牛糞堆肥作りの第一歩は、適切な材料の準備から始まります。生の牛糞を回収したら、まず水分率を確認しましょう。水分率70%が理想的な目安で、握ってしっかり水分が出る程度が適切です。水分が多すぎる場合は、副資材としてオガクズや稲わらを混ぜて調整します。
参考)牛ふん堆肥とは? 正しい使い方やまく量の目安を農家が解説|マ…
副資材の選択は堆肥の質を左右する重要な要素です。オガクズは吸水性に優れており、堆肥化の際に発生する悪臭を吸着する効果があります。一方、籾殻やバークなど植物由来の副資材を混合すると、炭素比率が高くなり土壌改良効果が向上します。水分調整の目安として、牛糞とオガクズを冬場は堆肥1:オガクズ2、夏場は堆肥1:オガクズ1の割合で混合すると良いでしょう。
参考)https://www.leio.or.jp/pub_train/publication/tkj/tkj50/tkj50.pdf
副資材を混ぜずに作る「戻し堆肥」という方法もあります。これは完熟堆肥を副資材として利用する方法で、副資材コストの削減につながりますが、塩類濃度が2~3倍高くなるため施用量の調整が必要です。
参考)攪拌・切り返し不要!戻し堆肥の作り方
材料を準備したら、できるだけ高く積み上げて一次堆積発酵を開始します。堆積の高さは1.5m以上、できれば約2mが理想的です。適切な水分と通気があれば、2~3日のうちに60℃以上の温度に達します。この発酵温度が堆肥の品質を決定づける重要な要素となります。
参考)https://www.pref.akita.lg.jp/uploads/public/archive_0000001203_00/taihijyouken.pdf
発酵温度は60~70℃を維持することで、病原菌をほぼ死滅させ、雑草の種子も殺すことができます。温度が70℃以上になりすぎると微生物が死滅してしまい、50℃以下では未熟堆肥になる可能性が高まります。発酵温度の推移を観察し、温度が下がってきたら切り返し(攪拌)を行って空気を供給します。
参考)牛ふん堆肥の使い方
秋田県農林水産部の資料には堆肥化発酵の6条件が詳しく解説されています
一次発酵後は、できる限り低く堆積させて二次堆積発酵を行います。一次堆積の半分の高さがベストで、夏場は2週間以上、冬場は1ヶ月間以上寝かせます。この二次発酵により、堆肥の品質が安定し完熟度が高まります。
堆肥が完熟したかどうかの判定は、外観だけでは見分けにくいため、複数の方法を組み合わせて評価します。最も簡単な判定方法は五感を使った観察です。完熟堆肥は色が黒褐色に変わり、刺激臭が消えて土っぽい匂いへ移行します。手で握るとさっと崩れる質感になっているのも特徴です。
参考)https://yamagata.lin.gr.jp/wp-content/themes/yamagata_livestock/file/data/06_01environment/taihi.pdf
温度による判定も有効です。堆積中の温度が60~70℃であれば完熟堆肥となっている可能性が高く、これ以上または以下の場合は未熟堆肥の可能性が増します。特に50℃以下の場合は未熟堆肥である可能性が高いため注意が必要です。切り返しをしても温度が上昇しなくなった時点が、堆肥化期間の終了の目安となります。
参考)完熟堆肥とは?利点や注意点、入手方法を紹介 – Re+ │ …
農林水産省の堆肥に関する資料で腐熟判定の詳細が確認できます
より科学的に判定したい場合は、C/N比(炭素窒素比)を測定する方法があります。C/N比が20以下であれば窒素肥効が高く、30以下で分解しやすい堆肥と判断できます。発芽試験やミミズなどの動植物による判定法も実用的です。
参考)牛糞堆肥のデメリットを回避する方法とは? | コラム | セ…
完熟した牛糞堆肥の施用量は、作物の種類や土壌の状態によって調整します。一般的な目安として、1平方メートルあたり2~3kg程度が推奨されます。野菜栽培では10a(1000平方メートル)あたり堆肥窒素施用量10~40kgの範囲で調整しますが、施用量を増やしても作物による堆肥窒素の利用効率はほぼ同じです。
参考)【完全ガイド】牛糞肥料の使い方・デメリットと対策・適量まで徹…
施用方法は、まず土壌の状態を確認することから始めます。乾燥して硬い土壌の場合は、先に水をまいて柔らかくしてから施肥します。土の表面に牛糞堆肥をまいた後は、クワやシャベルを使って20~30cm程度の深さまでしっかりすき込むのがポイントです。
プランターや植木鉢で使用する場合は、土全体に対して牛糞堆肥を10%程度に抑え、バーク堆肥や腐葉土などの植物性堆肥を20~30%の割合で配合します。牛糞堆肥と腐葉土を1:1の割合で使えば、土壌改良効果と保水性の両方を高めることができます。副資材としてオガクズや籾殻を多く含む堆肥は肥効が少なく分解が緩やかなため、施用量を調整する必要があります。
参考)畜種別堆肥の特徴/千葉県
堆肥作りでよくある失敗は、発酵温度が上がらないことです。この原因の多くは、副資材不足による水分過多や通気不良にあります。解決策として、イージージェットのような通気装置を床面に設置する方法があり、切り返し作業を省略しながらも発酵温度を上昇させることができます。
参考)乳牛糞で発酵温度を上昇させ、悪臭軽減、高品質堆肥生産!(導入…
もう一つの意外な対策は、ペレット堆肥への加工です。家畜の糞尿を攪拌・発酵・乾燥させた後に造粒機械で圧縮し、直径5mm程度の粒状に成型すると、保存性が高まり散布作業も容易になります。ペレット堆肥は水分が少なく品質が安定しているため、化学肥料的感覚で均一に散布できる利点があります。普通の堆肥と同じ容積でも中身は1.5~1.6倍分あるため、少量で済むというメリットもあります。
参考)堆肥による土づくりが省力化できる?ペレット堆肥のすすめ | …
乳酸菌を活用した攪拌不要の戻し堆肥製造法について詳しく解説されています
除草剤クロピラリドが残留している輸入飼料由来の堆肥には注意が必要です。この除草剤が残留していると、トマトやナス科の作物に生育障害を引き起こす可能性があるため、堆肥を使用する前に生物検定で確認することをおすすめします。残留している場合でも、適正量を守れば影響を最小限に抑えられます。
参考)堆肥に残留した除草剤による生育障害について/千葉県
堆肥化期間は、堆積方式で牛糞のみの場合2ヶ月程度が目安ですが、季節や条件により変動します。夏場は発酵が早く進むため1ヶ月程度、冬場は1.5ヶ月以上の一次発酵期間が必要です。温度管理を徹底し、水分調整と通気を適切に行うことで、高品質な完熟堆肥を安定的に生産できます。

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