ピレスロイド 農薬? 作用機構 安全性 抵抗性 管理

ピレスロイド系農薬の作用機構と安全性の考え方、魚毒性など現場での注意点、抵抗性を防ぐ使い方までを農業従事者向けに整理します。散布前に何を確認すべきでしょうか?

ピレスロイド 農薬?

ピレスロイド系農薬の要点
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作用機構の基本

ナトリウムチャネルに作用する「IRAC 3A」の殺虫剤として整理すると、薬剤選びと輪番が一気に楽になります。

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水生生物への注意

人畜への安全性の話と、魚・甲殻類への強い影響は別問題。水系・排水・飛散の管理が最重要です。

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抵抗性管理の考え方

同系統の連用を避け、ローテーション(輪番)と「世代・時期ブロック」を意識すると効きが長持ちします。

ピレスロイド 農薬? 作用機構 ナトリウムチャネル


ピレスロイド系(合成ピレスロイド/ピレトリン系を含む)は、昆虫の神経のナトリウムチャネルに作用して興奮を持続させ、ノックダウンから致死へつなげるタイプの殺虫剤として整理されます。IRAC(作用機構分類)では「3A(ピレスロイド系・ピレトリン系)」に位置づけられ、現場では“商品名が違っても3Aは同じ系統”と考えるのが抵抗性対策の基本です。
この「系統で考える」癖が付くと、同じ圃場で“効いたから次も同じ”を繰り返してしまう事故が減ります(効き方の速さ・残効の印象に引っ張られず、作用機構コードで整理できるため)。
また、同じピレスロイドでも製剤・使い方で体感が変わりやすく、接触中心で効かせる設計のものや、土壌害虫向けにガス効果(揮散性)まで組み合わせている例もあります。例えばテフルトリン粒剤は「接触効果+ガス化」の説明がされており、土壌中の害虫に速効的に届かせる狙いが読み取れます。

ピレスロイド 農薬? 安全性 人畜 代謝

ピレスロイドは「虫には効くのに、人畜では比較的安全性が高い」と語られることが多く、その理由として“哺乳類では代謝・分解(解毒)が比較的速い”という説明が一般向けにも示されています。
ただし、農業現場で重要なのは「安全性が高い=雑に扱ってよい」ではない点です。ラベル(適用・希釈・回数・収穫前日数)を守るのは当然として、作業者のばく露(皮膚・吸入)を減らす装備と動線が、体感トラブル(皮膚刺激、気分不良など)の予防に効きます。SDSには水生生物毒性などの強い注意喚起が載る製品もあり、リスクは“経口急性毒性だけ”で判断しない方が安全です。
「意外と見落とされがち」なのは、散布直後よりも“片付け・洗浄・廃液”です。散布者が最も濃い薬液に触れやすいのは、調製、噴口の掃除、タンクの排液処理なので、ここを標準作業に落とし込むだけで事故率が下がります(特に小規模現場ほど属人化しやすい工程です)。

ピレスロイド 農薬? 魚毒性 水生生物 注意

ピレスロイド系は実験室試験で魚類・水生節足動物・ミツバチに毒性を示すことが指摘されており、特に水系への流入回避が重要だと整理できます。
現場では「水田・用水・排水路・ため池・養殖池・雨水桝・側溝」など“水が集まる場所”を起点に、飛散・流亡・洗浄水の流入をどう止めるかがポイントになります。各県の資料でも、魚類に強い影響のおそれがあるため河川・湖沼などに飛散流入しないよう注意する、といった注意書きが具体的に示されています。
ここは誤解が起きやすく、「環境中での残留性がない(または少ない)なら大丈夫」と短絡しがちです。しかし“水生生物に対しては微量でも影響が出やすい”という性質と、“流入した瞬間の濃度ピーク”が問題になるケースがあるため、散布当日の降雨予報、排水の開閉、洗浄場所の固定化が実務として効きます。
参考:IRAC分類で「3A(ピレスロイド系・ピレトリン系)」の位置づけ(抵抗性管理の前提)
IRAC 作用機構分類体系(日本語PDF)
参考:農業害虫の薬剤抵抗性管理(ローテーション、選択圧、IPM、注意点の考え方)
薬剤抵抗性農業害虫管理のためのガイドライン案(農研機構PDF)

ピレスロイド 農薬? 抵抗性 管理 ローテーション

ピレスロイド(3A)は歴史が長く、有効な場面も多い一方で、連用により抵抗性が問題化した事例が多い系統としても知られます。農研機構のガイドライン案でも、抵抗性管理の基本として「作用が異なる複数の薬剤を順番に散布するローテーション(輪番)」が整理され、選択圧(同じ作用機構を当て続ける圧力)を緩める考え方が示されています。
実務のコツは「商品名ではなくIRACコードで輪番表を作る」ことです(3A→別コード→別コード→必要なら3Aに戻す、のように“作用機構が違うこと”を条件にする)。
また、ローテーションには“世代”の概念が絡みます。IRACが推奨するブロックローテーション(世代・時期で区切って、隣り合うブロックで同系統を避ける)という整理は、栽培暦に落とし込みやすいのが利点です。
「意外な落とし穴」として、濃度を薄めて回数を増やす運用は、抵抗性個体を温存して結果的に抵抗性発達を早める可能性がある、とガイドライン案で明確に注意されています。回数を減らしたいなら、登録どおりの濃度と散布品質(付着ムラ・打ち漏らしの低減)で設計した方が安全です。

ピレスロイド 農薬? 独自視点 付着ムラ 洗浄 排水

検索上位の解説は「作用機構」「安全性」「魚毒性」「抵抗性」でまとまりがちですが、現場の失敗は“散布後の工程”で起きることが少なくありません。具体的には、タンク残液・噴霧器の洗浄水・ノズル掃除の廃液が、最短距離で側溝や排水路に入りやすい点が盲点になります(散布よりも濃い液に触れる/流す可能性がある工程です)。SDSの注意喚起にあるように水生生物毒性の観点では、ここをルール化しておく価値が高いです。
もう一つは“付着ムラ”です。効きが弱いと感じて同じ系統を重ねる前に、ノズル詰まり・圧力低下・葉裏への到達不足・防除適期ズレを点検すると、3Aを無駄撃ちせずに済みます。抵抗性管理の文脈でも、付着ムラ(打ち漏らし)があると生き残りが出て選抜が進む、という考え方が示されており、散布品質は抵抗性対策そのものです。
この2点(排水管理と付着ムラ点検)は、薬剤の種類を増やさずに改善できる“コストの低い対策”なので、小規模経営・兼業・少人数オペレーションほど効きます。




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