透明マルチトンネル効果と注意点、作物栽培の実践ポイント

透明マルチとトンネルの組み合わせで冬場の栽培を成功させる方法を解説。地温上昇効果、換気管理、雑草対策まで、農業従事者が知っておくべき実践的なテクニックとは?

透明マルチトンネル栽培の効果と実践

晴天日に換気せず放置すると作物が35度超の高温障害で枯れます


この記事の3つのポイント
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地温上昇効果は黒マルチの約1.5倍

透明マルチは光を透過するため地温上昇効果が非常に高く、冬場の促成栽培に最適です

⚠️
晴天時の温度管理が生育を左右する

トンネル内が35度を超えると高温障害が発生し、こまめな換気作業が必要不可欠です

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雑草対策は栽培前の処理が鍵

透明マルチ下では雑草が繁茂しやすいため、除草剤や太陽熱消毒による事前対策が重要です


透明マルチとトンネルを組み合わせた栽培方法は、厳寒期でも作物の生育を促進できる優れた技術として、多くの農業従事者に活用されています。この栽培方法は、地温上昇効果と保温効果を最大限に引き出すことで、通常では栽培が困難な冬場でも安定した収穫を実現します。しかし、その効果を十分に発揮するには、正しい知識と適切な管理が欠かせません。


透明マルチは畝の地表を覆うフィルムで、太陽光を透過させて地温を効率的に上げる役割を果たします。一方、トンネルは支柱にビニールやポリエチレンフィルムをかけて作物全体を覆う構造で、外気温からの保護と温度管理を可能にします。この二つを併用することで、地温と気温の両方をコントロールでき、作物にとって理想的な生育環境を作り出せるのです。


透明マルチの最大の特徴は、黒マルチと比較して地温上昇効果が約1.5倍高いという点です。透明なフィルムは太陽光をほぼ100%透過するため、土壌が直接温まりやすく、冬場の低温期でも作物の根が活発に成長できる環境を整えます。実際、冬季の地温は透明マルチで約2〜3度、トンネルとの併用でさらに5〜7度上昇することが各地の試験で確認されており、この温度差が作物の生育速度を大きく変えるのです。


トンネル栽培と透明マルチを組み合わせることで、レタスホウレンソウコマツナなどの葉菜類や、スイカ、メロンといった果菜類促成栽培が可能になります。特に冬から春にかけての端境期に出荷時期を早めることができるため、市場価格が高い時期に収穫できるメリットがあります。ある生産者の事例では、透明マルチとトンネルの併用により、通常より約2週間早い収穫が実現し、収益が約30%向上したという報告もあります。


透明マルチトンネルの地温上昇メカニズム


透明マルチによる地温上昇の仕組みは、太陽光の吸収と熱の保持という二つのプロセスで成り立っています。透明フィルムは太陽光を透過させて土壌表面に熱エネルギーを届け、同時にマルチと土壌の間に形成された空気層が断熱材の役割を果たします。


これが基本です。


晴天時の昼間、透明マルチ下の地温は外気温より10〜15度も高くなることがあります。例えば外気温が5度の冬日でも、マルチ下の地温は15〜20度まで上昇し、作物の根が活動できる温度帯を維持できるのです。この温度は、ちょうど春先の4月頃の土壌温度に相当します。つまり透明マルチは、冬でも春の環境を人工的に作り出せるということですね。


トンネルとの併用により、この効果はさらに増幅されます。トンネルフィルムが外気からの冷気を遮断し、日中に蓄えられた熱を夜間も保持することで、昼夜の温度差を小さくします。夜間の地温低下を2〜3度抑制できるため、作物が寒さによるストレスを受けにくくなり、安定した生育が続くのです。


ここが重要なポイントです。


ただし、この高い地温上昇効果は諸刃の剣でもあります。春先の気温上昇期や晴天が続く時期には、トンネル内の温度が35度を超えることがあり、作物に高温障害を引き起こすリスクがあるのです。特にレタスやホウレンソウなど冷涼な気候を好む作物では、30度を超えると生育不良や品質低下が発生します。そのため、透明マルチとトンネルを使う場合は、温度管理がより重要になります。


地温を効率的に上げながら過度な温度上昇を防ぐには、温度計をトンネル内に設置して毎日の最高温度をチェックすることが基本です。最高気温が25度を超える日が増えてきたら、トンネルの裾を開けて換気するか、穴あきフィルムへの交換を検討するタイミングといえるでしょう。


タキイ種苗のトンネル栽培資材ガイドでは、適切な温度管理の方法と資材選びのポイントが詳しく解説されています


透明マルチトンネルに適した作物の選び方

透明マルチとトンネルの組み合わせが最も効果を発揮するのは、低温期に生育を促進したい作物です。具体的には、ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ、レタスといった葉菜類、ニンジン、ダイコンカブなどの根菜類、そしてスイカやメロン、トウモロコシといった果菜類が適しています。


葉菜類の中でも特にホウレンソウとレタスは、透明マルチトンネル栽培の代表的な作物です。10月中旬に種をまいたホウレンソウは、通常の露地栽培では12月下旬から1月の収穫になりますが、透明マルチとトンネルを使えば12月上旬には収穫できます。


