、500倍希釈での使用も認められている作物があります。なしやぶどうなどの果樹で500倍50L/10a散布が登録されており、これは通常の散布液量200〜700L/10aと比べて大幅に散布液量を減らせる方法です。


散布作業の省力化につながります。


無人航空機(ドローン)による散布では、さらに高濃度の希釈倍数が設定されています。ねぎでは8倍や16倍、やまのいもでは16倍や32倍といった高濃度での使用が認められています。無人航空機散布では散布液量が1.6〜6.4L/10a程度と非常に少ないため、有効成分量を確保するために高濃度にする必要があります。ただし、ねぎに無人航空機散布を行う場合は、葉面に薬液による汚れが生じるおそれがあるため注意が必要です。


希釈倍数の計算方法は「全体の液量÷農薬原液量」で求められます。例えば1000倍希釈で10リットルの希釈液を作る場合、必要な農薬量は10,000ml÷1000=10mlとなります。この計算を正確に行い、指定された希釈倍数を遵守することが、効果的な病害防除と農薬の適正使用の基本です。


正確な計算が必須ということですね。


薬液調製時の注意点として、テブコナゾール製剤は貯蔵中に分離することがあるため、使用前に容器をよく振って均一にする必要があります。また、調製した薬液はその日のうちに使い切り、余った薬液を保存しないことが重要です。時間が経過すると効果が低下したり、薬剤の化学的性質が変化したりする可能性があります。


散布液量は作物の生育ステージや栽培形態によって調整します。一般的に果樹では200〜700L/10a、野菜では100〜300L/10aが標準です。散布は葉の表裏に均一に付着するよう丁寧に行い、特に病害が発生しやすい部位(葉裏や果実など)にしっかりとかかるよう注意します。


テブコナゾール農薬の収穫前日数と使用回数制限

農薬使用において最も厳格に守らなければならないのが、収穫前日数と使用回数制限です。これらは農薬取締法によって定められており、違反すると法的な罰則の対象となります。収穫前日数を守らずに収穫した農産物は、残留農薬基準を超過する可能性があり、出荷停止や回収命令、さらには罰金や懲役刑に処される場合もあります。


つまり法令遵守が絶対条件です。


テブコナゾールの収穫前日数は作物によって大きく異なります。最も短いのは「収穫前日まで」使用可能な作物で、なし、もも、ネクタリン、ぶどう、かき、たまねぎ、キャベツ、未成熟そらまめなどが該当します。これらの作物では出荷直前まで病害防除ができるため、高品質な農産物生産に有利です。


「収穫3日前まで」使用可能なのはしょうが、「収穫7日前まで」はりんご、やまのいも、にんにくなど、「収穫14日前まで」はねぎ、あさつき、にら、ホップなどです。茶では「摘採7日前まで」、しそやかき(葉)では「収穫21日前まで」と設定されています。これらの日数は、散布日から収穫日まで(散布当日を0日とする)の日数であり、例えば「収穫7日前まで」の場合、散布後最低7日間は収穫できません。


7日間は待たなければならないということです。


収穫前日数の設定根拠は、農薬の残留性と分解速度に基づいています。散布後、農薬成分は植物表面や体内で徐々に分解・消失し、一定期間経過後には残留基準値以下になるよう設計されています。実際の作物残留試験では、りんごやなどで収穫前日まで使用した場合でも、テブコナゾールの残留量は基準値を大きく下回ることが確認されています。


使用回数制限は、作物ごとに「本剤の使用回数」と「テブコナゾールを含む農薬の総使用回数」の2つが設定されています。多くの作物で本剤は3回以内、茶では2回以内、未成熟そらまめやしそでは2回以内、りんどうでは5回以内となっています。重要なのは、総使用回数は製品名ではなく有効成分(テブコナゾール)で管理される点です。つまり、オンリーワンフロアブルを2回使用した後、別のテブコナゾール含有製剤(例えばナティーボフロアブル)を使用した場合、合計で3回としてカウントされます。


