ノズル除草剤散布ドリフト低減噴霧圧力

ノズルと除草剤の相性で、散布ムラやドリフトは大きく変わります。泡状・扇形などの特徴、圧力や風の見極め、詰まり対策まで現場で使える形で整理しました。あなたの圃場に合うノズルはどれですか?

ノズル 除草剤 散布 ドリフト 低減

ノズルと除草剤で失敗しない全体像
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まず決めるのは「狙い」

茎葉処理か土壌処理か、畦間か畦畔かで、適したノズル形状・粒径・散布量が変わります。

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一番の事故はドリフト

微細粒子・高圧・強風が重なると目的外飛散が増えます。ノズル選定と作業条件でリスクは下げられます。

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詰まり・ムラは「管理」で潰す

ストレーナ、希釈手順、圧力の安定、ノズルの摩耗点検で、効果と安全性が同時に上がります。

ノズル 除草剤 散布 霧なし 泡ノズル 選び方


除草剤散布でノズルを選ぶとき、最初に押さえたいのは「薬剤の効かせ方」と「飛ばしたくない事情」です。吸収移行型(例:茎葉から吸われて効くタイプ)は、葉面に“ほどよく”付けば効果が出ますが、隣接作物に飛ぶと薬害になりやすいのが厄介です。接触型(付いた部分を焼くタイプ)は、付着ムラがそのまま効きムラになりやすく、散布品質の要求が上がります。


ここで登場するのが、霧なしノズル(泡ノズル)や、ドリフト低減を意図した粗大粒子系のノズルです。果樹のスピードスプレーヤ(SS)領域の資料ですが、ドリフトは噴霧粒子が細かいほど起きやすい、という原則が整理されています。慣行ノズルは平均粒径が90〜100μm程度と細かく、粗大粒子ノズルはそれより大きい粒子を出してドリフトを抑える、という考え方です(例として平均粒径や100μm以下の割合の違いが示されています)https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf
除草剤の現場目線で言い換えると、次のように整理できます。


  • 泡状・霧なし:飛びにくい方向に寄せられる(ただし粒が大きい分、ムラが出ない歩き方・振り方が必要)
  • 扇形:散布幅を作りやすく、一定の高さと速度でムラを減らしやすい(圧力を上げすぎると粒が細かくなりやすい)
  • 直射(鉄砲型など):遠くに届くが、狙い撃ち用途。畦畔やスポットで便利な反面、風の影響を受けると飛びやすい

意外と見落とされがちなのが、「狭い範囲にだけ効かせたい」除草剤散布ほど、ノズル性能より“オペレーションの再現性”が重要になる点です。泡ノズルに替えただけで安心してしまい、散布速度が日によって変わると、結果的に散布量が揺れて効きムラになります。ノズルの種類を変えた日は、必ず「散布幅」「歩行速度(または走行速度)」「圧力」をセットで固定して、まずは水で吐出状態を見てから本番に入るのが安全です。


ノズル 除草剤 ドリフト 低減 粒径 風速 目安

リフト(目的外飛散)は、ノズルの当たり前の性能差だけでなく、「気象」と「設定」で増えたり減ったりします。農研機構の技術マニュアルでは、ドリフトを発生しやすくする要因として、噴霧粒子の細かさ、散布位置の高さ、風の強さ、散布幅や散布量の多さ、作業速度などが挙げられています。とくに粒子の細かさの影響が大きい、つまり細かいほど飛びやすい、という整理です。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf
除草剤散布で現場が困るのは、「微風だから大丈夫と思ったのに、想定外に飛んだ」ケースです。これは、風が弱くても“風向が一定で通り道ができる”と、薬液が流されることがあるためです。果樹SSの例ですが、自然風がある場合はドリフトの状態が予想しにくい、風向・風速の簡易測定として吹き流しが使える、という実務的な記述もあります。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf
ここを除草剤向けに落とすと、次のチェックが効きます。


  • 風速だけでなく、風向が「一定」か「変わる」かを見る(一定だと帯状に飛ぶ)
  • 散布高さを上げない(ノズル先端が上がるほど飛距離は伸びる)
  • 圧力を上げすぎない(粒が細かくなりやすい方向に行く)
  • 端(圃場外周、隣接作物側)は設定を変える(圧力を落とす、歩行速度を落とす、片側散布にする等)

あまり知られていない現場知として、「端の1往復だけ条件を変える」運用は、ドリフト事故の保険になります。SSの説明では、最外列付近の散布ではドリフトが多くなりやすく、園の中に入ると減る、という傾向が示されています。圃場でも“境界部だけは別ルール”にすると、クレームや薬害リスクが現実的に下がります。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf

ノズル 除草剤 噴霧 圧力 散布量 ムラ 対策

除草剤の効きムラは、「薬剤が弱い」より「当て方が揺れた」で起きることが多いです。圧力を上げれば勢いは出ますが、同時に粒径が細かくなる方向に寄りやすく、ドリフト面では不利になりがちです。だからこそ、圧力は“上げるか下げるか”ではなく、“適正範囲で安定させる”が正解になります。


