カンキツかいよう病は細菌性病害で、病原菌は葉や枝、果実の病斑で越冬し、春の気温上昇とともに増殖を始めます。 旬平均気温がおおよそ10℃を超える3月中旬以降、越冬病斑内の菌密度が上がり、降雨があると雨滴に乗って周囲へ飛散し、最初の感染が起こります。
発病適温は概ね20~30℃で、特に新葉や新梢が盛んに伸びる5~6月頃に葉の感染が増え、落花後から9月頃までは果実の感染が続くため、この期間は防除の「ボリュームゾーン」となります。 強風時には葉や果実に傷がつき、そこから病原菌が侵入する「傷感染」が増加するため、台風・強風の頻発する地域や園地条件では、風害をいかに抑えるかが防除成否を左右します。
病斑は最初は小さな水浸状や点状から始まり、やがて隆起したコルク状の病斑となり、葉では周囲に黄色いハロ(黄化輪)が見られることが多く、果実では表面がざらつき、商品価値が著しく低下します。 枝病斑は葉の病斑より長期間にわたり伝染源として残るため、見落とされがちな枝部の病斑管理が、翌年以降の発生レベルを左右する点は意外と知られていません。
耕種的防除の基本は、伝染源を減らすことと、風雨による感染機会を減らすことの二本柱です。 新植や改植では、発病のない健全苗木を導入し、発生地から苗木や穂木を持ち込まないことが最初の防除になります。
冬期から早春にかけては、罹病葉や罹病枝の除去が重要で、とくに夏秋梢に残った枝病斑は強力な第一次伝染源になるため、剪定時に優先的に切除します。 園内が過湿にならないよう、間伐や適正な剪定で樹冠内部の風通しを確保し、葉が乾きやすい環境をつくることも耕種的防除として有効です。
風対策としては、防風林や防風樹、防風ネットの設置が有効で、特に風当たりの強い谷間や尾根筋の園地では、防風施設の有無で発生状況に大きな差が出ることが知られています。 苗木期には過度な窒素施肥を避け、徒長した柔らかい新梢を出し過ぎないようにすると、風による傷や裂傷が減り、結果としてかいよう病の侵入機会も減少します。
また、雨よけハウスや簡易雨よけを利用することで、降雨時の飛散を抑え、葉や果実の濡れ時間を短縮して発病リスクを下げる事例もあり、高価な薬剤に頼らずに発生を抑えた事例が報告されています。 こうした耕種的防除は、一度整備してしまえば毎年効果を発揮し、薬剤コストの抑制にもつながるため、中長期的な投資として検討する価値があります。
薬剤防除では、発芽前から5月頃までを「最重要防除期間」と位置づけ、春の新梢発生期から落花前後にかけて重点的に散布することが推奨されています。 葉の主な感染時期である5~6月、新葉展開直後からの期間と、果実の感染が続く落花直後~9月頃までを意識して、散布計画を組むことがポイントです。
登録薬剤としては、銅水和剤(ボルドー液や各種銅剤)が基本で、ボルドー液の場合はおおむね30日程度の残効があるとされますが、降雨量や葉の生長による新しい無防除部分の出現を考えると、実際の防除効果はもう少し短いと見ておいたほうが安全です。 クレフノン加用銅水和剤など、一部の銅剤は残効が長く、展着性が高められている製品もあり、多雨地域や台風の多い地域で選択肢となっています。
近年では、銅剤に加えて抗生物質剤も一部で利用されており、既発生園での初期発生抑制などを目的とした体系防除に組み込まれる例もあります。 ただし、抗生物質剤は耐性菌リスクや周辺環境への配慮から、乱用を避け、登録内容と地域の指導指針に従って使用することが重要です。
散布タイミングとしては、春梢発芽期(3月中旬~4月中旬)、春葉展開期、落花期、梅雨入り前、台風シーズン前などを基準にしつつ、園ごとの発生状況に応じて回数や間隔を調整します。 特に既に発生が多い園では、春先の防除を1回増やすだけで、夏以降の発生が大幅に軽減した例が報告されており、「早めの一手」が後々の労力削減につながる点は見逃せません。
