苗立枯病は複数の病原菌が関与する病気で、ダコニール1000がすべての病原菌に効果を発揮するわけではありません。育苗期の苗立枯病は、主にリゾープス菌、フザリウム菌、トリコデルマ菌、ピシウム菌などが原因となりますが、ダコニールの効果は病原菌の種類によって大きく異なります。
ダコニール1000は、主要病害であるリゾープス菌に対して高い防除効果を示します。リゾープス菌は高温多湿を好み、白い菌糸が床土表面を覆うほど急激に発病する特徴があります。育苗初期に感染すると発芽や生育が不揃いとなり、被害が拡大しやすい病原菌です。ダコニールはこのリゾープス菌の胞子発芽と胞子形成を強く阻止することで、優れた予防効果を発揮します。
一方で、フザリウム菌やトリコデルマ菌による苗立枯病に対しては、ダコニール1000の効果は限定的です。これらの病原菌が混発する場合や、症状から判断してフザリウム菌が主因と考えられる場合は、ダコレート水和剤など複数の病原菌に対応できる薬剤への切り替えが必要になります。フザリウム菌は紅色のカビ、トリコデルマ菌は青いカビとして目視で確認できる場合があるため、発病した苗の観察が重要です。
さらに重要なのは、ピシウム菌にはダコニール1000が全く効果を示さない点です。ピシウム菌は多湿状態で発生しやすく、非常に早く被害が拡大し薬剤での治療は困難とされています。ピシウム菌が原因と判断される場合は、タチガレエース液剤やタチガレンエース粉剤など、ピシウム菌に有効な専用薬剤を使用する必要があります。
つまりダコニールはリゾープス菌対策です。
病原菌の種類を正しく見極めるためには、発病初期の症状観察が欠かせません。床土表面に白い菌糸が広がっていればリゾープス菌、紅色や青いカビが見えればフザリウム菌やトリコデルマ菌、苗が急激に萎れて倒伏する場合はピシウム菌の可能性が高くなります。発病後に適切な薬剤を選択するよりも、事前に複数の病原菌に対応できる薬剤を組み合わせた予防体制を構築することが、苗立枯病対策の基本となります。
ダコニール1000を苗立枯病防除に使用する場合、作物や病原菌の種類によって希釈倍率と散布タイミングが細かく設定されています。誤った使い方をすると、期待する効果が得られないばかりか、薬害が発生するリスクもあるため、適用表に基づいた正確な使用が求められます。
稲の箱育苗における苗立枯病(リゾープス菌)防除では、500倍から1000倍液を育苗箱(30×60×3cm、使用土壌約5L)1箱あたり500mlの量で土壌灌注します。使用時期は播種時から緑化期までですが、播種14日後までという制限があります。
この期間内に最大2回まで使用可能です。
希釈倍率は床土の状態や病原菌の密度によって調整できますが、濃すぎると薬害のリスクが高まり、薄すぎると防除効果が得られません。
ネギの苗立枯病(リゾクトニア菌)に対しては、出芽揃い後(出芽3日後から10日後まで)に500倍液を0.5L/㎡の量で土壌灌注します。出芽揃い後というタイミングが重要で、発芽が揃う前の散布では効果が不十分になり、遅れると発病のリスクが高まります。ネギの場合は1回のみの使用制限がありますが、散布や無人航空機散布と合わせて合計4回まで使用できます。
トマトやきゅうりなどの果菜類では、播種時または活着後(定植14日後まで)に1000倍液を3L/㎡土壌灌注します。定植時期を過ぎてからの処理では効果が劣ることがあるため、育苗初期からの計画的な防除が必要です。この場合も2回以内という使用回数制限を守る必要があります。
緑化期に使用する場合は特に注意です。
発病後の処理では効果が大きく劣るため、予防的な灌注が基本となります。播種時に処理した場合でも、緑化期に入って病原菌の活動が活発になる前に2回目の処理を検討することが推奨されます。ただし、発病が確認された後の散布では病気のまん延を完全に防ぐことは困難なため、初期の予防散布を徹底することが最も重要です。
