春蒔きスナップエンドウ 栽培 時期 支柱 追肥

春蒔きスナップエンドウ栽培の「種まき時期」「土づくり」「支柱・誘引」「追肥」「病害虫」「収穫適期」まで、現場で迷いやすい点を工程順に整理します。春まきで収量と品質を両立するコツを一緒に確認しませんか?

春蒔きスナップエンドウ 栽培

春蒔きスナップエンドウ 栽培の要点
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時期

寒冷地の露地は3月中旬〜4月上旬播種が目安。暑くなる前に収穫へつなげる。

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土づくり

酸性土に弱いのでpHを意識。排水性を上げて立枯病や根腐れを避ける。

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支柱・追肥・防除

つるが伸び始めたら支柱と誘引。追肥は窒素過多=つるぼけに注意し、うどんこ病・アブラムシは早期対応。

春蒔きスナップエンドウ 栽培 時期と播種


春蒔きの最大のポイントは「収穫期を暑さにぶつけない」段取りです。スナップエンドウは冷涼(生育適温15〜20℃)を好み、春まきは気温が上がるほど草勢が落ちたり病害虫が増えたりしやすいので、寒冷地では3月中旬〜4月上旬播種→6月中旬以降に収穫、という流れを基本線にします。特に露地では“早めにまいて早めに獲る”が失敗回避の近道です。
播種の作業は、簡単そうで差が出る工程です。直播の場合は株間25cm程度を目安に1カ所へ3〜5粒まき、発芽後に生育を見て1株あたり概ね3本程度に間引くと、風通しと着莢のバランスが取りやすくなります。つるあり種は主枝が増えやすいので、結果的に「込み合いすぎ→うどんこ病が早い→収穫後半が伸びない」流れになりがちで、間引き防除の一部と捉えると判断が早くなります。


参考)https://ojs.lib.unideb.hu/IJHS/article/download/11054/10079

意外に見落とされるのが、発芽適温と“地温”のズレです。資料では(地温)発芽適温が18〜20℃と整理されており、播種はカレンダーより土の温まり方が優先になります。春先に冷たい圃場へ急いで播くと、発芽が揃わず欠株が出て株間がガタつき、その後の誘引・防除の手間が増えます(播種前にマルチで地温を上げる、または育苗して植え付けにする、など現場の選択肢を用意しておくと安定します)。

春蒔きスナップエンドウ 栽培 土づくりとpH

春まきは短期決戦になりやすい分、初期生育の遅れがそのまま減収に直結します。スナップエンドウは酸性土に弱いので、土壌酸度はpH6.0〜6.5(目安)の範囲を意識し、苦土石灰で矯正する設計が基本です。排水が悪い圃場では根腐れや生育初期の立枯病が出やすいので、高畝などで水はけを先に確保します。
土づくりの現実的な手順としては、「石灰は早め」「堆肥と元肥は播種前に」という順番が作業ミスを減らします。サカタの解説では、種まきの2週間以上前に苦土石灰(1平方メートル当たり150〜200g)を散布して耕し、1週間以上前に完熟堆肥(約1.5kg/平方メートル)や化成肥料などを入れて耕す、と具体量まで示されています。プロ圃場では土壌診断に合わせて調整しますが、目安量があるだけで新人の作業がブレにくく、結果として初期の揃いが良くなります。


あまり知られていない“事故の芽”として、石灰と肥料を同日に混ぜ込むケースがあります。石灰資材と窒素肥料の同時施用は成分の反応でロスが出たり、局所的に根が当たって傷んだりすることがあるため、工程を分けておくほうが安全です(特に春は作業が詰まりがちなので、圃場ごとのカレンダーを先に切っておくのがおすすめです)。


春蒔きスナップエンドウ 栽培 支柱と誘引

春まきで品質を落としやすいのが「つるが倒れて蒸れる」パターンです。つるあり種は一般地の露地で草丈180cm程度まで伸びることがあるため、それに見合う支柱を立てネットを張り、ポリテープ等で誘引するのが基本になります。つるなし種でも80〜100cm程度の草丈になるので、低い支柱やネットで倒伏を防いで風通しを確保します。
支柱を立てるタイミングは、遅いほど不利です。目安として草丈10cmくらいで支柱立てを検討し、伸び始めた段階で“最初の誘引”まで済ませると、その後はつるが自走しやすくなります。逆に、支柱が遅れて地面に触れる時間が長いほど、泥はねや葉の密集が増え、うどんこ病などの発生を早める要因にもなります。

