すす病 みかん 農薬 防除 対策 予防 管理 方法

みかんのすす病は「病気そのもの」より原因づくりが問題です。カイガラムシ等と農薬の考え方、散布時期、洗い落とし、剪定まで一連で整理しますが、あなたの園ではどこが詰まりやすいでしょうか?

すす病 みかん 農薬

すす病 みかん 農薬:まず押さえる全体像
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すす病=黒いカビの膜、でも「根っこ」は害虫

多くのすす病は、葉や枝に付いた甘露(ベタつく排泄物)を栄養にしてカビが増えた状態。まずは甘露を出す吸汁性害虫の抑制が最優先です。

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農薬は「殺菌」より「殺虫」が中心

すす病菌は植物体内に侵入しにくく、表面に増えるタイプが多いので、原因の虫を減らすほど再発も減ります。

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剪定・風通し・洗浄で“増えにくい園”へ

湿度や日当たり、風通しの悪さが重なるとリスクが上がります。薬だけに寄せず、樹の状態を整えると翌年の手間が軽くなります。

すす病 みかん 原因 カイガラムシ 甘露 見分け方


みかんで見られる「すす病」は、葉・枝・果実の表面が黒いすすのように汚れ、光が当たりにくくなることで光合成が阻害され、樹が弱りやすくなる現象です。
重要なのは、すす病菌の多くが植物内部へ侵入して増殖するというより、表面に付着した“甘露(かんろ)”を栄養にして増える点です。
甘露を出す代表が、カイガラムシ類・アブラムシ類・コナジラミ類などの吸汁性害虫です。


参考)302 Found


吸汁性害虫は、植物の汁を吸う際に糖分を含む排泄物を葉や枝に落とし、それがベタつき、そこへカビが生えて黒い膜状の汚れになります。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/c2e852a9bca4c0fd22d2b9cae18652e1e810ff88

「病気の菌を殺す」という発想だけで進めると、根っこの原因(虫と甘露)が残るため、黒さが戻りやすくなります。


現場での見分けのコツは、“拭けば落ちるか”です。すす病は表面の汚れに近く、指でこすると比較的落ちやすいとされています。


一方で、すすが落ちても甘露が出続ける状態なら、数週間〜1か月で再び黒くなりやすいので、「落とす作業」より「甘露を止める作業」を先に組む方が効率的です。


みかんでは、葉裏や枝の付け根、樹冠内部など“見えにくい場所”にカイガラムシが残りやすく、そこから甘露が供給され続けることがあります。

黒い汚れが樹冠の外側より内側に強い場合は、過繁茂で風通しが悪く、湿りがちで甘露も乾きにくいサインとして扱うと、対策の方向が決めやすいです。

すす病 みかん 発生時期 春 秋 予防 管理

すす病の発生が増えやすい時期は、原因となる吸汁性害虫が増えやすい春〜秋です。
特にカイガラムシ類は年中見られるものの、5〜7月にふ化した幼虫が現れることが多いとされ、ここで増えると甘露が増え、すす病も乗りやすくなります。
アブラムシ類は3〜10月に発生し、4〜6月と9〜10月に多発しやすい整理がされています。
コナジラミ類は6〜10月の発生が示されており、複数の虫が重なる園ほど、すす病が長く続きやすくなります。
環境条件としては、湿度が高い、日当たりが悪い、密植や過繁茂で風通しが悪い、といった要素が重なるとリスクが上がるとされています。

ここは農薬の前に、樹の“形”で改善できる余地が大きい領域です。風が抜けるだけで葉面が乾きやすくなり、甘露が残りにくくなります。

また、黒い汚れの被害は「見た目」だけでなく、葉面が覆われることで光合成が阻害され、生育が抑制される可能性がある点が重要です。

予防の考え方は、(1) 害虫を増やしにくい樹形と管理、(2) 害虫の発生初期に叩く、(3) 付いた汚れは適切に落として“再発の足場”を減らす、の順で組むと無駄が減ります。


春〜初夏に甘露の供給が増えると、夏以降〜秋に黒さが目立ちやすくなる流れなので、「黒くなってから慌てて対処」より「黒くなる前に虫の山を崩す」方が、結果的に散布回数や洗浄作業を減らしやすいです。


すす病 みかん 農薬 選び方 殺虫剤 散布 注意

すす病の根本対策は、原因の吸汁性害虫を退治することが基本とされています。
そのため、みかんのすす病対策での農薬選定は、一般に「殺菌剤で黒い膜を叩く」よりも「甘露を出す虫を抑える殺虫剤」を軸に考えるのが合理的です。
例えば一般論として、すす病が発生しやすい植物では、スミチオン乳剤やオルトラン水和剤などの殺虫剤を定期的に散布し、害虫発生を抑えることが根本対策だと整理されています。

スミチオン乳剤は希釈して散布することで使うタイプの殺虫剤として説明されており、浸達性がある旨の解説があります。

オルトラン水和剤は、葉や茎から吸収され植物体内に広がる「浸透移行性」を持ち、散布後に発生・飛来した害虫にも効果が期待できる、と説明されています。

ただし、実務では「その農薬が“みかん”に登録があるか」「対象害虫(例:カイガラムシ等)に適用があるか」「収穫前日数・回数制限」「希釈倍数」を必ず確認し、ラベルと公的な登録情報に従って運用してください(同じ商品名でも適用が変わることがあります)。


