シソ科多年草の種類と育て方!ハーブやグランドカバーで庭を彩る

シソ科の多年草にはどんな種類がある?ハーブやグランドカバーに最適な品種から、植えてはいけない危険な種類まで徹底解説。あなたの庭にぴったりの植物は見つかるでしょうか?
シソ科多年草の活用ポイント
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香りと実用性

ハーブとして料理やアロマに使える種類が豊富です。

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グランドカバー

繁殖力が強く雑草対策や土壌流出防止に役立ちます。

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鑑賞価値

美しい花を長期間咲かせる品種が多く、庭を彩ります。

シソ科の多年草おすすめと特徴

シソ科の植物は世界中に広く分布しており、その多くが独特の四角い茎と対生する葉、そして芳香を持つことが特徴です。ガーデニング家庭菜園において、シソ科の多年草は「植えっぱなしでも育つ丈夫さ」と「実用性の高さ」から非常に人気があります。一度植えれば毎年花や香りを楽しめるコストパフォーマンスの良さも魅力ですが、その繁殖力の強さゆえに管理にはコツが必要です。

 

参考)シソ科の花

ここでは、目的別に厳選したシソ科多年草の品種とその特徴、具体的な活用法について深掘りしていきます。

 

シソ科多年草の人気ハーブ種類と活用法

 

シソ科の植物といえば、まず思い浮かぶのが「ハーブ」です。多くのシソ科ハーブは多年草であり、一度定着すればキッチンの強い味方となります。ここでは特に育てやすく、利用価値の高い種類を紹介します。

 

  • オレガノ(ハナハッカ)

    オレガノは地中海沿岸が原産の多年草で、トマト料理や肉料理に欠かせないスパイスです。高温多湿な日本の夏でも比較的元気に育つ強健さを持ちます。観賞用の「花オレガノ」と呼ばれる品種群もあり、苞(ほう)がピンクやグリーンに色づき、ドライフラワーとしても人気があります。

     

    参考)次の年まで楽しめる! 寒さに強い宿根草のハーブ7選

    • 活用法: 生葉を刻んでパスタソースに、乾燥させてピザのトッピングに。
    • 栽培のコツ: 日当たりと水はけの良い場所を好みます。肥料を与えすぎると香りが弱くなるため、痩せ地気味に育てるのがポイントです。
  • タイム(タチジャコウソウ

    タイムには「コモンタイム」のように立ち上がるタイプと、「クリーピングタイム」のように這うタイプがあります。殺菌作用が強く、風邪の引き始めにハーブティーとして飲まれることもあります。葉が細かく、常緑で冬でも収穫できる点が大きなメリットです。

     

    参考)初心者も簡単に育てやすい人気のハーブ42選|おすすめポイント…

    • 活用法: 魚のムニエルや肉のローストの香り付け、ハーブバス、うがい薬代わり。
    • 栽培のコツ: 蒸れに非常に弱いため、梅雨前には株元の風通しを良くするために思い切った剪定(透かし剪定)が必要です。
  • セージ(ヤクヨウサルビア)

    「長生きしたければ5月にセージを食べよ」という格言があるほど、薬効が高いとされるハーブです。コモンセージが一般的ですが、紫色の葉を持つ「パープルセージ」や、黄色い斑が入る「ゴールデンセージ」など、カラーリーフとしても優秀な品種が揃っています。木質化(茎が木のように硬くなること)しやすく、低木のように扱えます。

    • 活用法: ソーセージやハンバーグの臭み消し、バターソースの風味付け。
    • 栽培のコツ: 株が古くなると乱れやすいため、春先に強剪定を行って樹形を整えると、新芽が元気に育ちます。
  • レモンバーム(メリッサ)

    葉をこするとレモンのような爽やかな香りが広がる、耐寒性のある多年草です。ハーブティーの中でも特に飲みやすく、リラックス効果が高いとされています。ただし、繁殖力が極めて旺盛で、こぼれ種で庭中に広がることもあるため注意が必要です。

