リサール酵産カルスNC-Rのレビューと米ぬかで失敗しない土作り

土作り革命と言われる本資材の真価はどうなのか?リサール酵産カルスNC-Rのレビューや効果、米ぬかを使った失敗しない使い方を徹底解説します。本当に残渣だけで堆肥はいらないのでしょうか?

リサール酵産カルスNC-Rのレビュー

カルスNC-R導入の要点まとめ
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米ぬかと籾殻が必須

微生物の餌となる米ぬかと、通気性を確保する籾殻の黄金比率が成功の鍵です。

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残渣分解のスピード

夏場なら最短1週間、冬場でも3週間で有機物を分解し、すぐに植え付け可能です。

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窒素飢餓に注意

分解時に窒素を消費するため、硫安などの窒素源を適切に補うことが失敗を防ぎます。

リサール酵産カルスNC-Rの使い方は米ぬかと籾殻の量が重要

 

家庭菜園や農業の現場で「魔法の粉」とも称されるリサール酵産カルスNC-Rですが、その効果を最大限に引き出すためには、漫然と散布するだけでは不十分です。レビューで評価が分かれる最大の要因は、実は「投入する有機物のバランス」にあります。特に微生物の初期活動エネルギーとなる「米ぬか」と、物理的な土壌改善効果と住処を提供する「籾殻(もみがら)」の配合量が、成功の9割を決めると言っても過言ではありません。

 

まず、基本的なプランター栽培(65cm標準サイズ、土量約12〜15リットル)での黄金比率を見ていきましょう。多くの失敗例では、カルスNC-Rの量は守っていても、米ぬかの量が圧倒的に不足しているケースが散見されます。

 

  • カルスNC-R(粉末): 約10g〜15g(大さじ1杯強)
  • 米ぬか(生の新鮮なもの): 約50g〜100g(カップ1杯程度)
  • 残渣(野菜くずなど): 適量(土にサンドイッチできる量)
  • 籾殻(あれば): 土全体の1割程度
  • 水: 土全体がしっとりする程度(握って団子ができるが、すぐ崩れる水分量)

ここで重要なのが、米ぬかの役割です。米ぬかはカルス菌(複合微生物群)にとっての「着火剤」のようなものです。微生物が冬眠状態から目覚め、爆発的に増殖するための糖質やタンパク質などの栄養源が豊富に含まれています。レビューの中には「米ぬか無しで使ったら効果が感じられなかった」という声がありますが、これはエンジンオイルを入れずに車を走らせようとするようなものです。

 

次に、畑(露地栽培)での本格的な使用量についてです。1坪(約3.3㎡)あたりの推奨量は以下の通りです。この数値は、プロの農家が土壌改良を行う際の一つの基準となっています。

 

資材名 推奨投入量 役割と備考
カルスNC-R 1kg 主役の複合微生物資材。土壌ごとの微調整は不要で、少し多めでも害はない。
米ぬか 10kg 微生物の餌。窒素リン酸も含み、初期発酵を強力にブーストする。
籾殻 30kg 土壌の物理性改善(通気性・保水性)。分解されにくい炭素源として、微生物の長期的な住処になる。
硫安(硫酸アンモニウム) 1.2kg C/N比(炭素率)の調整用。硬い籾殻を分解する際の窒素飢餓を防ぐために必須。

特に注目すべきは籾殻と硫安のセット運用です。籾殻は非常に硬いセルロースやリグニンで構成されており、通常の腐葉土などよりも分解に時間がかかります。カルスNC-Rに含まれる放線菌などはこれらの難分解性有機物の分解を得意としていますが、その過程で大量の窒素を消費します。ここで硫安を添加しないと、土壌中の窒素が奪われ、作物の生育不良を招きます。この「C/N比調整」という概念を理解して使いこなせているかどうかが、上級者と初心者の分かれ道となります。

 

参考リンク:リサール酵産株式会社|カルスNC-R 製品情報と詳しい使い方のガイドライン
このリンク先には、公式が推奨する正確な希釈倍率や、作物ごとの細かな施用事例が掲載されており、自己流での失敗を防ぐための一次情報として非常に有用です。

 

また、施工の手順にもコツがあります。これを間違えると「腐敗」につながります。

 