かいよう病は雨で伝染し、強風で被害が拡大する病害であるため、雨風への備えは薬剤選びと同じくらい重要です。 強風により葉や果実に傷ができると、その傷口から病原菌が侵入しやすくなるため、台風や暴風雨の予報が出た場合は、その前に薬剤を散布しておくことで、被害を軽減できることが分かっています。
耐雨性を高めるためには、銅剤などの基本薬剤に展着剤を加用し、雨が降っても薬液が流れ落ちにくくなるようにする工夫が現場で広く行われています。 例えば、ジチオカーバメート系薬剤に専用展着剤を組み合わせたり、マシン油乳剤を展着剤として混用し、雨に当たっても付着性を維持させる事例が紹介されています。
一方で、展着剤を多用しすぎると薬害リスクが高まるため、ラベルに記載された希釈倍数を守り、樹勢が弱った園や高温期の散布では、濃度を控えめにするなどの配慮が必要です。 台風後には葉や果実の表面が傷だらけになり、二次感染の温床となるため、風が収まり園地に入れるようになったタイミングで、改めて薬剤散布と発病枝の点検を行うことが、翌年以降の発生抑制にもつながります。
意外なポイントとして、園内の排水改善も雨対策の一部として有効です。圃場の一部に水たまりができるような場所では、長時間葉が濡れ、病原菌が活動しやすい環境が続くため、明渠・暗渠の整備で土壌水分を適度に抜くことで、かいよう病だけでなく他の病害の発生も同時に抑えた事例が報告されています。
カンキツかいよう病菌は、気孔からの侵入だけでなく、ミカンハモグリガなど害虫の食害痕からも感染することが知られており、虫害と病害が「セット」で悪化することがあります。 そのため、かいよう病多発園では、病害だけでなくミカンハモグリガの防除を体系に組み込み、幼虫の食害痕を減らすことで、かいよう病の侵入窓口そのものを減らすという発想が有効です。
品種ごとにかいよう病に対する感受性が異なり、一般に皮が薄く、葉も柔らかい品種ほど傷が付きやすく、発病しやすい傾向があります。 抵抗性が弱い品種を多く栽培している園では、防風対策や薬剤防除をやや手厚くし、逆に比較的強い品種については耕種的防除を中心に、薬剤散布を絞り込むことで、全体として防除コストを抑える工夫も考えられます。
あまり知られていない視点として、同じ園内でも樹高や列の位置により、雨風の当たり方と発病程度が変わることがあります。樹冠上部や防風林から離れた外周列は、雨風に直接さらされる時間が長く、病斑数が多くなる傾向があるため、そうした場所だけ散布量をやや増やしたり、散布頻度を高める「ゾーニング防除」を実践すると、全体の薬剤量を増やさずに重点的な防除が可能になります。
さらに、研究機関では樹冠を流下する雨水中の病原細菌量を測定し、そのデータをもとに薬剤効果や発生リスクを評価する試みも行われており、将来的には雨量計や簡易センサーと連動した「見える化防除」が現場でも応用される可能性があります。 現時点でも、天気予報・アメダスデータ・自園の雨量計を組み合わせ、「雨量が一定以上になったら防除を前倒しする」「雨が少なければ次回散布を遅らせる」といった運用を取り入れることで、経験頼みではない再現性の高い防除体系を構築できます。
カンキツかいよう病の概要と県の防除指針が整理されている資料(病徴写真や防除暦の確認に有用)
愛知県 病害虫図鑑「カンキツかいよう病」
ENSO(エルニーニョ・南方振動)は、太平洋赤道域の海面水温と大気の変動が一体となって起こる現象で、エルニーニョとラニーニャの両局面を含む概念です。
エルニーニョ現象とは、日付変更線付近から南米ペルー沖にかけて海面水温が平年より高い状態が1年程度続くことで、逆に低い状態が続くのがラニーニャ現象です。
この海面水温の偏りが、積乱雲活動や偏西風の流れ、太平洋高気圧などを変化させ、世界各地の気温・降水パターンを大きく変えるため、農業にとっては「遠くの海の話」ではなく直接的な生産要因となります。