    • 活用法: フレッシュハーブティー、サラダのアクセント、入浴剤。
    • 栽培のコツ: 半日陰でも十分に育ちます。花が咲くと葉が硬くなるため、収穫を目的とする場合は花芽が見えたら摘み取りましょう。

    参考リンク:初心者も簡単に育てやすい人気のハーブ42選|おすすめの活用法も紹介
    (上記リンクでは、チェリーセージやタイムなど、初心者でも失敗しにくいハーブの特徴が詳しく解説されています)

    シソ科多年草で日陰も安心なグランドカバー

    庭の管理で最も頭を悩ませるのは雑草対策です。シソ科の多年草には、地面を這うように広がり、緻密なマットを形成して雑草の発生を抑える「グランドカバー」に最適な品種が多く存在します。特に日陰(シェードガーデン)でも育つ種類は貴重です。

     

    • アジュガ(セイヨウキランソウ)

      アジュガは、日陰や湿り気のある場所でも元気に育つ最強のシェードガーデン向けグランドカバーです。春には青紫やピンクの塔のような花を咲かせ、見応えも抜群です。ランナー(匍匐茎)を伸ばして地面を覆い尽くすため、土壌の流出防止にも役立ちます。

       

      参考)初心者でも扱いやすい「アジュガ」! 育て方や注意点を徹底解説…

      • 特徴: 銅葉や斑入り葉など、葉色のバリエーションが豊富(チョコレートチップ、マルチカラーなど)。
      • 注意点: 密度が高くなりすぎると蒸れて「白絹病」などの病気が発生することがあるため、混み合った部分は間引きが必要です。
    • ラミウム(オドリコソウの仲間)

      葉に銀白色や黄色の斑が入る美しい品種が多く、暗い日陰を明るく演出してくれます。アジュガと同様に日陰を好みますが、より繊細な雰囲気を持っています。春から初夏にかけて、ピンクや白、黄色の可愛らしい花を咲かせます。

       

      • 特徴: 寒さに強く、常緑(寒冷地では落葉することもある)で越冬します。
      • 注意点: 夏の直射日光や乾燥に弱いため、落葉樹の下などが適地です。
    • クリーピングタイム(イブキジャコウソウ

      日当たりの良い場所のグランドカバーなら、クリーピングタイムが最適です。踏圧(踏まれること)にもある程度耐性があり、歩くと爽やかな香りが立ち上ります。開花期にはピンク色の花の絨毯となり、圧巻の景色を作り出します。

       

      • 特徴: 乾燥に強く、石垣の間やアプローチの隙間などにも植えられます。
      • 注意点: 蒸れを防ぐため、花後は刈り込みハサミなどで全体を短く刈り込む「刈り戻し」を行うときれいに保てます。
    • グレコマ(カキドオシ)

      丸いコインのような葉に斑が入る品種が流通しており、非常に生育旺盛です。茎が長く伸びて地面を這い、節々から根を下ろして広がります。

       

      • 特徴: 非常に強健で、半日陰から日向まで場所を選ばず育ちます。
      • 注意点: 繁殖力が強すぎて、隣接する花壇に侵入することがあります。レンガなどで仕切りを作ることをおすすめします。
      植物名 適した場所 花期 特徴
      アジュガ 半日陰~日陰 4~5月 湿潤に強い、葉色が美しい​
      ラミウム 半日陰~日陰 5~6月 銀葉が明るい印象を与える
      クリーピングタイム 日向 4~6月 香りが良い、乾燥に強い
      グレコマ 日向~半日陰 4~5月 成長が非常に早い、ハンギングにも向く

      参考リンク:初心者でも扱いやすい「アジュガ」! 育て方や注意点を徹底解説
      (アジュガの品種ごとの特徴や、シェードガーデンでの具体的な活用事例が写真付きで紹介されています)

      シソ科多年草の花が美しい品種と開花時期

      シソ科の植物は「花」の美しさでも評価が高く、イングリッシュガーデンやナチュラルガーデンには欠かせない存在です。特に青や紫系統の花色が豊富で、庭に深みと落ち着きを与えてくれます。開花期が長い品種が多いのも特徴です。

       

