同じ「チョウ目害虫」でも、コナガの農薬をヨトウムシに使うと効果がほぼゼロになり、被害が畑全体に広がることがあります。
コナガとアオムシ(モンシロチョウ幼虫)は、どちらもアブラナ科野菜に集中して発生する代表的なチョウ目害虫です。 見た目が似ているために混同されがちですが、正確に識別することが防除の第一歩になります。
参考)コナガ・アオムシ・ヨトウムシ類(ヨトウガ)の生態と農薬防除の…
体のサイズで見ると、コナガの老齢幼虫は最大10mm程度——つまり親指の爪の幅くらいの小ささです。 一方のアオムシは最大30mmと、コナガの3倍近い大きさに育ちます。 サイズが大きいと思ったらアオムシ、と覚えておけばOKです。
参考)コナガの生態とは? 駆除に効果的な薬剤や予防法も紹介|マイナ…
体色にも明確な差があります。
参考)モンシロチョウ幼虫の見分け方 よく似ているコナガの幼虫と比較…
食害の特徴も決定的に違います。コナガは葉の薄皮を一枚残すように食べるため、食害部分が半透明の斑点として残ります。 アオムシは葉に穴をあけながらバリバリと食べ進みます。 この食い跡の差が、識別の最も確実な手がかりです。earth+1
動きにも個性があります。コナガの幼虫は触れると素早く跳ね、糸を垂らして葉から落ちることがあります。 アオムシはゆっくりした動きが特徴で、動きだけで判断できる場面も多いです。syngenta+1
また、お尻の形状が決定的に異なります。コナガは尻が二股に分かれた突起状、アオムシは丸いシルエットです。
一度覚えれば一目で見分けられます。
ヨトウムシという名前は複数の種類の総称であり、農業現場で問題になる代表種は「ヨトウガ」「ハスモンヨトウ」「シロイチモジヨトウ」の3種です。 見た目が非常に似ているため混同しやすいですが、使う農薬の種類が違うため、識別が防除コストに直結します。
参考)ヨトウムシ(夜盗虫)が発生する原因とは?ヨトウムシの退治方法…
3種の見分け方を表でまとめます。
| 種類 | 体長(老齢) | 体色の特徴 | 識別ポイント | 年間発生回数 |
|---|---|---|---|---|
| ヨトウガ | 約40mm | 緑〜暗褐色 | 若齢時は集団で食害 | |
| ハスモンヨトウ | 約40mm | 灰緑〜暗褐色 |
頭部後方に黒い斑紋が2つ |
年5〜6回 |
| シロイチモジヨトウ | 約40mm | 灰緑〜暗褐色 | 胸部背面の横断線が特徴 | 年5〜6回 |
ハスモンヨトウは頭部の後方に2つの黒い斑紋があり、これが他のヨトウムシ類との最大の違いです。 中齢以降の幼虫でははっきりと確認できます。pref.ishikawa+1
ヨトウガは年2回発生、ハスモンヨトウとシロイチモジヨトウは年5〜6回と発生頻度が大きく異なります。 シロイチモジヨトウは特にジアミド剤・ピレスロイド剤への感受性低下が確認されており、薬剤選択に注意が必要です。pref.wakayama+1
3種とも夜行性で、昼間は株元や土中に潜みます。
これが基本です。
若齢幼虫のうちは集団で行動し葉を薄くスケルトン状に食害しますが、6齢以降になると単独で活動し食害量が急増します。 昼間に見つけにくいからこそ、早朝または夕方の見回りが重要です。
参考)野菜類に発生するチョウ目害虫の防除方法 | コラム | セイ…
参考:ヨトウムシ類の生態・発生時期について(日本農業新聞・農家向け病害虫情報)
ヨトウムシの被害から作物を守るには?予防や駆除の方法と設備(セイコーエコロジア)
オオタバコガは、チョウ目害虫の中でも特に広食性が際立ちます。 トマト・ナス・ピーマン・キャベツ・ニンジン・トウモロコシなど、多種多様な作物を食害します。 葉物野菜だけが被害を受けると思いがちですが、実はそうではありません。jacom+1