エルニーニョが発生すると、西太平洋熱帯域の海面水温が相対的に低くなり、東側で積乱雲活動が活発化、西側では不活発化するため、アジアやオセアニアの広い地域で高温・少雨による干ばつが発生しやすくなります。
参考)https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_003112.html
一方で、南米の一部や米国南部などでは大雨・洪水が増え、同じエルニーニョでも「干ばつに悩む地域」と「豪雨に悩む地域」が同時に生まれるのが特徴です。
参考)http://jppa.or.jp/archive/pdf/70_04_56.pdf
ラニーニャ期にはこのパターンがおおむね逆転し、例えば日本では猛暑や集中豪雨が増える傾向があり、いずれの局面でも農業は天候リスクの直撃を受けやすくなります。
参考)猛暑、大雨、農業被害…… 異常気象をもたらすラニーニャ現象が…
日本に限ってみると、エルニーニョ期の夏は太平洋高気圧の張り出しが弱まり、北日本を中心に低温・多雨・寡照になりやすい一方、冬は西日本で暖冬傾向が出やすいとされています。
参考)https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/kisetutext/28/chapter2.pdf
このため、稲作では登熟期の日照不足や低温による不稔・登熟不良が問題となり、露地野菜では日照不足による生育遅延や病害の発生リスク増加が懸念されます。
参考)https://sd76fc727bf606fb4.jimcontent.com/download/version/1533621710/module/13083605389/name/Kanto_Agrmet_24.pdf
こうしたENSO由来の天候変動は、単年の「当たり外れ」ではなく、統計的にみて確率を押し上げる要因と理解しておくと、営農計画や保険利用の判断にも活かしやすくなります。
参考)https://www.ees.hokudai.ac.jp/kigaku/wp-content/uploads/2022/04/Webabstract202102-30.pdf
気象庁「エルニーニョ/ラニーニャ現象とは」:ENSOの定義と日本への影響の公式な解説。
参考)気象庁
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは - 気象庁
世界レベルで見ると、エルニーニョ年やラニーニャ年には、コメ・小麦・トウモロコシ・大豆など主要穀物の収量に統計的に有意な増減が現れることが、複数の解析から示されています。
たとえばエルニーニョ年には、オーストラリアで降水量が平年を下回って小麦収量が大きく低下する一方、米国ではトウモロコシの収量が低下する地域が広がるなど、地域ごとの影響は決して一様ではありません。
同じ地域でも作物種によって反応が異なり、エルニーニョ年には米国でトウモロコシの収量が低下したのに対し、大豆収量は逆に有意に増加したという結果も示されていて、作物選択がENSOリスク分散の一手になり得ることが分かります。
エルニーニョによる異常気象が顕著な南米では、豪雨による土壌侵食や養分流亡、播種遅延による初期生育不良が、トウモロコシ・大豆の減収要因として報告されています。
参考)1002. エルニーニョによる南部アフリカ干ばつ
逆に、一部の地域ではエルニーニョ年に降雨条件が改善し、コメやトウモロコシの収量が平年より増加したケースもあり、ENSOを「一律に悪者」とみなすのではなく、自地域にとっての典型的なパターンを押さえることが重要です。
参考)トピックス<トピックス一覧<アプリケーションラボ(APL)<…
最近の研究では、エルニーニョの強度や発生位置の違い(中央太平洋型・東太平洋型など)によっても作物収量への影響が変わることが指摘されており、単純な「エルニーニョだから冷夏」という理解から一歩進んだ見方が求められています。