      • サルビア・ガラニチカ(メドーセージ)

        濃い青紫色の唇形花(しんけいか)が特徴で、黒いガクとのコントラストが非常に美しい品種です。夏から秋にかけて長期間咲き続け、草丈は1m以上に成長します。地下茎で増えるため、群生させると見事な景観を作ります。

         

        参考)メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)の育て方・栽培方法

        • 魅力: 遠目からでも目を引く鮮やかなブルー。
        • 管理: 終わった花穂をこまめに摘むと、脇芽が出て次々と花を咲かせます。
      • チェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ)

        葉を揉むと甘いフルーツのような香りがします。赤と白のツートンカラー(ホットリップスが有名)や、ピンク、赤など花色が豊富です。春から秋遅くまで、休みなく咲き続ける驚異的な花期の長さが魅力です。

        • 魅力: 丈夫で手間いらず。初心者にも最適。
        • 管理: 枝が暴れやすいので、年に数回、形を整えるように切り戻しを行います。
      • アガスターシェ(アニスヒソップ)

        穂状の花をたくさん立ち上げる姿が美しく、アニスのような甘い香りがします。耐寒性・耐暑性ともに優れた品種(特にハイブリッド種)が増えており、夏の暑い時期でも元気に咲き誇ります。蜂や蝶を呼ぶ蜜源植物としても優秀です。

         

        参考)アガスターシェの育て方・栽培方法

        • 魅力: ボリューム感があり、花壇の後方に植えると立体感が出ます。
      • ネペタ(キャットミント

        ラベンダーに似た優しいブルーの花を咲かせます。本家のラベンダーよりも高温多湿に強く、日本の気候でも育てやすいのが特徴です。葉はシルバーがかっており、花のない時期もカラーリーフとして楽しめます。

         

        参考)カラミンサ・ネペタ【地植え】の育て方|KINCHO園芸

      • モナルダ(タイマツバナ / ベルガモット)

        松明(たいまつ)の炎のようなユニークな形の花を咲かせます。赤、ピンク、紫、白など色鮮やかで、夏の花壇の主役になります。うどんこ病に弱い品種もありますが、最近は耐病性のある改良品種が多く流通しています。

         

        • 魅力: 柑橘系のベルガモットオレンジに似た香りがあり、ポプリやティーにも利用されます。

        参考リンク:ダンギクとは|育て方がわかる植物図鑑
        (シソ科の多年草の中でも、秋に美しい花を咲かせるダンギクの育て方や特徴が詳しく載っています)

        シソ科多年草が雑草化しないための管理と育て方

        シソ科の多年草を育てる上で避けて通れないのが「繁殖力の制御」です。ネット上では「ミントテロ」という言葉があるほど、一部のシソ科植物は爆発的に増え、他の植物を駆逐してしまう恐れがあります。美しい庭を維持するためには、植える前からの対策と適切な管理が不可欠です。

         

        参考)https://www.shuminoengei.jp/?m=pcamp;a=page_qa_detailamp;target_c_qa_id=45737

        • 地下茎(地下茎)で増えるタイプへの対策

          ミント類、ドクダミ(シソ科ではないが同様の増え方)、一部のサルビアなどは、地下茎を伸ばして予期せぬ場所から芽を出します。

           

          • 鉢植えにする: 地面には直接植えず、鉢やプランターで管理するのが最も安全です。
          • 根止め(枠埋め込み): 地植えにする場合は、底の抜けたバケツや、波板、専用の根止めシートを深く(30cm以上)埋め込み、その中に植えます。それでも乗り越えて逃げ出すことがあるため、定期的な見回りは必要です。
        • こぼれ種で増えるタイプへの対策

          シソ(大葉)、レモンバーム、アガスターシェなどは、種を飛ばして増えます。シソは一年草ですが、こぼれ種で毎年同じ場所から生えてくるため、実質的に多年草のような感覚で付き合うことになります。

           