参考)https://pesticide.maff.go.jp/agricultural-chemicals/list-by-pests?pests=10008500

また、すす病は“表面の汚れ”として拭き取れる性質がある一方、原因の虫が残れば再発しやすいので、散布の目的は「黒い見た目を一時的に薄める」ではなく「甘露供給を止める」だと、判断がブレにくくなります。


散布の当たり前ですが効き目を左右するのが、かかりムラです。甘露を出す虫は葉裏・枝の陰・込み合った内部に残りやすいので、樹冠内部へ薬液が入るように剪定で通路を作り、散布も“届かせる設計”にします。

さらに、すす病の黒い膜自体がベタつくと薬液が均一に広がらないことがあるため、汚れが強い園ほど「洗い落とし(物理)」と「殺虫(化学)」を分けて考えると、再現性が上がります。


すす病 みかん 防除 剪定 風通し 洗い落とし 方法

農薬だけでなく、物理的・耕種的に「すす病が広がりにくい状態」を作ることが重要です。すす病は枝や幹なら水でこすり洗いすればある程度落ち、果実は収穫時の水洗いで落とせる、とされています。
また、真っ黒になった葉は思い切って剪定する、という方針も示されています。
みかん園の現場で効きやすい手順は、次の流れです。


🍊 1) 原因虫の居場所を減らす剪定 → 2) 害虫防除(適用農薬) → 3) すす(汚れ)を落として商品性を戻す、の順です。


剪定の狙いは、見た目を整えること以上に「風と光を入れて葉面を乾かす」ことです。

密植や過繁茂で風通しが悪いと、湿度が上がりやすく、すす病が増えやすい条件が揃うため、枝を間引いて樹冠内部の蒸れを減らします。

このとき、黒い葉だけを“掃除”として落とすのではなく、「甘露が付着しやすい枝の配置」「葉裏に害虫が残る陰」を消す意識で切ると、翌年の発生が目に見えて変わることがあります。


洗い落としは、即効性が高い一方で再発も早いので、“やるなら徹底して短期で終える”のがコツです。枝や幹は水でこすり、果実は収穫時に洗う、という基本を守るだけでも、出荷物の見た目は改善しやすいです。

そして洗浄後は、甘露が残るとすぐ黒くなるため、「洗浄=ゴール」ではなく「洗浄=リセット」だと捉え、原因虫の密度を落としてから仕上げると無駄が出ません。


すす病 みかん 独自視点 作業 記録 発生 予防 失敗

ここからは検索上位に出やすい“対策の羅列”ではなく、実務で差が出る「再発の原因特定」の話です。すす病は、原因がカイガラムシ・アブラムシ・コナジラミ等の甘露であることが多い、と整理されていますが、現場では「どの虫が主犯か」を見誤ると、散布しても黒さが戻りがちです。
おすすめは、園ごとに“黒さの地図”を作ることです。


📝 記録の例(スマホで十分)。
・いつ黒くなり始めたか(春・梅雨・夏・秋のどこか)​
・どの場所が黒いか(樹冠の内側、列の端、日陰、斜面の下側など)​
・黒い部分に、甘露のベタつきやアリの往来があるか(甘露があるとアリを寄せる要因にもなるとされています)​
・葉裏に虫が残っていないか(特に込み合った場所)​
この記録が効く理由は、「害虫が増える時期」と「すす病が目立つ時期」がズレることがあるからです。春〜初夏に甘露が増えても、黒い見た目は夏以降に急に目立つケースがあり、見た目が出たタイミングだけ追うと“後追い防除”になりやすいです。


もう一つ、意外に効くのが「拭き取りテストを定期化」することです。すす病は拭けば落ちる特徴がある一方、落ちた後にすぐ再付着するなら、甘露供給が止まっていないサインです。


この“再付着速度”を見れば、農薬を変えるべきか、剪定で樹冠内部に風を通すべきか、洗浄の優先度を上げるべきかが判断しやすくなります。


さらに、ハウス栽培では湿度管理が重要とされるように、露地でも「雨が続いた後」「樹冠が乾かない場所」はリスクが上がりやすいので、園内の風の抜け方を一度観察してみてください。

同じ農薬・同じ回数でも、風が抜ける列は軽く、抜けない列は重いという偏りが出るなら、原因は“薬剤選定”より“樹形と散布の届き方”にある可能性が高いです。

原因を正確に潰すための参考(すす病が「甘露+カビ」で起きること、拭けば落ちること、防除は害虫対策が基本であること)
https://www.sc-engei.co.jp/resolution/pestanddisease/soot/
原因害虫の発生時期の目安(カイガラムシは5〜7月に幼虫が現れやすい、アブラムシは4〜6月/9〜10月に多発しやすい等)
https://agri.mynavi.jp/2023_09_17_238742/
農薬は作物・害虫ごとの登録確認が必須(公的な農薬登録情報の検索入口)
https://pesticide.maff.go.jp/




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