参考)温暖化とエルニーニョ現象・ラニーニャ現象——地球規模の気候変…
また、ENSOと世界穀物市場は連動しやすく、エルニーニョによる干ばつでアジア・オセアニアの穀物生産が下押しされると、輸入国では国際価格上昇を通じて肥料・飼料コストや配合飼料価格に影響が波及します。
この価格変動は日本の畜産農家や養鶏・養豚の経営にも跳ね返り、飼料費比率の高い経営では、ENSO情報を早期に把握し、先物・契約飼料の活用や仕入れタイミングの分散でリスクを軽減することが一つの戦略になり得ます。
参考)https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/mhri/research/pdf/insight/as140528.pdf
さらに、エルニーニョが誘発する干ばつや洪水は、農業だけでなく電力供給(特に水力発電)や輸送インフラにも影響し、結果的に生産コストや出荷リスクを高めるため、農家単独というより地域全体での適応が重要なテーマになりつつあります。
参考)【完全版】エルニーニョ現象とは?仕組み・影響・日本の対策まで…
農業・農村工学会などのレビュー論文では、ENSOと世界主要穀物収量の関係が地図上に整理されており、自分の取引先産地のリスク把握に役立ちます。
エルニーニョ・ラニーニャと世界の作物収量変動
日本の水稲は、エルニーニョ期の冷夏・寡照に弱く、特に登熟期の低温・日照不足は白未熟粒の増加や玄米品質低下、収量減少といった形で現れやすいことが知られています。
冷害年のような極端なケースでなくとも、出穂期前後の低温は不稔の増加、長雨は病害の多発を招き、気象庁や農研機構がエルニーニョ期のリスクとして繰り返し注意喚起しているポイントです。
一方、冬季が暖冬傾向になることで、露地野菜の一部で生育が進みすぎて価格下落を招いたり、果樹の休眠不足や病害虫の越冬率上昇など、やや見えにくい形で経営に響く影響も指摘されています。
畑作では、エルニーニョに伴う日照不足や長雨がジャガイモや豆類の品質低下・病害多発につながる一方、地域によっては夏の高温リスクが相対的に弱まることで熱害が軽減されるケースもあり得ます。
北海道や東北では、冷夏に強い品種の導入や移植・播種時期の前倒し、排水対策の強化などが、エルニーニョ期をにらんだ実務的な対応策として検討されており、農業改良普及センターなどが事例を紹介しています。
参考)https://www.env.go.jp/earth/suishinhi/wise/j/pdf/J98B5210.pdf
気象庁のエルニーニョ監視速報では、日本各地域の季節予報と合わせた解説が提供されており、営農計画を立てるうえで「どの季節に、どの地域が、どんな気温・降水の偏りを受けやすいか」を把握するのに有用です。
参考)気象庁
また、日本の農業は世界のENSOリスクにも間接的にさらされています。南部アフリカや東南アジアでエルニーニョ由来の干ばつが起これば、その地域からの輸入穀物やコーヒーなどの価格が跳ね上がり、日本の消費者と農家の双方に影響が及びます。
実際、南部アフリカの干ばつでは、現地のトウモロコシなどの主食作物が大きな打撃を受けたことが報告されており、将来の気候変動の進行とともにENSOに伴う干ばつリスクがさらに深刻化する可能性が指摘されています。
こうした国際情勢を踏まえると、日本の農業者にとっても、海外産地の動向チェックや輸入依存度の高い資材・飼料の代替策検討が、エルニーニョ期の経営安定に向けた新しい課題になっています。
気象庁「エルニーニョ現象が日本の天候へ影響を及ぼすメカニズム」では、日本付近の気圧配置と気温・降水の偏りが図解されています。
エルニーニョ現象が日本の天候へ影響を及ぼすメカニズム - 気象庁
ENSOリスクに備える第一歩は、エルニーニョ・ラニーニャの発生確率と季節予報を定期的に確認し、自地域の「典型パターン」と照らし合わせて営農計画を修正する習慣を持つことです。
