ケイ酸カルシウム肥料の効果と正しい使い方
ケイ酸カルシウム肥料を「稲作専用」と思っていませんか?実は野菜にも使えば農薬を3割近く削減できるケースがあります。
🌾 ケイ酸カルシウム肥料の効果まとめ
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病害虫への抵抗性アップ
茎・葉のケイ化細胞が増え、いもち病・うどんこ病などの病原菌の物理的侵入を防ぎます。
農薬使用量の削減につながります。
🍚
食味・品質の向上
米粒中のたんぱく質含有率を低下させることで、食味評価が上がります。ミニトマトでも糖度が対照区比約1.18倍に向上した報告があります。
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土壌改良・pH調整
緩効性でじっくりpHを中和し、火山灰土壌では固定されたリン酸を有効化します。微量要素(苦土・マンガン・ホウ素)も同時補給できます。
ケイ酸カルシウム肥料の成分と土づくり効果
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ケイカル(ケイ酸カルシウム)は、鉄などの金属精錬の際に生じる「鉱さい」を原料とした肥料です。 公定規格では可溶性ケイ酸10%以上・アルカリ分35%以上が保証されており、製品によってはく溶性苦土(マグネシウム)、マンガン、ホウ素なども含まれます。 つまり1袋でケイ酸・石灰・微量要素をまとめて補給できる、コスパの高い資材です。
参考)ケイカル(ケイ酸カルシウム)肥料の成分と特徴・効果、使い方
土壌への効果として特に重要なのが、pH(酸性度)の緩効的な矯正です。 消石灰や生石灰のように急激にpHが上がらないため、作物へのダメージが少なく、特に栽培期間の長い果樹や露地野菜に向いています。
緩効性が条件です。
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また、火山灰土壌(関東ローム層など)では、アルミニウムに固定されて作物が吸収できない「不可給態リン酸」をケイ酸が解放し、リン酸肥料の効きを高めます。 つまり既存のリン酸肥料の効率が上がるということです。
| 成分 |
主な働き |
欠乏したときの症状 |
| ケイ酸(Si) |
茎葉の硬化・受光態勢向上・病害抵抗性 |
倒伏・いもち病多発・食味低下 |
| カルシウム(Ca) |
細胞膜強化・根の生育促進・老廃物中和 |
トマトのしり腐れ・ハクサイ心腐れ・ネギ葉先枯れ |
| 苦土(Mg) |
葉緑素の構成・光合成促進 |
葉のクロロシス(黄化) |
| マンガン・ホウ素 |
酵素活性・花粉発育 |
奇形花・実割れ |
ケイ酸カルシウム肥料のイネへの効果と倒伏防止
水稲において、ケイカルは「なくてはならない資材」と言っても過言ではありません。成熟期の茎葉中ケイ酸含有量の適正値は13%以上と定められており、この水準を下回ると病害・食味・収量に複合的な悪影響が出ます。
13%が基準です。
参考)https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001083627.pdf
具体的な効果は3つあります。
- 🌿 倒伏防止:ケイ化細胞が茎を丈夫にし、台風や豪雨での茎折れを大幅に抑制する
- 🦠 いもち病抑制:葉面のケイ酸層が病原菌の物理的侵入を防ぐ。葉鞘褐変病は成熟期のケイ酸含有率10%以上で被害軽減が確認されている
- 🍚 食味向上:米粒中のたんぱく質含有率が低下し、いわゆる「高品質米」になる
さらに見落とされがちな効果が「秋落ち防止」です。 老朽化水田では根の酸化力が低下し、夏の終わりから穂が急に貧弱になる「秋落ち」が起きますが、ケイカルが根の酸化力を高めることでこれを防ぎます。
意外ですね。
参考)
砂状-ケイカル-【ケイ酸カルシウム(けい酸苦土石灰)】【20…施用は基肥が原則です。田植えの2週間前までに10a(約1反)あたり120〜200kgを散布し、
耕起時に土壌とよく混ぜます。
追肥として使う場合は、出穂30日前までに10aあたり40〜60kgが目安です。nankyu-c+2
農家web:ケイカル(ケイ酸カルシウム)肥料の成分と特徴・効果、使い方(施用量・注意点の詳細まとめ)
ケイ酸カルシウム肥料の野菜・果樹への効果と使い方
「ケイカルは稲作用」という思い込みは、今や過去のものです。
長ネギ・
ブロッコリー・ショウガ・スイカなど多くの野菜で品質向上や増収の実績が積み上がっています。