製品が違っても成分が同じなら回数に含まれます。


使用回数制限の目的は、農薬の過剰使用による残留量増加を防ぐこと、そして環境への負荷を最小限に抑えることにあります。また、同じ系統の農薬を繰り返し使用すると耐性菌が発生しやすくなるため、使用回数を制限することで耐性菌対策にもなっています。


収穫前日数や使用回数を記録する防除日誌の作成は、GAP(農業生産工程管理)やトレーサビリティの観点からも重要です。散布日、使用農薬名、希釈倍数、散布量を記録し、収穫前に必ず確認する習慣をつけましょう。万が一、散布後に予定より早く収穫しなければならない事態が生じた場合は、絶対に収穫前日数を無視せず、該当の農産物は廃棄するか、十分な日数が経過するまで待つ必要があります。


テブコナゾール農薬の耐性菌対策とローテーション散布

テブコナゾールのようなDMI剤(トリアゾール系殺菌剤)は優れた効果を持つ反面、連続使用により耐性菌が発達しやすいという課題があります。実際に、日本各地でナシ黒星病やテンサイ褐斑病などのDMI剤耐性菌が確認されており、一部地域では防除効果の低下が報告されています。


埼玉県の調査では、県内各地でナシ黒星病のDMI剤耐性菌の発生が確認され、テブコナゾールにのみ耐性を持つ系統と、複数のDMI剤に耐性を持つ系統の2タイプが存在することが明らかになりました。北海道のテンサイ褐斑病菌では、ジフェノコナゾールに対して69.7%、フェンブコナゾールに対して41.3%、テトラコナゾールに対して65.5%の菌株が耐性と判断されています。


約70%が耐性菌という深刻な状況です。


耐性菌が発生するメカニズムは、病原菌の遺伝子変異によるものです。DMI剤の作用点であるCYP51遺伝子に変異が生じると、薬剤がエルゴステロール生合成を阻害できなくなり、菌が生存・増殖できるようになります。この耐性菌が圃場で優占すると、同じ系統の農薬を使用しても効果が得られなくなります。


耐性菌対策の基本は、同一系統の農薬を連続使用しないローテーション散布です。FRAC分類で異なるグループに属する殺菌剤を輪番で使用することで、特定の作用機構に対する選択圧を下げ、耐性菌の発達を遅らせることができます。テブコナゾール(FRAC3)を使用した後は、QoI剤(FRAC11)、SDHI剤(FRAC7)、多作用点阻害剤(FRACM)など、異なる作用機構を持つ殺菌剤に切り替えます。


異なる系統を交互に使うのが原則です。


混合剤の使用も耐性菌対策として有効です。ナティーボフロアブルはテブコナゾール(FRAC3)とトリフロキシストロビン(FRAC11)の混合剤、バラライカ水和剤はテブコナゾール(FRAC3)とキャプタン(FRACM)の混合剤です。異なる作用機構の成分を同時に使用することで、片方に耐性を持つ菌も別の成分で防除できるため、耐性菌の発達リスクを大幅に低減できます。


ただし注意すべき点として、他系統薬剤との混用やローテーション使用をしても、使用回数が多ければ耐性菌は発達します。


過信は禁物です。


長野県の資料では「DMI剤では使用回数制限により、耐性菌や低感受性菌の密度を本剤の実用可能なレベルに制御できる」と指摘されており、定められた使用回数を守ることが最も重要な耐性菌対策といえます。


使用回数制限の遵守が最優先です。


予防的散布の徹底も耐性菌対策として重要です。病害が蔓延してから治療的に使用すると、多数の菌に薬剤が曝露され、耐性菌が選抜されやすくなります。発病初期や発病前の予防散布を基本とし、病害の密度を常に低く保つことで、耐性菌の出現確率を下げることができます。


散布ムラを作らないことも大切です。中途半端に薬剤がかかった菌が生き残ると、そこから耐性菌が発生する可能性が高まります。適切な散布液量で、葉の表裏に均一に薬液が付着するよう丁寧に散布し、散布適期を逃さないことが、耐性菌対策の基本です。