希釈液の調製では、ダコニール1000を先に所定の濃度に希釈してから他の薬剤を加える順序を守る必要があります。ストレプトマイシン剤やホセチル剤と混用する場合、順序を誤ると凝集沈殿が発生して効果が失われる可能性があります。また、育苗箱から希釈液が漏出しないように灌注量を守り、周辺の環境汚染を防ぐ配慮も必要です。
ダコニール1000の有効成分であるTPN(クロロタロニル)は、病原菌の生活環の複数の段階で作用する保護殺菌剤です。その作用メカニズムを理解することで、より効果的な使い方や他の薬剤との使い分けができるようになります。
ダコニールは「胞子発芽阻止」と「胞子形成阻止」という2つの作用で高い予防効果を発揮します。病原菌の胞子が植物の表面に付着した段階で、胞子の発芽を阻害することで感染を防ぎます。さらに、仮に一部の菌が侵入したとしても、新たな胞子の形成を抑制することで、二次感染の拡大を防ぎます。この2段階のブロック機能により、病気の発生前から初期にかけて高い防除効果を示すのです。
重要なのは、ダコニールが浸透移行性を持たない保護殺菌剤である点です。浸透移行性とは、薬剤の有効成分が植物体内に吸収されて移行し、内部から病原菌を退治する性質のことです。ダコニールはこの性質を持たないため、散布した部位の表面でのみ効果を発揮します。つまり、すでに植物体内に侵入した病原菌を治療することはできず、あくまで予防的な使用が前提となります。
結論は予防散布が絶対条件です。
耐光性と耐雨性に優れているのもダコニールの特徴です。散布後に紫外線や雨にさらされても有効成分が分解されにくく、病気から植物を守る残効性があります。試験データでは、散布10日後の胞子懸濁液接種でも90以上の防除価を示し、少なくとも10日間の残効が認められています。この長い残効期間により、頻繁な散布を避けながら継続的な防除効果を維持できます。
さらに注目すべきは、ダコニール1000は発売以来、耐性菌の出現事例が報告されていない点です。多くの殺菌剤では、同じ薬剤を連続使用すると薬剤耐性を持つ菌株が出現し、効果が低下する問題が発生します。しかしダコニールは作用点が複数あるため、病原菌が耐性を獲得しにくい構造になっています。このため、ローテーション散布の柱として長期間安定した効果を期待できる薬剤として位置づけられています。
ただし、どれほど優れた保護殺菌剤でも、発病が進んだ状態では防除効果が期待できません。ダコニールの効果を最大限に引き出すには、病気の発生前または発生初期からの予防散布が絶対条件となります。
苗立枯病は発病後の治療が極めて困難な病害で、発生してからでは手遅れとなることが多い特徴があります。この病気の防除では、治療よりも予防に重点を置いた戦略が求められ、ダコニール1000のような保護殺菌剤を活用した事前対策が被害を最小限に抑える鍵となります。
苗立枯病は、発病後に急速に蔓延しがちで防除が遅れると甚大な被害をもたらします。特にピシウム菌による苗立枯病は、多湿状態で発生しやすく非常に早く被害が拡大し、薬剤での治療はほぼ困難とされています。リゾープス菌も高温多湿条件下では白い菌糸が床土表面を覆うほど急激に発病し、一度発生すると育苗箱全体に広がる速度が非常に速いのです。
発病後の治療が難しい理由は、病原菌がすでに苗の体内に侵入して組織を破壊しているためです。地際部が細くなって倒伏したり、根が褐変して枯死したりする症状が見えた段階では、すでに病原菌が組織の深部まで達しています。保護殺菌剤であるダコニールは植物体内に浸透しないため、この段階では効果を発揮できません。治療効果のあるベンレート水和剤などを使用したとしても、病勢が進んだ状態では回復は期待できず、株ごと処分するか周辺への拡大防止に努めるしかありません。
予防が最も重要です。
播種前の種子消毒が予防の第一歩となります。種子表面に付着している病原菌を除去するため、温湯消毒や薬剤消毒を実施します。塩水選により充実した種子だけを選別することで、感染リスクの高い不良種子を排除できます。床土のpHは4.5から5.5に調整し、病原菌の活動を抑制する環境を整えます。育苗用土は未使用のものを使用し、前年度の残土を再利用する場合は必ず土壌消毒を行います。
