天敵製剤と農薬の併用で効果的な害虫防除を実現する方法

天敵製剤は生きた昆虫やダニを利用した生物農薬で、化学農薬との併用で害虫防除効果を高められます。コストや使い方、化学農薬との相性など、導入前に知っておくべき情報を詳しく解説します。農薬費を抑えながら効果的な防除を実現できるのでしょうか?

天敵製剤と農薬の適切な併用方法

天敵製剤を放飼した当日に化学農薬を散布すると効果がゼロになります。


この記事の3つのポイント
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天敵製剤は生物農薬として農薬登録されている

昆虫やダニなど生きた生物を活用し、害虫を捕食または寄生させることで防除する製剤です。化学農薬と異なり、薬剤抵抗性が発生しにくい特徴があります。

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化学農薬との併用には影響日数の確認が必須

合成ピレスロイド剤や有機リン剤は天敵への影響が2~3ヵ月続くため、放飼前の使用は避ける必要があります。天敵に影響の少ない薬剤を選定することが重要です。

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導入コストは10アールあたり1~2万円が目安

製剤1本が1万円台後半で、10アールに1~2本必要です。化学農薬より1回あたりの費用は高いものの、散布回数を削減できるため年間コストは抑えられる可能性があります。


天敵製剤の基本的な特徴と農薬登録制度


天敵製剤とは、害虫を捕食したり寄生したりする昆虫やダニなどの生物を、農薬登録制度に従って製剤化したものです。農薬取締法において生物農薬として農薬とみなされており、製造や輸入には農林水産大臣の登録が必要になります。


製剤化されている主な天敵生物としては、ハダニ類を捕食するチリカブリダニやミヤコカブリダニ、アザミウマ類を対象とするスワルスキーカブリダニやククメリスカブリダニ、アブラムシ類に寄生するコレマンアブラバチなどがあります。これらの天敵は自然界にもともと存在する生物を探索し、大量増殖して製品化したものです。


天敵製剤の大きな特徴は、作物への残留や土壌・水系の汚染、散布作業者への被曝といった懸念が化学農薬に比べて少ない点です。自然の仕組みを利用しているため環境にやさしく、化学農薬に抵抗性を獲得した害虫に対しても効果を発揮します。


つまり防除効果が高いということですね。


また天敵製剤には散布回数の上限がないため、必要に応じて追加放飼ができます。化学農薬のように使用回数制限がないことで、持続可能な防除暦を計画しやすくなります。


ただし天敵製剤は生きた生物であるため、化学農薬とは異なる管理が求められます。保管温度や湿度条件が適切でないと天敵の生存率が低下し、期待した防除効果が得られなくなるリスクがあります。


アグロカネショウ - 天敵製剤一覧
こちらのページでは登録されている天敵製剤の種類と適用害虫を確認できます。


天敵製剤と化学農薬の影響日数と併用の注意点

天敵製剤を導入する際に最も注意すべき点は、化学農薬との併用における影響日数です。合成ピレスロイド剤や有機リン剤、カーバメート剤は天敵に対して強い影響が長期間継続し、その残効期間は2~3ヵ月程度に及ぶことがあります。


影響の程度は薬剤の種類によって大きく異なります。気門封鎖剤のように天敵への影響が極めて小さく1日程度で消失するものもあれば、中程度の影響で2週間程度残効するもの、大きな影響で1ヵ月程度続くものまで幅広く存在します。どういうことでしょうか?


これは化学農薬の成分が天敵の体内に取り込まれたり、薬剤が付着した葉面を天敵が歩行することで影響を受けたりするためです。例えば合成ピレスロイド剤は接触毒性が強く、微量でも天敵の神経系に作用して死亡させてしまいます。一方で気門封鎖剤は物理的に害虫の呼吸を阻害する仕組みのため、乾燥後は天敵への影響がほとんどありません。


天敵製剤の放飼前には、圃場内の害虫密度をできる限りゼロに近づけることが重要です。このとき使用する化学農薬は、天敵への影響が小さく、かつ影響日数が短いものを選ぶ必要があります。放飼予定日から逆算して、影響日数が経過した後に放飼するスケジュールを組みます。


放飼後も害虫が発生した場合、部分散布を行うか、天敵に影響の少ない選択性殺虫剤を使用します。全面散布が必要な場合は、天敵への影響を最小限に抑える薬剤を選定し、散布のタイミングを工夫することが求められます。


展着剤にも注意が必要です。機能性展着剤の中には天敵に影響を与えるものがあるため、使用前に必ず影響の有無を確認してください。影響日数が長い展着剤を使用すると、せっかく放飼した天敵が死滅してしまう恐れがあります。


日本生物防除協議会 - 天敵等に対する農薬の影響目安の一覧表
こちらでは各種農薬の天敵への影響日数を検索できます。


天敵製剤の適用害虫別の種類と使い分け

天敵製剤は対象とする害虫の種類によって使い分ける必要があります。ハダニ類に対してはチリカブリダニ剤やミヤコカブリダニ剤が効果的で、これらは捕食性のカブリダニがハダニの成虫、若虫、幼虫、卵を次々と捕食して防除します。


チリカブリダニは活動可能温度が15~30℃、ミヤコカブリダニは12~35℃と若干異なります。ミヤコカブリダニはナミハダニカンザワハダニのほか、ミカンハダニなど幅広い種類のハダニ類を捕食する特徴があります。またアザミウマ類の幼虫も捕食するため、複合的な害虫防除が可能です。


アザミウマ類に対してはスワルスキーカブリダニ剤やククメリスカブリダニ剤、タイリクヒメハナカメムシ剤などが使用されます。スワルスキーカブリダニは活動温度が17~30℃で相対湿度60%以上の条件を好み、夜温が15℃を下回る作型では十分に定着できず効果が劣ることがあります。


これは使えそうです。


興味深いのは、スワルスキーカブリダニがアザミウマ類だけでなくコ




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