白茄子栽培の定植と追肥と整枝

白茄子栽培の定植から追肥、整枝、病害虫管理、収穫までを現場目線で整理します。長期どりで品質を落とさない「水・肥料・枝」の組み立てを確認し、失敗の芽を早めに摘みませんか?

白茄子栽培の定植と追肥と整枝

白茄子栽培の要点(現場で迷いやすい所だけ)
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温度と定植

晩霜回避・浅植え・地温確保がスタートの勝ち筋。苗の状態(本葉・1番花)を揃えると後工程がラクになります。

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水やりと樹勢

ナスは水分で果実品質が揺れます。乾かしすぎはツヤ低下やハダニ増加の引き金になるので、潅水設計を先に決めます。

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追肥と整枝

元肥は控えめ、追肥で作る作物。3本仕立てで光と風を入れ、花(めしべ)で樹勢診断しながら肥料を当てます。

白茄子栽培の発芽適温と生育適温と定植


白茄子は「白いナス」ですが、栽培の骨格はナスの基本に沿わせるのが最短ルートです。発芽は25〜30℃が目安で、育苗は種まきから60〜80日で定植苗(本葉7〜8枚)が適期、とされます。これは苗の揃いを取りやすく、初期の樹勢ブレを減らすための“基準点”になります。


定植タイミングで一番やってはいけないのは、気温が不安定な時期に焦って植えることです。ナスは霜に弱いので、晩霜の危険がなくなってから定植するという原則を守り、さらに浅植え(根鉢が畝面より2〜3cm高い程度)で活着を取りにいきます。


地温確保は黒マルチが定番で、畝立て後に地温を上げてから植える流れが紹介されています。


白茄子は果皮色が淡いぶん「日焼け」「汚れ」が商品性に直結しやすいので、ここで畝・株間・支柱計画を先に決めておくと、後半の管理が崩れません。例えば3本仕立て前提なら支柱本数・誘引資材・通路幅までセットで決め、作業者が迷わない“型”を作っておくのが実務的です(収穫期に効きます)。整枝の詳細は後述します。


(育苗〜定植の基準と温度の目安がまとまっている:サカタのタネ 園芸通信)
https://sakata-tsushin.com/lesson-vegetable/detail_2/

白茄子栽培の追肥と元肥と化成肥料

ナスは「元肥で作り切る」作物ではなく、追肥で樹勢と収量を作る作物として整理すると管理がぶれません。実際、元肥は定植1週間前に堆肥3〜4kg/㎡、化成肥料(N:P:K=8:8:8)150g/㎡、過リン酸石灰30g/㎡などの例が示され、定植後は約3週間後から追肥、その後も3週間おきに追肥する流れが紹介されています。
この「周期」があるだけで、担当者間の会話が揃います(“いつもの3週間”が共通語になる)。


白茄子(例:とろ〜り旨なす系統)では、定植後1週間で活着したら1回目の追肥として低度化成肥料を40g程度、その後は2週間ごとを目安に30〜40g/㎡を葉先の下あたりに施す、という具体量が示されています。


参考)ナス 【とろ~り旨なす®️】 加熱すると、ねっとりした食感に…

重要なのは量そのものより、「少量を切らさず」「効かせたい根域に当てる」ことです。マルチ栽培ならマルチ裾を上げ、畝の肩に散布して軽く混和し戻す方法が紹介されています。


白茄子で起きやすい事故は、肥料切れと水切れが重なった時の“回復遅れ”です。肥料が切れると着果・肥大が鈍り、乾燥すると品質(ツヤ)も落ち、害虫面でも不利になります。栽培情報でも「肥料切れと乾燥は果実の太り・着果の良否に関わるので追肥と灌水に留意」と明記されています。

