落葉果樹一覧と種類|栽培適応品種と受粉樹の選び方

落葉果樹にはリンゴ、ナシ、モモ、カキ、ブドウなど豊富な種類があります。それぞれの特性や栽培適応地域、受粉樹の必要性を理解して、収益性の高い果樹栽培を始めませんか?

落葉果樹の種類と栽培適応品種

同じ品種を2本植えても果実は実りません。


この記事の3ポイント要約
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落葉果樹の主要品種と特性

リンゴ、ナシ、モモ、カキ、ブドウ、キウイなど落葉果樹は290品種以上あり、収穫時期や栽培地域の適応性が異なります。キウイフルーツは時給1491円と収益性が高く、初心者にも向いています。

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受粉樹が必須の落葉果樹

リンゴ、ナシ、スモモ、オウトウなどは自家不和合性が強く、異なる品種の受粉樹が必須です。 同じ品種を複数本植えても結実しません。 開花時期が重なる相性の良い組み合わせを選ぶことが収穫成功の鍵です。

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落葉果樹の植え付け適期

落葉果樹の植え付けは11月~3月の休眠期が適期で、特に秋植え(11月下旬~12月)が活着が早く翌春の生育が良好です。寒冷地では春植え(3月中旬~4月上旬)が無難です。


落葉果樹の主要品種一覧と収穫時期


落葉果樹とは、秋から冬にかけて葉を落とし休眠する温帯性の果樹のことです。日本で主に栽培されている落葉果実には、リンゴ、ナシ、カキ、キウイフルーツ、ブドウ、モモ、スモモ、ウメ、アンズ、サクランボ、クリなどがあります。これらは冬季に低温にさらされることで休眠から覚め、春に萌芽・開花する性質を持っています。


落葉果樹は290品種以上の多様な品種があり、甘柿30品種、渋柿12品種、クリ15品種、ウメ21品種、モモ21品種、スモモ11品種など、選択肢が豊富です。収穫時期も品種によって異なり、春のサクランボから秋のカキやクリまで、長期間にわたって収穫できます。


つまり品種選びが重要です。


農業経営の視点で見ると、キウイフルーツは10aあたりの農業所得が35万円、時給換算で1491円と、落葉果樹の中でもっとも収益性が高いとされています。収支と労働時間のバランスが整っているため、初心者向けの果樹としても推奨されています。ただし、品種選定や受粉樹の配置を間違えると、収穫が大幅に減少するリスクがあります。


吉岡国光園の落葉果樹291品種一覧ページでは、甘柿、渋柿、クリ、ウメ、モモ、スモモ、プルーン、ネクタリン、アンズ、ナシ、イチジク、ブドウ(各色)、サクランボ、ギンナン、キウイ、クワなど、詳細な品種リストを確認できます。


落葉果樹の栽培適応地域と気候条件

落葉果樹は種類によって栽培に適した地域が大きく異なります。冷涼な気候を好む寒冷地果樹から、温暖な気候に適応する品種まで、地域の気象条件に合わせた品種選定が不可欠です。


リンゴ栽培に適する年平均気温は6~14℃とされており、道北、道東、東北地方、長野県などの高冷地が主要産地です。温暖化の影響により、従来のリンゴ産地でも着色不良や品質低下が報告されており、将来的には栽培適地が北上する可能性が指摘されています。一方、モモやブドウは比較的温暖な地域でも栽培可能で、山梨県や岡山県などが主要産地となっています。


ブルーベリーは系統によって栽培適地が異なります。ノーザンハイブッシュ系は寒冷地向けで耐寒性が強く、果実は大粒で酸味がある繊細な味わいが特徴です。サザンハイブッシュ系は温暖地向けで、暑さに強く食味が良好な品種が多くなっています。ラビットアイ系は暖地での栽培に向いており、土壌適応性や耐暑性、耐乾性に優れ、甘味が強いのが特徴です。育てやすさが際立っているため家庭栽培にも適しています。


気候に合わない品種を選ぶと収穫がゼロになります。


カキは比較的温暖な地域で栽培され、西日本を中心に広く栽培されています。クリは冷涼な気候を好みますが、比較的広い地域で栽培可能です。スモモやアンズは寒さに強く、冷涼地での栽培に適しています。


気候変動の影響により、開花期の前進や晩霜害のリスク増加、着色不良、果実品質の変化などが各地で報告されています。今後は温暖化に対応した品種選定や栽培技術の導入がますます重要になるでしょう。地域の気象データを確認し、過去の栽培実績がある品種を選ぶことで、失敗のリスクを大幅に減らせます。


落葉果樹の受粉樹と自家結実性の理解

落葉果樹栽培で最も注意すべき点が、受粉樹の必要性です。多くの落葉果樹は自家不和合性という性質を持ち、同じ品種の花粉では受粉しても結実しません。この性質を理解せずに同じ品種だけを植えると、何年待っても果実が実らず、投資が無駄になります。


リンゴ、ナシ、スモモ、オウトウ(サクランボ)は自家結実性が低く、異なる品種の受粉樹が必須です。たとえばナシの「幸水」を2本植えても実はなりません。幸水には「長十郎」「松島」「新興」などの異なるS遺伝子型を持つ品種の花粉が必要です。リンゴの「ふじ」には「王林」「メイポール」「ぐんま名月」などが受粉樹として推奨されます。開花時期が重なることも重要で、早生品種と晩生品種では開花がずれて受粉できないことがあります。


