米の病気種類を解説|原因症状防除対策

稲作で収量や品質に大きく影響する米の病気。いもち病、紋枯病、ごま葉枯病など代表的な病害から稲こうじ病、ばか苗病まで、病気の種類と原因、症状、効果的な防除方法を網羅的に解説します。カビや細菌、ウイルスによる病害を知り、予防と対策を実践できていますか?

米の病気種類と原因症状防除対策

米の主な病気の分類
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糸状菌(カビ)による病気

いもち病、紋枯病、ごま葉枯病など、稲作で最も多く見られる病害群

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細菌性の病気

白葉枯病、もみ枯細菌病など、主に傷口や気孔から侵入する病原体

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ウイルス性の病気

縞葉枯病、萎縮病など、昆虫によって媒介される伝染性病害

イネがかかる病気はおよそ40種類存在し、糸状菌(カビ)、細菌、ウイルスなどが原因となります。これらの病害は、稲作における大きな減収要因となり、品質低下を引き起こすため、生産者にとって深刻な問題です。病気の種類によって発生時期や症状、防除方法が異なるため、正しい知識を持つことが重要です。


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米の病気で最も恐いいもち病の種類と症状


いもち病は稲の病気の中で最も被害が大きく恐ろしい病気で、いもち病菌という糸状菌の寄生によって発病します。発生した場所により「葉いもち」「穂首いもち」「節いもち」「苗いもち」などに分けられ、それぞれ異なる症状を示します。


参考)稲の病気で最も怖い「いもち病」

葉いもちは葉に褐色の斑点が現れ、進行すると葉全体が枯死してしまいます。穂いもちは枝梗部、首部、籾など感染した部位によって細かく分けられますが、穂首部に感染が広がると穂首が変色し米が取れなくなります。恐ろしいのは、葉の病斑が伝染源となって穂いもち病が発生してしまう点です。

いもち病は日平均気温が15〜25℃、葉面の濡れ時間が10時間以上、前5日間の平均気温が20〜25℃の範囲となる三つの条件がそろうと、その7〜9日後に発生が認められます。低温・多雨が続くと発生が懸念されるため、田んぼを巡回して早期発見し、薬剤による早期防除が重要です。


参考)水稲の病害高温から発生時期ずれる

クボタの農業情報サイトでは、いもち病の詳しい症状と防除方法について写真付きで解説されています

米の病気で被害が大きい紋枯病の原因と対策

紋枯病は、いもち病に次いでイネによく見られる病気で、糸状菌の一種が原因です。病斑は主に葉鞘に現れますが、葉や穂にも病斑が出ることがあり、暗緑色の水滴状の病斑が特徴です。


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原因菌は糸状菌の一種で、水田のあぜ道などに茂った雑草や、前年の被害株に形成された菌核が越冬し、再感染します。最高分げつ期頃の中干しの時期になると、下位葉鞘に付着した菌核や罹病残渣から感染が起こり初発の病斑が生じます。気温が22℃を超え、株間の湿度が高くなると菌から菌糸が伸び、葉鞘に侵入し発病します。

紋枯病の主な被害は稔実歩合と千粒重の低下による減収です。近年の高温傾向により、紋枯病の発生期がやや早く、発生量も増加傾向にあるため注意が必要です。機械移植は栽植密度が高いため、また早期・早植栽培は高温期に出穂を迎えるために発生が多くなります。


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米の病気のごま葉枯病と穂枯れ症状の特徴

ごま葉枯病は種もみおよび被害わらが発生源となり、種子伝染して育苗期間中の苗に発病します。苗時期に発症すると葉鞘にゴマのような黒い病斑が現れ、酷いと苗は枯死してしまいますが、苗の段階では大きな被害は出ないことが多いです。


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この病気は窒素・カリ・鉄・マンガン・マグネシウム・珪酸などが欠乏状態にある老朽化水田や根腐れを起こしやすい泥炭土壌、養分が抜けやすい砂質土壌で発生しやすいです。肥切れと関連が深く、収穫期前の発生が多く、主に葉に病斑をつくりますが、穂首やもみにも感染し、ひどい場合は穂枯れを起こします。