現場では、追肥日を固定(例:隔週の○曜日)し、天候・潅水量・収穫量を見て“量を微調整”する運用が事故を減らします。

(追肥量と樹勢判断のヒントが具体的:トキタ種苗 とろ〜り旨なす)
ナス 【とろ~り旨なす®️】 加熱すると、ねっとりした食感に…

白茄子栽培の3本仕立てと整枝と誘引

白茄子を長期どりで安定させるなら、整枝=「光・風・作業性」を作る工程として捉えるのがコツです。基本の3本仕立ては、1番花を基準に強い側枝を2本残し、主枝1本と合わせて3本の主枝にする方法が紹介されています。
露地では通常3本仕立て、という整理もあり、最初の枝選びがその後の収穫導線を決めます。
整枝でありがちな失敗は、初期にわき芽を残しすぎて内部が混み、後半に病害虫の温床を作ってしまうことです。資料でも「株元近くから出た枝や、主枝・側枝につくわき芽は取り除く」「枝が込み合ってきたら切り戻しも可」といった管理が示されています。


白茄子は果実が大きくなりやすい品種系統もあるため、果実荷重で枝が倒れた瞬間に果皮が擦れて規格外になることがあります。誘引は20cm程度の間隔で茎と支柱を結ぶ、という目安も提示されています。


参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10700440/

整枝と追肥をつなぐ“診断の目”として、花を見るのが効率的です。樹勢判断は「花のめしべ(柱頭)の長さ」で見て、柱頭がおしべより長い花が多い=順調、短い花が多い=弱っており追肥サイン、という整理が示されています。

この視点は上位記事でも触れられがちですが、現場では「追肥するか迷ったら花を見て決める」という運用ルールに落とし込むと、属人的な勘を減らせます。

白茄子栽培の水不足と乾燥とハダニ

白茄子の品質事故で多いのが、水分ストレス由来の“見た目の劣化”です。ナスは「ナスは水で育つ」と言われるほど水が重要で、水不足だと生育・収量が落ちるだけでなく、果実のツヤがなくなり、ハダニ類の被害が多くなる、と明確に説明されています。
つまり潅水は、収量対策であると同時に、防除コストを下げる対策でもあります。


水管理は「毎日たっぷり」だけが正解ではありませんが、少なくとも“乾かしすぎる日”を作らない設計が重要です。特に夏場は高温・乾燥で蒸散が増え、株が一気に弱り、花の質(短花柱化)→着果不良→樹勢の負の連鎖が起きます(花柱が短い花は落花しやすい、という説明があります)。

この局面では、追肥を増やす前に土壌水分を立て直し、回復してから追肥を当てるほうがリカバリーが早いです。


意外に見落とされるのが、地温ストレスです。白茄子系統の栽培情報でも、夏の地温を和らげるために敷きわらやマルチングが有効、とされています。

高温で根が荒れると「水はやっているのに吸えない」状態が起きるので、遮熱は結果的に潅水効率も上げます。

白茄子栽培の青枯病とアブラムシと連作

白茄子でも致命傷になりやすいのが土壌病害で、代表が青枯病です。青枯病は夏場の高温期に発生しやすく、茎を切ると維管束部が変色し、白色の粘液を生じる、といった診断ポイントが整理されています。
さらに、病原菌は土壌伝染性で多犯性、発生圃場では土壌に残って繰り返し発生する、とされており、発生後の“治療”ではなく“予防設計”が必須です。
連作回避は最優先で、ナス科を3〜4年作っていない畑を選ぶ、という強い注意が示されています。


それでも発生履歴がある場合は、接ぎ木苗の利用が推奨されており、青枯病など土壌病害が出た畑で再度栽培するなら接ぎ木苗、という方針が説明されています。


地上部の害虫では、アブラムシ・ダニ類・ミナミキイロアザミウマに注意し早期発見・薬剤散布、という基本が示されています。


白茄子は果皮が白いぶん、吸汁害やすす病などによる汚れが目立ちやすいので、「初期密度を上げない」ことが収益面で効きます(雑草管理が害虫生息の温床になる、という指摘もあります)。

青枯病は発生圃場で土壌消毒(太陽熱消毒、熱水注入、蒸気消毒など)が有効、という整理もあり、施設では特に検討価値があります。


参考)https://www.takii.co.jp/tsk/bugs/ape/disease/aogare/

作付け前に“圃場の履歴”と“対策コスト”を天秤にかけ、接ぎ木苗+回避作付け+衛生管理のセットで設計すると、年をまたいで安定します。




白茄子の種 40粒