これが基本です。


ブルーベリーは品種によって受粉樹の必要性が異なります。ラビットアイ系は自家不和合性が特に強く、異なる品種を2本以上植えることが必須です。サザンハイブッシュ系では「サンシャインブルー」など一部品種は1本でも結実しますが、2本以上植えた方が収穫量が増えます。同じ系統内で異なる品種を組み合わせることで、より確実な結実が期待できます。


モモは多くの品種で自家結実性がありますが、「白桃」「西王母」など一部品種は受粉樹が必要です。カキはほとんどの品種が1本で実をつけますが、受粉樹があると果実が大きくおいしくなります。ウメは自家結実性が低く、「郷」「鴬宿」「甲州最小」などの受粉樹が必要です。


受粉樹の配置は、主要品種10本に対して受粉樹1~2本程度が目安です。人工授粉を行えばより確実ですが、労働時間が増えるため、自然受粉を基本にマメコバチやミツバチの活動を促進する環境整備も重要です。受粉樹の選定を間違えると、数年間の労力と投資が無駄になるため、購入前に専門業者や農業普及センターに相談することを強めに推奨します。


園芸ネットの果樹の自家結実性ガイドでは、各果樹の受粉樹の必要性と推奨される組み合わせが詳しく解説されています。


落葉果樹の植え付け適期と管理方法

落葉果樹の植え付けは、落葉後の秋植え(11月下旬~12月上旬)と、萌芽前の春植え(3月中旬~4月上旬)の2つの適期があります。それぞれにメリットとデメリットがあり、地域の気候条件や管理体制に応じて選択すべきです。


秋植えは活着が早く、翌春の発育が良好という大きなメリットがあります。11月~12月に植え付けることで、3月頃までには根の生育が始まり、春からの生長が順調になります。ただし、寒冷地や積雪の多い地域では、野ネズミによる食害、雪による枝折れ、寒害や乾害のリスクがあるため注意が必要です。冬期間、十分な管理ができない場合は避けた方が無難です。


春植えが安全策になります。


春植えは寒害のリスクを回避できますが、春には新根の生長が始まっている場合があり、植え付け時に根を傷めないよう慎重な作業が求められます。優良な苗が多く出回るのは秋なので、秋に苗を確保して適切に保管し、春に植え付けるという方法もあります。植え付け適期を逃すと、その年の生育が大幅に遅れ、初収穫までの期間が1年以上延びることもあります。


植え付け時には、深さ30~40cm程度の植穴を掘り、堆肥腐葉土を混ぜた用土を使います。接ぎ木部分が地際より5~10cm上になるように植え付け、支柱を立てて固定します。植え付け後はたっぷりと水を与え、乾燥を防ぐためにマルチングを施すと活着が促進されます。


落葉果樹の管理では、落ち葉処理が重要です。落葉中には病原菌や害虫が越冬するため、そのまま放置すると翌年の病害虫発生源になります。園外に持ち出すか、ロータリー耕により落葉を粉砕してすき込む方法が推奨されます。また、晩霜害対策として、発生しやすい場所への栽植を避け、防風樹の下枝を刈り込むなどの事前対策も必要です。


JA埼玉中央の果樹苗木の植え方ガイドでは、植え付け時期や方法について詳しい解説があります。


落葉果樹栽培の収益性と初心者向け品種

落葉果樹栽培の収益性は品種によって大きく異なり、初期投資、労働時間、市場価格を総合的に判断する必要があります。農林水産省の統計によると、10aあたりの時給換算でキウイフルーツが1491円と最も高く、収支と労働時間のバランスが優れています。


キウイフルーツは粗収益約54万円、経費19万円、農業所得35万円、労働時間238時間と、他の果樹と比べて効率的な経営が可能です。また、キウイは自家不和合性が強いため、オス木とメス木を必ず植える必要がありますが、病害虫に強く、管理が比較的容易なため初心者にも向いています。ただし、収穫まで3~5年かかるため、長期的な視点での経営計画が必要です。


時給1491円が目安になります。


ブルーベリーは初心者にとって最も栽培しやすい落葉果樹の一つです。樹高が低く、鉢植えでも栽培可能で、広いスペースが不要です。病害虫の被害も少なく、管理の手間が少ないのが特徴です。ただし、ブルーベリーは強酸性土壌(pH4.3~4.8)を好むという特殊性があり、一般的な果樹が好む中性に近い土壌とは異なります。ピートモス鹿沼土を使った土壌改良が必須ですが、一度適切な環境を整えれば安定した収穫が期待できます。


モモやイチジクも比較的栽培しやすい品種です。イチジクは1本でも結実し、受粉樹が不要なため初心者向きです。日当たりさえ良ければ簡単に栽培でき、半日陰でも栽培可能な耐陰性もあります。モモは多くの品種で自家結実性がありますが、摘果や袋かけなどの作業が必要で、やや手間がかかります。


避けるべきは、リンゴやナシなど受粉樹の組み合わせが複雑で、病害虫管理が難しい品種です。これらは経験を積んでから取り組むのが賢明です。初心者は、まずブルーベリーやキウイ、イチジクなど管理が容易な品種から始め、栽培技術と知識を蓄積してから、高収益だが管理が難しい品種に挑戦するステップアップ方式が失敗を減らす近道です。


収益性を重視する場合、地域の気候条件、栽培面積、労働力、販売ルートなどを総合的に検討し、自分の経営資源に合った品種を選ぶことが重要です。直売所での販売を想定する場合は、珍しい品種や高品質な品種が高値で取引される傾向があります。


農業で儲かる果物ランキングでは、各果樹の収益性や時給換算のデータが詳しく紹介されています。




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