オンシツツヤコバチ価格と効果的な使用方法

施設栽培でオンシツコナジラミを防除するオンシツツヤコバチの価格は約7,000円~9,000円台が相場です。農薬散布と比べて労働時間やコストはどう変わるのでしょうか?

オンシツツヤコバチ価格と適切な使用法

価格が安いからと発生初期を逃すと、1シーズン3万円以上の追加コストが発生します。


この記事のポイント
💰
オンシツツヤコバチの相場価格

100カード入りで約7,590円~9,295円が市場価格帯です

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コストと労働時間の削減効果

農薬散布と比較して防除作業時間が約40%削減できます

⚠️
失敗を避ける導入タイミング

黄色粘着紙で成虫を週3~5匹確認した時点が放飼開始の目安です


オンシツツヤコバチ製剤の価格帯と製品比較


施設栽培オンシツコナジラミ防除に使われるオンシツツヤコバチ製剤には、主に「ツヤトップ25」と「エンストリップ」の2種類があります。ツヤトップ25は100カード入りで8,450円~9,295円(税込)の価格帯となっており、1カードあたり羽化雌成虫が25頭出現するよう調整されています。一方、エンストリップは50カード入りで7,590円(税込)という価格設定です。


これらの価格差は、1カードあたりの天敵数や製品形態の違いによるものです。ツヤトップ25は1カードあたりの羽化成虫数が保証されており、計画的な放飼がしやすい特徴があります。エンストリップは50カード入りと小規模な面積に対応しやすい製品構成になっています。


製品選択の際には、栽培面積や放飼計画に応じて適切なものを選ぶことが重要です。施設面積が10aの場合、25株あたり1枚のカードを7日間隔で4回放飼するのが基本となるため、必要枚数を事前に計算しておくと無駄な出費を抑えられます。


つまり計画的な購入が基本です。


オンシツツヤコバチは生物農薬のため、購入後はすぐに使用する必要があります。常温輸送では死亡個体が増えるため、クール便での配送が推奨されており、配送コストも考慮した予算設定が求められます。


アグリセクトオンラインストアのツヤトップ25製品ページでは、製品の詳細な仕様と使用方法が確認できます。


オンシツツヤコバチ導入による費用対効果の実態

施設トマト栽培におけるオンシツツヤコバチ導入の費用対効果について、神奈川県農業試験場の調査データが興味深い結果を示しています。定植時から収穫終了時までの全防除作業時間(天敵放飼作業4回+薬剤散布作業2回)を試算すると、オンシツツヤコバチ剤を利用した場合は10.07時間であったのに対し、従来の薬剤散布のみの防除では約17時間を要していました。


労働時間を時給750円で換算し農薬代と合算して試算すると、従来の化学農薬による防除体系では10aあたり約15,000円のコストがかかります。一方、オンシツツヤコバチを利用した防除体系では、天敵製剤の購入費用が約9,000円、補助的な薬剤散布費用が約2,000円、労働費が約7,500円で、合計約18,500円となります。


この数字だけを見ると天敵利用の方が高く見えますが、実際には防除失敗による損失リスクが大幅に減少します。化学農薬のみの防除では薬剤抵抗性の発達により防除効果が低下し、再散布や追加防除が必要になるケースが多発しています。そうなると追加コストは1シーズンで3万円を超えることも珍しくありません。


さらに、マルハナバチとの併用による受粉作業の省力化効果も見逃せません。受粉作業を人力で行う場合、10aあたり年間約80時間を要しますが、マルハナバチ導入でこれがゼロになります。オンシツツヤコバチはマルハナバチと併用可能なため、総合的な労働時間削減効果は極めて大きいと言えます。


費用対効果が高いですね。


日本生物防除協議会の労働科学的調査報告(PDF)では、オンシツツヤコバチ利用による作業体系の詳細なデータが公開されています。


オンシツツヤコバチ放飼タイミングと密度管理のコツ

オンシツツヤコバチの導入で最も重要なのが放飼タイミングの見極めです。栃木県の実証事例では、コナジラミの発生がない、あるいは極端な低密度での放飼は無駄であることが明らかになっています。10回の放飼を行ったにもかかわらずマミー(寄生蛹)が全く発見されなかった失敗事例も報告されています。


