生育診断アプリを毎日使っている農家ほど、収量が下がりやすいというデータがあります。
生育診断アプリとは、スマートフォンのカメラや衛星データを活用して、作物の生育ステージや健康状態をAIが自動判定するツールです。 従来の農業では、農家が毎日圃場を目視で観察し、経験と勘で生育状況を判断していました。しかし天候の変動が激しくなった現代では、感覚だけに頼った管理では対応しきれない場面が増えています。
参考)スマート農業と生育判断 - 次世代テックラボ|ジセラボ - …
アプリの仕組みはシンプルです。圃場でスマホのカメラを向けて撮影するだけで、AIが画像を解析し、生育ステージや異常を数値で表示します。 たとえば水稲向けの「Growth eye Field」は、田面から約1.5メートルの高さから撮影するだけで、分げつ期・幼穂分化期・減数分裂期・登熟期を自動判定します。撮影後すぐに結果が出るため、現場での即断即決を支援します。
参考)窶雑rowth eye Field繧「繝励Μ - App S…
つまり「撮って確認する」が基本です。
アプリによっては、気象データと連動した高精度な予測機能も搭載されています。 水稲生育診断アプリ「稲作先生」は、農研機構が構築した農業データ基盤「WAGRI(ワグリ)」の生育予測APIを活用しており、圃場の位置情報・品種・移植日・地域の気象データを組み合わせて生育ステージを算出します。経験の浅い新規就農者でも、熟練農家と同レベルの判断が可能になります。agri.mynavi+1
アプリ選びで迷う農家は多いです。まず代表的な4種類の特徴を整理しておきましょう。
| アプリ名 | 対象作物 | 主な機能 | 料金 |
|---|---|---|---|
| 稲作先生 | 水稲 | 生育イベント(中干し・出穂等)予測、スケジュール管理 | 無料 |
| Growth eye Field | 水稲 | AI画像解析による生育ステージ・茎数判定 | 無料 |
| 生育ナビ | 施設園芸(トマト等) | スマホ撮影で開花位置・茎径・葉長を計測、クラウド蓄積 | 有料 |
| xarvio(ザルビオ) | 麦・大豆・水稲など | 衛星画像+AI解析、生育マップ・施肥タイミング提示 | 無料/有料 |
「稲作先生」は住友化学が提供する無料アプリで、圃場を地図から選んで品種と移植日を入力するだけで、中干し適期・幼穂形成期・出穂期・成熟期を自動予測します。 診断結果はメール送信できるため、複数圃場を管理する農家にも便利です。
参考)水稲生育診断 稲作先生
「xarvio(ザルビオ)フィールドマネージャー」は、衛星データを解析して圃場内の生育ムラをカラーマップで可視化する高機能ツールです。 生育ムラのある箇所にだけピンポイントで追肥できるため、肥料コストの削減にも直結します。
これは使えそうです。
参考)xarvio(ザルビオ)フィールドマネージャー|衛星データ×…
施設園芸農家には「生育ナビ」が適しています。 スマホカメラで作物の計測箇所に計測マークをかざして撮影すると、定規を使わずに茎径・葉長・開花位置が数値化されます。他の生産者とデータを共有する機能も備わっており、地域全体の生育状況と自分のハウスを比較できます。
どのアプリが自分に合うか、判断基準を3つに絞ると選びやすくなります。
1つ目は作物の種類です。水稲専用(稲作先生・Growth eye Field)、施設園芸向け(生育ナビ)、麦・大豆・水稲など複数作物対応(xarvio)と、対象作物が異なります。 複数の作物を栽培している場合は、xarvioのように多品目に対応したアプリが効率的です。
参考)農業アプリ人気23選!栽培管理・農薬・病害虫・情報収集に特化…
2つ目は圃場規模です。広大な圃場を管理する場合は衛星画像を使ったxarvioやドローン連携システムが有効です。 近畿大学の研究によれば、生育初期に2回撮影するだけで収量予測ができるレベルまで技術は進んでいます。小規模農家であれば、スマホ撮影だけで完結するGrowth eye Fieldや稲作先生でも十分です。
参考)農作物のストレスをドローンで診断。<br>ITやAIの力によ…
3つ目はコスト感覚です。稲作先生とGrowth eye Fieldは完全無料で利用でき、初期投資ゼロで始められます。 一方で衛星データを使うxarvioなどは有料プランが存在します。まず無料アプリで生育診断の感覚をつかんでから、必要な機能に応じて有料プランを検討する順序が現実的です。
参考)水稲生育診断 稲作先生アプリ - App Store
コストと機能のバランスが条件です。
生育診断アプリの最大の恩恵を受けるのは、実は新規就農者です。
熟練農家が数十年かけて積み上げた目視判断力を、AIは蓄積データとして保持しています。 AIによる生育診断は、熟練農家の知識や経験をビッグデータとして学習しており、新規就農者でも病害虫の早期発見や生育不良の察知が可能です。
これが現場では大きな差を生みます。
具体的には、農薬散布の場面で効果が出やすいです。圃場全体に一律で農薬をまく従来の方法と比べ、AIが異常を検知した箇所にのみ農薬を投入することで、農薬コストと散布労力を同時に削減できます。 減農薬栽培という付加価値を高める効果もあり、高単価販売につながるケースもあります。
アグリノートのような営農支援アプリは、圃場・作業・作物ごとの記録を一元管理できる機能を備えており、JGAPやGLOBAL G.A.P.認証の取得にも活用できます。 認証取得は販路拡大に直結するため、データ蓄積が経営的なメリットを生み出します。
参考)アグリノート
農林水産省のスマート農業技術カタログでは、水稲・畑作向けのAI活用ツールが複数掲載されています。
信頼性の高い情報として参考にしてください。
圃場ごとの生育状況確認や技術の概要については、以下の公式ページが参考になります。
ここが多くの農家が見落とすポイントです。
生育診断アプリは「毎日撮影・毎日確認」が習慣になりやすいですが、頻度が高すぎると圃場に入る回数が増え、土壌の踏み固めによる根傷みや通気性の悪化を招くリスクがあります。特に水田では、必要以上の入水・排水を繰り返すことで根腐れの可能性も否定できません。アプリ画面の数値変化に一喜一憂するより、週1〜2回の記録サイクルでデータを積み上げる運用が推奨されます。
💡 アプリ活用の推奨サイクル目安。
データは連続性が命です。同じ撮影ポイント・同じ時間帯に記録することで、時系列グラフの精度が上がり、昨年との比較も正確になります。 生育ナビのような施設園芸向けアプリは、データを他の生産者と共有できるため、「なぜ自分の圃場だけ生育が遅いのか」を客観的に把握する手がかりになります。
NTTデータが提供する農業ICTサービス「あい作」は、スマートフォンで撮影した画像からAIが稲の生育ステージを判定する機能を搭載しており、産地全体のデータ活用にも対応しています。 組合や農協単位での導入も進んでおり、個人利用だけでなく産地一体型の管理ツールとして活用されています。
参考)あい作
AI生育診断アプリのスマート農業への応用については、以下の記事に詳しい開発者インタビューが掲載されています。
スマートアグリ|AI生育診断アプリで気候変動に強い稲づくり!(NTTデータCCS Growth eye 開発者インタビュー)

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