  1. 混ぜ込み不足の解消: 土、残渣、米ぬか、カルスNC-Rを層状にする「ラザニア積み」も有効ですが、最終的には軽く土と攪拌(かくはん)し、微生物が有機物に直接触れるようにすることが理想です。
  2. 水分のコントロール: 散水後は、必ず土を握ってみてください。水が滴り落ちるようでは多すぎです(嫌気発酵が進みすぎ、ドブ臭くなる原因)。逆にパラパラと崩れ落ちるようでは乾燥しすぎて微生物が活動停止します。

最後に、米ぬかが入手できない場合の代替案です。最近では「スーパーカルスNC-R」というペレットタイプも販売されており、こちらは米ぬかが製品に含まれているため、単体での使用が可能です。しかし、コストパフォーマンスや、自分で有機物の量をコントロールできるという点では、やはり粉末タイプのカルスNC-Rに軍配が上がります。地域のコイン精米所などを活用し、新鮮な米ぬかを入手するルートを確保することが、この資材を使いこなす第一歩と言えるでしょう。

 

リサール酵産カルスNC-Rの効果で残渣分解と土作りを時短

リサール酵産カルスNC-Rを導入する最大のメリットは、何といっても「残渣分解の圧倒的なスピード」と、それに伴う「土作りの期間短縮」です。従来の堆肥作りでは、落ち葉や野菜くずをコンポスターに入れ、切り返し(空気の入れ替え)を行いながら半年から1年かけて完熟堆肥を作るのが常識でした。しかし、カルスNC-Rはこの常識を根本から覆します。

 

具体的にどれくらいの期間で分解されるのでしょうか。季節や気温ごとの目安は以下の通りです。

 

  • 夏場(気温25℃以上): 約1週間〜10日
  • 春・秋(気温15℃〜25℃): 約2週間〜3週間
  • 冬場(気温10℃以下): 約3週間〜1ヶ月以上

驚くべきは、土の中で分解させながら、同時に作物の植え付けが可能(あるいは極めて短い待機期間で可能)という点です。通常、未熟な有機物を土にすき込むと、分解過程で発生するガス(アンモニアガスやメタンガス)や有機酸が植物の根を傷める「ガス害」や「濃度障害」が発生します。しかし、カルスNC-Rに含まれる複合微生物群は、これらの有害物質が発生する腐敗プロセスではなく、有用な発酵プロセスを経るため、根へのダメージを最小限に抑えることができるのです。

 

実際に効果が出ている土の状態には、いくつかの明確なサインがあります。

 

  1. 白いカビの発生: 土の表面や内部に、白い綿毛のようなカビが発生することがあります。これは「失敗」ではなく、大成功の証です。この正体は「放線菌(ほうせんきん)」や「糸状菌(しじょうきん)」と呼ばれる有用微生物で、これらが有機物を活発に分解している証拠です。この白カビは抗生物質を生成し、フザリウム菌などの病原菌を抑制する効果も期待できます。
  2. 土の団粒化(だんりゅうか): 以前はカチカチに固まっていた土が、使用して1ヶ月も経つと、指で簡単にほぐれるほどフカフカになります。これは、微生物が排出する粘着物質によって土の粒子が結びつき、団子状の構造(団粒構造)が形成されるためです。団粒構造ができると、水はけが良くなると同時に保水性も向上するという、植物にとって理想的な環境が整います。
  3. 温度の上昇: 分解が活発な時期、土に手を入れるとほんのり温かいことがあります。これは発酵熱によるもので、地温を高める効果があり、冬場の作物の根張りを助ける副次的な効果もあります。

さらに、連作障害の軽減という効果も見逃せません。ナス科やウリ科の野菜を同じ場所で作り続けると、特定の養分欠乏や土壌病害が発生しやすくなります。しかし、カルスNC-Rを用いて毎回残渣(収穫後の茎や葉、根)を土に還すことで、持ち出された養分をサイクルさせることができます。また、多様な微生物相が形成されることで、特定の病原菌だけが増殖するのを防ぐ「拮抗作用(きっこうさよう)」が働き、結果として連作障害が出にくい土壌へと変化していきます。

 

参考リンク:リサール酵産株式会社|よくある質問 - 園芸・ガーデニング
こちらのQ&Aページでは、分解期間に関する詳細や、分解中の土の状態についての写真付き解説があり、自分の土の状態が正常かどうかを判断するのに役立ちます。

 

ただし、効果を過信してはいけない点もあります。「石灰」や「殺菌剤」との併用です。

 

