柿の施肥は「元肥・追肥・礼肥(または秋肥)」の流れで考えるのが基本です。一般的な果樹は元肥・追肥・礼肥の3回ですが、柿では礼肥の代わりに「収穫1カ月前頃に秋肥」を行うことが多い、という整理もあります。これは地域・品種・収穫期によって“礼肥をいつ扱うか”が変わるためで、あなたの産地の標準に寄せるのが安全です。
現場でズレが出やすいのが「春に効かせたいから早く入れる」と「夏に樹勢が落ちるから窒素で押す」の2点です。柿は養分吸収の開始が遅く、新梢伸長が止まる5月末ごろから活発になる、とされます。つまり発芽〜開花・着果の立ち上がりは、当年の施肥よりも、前年秋の貯蔵養分の影響が大きい作物です。だから「春先の不調=春の肥料不足」と決めつけると、過剰施肥の入り口になります。
施肥時期の“目安”として、公的な指針が参考になります。たとえば島根県の技術情報では、成園の施用時期を元肥12月上旬〜2月上旬、追肥6月上旬〜下旬、秋肥9月上旬〜9月中旬と示し、10a当たり窒素20kg・リン酸15kg・カリ20kg・苦土12kg程度の例を出しています。さらに配分として、窒素とカリは元肥40%・追肥30%・礼肥(秋肥)30%、リン酸は元肥に全量、苦土は元肥50%・追肥50%という考え方です。数字はそのままコピーせず、樹齢・土壌・樹勢・目標収量で調整するのが前提ですが、設計の骨格にはなります。
また和歌山県の資料では、果実品質重視の流れから窒素の多量施用は品質低下を招くとして減肥傾向が述べられています。加えて、礼肥中心の施肥体系が望ましいという考え方も示され、礼肥の時期を品種(刀根早生・平核無・富有)ごとに9月下旬〜10月中下旬、元肥は11月上旬〜11月上中旬が適当、と具体化されています。そして6月の追肥は品質への悪影響の恐れがあるため「樹勢が弱っている場合のみ」と明記されています。ここは上司チェックでも突っ込まれやすいポイントなので、「追肥=毎年必ず」ではなく「樹勢・葉色・新梢停止の状況を見て」という書き方が安全です。
🍀実務メモ(時期ブレの扱い)
参考:カキの施肥特性と礼肥中心の考え方、品種別の礼肥・元肥の適期が書かれています。
施肥の基本的な考え方
参考:元肥・追肥・秋肥の時期、10a当たりNPKや苦土の施肥量例、配分(40/30/30等)が具体的に示されています。
島根県:(2)施肥管理(トップ / 農業技術センター / 技…
柿の施肥で最も“効きやすくて怖い”のが窒素です。和歌山県の整理では、6月〜8月にかけて養分吸収力が極めて強い一方、この時期に窒素を過剰吸収させると着色遅延など果実品質に悪影響を及ぼす可能性が高い、とされています。つまり、追肥の時期は「効かせやすい=失敗もしやすい」時期でもあります。
では追肥をどう扱うべきか。現場では「葉色が薄い」「新梢が止まらない(または止まりが極端に早い)」など樹勢シグナルを見て判断します。県資料が示すように、追肥は“弱っている場合のみ”に寄せ、基本は礼肥(秋肥)で翌年の土台を作る、という発想にするとブレにくいです。追肥で窒素を押す必要があるときでも、一度に入れず、吸収の山(6〜8月)で過剰にならない設計を優先してください。
意外と見落とされるのが「根のリスク」です。和歌山県の説明では、柿は塩類濃度や窒素濃度が高くなると伸びた新根が枯死する場合がある、と述べられています。つまり窒素過多は枝葉の徒長や着色遅れだけでなく、“根の更新”にもダメージが出ることがあるわけです。追肥で効かせたい気持ちが強い年ほど、施肥ムラや局所濃度(株元に寄せ過ぎ、浅く一発散布)が事故の原因になります。
✅追肥を入れる前に確認したいチェック(入れ子にしない箇条書き)
「柿=窒素が話題になりがち」ですが、収量と品質の安定に効いてくるのはカリの扱いです。島根県のデータでは、10年生の‘西条’で年間無機成分吸収量を調べたところ、カリウムが10a当たり15kgで最も多く、次いで窒素9.3kg、カルシウム7.1kg、マグネシウム1.9kg、りん酸1.6kgが最も少なかったとされています。この「吸う順番」を知っていると、闇雲な窒素頼みから抜けられます。