農研機構の資料では、散布量を設定するときに、散布幅・作業速度・ノズル個数(吐出量)から総噴霧量を逆算する考え方が具体式で示されています。例として、散布量400L/10a、散布幅5m、速度1.5km/hのとき、総ノズル噴霧量は約50L/分になり、16個使うなら1個あたり約3.1L/分のノズルを選ぶ、という手順です。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf
除草剤の背負い式・動噴・ブームでも考え方は同じで、次の3点をセットで固定するとムラが減ります。


  • 散布幅(ノズルが作る扇の幅、またはブーム幅)
  • 速度(歩行のテンポ、または車速)
  • 圧力(レギュレータで一定にする)

現場でありがちな失敗は、「詰まりかけ」→「圧力が揺れる」→「粒が変わる」→「散布幅も変わる」→「線状に効きムラ」という連鎖です。目詰まりは後述しますが、圧力計が付いている機械なら、作業中に針が揺れるかを見てください。揺れているなら、ノズル以前に“流体系”が安定していない可能性があります。


また、散布量を下げればドリフトも減り、コストも下がる一方、効果を支える付着量の下限が存在します。果樹の文脈ですが、散布量削減はドリフト低減と経費削減に効果があるが、一律に削減できるとは限らない、という慎重な書きぶりです。除草剤でも同様で、雑草のサイズが大きい時期や、接触型中心の設計では、下げすぎは“効き残り”になって返ってきます。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf

ノズル 除草剤 詰まり フィルタ ストレーナ 洗浄

ノズルの詰まりは、除草剤散布の品質を静かに壊します。完全に詰まれば気づきますが、厄介なのは「半詰まり」で、吐出量と散布パターンが変形し、結果としてムラが出ます。とくに泡ノズルや低ドリフト系は、構造上、粒を作る工夫が入っている分だけ、異物に弱い場合があります(機種差あり)。


詰まり対策は、現場では結局、次の“当たり前の徹底”が一番効きます。


  • 水源(タンクに入れる前)のゴミを減らす:ポリタンクの底、ホース先端、混入スコップなど
  • フィルタ/ストレーナを適正に:目の細かさを上げすぎると流量が落ちて圧力が不安定になりやすい
  • 希釈手順を守る:粉剤・フロアブルはダマが残ると詰まりの原因
  • 洗浄を先延ばしにしない:散布後に乾くと固着して厄介

「針金で突く」は手軽ですが、ノズル孔を傷つけると、吐出量が増えて散布量設計が崩れます。結果として、同じ歩行速度でも過剰散布になったり、パターンが歪んで“帯ムラ”が出たりします。ノズル清掃は、柔らかいブラシや専用品を使い、最後は水で十分に流すのが安全です。


ここで一つ、意外だけど実務的な情報があります。感水紙(液滴が付くと色が変わる紙)は、作物体への付着やドリフト評価に使える一方、高湿度(相対湿度80%以上)では液滴がなくても変色が進むため、取り扱いに注意が必要だと説明されています。これは除草剤散布の「ノズル詰まり確認」にも応用でき、例えば“水で吐かせて付着を確認する”簡易チェックを短時間でやる、という使い方ができます。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf
つまり、詰まりやパターン崩れは「本番の薬剤」で気づくのではなく、作業前の水運転で早期に潰すのが、最も安くて確実な対策です。


ノズル 除草剤 独自視点 作業者 被曝 感水紙

検索上位が語りがちなテーマは「ドリフト低減=近隣への迷惑防止」ですが、現場ではもう一つ重要な軸があります。それが作業者の被曝(体に付く量)です。農研機構の技術マニュアルでは、感水紙を作業者の着衣に貼り付けて、散布時の被曝を評価する例が示されています。
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/compound.pdf
除草剤散布は「地面に向けるから安全」と思われがちですが、実際には跳ね返り(地面や草体からのリバウンド)や、横風で舞うミストで、下半身・腕・手袋に付着しやすいです。とくに畦畔の斜面や、背丈のある雑草を相手にすると、霧が戻ってくる感覚があるはずです。ここで、粗大粒子側のノズルや泡状散布は、目的外飛散だけでなく「自分に戻る微細粒子」を減らす方向に働く可能性があります(ただし、ゼロにはできません)。


独自視点として提案したいのは、「被曝を減らすノズル運用」を、品質管理と同じルーチンに入れることです。


除草剤散布のノズル選びは、効かせる・飛ばさないに加え、「自分を守る」にも直結します。ノズルは消耗品なので、ベストな一本を探すより、圃場条件(風、隣接、雑草サイズ)に合わせて“飛ばない側の選択肢を常備する”運用が、結局は事故を減らします。




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