カルスNC-Rは生きている微生物資材です。そのため、強いアルカリ性である石灰(特に消石灰)や、土壌殺菌剤と同時に混ぜ込んでしまうと、せっかくの菌が死滅してしまいます。石灰を使用したい場合は、カルスNC-Rをすき込んでから最低でも1週間、できれば2週間ほど間隔を空けてから散布するようにしましょう。苦土石灰や有機石灰であれば、同時使用も可能とされていますが、念のため層を分けるなどの配慮をするとより確実です。

 

このように、カルスNC-Rは単なる「生ゴミ処理剤」ではなく、土そのものの物理性・生物性・化学性を総合的に改善するトータル土壌改良資材としての側面を持っています。

 

リサール酵産カルスNC-Rで失敗する原因は窒素飢餓と水分

「カルスNC-Rを使ったのに野菜が枯れた」「葉の色が黄色くなって育たない」というネガティブなレビューを見かけることがあります。魔法の粉とも言われる資材で、なぜこのような失敗が起きるのでしょうか。その原因のほとんどは、資材そのものの不良ではなく、「窒素飢餓(ちっそきが)」「水分過多による腐敗」という、微生物の生理作用への理解不足に起因しています。

 

まず、最も警戒すべき窒素飢餓について深く掘り下げてみましょう。

 

微生物が有機物(炭素:C)を分解して自分の体を作るためには、必ず窒素(N)が必要です。このバランスをC/N比(炭素率)と呼びます。

 

野菜くずのような水分が多く柔らかいものはC/N比が低く、分解されやすいのですが、以下のような資材を投入した時は要注意です。

 

  • 籾殻(もみがら)
  • 落ち葉(特に広葉樹の硬い葉)
  • 剪定枝(せんていし)や木質チップ
  • 藁(わら)

これらは炭素が多く、窒素が極端に少ない資材です。これらを土に大量にすき込み、カルスNC-Rで分解させようとすると、微生物は爆発的に増殖しようとします。その際、有機物の中に窒素が足りないため、土壌中にある元々の窒素(肥料分)を奪い取ってしまうのです。その結果、本来植物が吸収するはずだった窒素がなくなり、野菜が栄養失調(黄色く変色、生育停止)に陥ります。これが窒素飢餓のメカニズムです。

 

対策:
この現象を防ぐためには、炭素の多い資材と一緒に、必ず「硫安(硫酸アンモニウム)」「油かす」などの窒素肥料を添加する必要があります。特に硫安は即効性があり、微生物がすぐに利用できるため、カルスNC-Rとの相性は抜群です。リサール酵産が公式に「籾殻を入れるときは硫安を併用してください」とアナウンスしているのは、この化学的な理由からです。「無農薬・無化学肥料にこだわりたい」という理由で硫安を避ける場合は、代わりに大量の米ぬか(窒素成分を含む)や鶏糞を使用し、分解期間を通常より長く(1ヶ月以上)取る必要があります。

 

次に、水分過多による腐敗です。

 

カルスNC-Rに含まれる菌には、酸素を好む「好気性菌」と、酸素を嫌う「嫌気性菌」の両方がバランスよく配合されています。しかし、土の中が水でベチャベチャの状態になると、酸素が遮断され、腐敗菌(悪玉菌)が優勢になりやすくなります。

 

  • 失敗のサイン: ドブのような悪臭、ヘドロのような臭いがする。
  • 成功のサイン: 甘酸っぱい発酵臭、または森の土のような土壌臭がする。

特にプランター栽培では、受け皿に水が溜まったままになっていたり、排水性の悪い土を使っていたりするとこの状態になりがちです。また、生ゴミ(野菜くず)自体の水分量が多い場合、追加で水をやりすぎると過湿になります。

 

対策:

  • 水やりは「しっとり」程度に留める。
  • プランターの排水穴が詰まっていないか確認する。
  • 露地栽培の場合は、雨が続きそうな時期の施工を避けるか、施工後にビニールマルチを張って雨水の侵入を防ぐ。

また、意外な失敗原因として「土を被せていない」というケースもあります。微生物の多くは紫外線に弱いです。カルスNC-Rを散布した後、土と混ぜ合わせずに表面に放置しておくと、太陽光で菌が死滅してしまいます。必ず土と攪拌し、さらにその上から土を被せて、微生物を紫外線から守る「土の布団」をかけてあげることが重要です。