最適な放飼タイミングは、黄色粘着紙を使ったモニタリングで判断します。施設内に黄色粘着紙を設置し、1週間あたり3~5匹の成虫が捕獲された時点が放飼開始の目安です。または、葉裏を観察して幼虫と蛹の合計が葉あたり2匹程度確認された段階が適切とされています。


この密度が放飼開始時の上限と考えられており、これを超えて密度が高くなってからの放飼では十分な効果が得られません。実際、小山市の展示圃では第1回放飼時に黄色粘着紙で5日間平均5匹という「やや多い」状態でスタートし、マミー化率が62%に達するまで我慢を強いられるギリギリの状況でした。


早期発見が成功の鍵です。


放飼回数は基本的に7日間隔で4回が標準ですが、施設の状況やコナジラミの発生状況に応じて調整します。入口部分や奥の一部など局所的に多発している場所には、2回目以降の放飼で重点的にカードを配置すると効果的です。


モニタリング方式を採用することで、無駄な放飼を避けコスト削減にもつながります。黄色粘着紙は10aあたり5~10枚を施設内に均等に配置し、週1回の確認を習慣化すると良いでしょう。


オンシツツヤコバチが効かない温度条件と失敗事例

オンシツツヤコバチの防除効果には温度条件が大きく関係しており、最適活動温度は20~25℃とされています。発育零点は約13℃で、これ以下の温度では活動が著しく低下します。10℃以下では羽化率が低下し、産卵寄生率も大幅に下がるため、冬季の低温期には効果が期待できません。


一方、夏季の高温期も問題となります。28℃を超える環境ではオンシツツヤコバチの活動が鈍くなる一方、オンシツコナジラミの増殖スピードは加速します。栃木県の夏秋トマト圃場では、周辺圃場からの飛び込みと高温が重なり、ツヤコバチの寄生率が30%の段階で調査を中止し殺虫剤散布に切り替えざるを得なかった事例があります。


特に注意が必要なのは冬春トマトから夏秋トマトへの切り替え時期です。収穫末期や収穫後の圃場からコナジラミが大量に飛び込み、急増するケースが多発しています。このような場合、寒冷紗でコナジラミの侵入を防止するか、周辺圃場も含めて全体を天敵で防除する対策が必要です。


温度管理が決め手ですね。


失敗の多い別のパターンとして、導入タイミングの遅れがあります。全国的に最も多い失敗事例は、トマトの下段で黒色マミーは沢山できたが、上段でコナジラミの成虫や卵が増え続けて防除に失敗するケースです。これは天敵の増殖スピードよりも害虫の増殖スピードが上回ってしまった結果で、早期導入の重要性を示しています。


温度管理では、施設内の温度を極力20~25℃に保つよう換気や暖房を調整することが推奨されます。温度計を複数箇所に設置し、局所的な高温・低温スポットが発生していないか確認することも効果的です。


オンシツツヤコバチと農薬の併用可能性と注意点

オンシツツヤコバチを導入した施設では、使用できる農薬が大きく制限されます。天敵に影響の大きい薬剤を散布すると、せっかく放飼したツヤコバチが死滅し、投資が無駄になってしまいます。栃木県の失敗事例では、放飼前にスプラサイド(殺虫剤)を散布した結果、寄生率がゼロとなったケースが複数報告されています。


天敵に影響が少ない農薬として、オレイン酸ナトリウム液剤(オレート)、ピリダベン水和剤(サンマイト)、ルフェヌロン含有剤(マッチ乳剤)などが知られています。これらは選択的殺虫剤と呼ばれ、コナジラミ以外の害虫(アブラムシハダニなど)が発生した際の対応に使用できます。