老齢幼虫の体長は約40mm——名刺の短辺(54mm)よりやや短いサイズ感で、チョウ目害虫の中では大型です。 まばらに生えた長めの毛が表面に見えるのが、ヨトウムシ類との識別ポイントになります。
体色は緑・黒・褐色と個体によってかなり差があります。
体色での判断は難しいですね。
オオタバコガは果実に直接穴をあけて内部に侵入する加害パターンが特徴的で、葉の食害だけを見ていると見落としやすいです。 果実に小さな侵入口を見つけたら、すぐに対応を検討しましょう。
繁殖能力も高く、南米の産地では年間10〜12世代も発生するとされています。 施設栽培が発展している日本でも、冬季に卵・蛹・成虫が越冬するため各地での発生リスクがあります。
施設内の防除が特に重要です。
参考:オオタバコガとヨトウムシの詳細な見分け方が農家目線でまとまっています。
オオタバコガとヨトウムシ これならバッチリ見分けられる!(農文協 病害虫防除事例)
幼虫を直接見つけられない場合でも、卵塊の形状や食害痕から種類を絞り込めます。
これは意外と知られていない視点です。
農家が実際にできる識別のアプローチとして活用してください。
卵の産み方を比較すると次のとおりです。
| 害虫 | 卵の産み方 | 特徴的な見た目 |
|---|---|---|
| アオムシ | 1粒ずつ単独産卵 | 細長い黄白色の卵1個 |
| コナガ | 葉裏に数粒まとめて |
非常に小さく見落としやすい |
| ハスモンヨトウ | 200〜1000粒の卵塊 |
ラクダ色の毛で覆われた卵塊 |
| ヨトウガ | 集団で卵塊 | 毛のない卵塊がハスモンヨトウとの違い |
ハスモンヨトウの卵塊はラクダ色の毛で覆われており、ヨトウガの卵塊には毛がありません。
この違いだけで2種を見分けられます。
食害痕でも判断できます。
「葉の傷み方」から逆引きすることで、幼虫が夜逃げしていても種類を推定できます。 早朝にほ場を回り、食害痕のパターンと卵塊の有無を確認することが早期発見の鍵です。
チョウ目害虫の見分けを誤ると、農薬を適正に散布しても防除効果がほぼ得られないケースがあります。
つまり、見分け方の精度が防除コストに直結します。
ブロッコリーを対象にした試験では、フェニックス顆粒水和剤・プレオフロアブル・トルネードエースDFがヨトウガ・ハスモンヨトウ・コナガの同時防除に高い効果を示しました。 一方でシロイチモジヨトウはジアミド剤やピレスロイド剤への感受性低下が報告されており、同じ薬剤が効かない地域も出ています。pref.tottori+2
具体的なリスクはこうです。
これが問題です。農薬の選択は「作物×害虫種×発育ステージ」の3点セットで判断するのが原則です。 同じチョウ目害虫でも若齢幼虫(1〜3齢)のほうが薬剤感受性が高いため、早期発見・早期防除が防除コスト削減の最も有効な手段です。pref.saitama+1
識別に自信が持てない場合、住友化学「i-農力」が無料で公開している葉菜類害虫の見分けガイド(PDF)は、体長・体色・被害パターンが1枚で一覧できる構成でそのまま圃場に持ち込めます。
参考)https://www.i-nouryoku.com/topics/filedata/0000000764/99/
参考:葉菜類の主要チョウ目害虫の見分け方(農薬登録情報を含む一覧)
特徴で見分ける!葉菜類の主要害虫の見分け方(住友化学 i-農力)
参考:大阪府の防除情報。実際の発生状況や識別用の写真が充実しています。

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