 

参考リンク:微生物資材カルスNC-Rの効果的な使い方と窒素飢餓対策
このサイトでは、プロ農家の視点から窒素飢餓のメカニズムと、それを回避するための計算式や資材の組み合わせが非常に詳しく解説されており、失敗の原因特定に役立ちます。

 

「微生物は生き物である」という原点に立ち返り、彼らにとって居心地の良い環境(適度な水分、餌となる窒素と炭素、紫外線遮断)を整えてあげることが、失敗しないための最大の秘訣です。

 

リサール酵産カルスNC-Rと他社微生物資材の決定的な違い

ホームセンターや園芸店には、「EM菌」「菌力アップ」「コーランネオ」など、数多くの土壌改良資材や微生物資材が並んでいます。その中で、なぜリサール酵産のカルスNC-Rがこれほどまでにプロ農家や園芸愛好家から熱烈な支持(レビュー)を集めているのでしょうか。他の資材とは一線を画す、独自の視点からその違いを分析します。

 

最大の違いは、「生の有機物を、土の中で直接堆肥化することに特化している」という点です。

 

多くの一般的な微生物資材やコンポスト用の発酵促進剤は、以下のいずれかのタイプに分類されます。

 

  1. 嫌気発酵特化型(ボカシ肥作り用): EM菌などが代表的。空気を遮断した容器の中で発酵させる必要があり、手間がかかる上に、土に入れる前に一度発酵を完了させる工程が必要な場合が多い。
  2. 土壌バランス調整型(液体資材): 菌力アップなどが代表的。既存の土壌微生物相を改善し、根張りを良くすることに主眼を置いており、固形の生ゴミを分解する物理的なパワーはそれほど強くない場合がある。

これに対し、カルスNC-Rは「好気性微生物と嫌気性微生物の複合体」であり、かつ「土壌中での直接分解(土中堆肥化)」を前提に設計されています。

 

  • 複合菌のシナジー効果: カルスNC-Rには、ラクトバチルス(乳酸菌)、酵母菌、光合成細菌、そして有機物分解の主役である放線菌などが特殊な製法で共存しています。通常、酸素を好む菌と嫌う菌を同一資材内で高濃度に安定させるのは技術的に困難ですが、リサール酵産はこれを実現しています。これにより、土の表面近く(酸素が多い場所)でも、地中深く(酸素が少ない場所)でも、それぞれの環境に適した菌が働き、有機物を全方位から分解できるのです。
  • ガス害の抑制メカニズム: 他の資材を使って生の米ぬかや野菜くずを土に混ぜると、腐敗してメタンガスなどが発生し、植物の根を痛めます。しかし、カルスNC-Rの微生物群は、有機物を分解する過程でアミノ酸やビタミン、有機酸などの植物に有用な物質へと素早く変換します。この代謝プロセスが非常にスムーズであるため、有害なガスが発生する期間が極めて短い(あるいはほとんど発生しない)のが特徴です。これが、「すき込んでから1週間で植え付け可能」という驚異的なスピードを実現している理由です。

さらに、独自の視点として「リサール酵産のサポート体制と情報の透明性」も他社と大きく異なります。

 

農業資材の世界では、「秘伝の菌」として中身をブラックボックス化したり、オカルト的な効果(波動など)を謳ったりする商品も少なくありません。しかし、リサール酵産はYouTubeやSNS、公式ブログを通じて、失敗事例や「やってはいけないこと」を包み隠さず発信しています。

 

  • 「籾殻だけでは分解しません、硫安を入れてください」
  • 「石灰と混ぜると菌が死にます」
  • 「冬場は分解が遅れます」

こうしたデメリット情報や注意点を、メーカー自らが科学的根拠に基づいて発信している点は、ユーザーにとって非常に大きな信頼材料となります。資材そのものの性能だけでなく、それを使いこなすための「生きた情報」がセットになっている点こそが、カルスNC-Rが他社製品と差別化される最大の要因と言えるでしょう。

 

参考リンク:リサール酵産|代表取締役社長ブログ
社長自らが現場を回り、ユーザーの疑問に答えたり、誤った使い方に対して注意喚起を行ったりしているブログです。製品への自信と誠実な姿勢が垣間見え、製品選びの重要な判断材料になります。

 