約3週間の前進が可能ということですね。


この時期は葉物野菜の価格が高騰する年末年始と重なるため、経営的なメリットが大きいのです。


スイカやメロンのような果菜類では、透明マルチトンネルによる保温効果が初期生育を大きく促進します。2月下旬から3月上旬に定植した苗は、トンネル内で霜害から守られながら根を伸ばし、4月以降の生育が旺盛になります。ある産地の調査では、透明マルチとトンネルを使った栽培で、収穫開始が約10日早まり、初期収量が20%増加したという結果が報告されています。東京ドーム1個分の面積(約4.7ha)で計算すると、かなりの収益増です。


一方で、透明マルチトンネル栽培に向かない作物もあります。トマトやナスなど高温を好む夏野菜は、春先の定植時期には外気温がすでに上がっているため、透明マルチの地温上昇効果が過剰になりがちです。これらの作物には黒マルチやシルバーマルチの方が適しています。


つまり作物選びが成功の第一歩です。


作物を選ぶ際は、その作物の生育適温を確認することが重要です。葉菜類の多くは15〜20度、スイカやメロンは20〜28度が生育適温とされています。透明マルチトンネルで作り出せる温度環境がこの範囲に収まるかを考えて、栽培計画を立てるとよいでしょう。気象データと温度計を活用すれば、より精密な管理が可能になります。


透明マルチトンネルの設置手順と支柱配置

透明マルチトンネルの設置作業は、正しい手順で行うことで効果が大きく変わります。まず畝を立ててから透明マルチを張り、その後に支柱を立ててトンネルフィルムをかけるという流れが基本です。


一つずつ丁寧に進めましょう。


最初に幅60〜120cmの畝を立てます。畝の高さは15〜20cm程度が標準で、水はけの悪い圃場ではもう少し高くします。畝立て後、土壌が十分に湿っている状態で透明マルチを張ります。


これは地温上昇効果を最大化するためです。


乾燥した土壌では熱の伝わり方が悪くなるため、雨上がりや灌水後にマルチを張るのが理想的です。


土が湿っていればOKです。


透明マルチを張る際は、フィルムをピンと張って土壌と密着させることがポイントです。マルチと土の間に空気が入ると断熱効果が下がり、地温上昇が妨げられます。マルチの端は土で30cm程度埋めるか、専用の押さえピンで固定します。風が強い地域では特にしっかりと固定する必要があります。


マルチが飛ばされると全てが台無しです。


次に支柱を立てます。トンネル用の支柱は、畝幅に応じて長さ180〜210cmのものを選びます。支柱の間隔は70〜80cmが基本で、風の強い地域では60cm程度に狭めると安定性が増します。支柱は地面に対して垂直に、深さ30cm以上差し込みます。「ハ」の字に開くと強度が落ちるので、まっすぐ立てることを意識しましょう。


支柱を立てたら、トンネルフィルムをかけます。フィルムは100m巻きのロール状で販売されていることが多く、2人以上での作業が効率的です。畝の端からフィルムを広げながら支柱にかけ、反対側の端まで引っ張ります。フィルムの両端は土で埋めるか、マルチ押さえで固定します。トンネルの端部は特に風の影響を受けやすいため、板に巻きつけて30cm以上埋め込むと安心です。


設置後は、トンネル内に温度計を設置して日々の最高温度と最低温度を記録しましょう。この記録が換気管理や作物の生育診断に役立ちます。スマートフォンのアプリで記録すれば、データの管理も簡単です。


透明マルチトンネルの温度管理と換気作業

透明マルチトンネルで最も重要な管理作業が、温度コントロールのための換気です。晴天時にはトンネル内の温度が急上昇し、わずか数時間で35度を超えることもあります。この高温障害を防ぐには、こまめな換気が欠かせません。


命綱と言っても過言ではありません。


換気の基本は、トンネル内の最高気温を30度以下に保つことです。レタスやホウレンソウなど葉菜類の多くは、30度を超えると葉が縮れたり、生育が停滞したりします。スイカやメロンは比較的高温に強いですが、35度を超えると花粉の活性が低下し、着果不良の原因になります。


つまり作物ごとに管理温度を変える必要があります。


換気方法には「裾換気」と「穴開け換気」の2種類があります。裾換気は、トンネルフィルムの裾を巻き上げて外気を取り入れる方法で、温度調整の幅が広いのが特徴です。朝9時頃から裾を開け始め、日中は10〜20cm程度開けておき、夕方4時頃に閉じるという流れが一般的です。この作業を毎日繰り返すわけですから、相当な労力がかかりますね。


もう一つの穴開け換気は、トンネルフィルムに直径10cm程度の穴を等間隔で開ける方法です。穴あきフィルムとして最初から穴が開いた製品も販売されており、これを使えば日々の換気作業が不要になります。ただし、保温効果は裾換気より若干低下するため、厳寒期には無孔フィルムと穴あきフィルムを二重にかける方法も有効です。