気象庁のENSO監視速報や季節予報、JAMSTECや大学の気候予測情報を組み合わせることで、播種・移植時期の微調整や、冷夏・高温・多雨に備えた品種選択、水管理・排水対策の優先度付けがしやすくなります。
たとえばエルニーニョ発生が高確率と見込まれる年には、冷夏に強い水稲品種の比率を高めたり、日照不足に強い葉物・根菜類を増やすといった「ポートフォリオ的」な作付けが現場で検討されています。
もう一つの重要な適応策が、土づくりと水管理の強化です。世界の研究では、収穫前3か月平均の土壌水分と気温の異常が収量低下と関連しており、特に乾燥・温暖条件でマイナス影響が大きくなることが示されています。
有機物の投入や被覆作物の活用による保水性向上、暗渠排水や畝立て改善による排水性向上は、干ばつ・豪雨どちらの局面でもリスクを下げる「共通基盤」として機能しやすく、ENSOのフェーズに左右されない投資といえます。
さらに、ハウスやトンネルを活用した雨よけ・高温対策、かんがい設備の多目的利用など、施設・インフラを柔軟に使い回す工夫が、極端気象の頻度が増すなかで競争力の差につながりつつあります。
情報面では、気象アプリや農業気象サービスだけでなく、AIを活用した気象リスク予測モデルが、国内外で導入され始めています。
これらのサービスは、ENSO情報や長期予報を背景に、作物ごとの生育ステージと気象リスクを「見える化」し、施肥・防除・潅水のタイミング最適化に役立てることを目指しています。
一方で、モデル予測には不確実性がつきものなので、「予測どおりにいかなかった場合」の代替策もあらかじめ考えておく、いわばシナリオ・プランニング的な発想が重要です。
環境省の研究報告書では、モンスーンアジアにおける温暖化とENSOの植物への影響や農業生産リスクが整理されており、中長期的な適応策の検討に参考になります。
(1)モンスーンアジアにおける温暖化とENSOの植物への影響
ENSOやエルニーニョの影響は、収量や品質だけでなく、労働配分やキャッシュフロー、地域コミュニティの安定にも波及します。
たとえば干ばつや洪水が続けば、補修や再播種、病害虫対策など突発的な作業が増え、繁忙期の労働ピークがさらに尖るため、家族労働に依存する経営ほど「人の疲弊」という見えないコストが積み上がりやすくなります。
また、エルニーニョ年には熱帯地域で内戦発生率が高まったという研究もあり、これは極端気象が社会不安を通じて農産物価格や物流に影響を与える「第2次・第3次の波」が存在することを示唆しています。
経営面では、ENSOリスクを「気象災害保険」「価格変動」「作業負担」の3つに分けて整理し、それぞれに対して手当てを考えると、対策の抜け漏れを減らせます。
具体的には、農業共済・収入保険の活用で収量・価格の下振れをカバーしつつ、エルニーニョ期に高騰しやすい輸入穀物や飼料作物を、自園地の飼料用作物や地域内循環資源に一部置き換えるといった発想が、経営の「体力」を高めます。
さらに、地域内での機械共同利用や作業受委託体制を整えることで、極端気象で作業タイミングが集中したときにも柔軟に対応できるようにしておくことが、結果的にENSOリスクへのレジリエンスを高めることにつながります。
長期的には、地球温暖化が進むことで「スーパーエルニーニョ」の頻度が増す可能性や、ラニーニャが連続して発生する傾向が指摘されており、ENSOを巡るリスク環境そのものが変化しつつあります。
この変化は、現行の品種・作期・水利システムが前提としている「気候の安定性」を揺るがすものであり、農地の配置転換や品種群の入れ替え、灌漑・排水インフラの更新など、数十年スパンでの投資判断も視野に入ってきます。
「遠い海の海面水温」が、自分の田畑の土壌水分や収支計画にどうつながっているのかを言語化し、家族・地域・取引先と共有しておくことが、これからの農業経営にとってどれだけ大きな武器になるでしょうか。