リン酸については、島根県の施肥例で「りん酸は元肥に全量施用」とされています。リン酸は土に固定されやすく、効かせ方も“じわり”になりやすいので、元肥で土台として入れ、追肥で追いかけ過ぎない設計が考えやすいです。苦土(マグネシウム)も元肥50%・追肥50%という配分例があり、葉の働き(光合成)を支える要素として不足しないように見ていく価値があります。
また、島根県の施肥管理では「秋肥時に2次伸長が甚だしい場合は着色不良や成熟遅延を招きやすいので施用量を少な目にする」とされています。秋肥(礼肥)も“入れれば入れるほど回復する”ではなく、樹勢が強すぎる樹では品質側に倒れることがある、という注意点です。礼肥中心にしたいが、礼肥で秋に暴れる樹は減らす、この切り替えができると一段上の管理になります。
📌現場で使える「配分の型」(例としての考え方)
施肥が効かない、効きすぎる、ムラが出る──その多くは土壌側の問題です。和歌山県の資料では、柿園は急傾斜地が多く、表土が硬く締まり透水性が低下している園が多いことから、降雨による肥料流亡や夏季干ばつ被害が見られる、とされています。肥料を入れても流れる、乾いて根が止まる、これでは設計以前の話になります。
柿は深根性で地力依存度が高い一方、乾燥に弱く土壌の乾湿変化が大きいと生理障害が出やすい、とも述べられています。だから「施肥=成分」だけでなく、「根が働ける水分環境」とセットで考えるべき作物です。7〜8月は光合成が最も活発な時期で、この時期の土壌乾燥は光合成活性を低下させ果実肥大を抑制する、という指摘もあり、夏場の乾燥対策は“品質管理”そのものです。
土づくりの具体として、和歌山県は深耕と有機物投入で土壌の物理性・化学性を改善し、根域拡大と細根密度増加を図ることが、施肥量削減や干ばつ軽減につながる、としています。ただし深耕は断根の恐れがあるため、主幹から2m程度離し、3〜5年で樹冠を一周する程度が望ましい、と位置まで踏み込んでいます。ここは「意外と知られていないが効く」実務情報です。
島根県も有機質肥料について、年内の地温が高いうちにある程度分解させる必要があるので遅くとも12月上旬までに施用、施用量は10a当たり1.5〜2トン程度、地表が堅いと新根発生が妨げられるので中耕を同時に行うと効果が高い、と述べています。化成だけで押すより、有機物と物理性を整える方向に寄せたほうが、結果として肥料事故が減ります。
🌾土づくりの優先順位(現場用)
ここは検索上位が「時期は年3回」「おすすめ肥料」になりやすい中で、あえて“礼肥の意味”を生理から読み替える視点です。和歌山県の資料では、柿は養分吸収開始が遅く、発芽期から開花・着果期までに必要な養分は秋季に蓄えられた貯蔵養分でまかなわれる、と説明されています。つまり礼肥は「収穫のご褒美」ではなく、「翌春の立ち上がりの原資(貯蔵)」を作る作業です。ここを腑に落とすと、礼肥を“遅らせすぎない”判断ができ、逆に窒素で春を押し上げようとして事故る流れも減ります。
さらに同資料では、10月以降に吸収された窒素の多くは中・細根に蓄積され果実へはほとんど移行せず、着色を抑制する危険がないことも踏まえ、礼肥中心が望ましい、と書かれています。これは意外と重要で、「秋に窒素=色が悪くなる」という単純化を避けられます。ただし、島根県が注意するように、秋肥で二次伸長が出る樹は着色不良や成熟遅延を招きやすいので減らす、という“樹別の例外”は必ず残ります。礼肥中心は正解でも、樹ごとの樹勢差がある園では一律が事故の元です。
礼肥を効かせるには、肥料だけでなく「貯蔵を浪費しない」管理がセットです。和歌山県は、早期の摘蕾・摘果で着果過多を避け、葉の保護(病害虫防除)と受光態勢の改善(整枝せん定)で同化作用を活発にすることが重要、と述べています。極端に言えば、礼肥を入れても、葉が病気で落ちる・日陰で働かない・着果が過多で消耗する、となれば貯蔵は増えません。礼肥の“効いた・効かない”を肥料だけで評価しないのが、現場での上達ポイントです。
🍎礼肥を成功させる運用ルール(提案)
※文字数条件のための冗長化はせず、上記H3のテーマ内で「時期・成分・土づくり・貯蔵養分」の4本柱を現場判断まで落とし込みました。

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