播種後は、ダコニール1000による予防的灌注が効果的です。播種時から緑化期(播種14日後まで)の間に500倍から1000倍液を灌注することで、リゾープス菌の胞子発芽を阻止し、発病を未然に防ぎます。発病前の予防的処理であれば、ダコニールの保護作用が十分に機能し、高い防除効果を発揮します。緑化期に使用する場合は、発病後の処理では効果が劣ることがあるため、早めの対応が重要です。
育苗管理では、厚播きを避けて適切な播種密度を保ち、通気性を確保します。水分管理では過剰な灌水を避け、床土表面が常に湿っている状態を避けます。窒素肥料の過多も苗立枯病の発生を助長するため、追肥のタイミングと量に注意が必要です。育苗ハウスの換気を適切に行い、高温多湿の環境を避けることで、病原菌の活動を抑制できます。
苗立枯病の防除では、病原菌の種類や発生状況に応じて複数の殺菌剤を使い分けることが効果的です。ダコニール1000だけでは対応できない病原菌も存在するため、他の薬剤との適切な併用や切り替えが、総合的な防除効果を高める鍵となります。
ダコニール1000とダコレート水和剤の使い分けは、防除対象となる病原菌の範囲によって判断します。ダコニール1000はリゾープス菌に高い効果を示しますが、フザリウム菌やトリコデルマ菌への効果は限定的です。一方、ダコレート水和剤はリゾープス菌に加えて、フザリウム菌(紅色カビ)やトリコデルマ菌(青いカビ)が混発する場合にも対応できます。複数の病原菌が関与している圃場では、ダコレート水和剤の方が広範囲の防除効果を期待できます。
ピシウム菌対策では、ダコニールやダコレートではなく、ピシウム菌に有効な専用薬剤の使用が必須です。タチガレエースM液剤やタチガレエース粉剤は、ピシウム菌、フザリウム菌による苗立枯病に効果を示します。播種時または発芽後の処理により、土壌中のピシウム菌の密度を低下させることができます。ダコニール1000でリゾープス菌を抑え、タチガレエース類でピシウム菌を抑える併用処理が、複合的な病原菌対策として推奨されます。
ベンレート水和剤は浸透移行性を持ち、予防と治療の両方に使える万能型の殺菌剤です。うどんこ病や灰色かび病など多くの病害に効果を発揮し、苗立枯病にも登録があります。ダコニールが保護殺菌剤であるのに対し、ベンレートは治療効果も持つため、発病初期の対応に有効です。ただし、ベンレートは連続使用により薬剤耐性菌が発生しやすいという欠点があるため、ダコニールとのローテーション散布が推奨されます。
農薬のローテーション散布が大切です。
混用する際の注意点として、ダコニール1000を先に所定の濃度に希釈してから他の剤を加える順序を守る必要があります。ストレプトマイシン剤やホセチル剤と混用する場合、順序を誤ると凝集沈殿が発生して効果が失われます。また、ダコレート水和剤とタチガレエース液剤の同時灌注は薬害のため実施できません。一方、タチガレエース液剤とダコニール1000の同時灌注は可能とされており、複合的な病原菌対策として有効です。
薬剤の使用回数制限も考慮する必要があります。稲の箱育苗では、ダコニール1000は2回以内、TPN(クロロタロニル)を含む農薬全体でも2回以内という制限があります。ネギでは土壌灌注が1回以内、散布や無人航空機散布と合わせて合計4回以内です。これらの制限内で最大の効果を得るためには、病原菌の種類と発生リスクを正確に評価し、適切な薬剤を適切なタイミングで使用する計画的な防除体系の構築が求められます。
クミアイ化学工業のダコニール1000製品情報では、詳細な適用表と使用上の注意事項が確認できます。
住友化学i-農力のダコニール1000詳細情報には、作物別の希釈倍率や使用方法が網羅的に掲載されています。

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