ただし、「影響が少ない」とされる薬剤でも、直接天敵に散布すれば影響が出ます。そのため、オンシツツヤコバチの放飼前後の薬剤散布は避け、やむを得ず使用する場合はスポット散布(局所的な散布)に留めることが推奨されます。放飼後は最低でも7日間は農薬散布を控えるのが基本です。


定植前の害虫防除には残効期間の短い薬剤を選ぶことも重要です。定植時にアブラムシやアザミウマの防除を行う場合、残効期間が短い薬剤であれば散布後短期間でオンシツツヤコバチやマルハナバチを導入できます。


農薬選びが重要です。


オンシツコナジラミが多発生している場合は、まず天敵に影響の少ない農薬でコナジラミの密度を下げてから放飼する戦略が有効です。初期密度を下げることで、天敵が定着しやすくなり、その後の防除効果が安定します。


施設内でマルハナバチを併用している場合は、マルハナバチへの影響も考慮した薬剤選択が必要です。マルハナバチは薬剤に極めて敏感で、散布時には巣箱を一時的に施設外に出し、薬液が完全に乾いてから活動させる配慮が求められます。


アリスタライフサイエンスの農薬ガイドでは、オンシツツヤコバチに対する各種散布剤の影響評価データが詳しく解説されています。


オンシツツヤコバチ導入を成功させる独自の現場工夫

実際の栽培現場では、基本的な使用方法に加えて、生産者独自の工夫が成功率を高めています。まず重要なのが寒冷紗の設置による物理的防除との組み合わせです。特に夏秋トマトや冬春トマト生産団地の一角で栽培する場合、周辺圃場からのコナジラミ飛び込みが最大のリスクとなります。サイドに寒冷紗を張ることで、外部からの侵入を大幅に減らし、天敵の防除効果を最大化できます。


次に、マミーカードの設置位置の最適化です。標準的には作物の株上にカードを吊り下げますが、コナジラミは葉裏に産卵するため、葉の近くにカードを配置する方が羽化した天敵がすぐに寄生行動を開始できます。また、施設の入口付近や風通しの良い場所は密度が高くなりやすいため、これらの場所には多めにカードを配置する重点配置が効果的です。


マミーの確認方法も重要なスキルです。寄生されたコナジラミの蛹は、最初は黄色から徐々に黒色に変化します。この黒色マミーが葉裏に増えてくれば、天敵が定着し増殖している証拠です。定期的に葉裏を観察し、マミー化率(全蛹数のうちマミーの割合)を記録することで、追加放飼の必要性を判断できます。マミー化率が50%を超えれば良好な状態です。


羽化率の確認も見逃せません。購入したマミーカードから実際に何頭の天敵が羽化するかは、輸送条件や保管状態に左右されます。常温輸送で死亡個体が多数発生した失敗事例もあるため、製品到着後にサンプルカードを観察し、羽化状況を確認することが推奨されます。羽化率が極端に低い場合は、メーカーに連絡して対応を求めるべきです。


越冬させた天敵を次作につなぐ工夫も、コスト削減に有効です。冬春トマトで導入した天敵が施設内で越冬し、夏秋トマトでも活動を続ければ、追加購入の回数を減らせます。ただし、これには施設内に常にコナジラミの低密度発生を維持する必要があり、完全な無発生状態にしないことがポイントとなります。バンカープランツ(天敵の増殖用植物)を施設内に配置する手法も一部で試されています。


高齢の栽培者には、黄色粘着紙のコナジラミを数えることに抵抗がある場合もあります。そのような場合は、「粘着紙1枚に虫が5匹以上見えたら放飼開始」といった簡易な判断基準を設定すると、導入のハードルが下がります。正確なカウントよりも、継続的なモニタリング習慣の方が重要です。


複数の害虫が同時発生した場合の対応も、現場の悩みどころです。オンシツコナジラミ以外にハスモンヨトウマメハモグリバエが発生すると、天敵だけでは対応しきれません。このような場合、影響の少ない選択的殺虫剤での局所防除や、物理的防除(害虫の手取り除去、被害葉の除去)を組み合わせることで、天敵を維持しながら総合的な防除を実現できます。


現場の応用力が試されますね。




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