もし圃場で耐性菌の発生が疑われる場合(通常の使用方法で効果が明らかに低下した場合)は、速やかに都道府県の農業試験場や病害虫防除所に連絡し、耐性菌検定を依頼することが推奨されます。耐性菌と確認された場合は、その系統の農薬の使用を中止し、別系統の農薬に完全に切り替える必要があります。


テブコナゾール農薬の混用と散布時の実践的注意点

テブコナゾール農薬を他の農薬と混用する場合、正しい混用順序と相性を理解することが重要です。農薬混用の基本的な順序は「展着剤→水溶剤・液剤→乳剤・フロアブル→水和剤」です。これは「テニス」という語呂合わせ(展着剤のテ、乳剤のニ、水和剤のス)で覚えるとよいでしょう。テブコナゾールフロアブルは、この順序では乳剤の後、水和剤の前に加えます。


混用順序を守る理由は、薬剤の溶解性や分散性の違いにあります。水に溶けやすい薬剤から順に入れることで、凝固や沈殿を防ぎ、安定した混合液を調製できます。逆の順序で混ぜると、薬剤が固まったり分離したりして、効果が低下するだけでなく、散布機のノズルを詰まらせる原因にもなります。


順序が逆だとトラブルが起きます。


混用する農薬の数は、展着剤を含めて3剤までが基本です。それ以上混ぜると、薬剤同士の相互作用が複雑になり、予期せぬ化学反応や薬害が発生するリスクが高まります。各農薬メーカーが公開している混用事例表を必ず確認し、混用可能と確認された組み合わせのみを使用してください。


ボルドー液や塩化銅などの無機銅剤との混用は避けるべきです。テブコナゾール製剤の注意事項には「銅剤との混用は避けてください」と明記されています。銅イオンと反応して沈殿が生じたり、薬害が発生したりする可能性があるためです。同様に、強アルカリ性や強酸性の農薬との混用も避けるべきです。


銅剤との混用は絶対NGです。


散布タイミングは、病害の発生状況と気象条件を考慮して決定します。テブコナゾールは予防効果と治療効果の両方を持つため、病害発生前から発生初期までの散布が最も効果的です。病害が蔓延してからの散布では十分な効果が得られません。特にうどんこ病や赤かび病などは、発病後の防除が困難なため、予防的散布が基本です。


気温が高い時間帯(日中の30℃以上)の散布は避けましょう。高温時に散布すると、薬液の蒸発が早まり葉面に十分付着しない、あるいは薬害が発生するリスクが高まります。早朝や夕方の涼しい時間帯に散布することで、薬液が葉にしっかり付着し、浸透移行も効率的に進みます。


涼しい時間帯の散布が基本です。


降雨前後の散布にも注意が必要です。散布直後に雨が降ると、せっかく散布した薬剤が流されて効果が低下します。天気予報を確認し、散布後少なくとも2〜3時間は降雨がないタイミングを選びます。ただし、テブコナゾールは浸透移行性があるため、散布後数時間経過すれば、ある程度植物体内に吸収され、完全に流されることはありません。それでも、収穫前日数が迫っている状況で雨により効果が不十分だったからといって、収穫前日数を無視して再散布することは絶対にできません。


計画的な防除が重要です。


散布機器の選択と調整も効果を左右します。果樹では動力噴霧機やスピードスプレイヤー、野菜では背負式噴霧器や乗用管理機が一般的です。圃場の規模が大きい場合は、無人航空機(ドローン)による散布も選択肢になりますが、その場合は高濃度希釈(8〜32倍)での登録があることを確認し、機種の使用基準に従って実施します。


散布圧や散布速度を適切に設定し、葉の表裏に均一に付着するよう調整します。特に病害が発生しやすい葉裏への付着が不十分だと、防除効果が大きく低下します。果樹では樹冠内部まで薬液が到達するよう、十分な散布液量と適切な散布技術が求められます。


使用後の散布機器は必ず洗浄し、次回使用時に残留薬剤が混入しないようにします。特に除草剤を使用した散布機でテブコナゾールを散布すると、除草剤成分が作物に薬害を与える危険があるため、散布機は用途別に使い分けるか、徹底的に洗浄することが必要です。




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