省力化を優先するなら穴あきフィルムですね。


気温の上昇に合わせて、換気方法を段階的に変えることも重要です。外気温が10度以下の厳寒期は密閉状態を保ち、10〜15度になったら穴開け換気を開始、15〜20度では裾換気を併用、20度を超えたらトンネルの除去を検討するという流れです。


段階を踏むことが基本です。


換気作業の負担を軽減するには、自動換気装置の導入も選択肢の一つです。温度センサーと連動してトンネルの裾を自動開閉する装置は、初期投資は必要ですが、大規模栽培では人件費削減効果が大きくなります。1ha以上の規模で透明マルチトンネルを使う場合は、検討する価値があるでしょう。


透明マルチトンネルの雑草対策と除草管理

透明マルチの最大の弱点は、雑草が繁茂しやすいという点です。黒マルチは光を遮断して雑草の光合成を阻害しますが、透明マルチは光を透過するため、マルチ下で雑草が旺盛に育ってしまいます。放置すると作物の養分を奪われ、収量が大幅に低下するため、効果的な雑草対策が不可欠です。


厳しいところですね。


最も確実な対策は、マルチを張る前に除草剤で処理することです。選択性除草剤を使えば、作物には影響を与えずに雑草だけを抑制できます。例えばホウレンソウ栽培では、播種時にラッソー乳剤などの土壌処理型除草剤を散布することで、発芽後の雑草発生を大幅に減らせます。除草剤の選択は作物の種類と雑草の種類に合わせて行う必要があるため、農協や資材販売店に相談するとよいでしょう。


除草剤を使わない有機栽培や減農薬栽培では、太陽熱消毒という方法が有効です。夏場の高温期に透明マルチを張り、2〜3週間放置することで、マルチ下の地温が50〜60度まで上昇し、雑草の種子や土壌病害虫を死滅させることができます。この処理を行った後、秋冬作物を植え付ければ、雑草の発生を大幅に抑えられます。ただし真夏の作業は体力的に厳しいため、熱中症対策を十分に行いましょう。


栽培期間中に雑草が発生した場合は、早めの手取り除草が基本です。透明マルチに小さな穴を開けて草を引き抜くか、マルチの端から手を入れて除草します。雑草が大きくなると根が深く張り、除草が困難になるだけでなく、作物の根を傷める原因にもなります。週1回程度の巡回で雑草をチェックし、小さいうちに対処することが重要です。


こまめな管理が決め手です。


雑草対策の手間を減らすには、透明マルチと黒マルチを組み合わせる方法もあります。畝の中央部分は透明マルチで地温を上げ、通路部分や畝の端には黒マルチを敷いて雑草を抑制するという使い分けです。この方法なら地温上昇効果を保ちながら、雑草管理の負担を軽減できます。


状況に応じて工夫しましょう。


透明マルチトンネル栽培のコストと収益性

透明マルチトンネル栽培を始める際、多くの農業従事者が気になるのが初期投資と維持コストです。資材費、労働時間、そして得られる収益のバランスを正しく理解することが、経営判断の鍵になります。


計算してみましょう。


10aあたりの資材費は、透明マルチ(幅135cm×長さ200m)が約8,000円、トンネル支柱(210cm×150本)が約15,000円、トンネルフィルム(幅210cm×長さ100m×2本)が約20,000円で、合計約43,000円程度です。これに固定用のピンや補修テープなどを加えると、初期投資は約50,000円になります。ただし支柱は2〜3年使えるため、2年目以降は資材費が約半分に抑えられます。


耐久性も重要な要素ですね。


設置にかかる労働時間は、10aあたり2人で約8〜10時間です。これを時給1,500円で計算すると、人件費は約24,000〜30,000円となります。撤去作業も同程度の時間がかかるため、設置と撤去を合わせた労働コストは約50,000円です。つまり10aの透明マルチトンネル設置には、資材費と人件費を合わせて約100,000円のコストがかかることになります。


一方、収益面を見てみましょう。レタス栽培を例にすると、露地栽培での10a当たりの収量は約3,000〜3,500株ですが、透明マルチトンネル栽培では約3,500〜4,000株に増加します。さらに出荷時期が2〜3週間早まることで、市場価格の高い時期に販売できるメリットがあります。1月の高値時期にレタス1株200円で販売できれば、10aで約700,000〜800,000円の売上になります。通常期の価格(1株100円前後)と比べて、約200,000〜300,000円の収益増が期待できるのです。


この収益増から資材費と人件費を差し引くと、10aあたり約100,000〜200,000円の純利益増が見込めます。2年目以降は支柱の再利用で資材費が減るため、さらに利益率が向上します。つまり透明マルチトンネル栽培は、初年度でも投資回収が可能で、2年目以降は安定した収益向上が期待できる栽培方法といえるでしょう。


これは使えそうです。


コストを抑えるポイントは、資材の再利用と作業の効率化です。トンネルフィルムは破れやすい部分をテープで補修すれば2〜3年使えますし、支柱も丁寧に扱えば5年以上使用できます。また、複数の畝を同時に設置する流れ作業にすることで、労働時間を20〜30%削減できたという事例もあります。仲間と協力して作業することも一つの方法です。


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