ここで現場向けの小ワザを一つ入れるなら、「誘引作業=整枝の入口」と考えることです。ネットに絡ませる前に、弱い枝や内側に入り込む枝を軽く整理しておくだけで、後半の風通しが持ち、農薬のかかりも良くなります。結果的に“収穫後半の落ち込み”が緩やかになり、春まきでも収量が読みやすくなります。

春蒔きスナップエンドウ 栽培 追肥とつるぼけ

スナップエンドウの施肥は「効かせる」より「効かせすぎない」設計が重要です。マメ類は根粒菌と共生して窒素が供給されるため、通常と同様に窒素を与えると枝葉ばかり茂って莢がつきにくい“つるぼけ”が起きやすい、と整理されています。春まきは生育が一気に進むため、追肥の判断が遅れると一発で過繁茂になりやすい点を警戒します。
追肥のタイミングは作型で変えます。サカタの資料では、春まき・夏まきは「開花後」と「収穫最盛期」に追肥し、その後は収穫終了まで1カ月ごとに追肥、とされています(1回あたり1平方メートル当たり約30gの目安、やりすぎ注意の注記あり)。ここで大事なのは、追肥を“定期作業”にしつつも、葉色が濃すぎる・節間が伸びる・花が落ちるなど過多サインが見えたら即止める判断基準をチームで共有することです。


独自視点として、春まきの追肥は「土の窒素残り」と「根粒の立ち上がり」のズレに注目するとブレにくくなります。春先は地温上昇とともに根の動きが急に良くなり、そこで窒素が多いと一気に徒長へ振れます。追肥の量を増やすより、まずは株元の過湿を避けて根を健全に保つ(=吸い上げが安定する)ほうが、結果的に花数・莢数が伸びるケースが多いです。

春蒔きスナップエンドウ 栽培 病害虫とうどんこ病

春まきは収穫期が高温寄りになりやすく、病害虫の圧が上がります。代表的には、うどんこ病、灰色かび病、軟腐病、アブラムシ類、ハダニ類、ナモグリバエなどが挙げられており、特に春まきは病害虫が発生しやすいので防除が重要、と整理されています。結局のところ、後追いの治療より、早期発見と予防がコストを下げます。
うどんこ病は「遅らせる」だけでも収量に効きます。サカタの解説では、収穫期後半のうどんこ病の発生を少しでも遅らせることが収量を上げるポイントで、対策として“整枝して風通しを良くする”“高温乾燥時に水を切らさず草勢を落とさない”が挙げられています。ここは農薬以前の栽培管理で改善幅が大きいので、まず支柱・誘引とセットで徹底します。


害虫側は、アブラムシがウイルスを媒介するため早期駆除が重要、と明記されています。葉裏に入りやすいので、見回り時は「畝の外側の見える株」だけでなく、風下側・内側の株も数株チェックし、初発で抑える体制を作ります。ハモグリバエ(ナモグリバエ)は発生初期の散布が推奨されており、これも“初発を見逃さない”設計が効きます。

最後に、現場で使えるチェックリストを置きます。


・うどんこ病:葉の白い粉、下葉からの初発、つるの混み具合、株元の乾きすぎ
・アブラムシ:新芽・葉裏・つぼみ周辺、べたつき(甘露)、アリの往来
・立枯病:生育初期の倒伏、地際の褐変、水はけの悪い区画
これらは毎日の全株巡回でなくても、区画ごとに“代表株”を決めて点検すれば実務に落とし込めます。

病害虫・施肥の基本がまとまっている(病虫害のポイント、うどんこ病を遅らせる管理、追肥量の目安)
https://sakata-tsushin.com/lesson-vegetable/detail_9/
春まき栽培の地域別の播種・収穫時期、春まきで注意すべき点(暑さ、つるぼけ、主要病害虫)
https://www.noukaweb.com/cultivation-spring-planting-snap-pea/




サカタのタネ つるなしビッグエンドウ 莢エンドウ