窒素肥料おすすめの筆頭に挙がりやすいのが尿素です。尿素は窒素を約46%含む高濃度の窒素肥料で、リン酸・カリを含まない単肥なので「窒素だけ追加したい」場面で設計がシンプルになります。特に追肥で、葉色を戻したい・茎葉の伸びを作りたい局面に合わせやすいのが強みです。
一方で、尿素は“便利=安全”ではありません。尿素は速効性で、窒素量の設計を間違えると窒素過多に振れやすいと説明されています。さらに、尿素はアンモニアガスが発生しやすい性質があるため、散布後に雨が期待できない条件や、地表に置き肥のまま放置する条件ではロスとトラブルの原因になりやすい点を意識してください。
参考:尿素の窒素含有量(46%)や特性、硫安との違い(酸性化しにくい)
https://www.noukaweb.com/urea-fertilizer/
実務のコツは「一発で当てない」ことです。追肥は分施を基本にして、まずは少なめに入れて葉色・草勢の反応を見ると、過剰施肥のリスクを下げられます。葉面散布という選択肢も紹介されていますが、濃度障害のリスクがあるので、初回は薄め・小面積でテストしてから本圃へ広げるのが無難です。
窒素肥料おすすめとして硫安(硫酸アンモニウム)を推す理由は、「効きが読みやすい速効性」と「窒素濃度が尿素より低めで調整しやすい」点にあります。代表的な窒素含有量は約21%とされ、尿素より必要量は増えますが、その分だけ“少しの誤差が大事故になりにくい”という現場メリットがあります。
注意点は土壌の酸性化です。硫安は生理的酸性肥料で、分解・吸収の過程で硫酸イオンが残り、土壌が酸性化しやすいので石灰等で中和が必要、という説明があります。pHがすでに低い圃場で硫安を多用すると、根張りが鈍ったり、養分吸収が落ちて「肥料を入れているのに効かない」状態に陥りがちです。
ここは“硫安が悪い”ではなく、“土壌診断とセットで使う”が正解です。酸性化が気になる圃場では、苦土石灰などの矯正資材を同時に検討し、pHと塩基バランスを整えた上で窒素を効かせた方が、結果的に窒素ロスも減ります。
窒素肥料おすすめの中で、少しクセがあるが刺さる場面が多いのが石灰窒素です。石灰窒素は緩効性タイプとして紹介され、アルカリ分を含み、さらに農薬成分シアナミドが含まれる点が特徴です。つまり「肥料」でありながら、使い方次第で“土のリセット”にも寄せられる資材です。
意外と知られていない実務ポイントは、石灰窒素は散布後すぐに播種・定植できないことです。散布後、シアナミドが完全に肥料成分に変わるまで待つ必要があり、春・秋は7〜10日、夏は3〜5日程度あける目安が示されています。ここを守らないと薬害(生育抑制)側に転びます。
参考:散布後に待つ日数の目安(春秋7〜10日、夏3〜5日)
https://www.agri.metro.tokyo.lg.jp/files/R4_dojyousindan.pdf
さらに、石灰窒素は雑草防除や土壌病害虫(例:センチュウ、根こぶ病)対策の文脈で使われることがある、とされています。ここは検索上位でも触れられやすい一方、現場では「いつ・どの目的で・どの程度混和するか」が曖昧になりがちです。肥料として使うのか、土壌処理として使うのかで、作業計画(散布日・耕うん・播種日)が丸ごと変わるので、圃場カレンダーに落としてから動くのが成功率を上げます。
窒素肥料おすすめを“感覚”で選ぶと、最終的に詰まるのは施肥量です。施肥量の基本は、狙う窒素量(kg/10aなど)を、肥料の窒素保証成分量で割って必要量を出す、という考え方が示されています。主な例として、硫安は21%、尿素は46%が挙げられています。
計算イメージを、分かりやすく表で置きます(10aあたり、目標窒素量をN=5kgと仮定)。
| 肥料 | 窒素成分の目安 | 必要量の計算 | 10aあたり必要量(目安) |
|---|---|---|---|
| 尿素 | 46% | 5 ÷ 0.46 | 約10.9kg |
| 硫安 | 21% | 5 ÷ 0.21 | 約23.8kg |
ここで重要なのは、計算で出した量を「いつ入れるか」です。CECが小さい砂質寄りの圃場や、雨の多い時期は、同じ総量でも分施にした方が吸収効率が上がりやすく、肥やけや流亡のリスクも下がります。逆に、施設で塩類が溜まりやすい圃場は、総量以前にECと硝酸態窒素を見て減肥判断をするのが安全です。
窒素肥料おすすめ記事で見落とされがちですが、実は“おすすめの正解”は肥料名ではなく、土壌診断の数字で毎年更新されます。東京都の土壌診断基準の資料では、作物は主として硝酸態で窒素を吸収し、窒素肥料が多すぎると濃度障害が発生しやすい、肥やけの直接原因は施肥のしすぎが多い、と明記されています。さらに、硝酸態窒素の診断結果が30mg/100gを超えると障害発生のおそれがある、と基準が示されています。
この「30mg/100g」という数値は、現場の意思決定に強い武器になります。例えば、葉色が薄い=窒素不足、と決め打ちして追肥を入れる前に、土壌中の硝酸態窒素が高い圃場だと分かったら、追肥は“正義”ではなく“事故”に変わります。ここが、経験豊富な人ほどハマる落とし穴です(見た目の症状が、根傷み・塩類・水分ストレス由来でも葉色は落ちるため)。
独自視点として提案したいのは、「窒素の議論をpHとECに接続する」運用です。土壌診断資料にはECが1.5mS/cm以上で肥やけの原因になり得ること、ECの数値に応じて施肥量を25%・50%・75%減らす目安が提示されています。つまり、窒素のおすすめを語る前に“その圃場は受け止められる状態か”を確認する方が、結果的に収量・品質・コストの全部が安定します。
参考:硝酸態窒素が30mg/100g超で障害リスク、ECと肥やけ・減肥目安
https://www.agri.metro.tokyo.lg.jp/files/R4_dojyousindan.pdf