結論として、カルスNC-Rは「手間をかけずに(容器での発酵不要)、今ある畑やプランターの土の中で(土中堆肥化)、安全かつ高速にリサイクルしたい」という現代のニーズに最も合致した「時短・完結型」の微生物資材であると言えます。

 

リサール酵産カルスNC-Rで雑草をすき込み最強の堆肥にする

農家やガーデナーにとって最大の悩みである「雑草」。抜いても抜いても生えてくる雑草を、厄介なゴミとして捨てるのではなく、最高の肥料に変えることができれば、これほど効率的なことはありません。リサール酵産カルスNC-Rを使えば、本来なら燃えるゴミに出したり、枯れるまで野積みにしておいたりする雑草を、その場ですき込んで「緑肥(りょくひ)」として活用することが可能です。

 

雑草を堆肥化する際、通常は雑草の種が残ってしまい、堆肥を撒いた場所からまた雑草が生えてくるという悪循環に陥りがちです。しかし、カルスNC-Rを使った発酵プロセスを経ることで、この問題を軽減しつつ、繊維質の多い雑草を良質な有機質肥料へと生まれ変わらせることができます。

 

具体的な「雑草すき込み堆肥化」の手順は以下の通りです。

 

  1. 雑草の刈り取りと予備乾燥:

    まず雑草を刈り取ります。ここでのポイントは、「抜き取った直後の水分が多い状態ですき込まない」ことです。青々とした雑草は水分過多になりやすく、腐敗の原因になります。1〜2日ほど天日干しにして、しんなりとさせてから使うのがコツです。こうすることでカサも減り、土に混ぜやすくなります。

     

    ※注意: スギナやドクダミなどの地下茎で増える強力な雑草は、完全に枯らしてから、あるいは分解期間を長く取る必要があります。

  2. 裁断(さいだん):

    長いままの雑草は分解に時間がかかり、耕運機やクワに絡まって作業効率を落とします。押し切りカッターやハサミで、できるだけ細かく(5〜10cm程度)刻みます。このひと手間が、分解スピードを劇的に早めます。断面積が増えることで、微生物が侵入しやすくなるからです。

     

  3. 投入と攪拌(かくはん):

    畑や空きスペースに穴を掘り、以下の順で投入します。

     

    • 刻んだ雑草
    • 米ぬか(雑草1kgに対し約30g〜50g)
    • カルスNC-R(雑草1kgに対し約5g〜10g)
    • 硫安(枯れた硬い雑草が多い場合のみ少量添加)

      これらを土とよく混ぜ合わせます。雑草は「繊維」の塊なので、米ぬかというエネルギー源をしっかり絡ませることが重要です。

       

  4. 土被せと踏み込み:

    最後にたっぷりと土を被せます。そして、上から足でしっかりと踏み固めます。これは、雑草と土、微生物を密着させるためと、余分な空気を抜いて適度な水分状態を保つためです(ただし、完全に酸欠にしないよう、踏み込みすぎには注意。通常の鎮圧程度でOK)。

     

この方法で処理すれば、夏場なら約2〜3週間で雑草の形が崩れ、土と一体化します。分解時には60℃近い発酵熱が出ることもあり、この熱によって雑草の種や、土壌中の病害虫(センチュウなど)がある程度死滅する効果も期待できます(※完全に種を死滅させるには、ビニールマルチで覆って太陽熱消毒を併用するのが確実です)。

 

雑草は、その土地のミネラルを吸い上げて育っています。つまり、その雑草を土に還すことは、その土地に足りない微量要素を補給することに他なりません。わざわざ高い堆肥を買ってこなくても、足元に生えている邪魔者が、カルスNC-Rと米ぬかの力を借りることで、最強のコストパフォーマンスを誇る資材に変わるのです。

 

参考リンク:団粒構造の作り方ガイド|雑草と微生物資材の活用
こちらの記事では、雑草などの有機物を利用して、植物の根が呼吸しやすい「団粒構造」を作る具体的なメカニズムが解説されています。雑草堆肥化が単なるゴミ処理ではなく、物理的な土壌改善に直結することが理解できるでしょう。

 

ゴミ袋に入れて捨てればただの「廃棄物」ですが、カルスNC-Rとともにすき込めば「資源」になります。この循環型農法こそ、持続可能な土作りの決定版と言えるでしょう。

 

 


リサール酵産 カルスNC-R 10kg(粉状)