          参考)大葉(シソ)は植えてはいけないの?失敗しない育て方と収穫方法…

          • 花殻摘み: 種ができる前に花をカットします。これが最も確実な方法です。
          • 芽かき: 春先に不要な場所から出た芽は、小さいうちに抜き取ります。シソ科の幼苗は抜きやすいものが多いですが、大きくなると根が張り、抜くのが大変になります。
        • 交雑(こうざつ)のリスク

          特にミント類は、異なる品種を近くに植えると容易に交雑し、香りが変質したり、質の悪い雑種が生まれたりします。

           

          • 距離を離す: 異なる種類のミントを植える場合は、物理的に距離を離すか、鉢植えにして場所を隔てる必要があります。
        • 剪定と更新

          多年草とはいえ、数年経つと株元が木質化してスカスカになったり、勢いが衰えたりします。

           

          • 切り戻し: 梅雨入り前や花後に、株の半分~3分の1程度まで切り戻すことで、蒸れを防ぎ、新しい芽の発生を促します。
          • 株分け・挿し木: 3~4年に一度は株を掘り上げて株分けを行うか、挿し木(挿し芽)で新しい苗を作って更新(リフレッシュ)すると、美しい姿を保てます。​

          参考リンク:【26種】雑草の種類がひと目でわかる!再び生えるのを防ぐ方法
          (意図せず増えてしまった植物を雑草として処理する際の判断基準や、根絶するための具体的な方法が解説されています)

          シソ科多年草と相性の良いコンパニオンプランツ効果

          シソ科の植物は、単に観賞用や食用としてだけでなく、他の植物の成長を助けたり、病害虫を防いだりする「コンパニオンプランツ(共栄作物)」としても非常に優秀です。この視点は、検索上位の記事ではあまり深く触れられていない、農業的なメリットの大きい活用法です。

           

          • 虫除け(バンカープランツ・忌避植物)としての効果

            シソ科特有の強い香りの成分(メントール、チモール、リナロールなど)は、多くのアブラムシや青虫、ハダニなどの害虫が嫌う傾向にあります。

             

            • セージ × アブラナ科(キャベツ・ブロッコリー):

              セージをキャベツの近くに植えると、モンシロチョウ(青虫の親)が寄り付きにくくなると言われています。

               

            • ローズマリー × マメ科・ニンジン:

              ローズマリーの強い香りは、ニンジンを好むキアゲハや、マメ科につく害虫を撹乱させる効果が期待できます。

               

            • ミント × アブラムシ対策:

              ミント類はアブラムシを寄せ付けない効果があるとされますが、逆にミント自体にアブラムシがつくこともあります。しかし、これは「おとり」として機能し、メインの野菜を守る役割を果たすこともあります。

               

          • 受粉を助ける(ポリネーターフレンドリー)

            シソ科の花は、ミツバチやマルハナバチなどの送粉昆虫(ポリネーター)を強く引き寄せます。

             

            参考)スーパーサルビア ロックンロールの育て方

            • 果菜類(ナス、トマト、イチゴなど)の近くに:

              ボリジ(ムラサキ科だが性質が近い)や、ベルガモット、アガスターシェなどを菜園の脇に植えておくと、ハチが集まりやすくなり、野菜の受粉率が向上し、実つきが良くなる効果が期待できます。

               

          • 風味を良くする相互作用

            科学的なメカニズムが完全に解明されているわけではありませんが、経験則として特定のハーブが野菜の風味を増すとされています。

             

            • バジル × トマト:

              これは最も有名な組み合わせです。バジル(多くは一年草扱いですが、アフリカンブルーバジルなどの多年草品種もあります)はトマトの水分調整を助け、風味を良くすると言われています。

               

            • ビーバーム(ベルガモット) × トマト:

              根から分泌される成分が、土壌微生物のバランスを整え、トマトの生育を助けるという説があります。

               

            シソ科多年草を単なる「植栽」としてだけでなく、「畑のガードマン」や「サポーター」として配置することで、農薬の使用を減らした環境に優しいガーデニングが可能になります。ただし、前述の通り繁殖力が強いため、野菜の根域を侵食しないよう、根止めをするかポット植えのまま土に埋めるなどの工夫をして共生させることが重要です。

             

             


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