参考)https://www.syngenta.co.jp/cp/articles/20020702

穂枯れは、ごま葉枯病菌、褐色葉枯病菌、すじ葉枯病菌、小粒菌核病菌などが主な病原菌で、成熟期に水稲の穂に発生します。単独発生よりも、いもち病を含めた各種の菌による混発が多く、出穂期頃に降雨が続くと急激に発生します。


参考)https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/276600.pdf

米の病気の稲こうじ病とばか苗病の独特な症状

稲こうじ病は、病粒に含まれる多量の厚壁胞子が土壌に落下し伝染源となり、翌年に本菌がイネ苗の根から侵入して収穫期近くの穂に症状が現れます。土壌中の子のう胞子や厚膜胞子が風雨によって飛散し、穂ばらみ期の葉上に落下し、雨や霧とともに葉しょう内に流れ込み、もみを侵します。


参考)水稲 稲こうじ病 : こうち農業ネット

発病籾が混ざると、調整時に玄米が汚染されて着色粒となります。低温で湿度が高く、水滴が乾きにくい場所で発生しやすく、窒素肥料が良く効いた生育旺盛な条件で発生しやすいため、遅い追肥は発生を助長します。近年、病気への感受性が高い多収品種やハイブリッド品種の栽培、過剰な窒素肥料の投入により被害が増加しています。


参考)1125. 新たな脅威に備える。 古くて新しいイネの病気「稲…

農研機構では、イネ稲こうじ病の防除技術標準作業手順書を公開しており、詳細な防除方法が確認できます
ばか苗病はFusarium fujikuroiによって起こる病気で、典型的な症状に植物体の徒長があります。これは主に子葉鞘基部で増殖した病原菌が植物ホルモンであるジベレリンを産生し、植物がその影響を受けることによって生じる症状です。本田に持ち込まれた罹病株は徒長、黄化し、枯死してしまいます。


参考)【植物の病害あれこれ】穀類の病気まとめ①イネ編。病害の特徴や…

米の病気予防で重要な環境対策と農薬の適切な使用

病害予防には、まず圃場環境を整えることが大切です。田植えの時期が終わった水田の隅に置かれている補植用取置苗は、水田に放置されたままになるといもち病菌の感染や増殖の温床となるため、早めに処分する必要があります。被害に遭ったわらやもみを放置せず、育苗ハウス周辺で籾殻や稲わらなどを放置・使用しないことも重要です。


参考)代表的な稲の病気|ヒントとコラム集|お米づくりに挑戦(やって…

種籾は塩水選の後で消毒しますが、完全には防除できないため、無病種子の使用と徹底した種子消毒が必要です。いもち病に強い品種(いもち病抵抗性品種)を選ぶことも効果的で、縞葉枯病や白葉枯病の常発地では、抵抗性の強い品種を選定します。


参考)《水稲》いもち病の防除対策について|いわてアグリベンチャーネ…

薬剤防除では、同じ系統の薬剤を連用しないよう注意が必要で、薬剤耐性菌が出現するのを防ぐために系統の異なる薬剤をローテーションします。稲体の抵抗力を高めるため、ケイ酸質肥料(ケイカル、みつかね、けい酸加里他)を施用することも有効です。窒素肥料の適量使用と適切な間隔での苗の植え付けにより、風通しを良くして湿度を下げることができます。


参考)いもち病の対策方法は? その症状や発生原因についても知ってお…

防除項目 具体的な対策方法 実施時期
環境整備 補植用取置苗の早期処分、被害わらの除去 田植え後すぐ
種子対策 塩水選と種子消毒の徹底、無病種子の使用 播種
品種選定 抵抗性品種の選択 栽培計画時
肥培管理 窒素肥料の適量使用、ケイ酸質肥料の施用 生育期全体
薬剤防除 系統の異なる薬剤のローテーション 発生状況に応じて

いもち病の科学的な理解と実践的な予防・対策方法について、より詳しい情報が解説されています
いもち病は、いったん発生すると治癒は難しいため、病害にかからないように予防策をしっかり講じることが最も重要です。イネを日常的に観察して、葉に褐色の斑点はできていないかなど、病気のサインを見逃さないようにしましょう。病気の発見は早ければ早い方が治りやすいため、20〜25℃くらいの気温で湿度が高い状態では特に注意が必要です。




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