これは使えそうです。
clion+1
野菜へのケイ酸効果を裏付ける研究として、小松菜・
二十日大根・さやえんどう等の種子にケイ酸55ppmを加えた実験があります。 二十日大根では茎長の伸長率が77%増(1.77倍)、小松菜でも64%増(1.64倍)という結果が出ました。 また、
ミニトマトでは
定植後85日目の糖度が対照区7.5%に対し、ケイ酸55ppm施用区で8.8%(約1.18倍)に向上しています。
参考)
もみ殻に多く含まれるケイ酸について。ケイ酸が野菜に与える効果…果菜類の
うどんこ病対策としても有効です。 イチゴではケイ酸濃度250mg/kgの液体ケイ酸カリ肥料を株あたり100ml・2回灌注することで、
殺菌剤と同等のうどんこ病発病抑制効果が確認されています。
農薬コストの削減につながる情報です。
畑への施用量の目安は10aあたり100〜180kgです。
元肥として耕起前に全面散布し、しっかり混和させます。効果が緩効性なので、作付け2〜3週間前の施用が理想的です。takanog.exblog+1
クリオン環境アメニティ事業部:イネ科以外の作物(長ネギ・ブロッコリー・ショウガ・スイカ等)でのケイ酸カルシウム使用実績Q&A
ケイ酸カルシウムが不足している水田の実態と見分け方
全国の水田で、ケイ酸不足が静かに広がっています。 山形県農試が調査したところ、県内河川のケイ酸濃度は1956年の平均19.7ppmから1996年の平均9.8ppmへと、40年で約半分に低下しています。
深刻な数字ですね。
参考)
https://www.zennoh.or.jp/operation/hiryou/pdf/qa_keisankouka.pdf新潟県
JA十日町が2006〜2011年に実施した約2700カ所の水田土壌分析では、32%の水田でケイ酸と鉄が同時に不足していたことが判明しました。 ケイ酸のみの不足も18%を占めており、5圃場に1圃場はケイ酸不足という計算になります。
参考)
https://ameblo.jp/okome-tabeyou/entry-12001037879.html土壌中の可給態ケイ酸の基準値は15mg/100g以上(酢酸緩衝法)です。 この値を下回る
圃場では積極的なケイカル施用が求められます。不足のサインとして現れやすいのは以下の症状です。
- 🌾 稲の下葉が早めに枯れ上がる(根の呼吸阻害)
- 🍃 茎が細く倒伏しやすい
- 🦠 いもち病が毎年のように多発する
- 📉 秋になると穂が急に貧弱になる(秋落ち)
北海道では「融雪を兼ねて」10aあたり40〜60kgを年1回散布する農家も多いですが、土壌診断の結果ではほとんどの圃場でケイ酸肥沃度が基準値を下回っており、追加施用が必要な状況です。
土壌診断が条件です。
参考)
肥料の基礎知識②~ケイ酸の役割と施用法~ - アグリポートW…アグリポート:北海道の土壌診断に基づくケイカル施用量の考え方(ホクレン肥料農薬部の技術解説)
ケイ酸カルシウム肥料の施用で「農薬費を削減」する独自視点
ケイカルを「土づくり資材」として捉えるだけでは、もったいないです。農薬代の削減コストとして計算し直すと、その経済的価値が大きく変わります。
ケイ酸は植物必須元素ではありませんが、イネ科の葉鞘褐変病では成熟期のケイ酸含有率が10%以上で被害軽減が確認されています。 いもち病対策用の殺菌剤(例:トリシクラゾール水和剤)は10aあたり2,000〜3,000円程度かかることが多く、ケイカル20kgの市場価格が1,000〜1,500円程度であることを考えると、「病気を防ぐ資材」として見れば十分元が取れます。
さらに重要なのが「農薬削減」という点です。 ケイ酸は農薬を少なくできる栄養素として注目されており、イチゴのうどんこ病では適切なケイ酸施用で殺菌剤と同等の
防除効果が示されています。
つまりケイカル代=農薬代の節約です。
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実際の使い方として、ケイカルを元肥として施用したうえで、生育期の葉面散布用に液体ケイ酸資材(ケイ酸カリなど)を組み合わせる農家が増えています。 両方を使えば根からの吸収と葉面からの吸収の両方を確保でき、病害抵抗性をより高めることができます。
参考)
けい酸加里肥料/液体肥料の特徴と効果、使用方法について
- 💰 ケイカル20kg(1,000〜1,500円程度)を元肥施用
- 🧴 液体ケイ酸資材を生育期に葉面散布で補完
- 📋 年1回の土壌診断(可給態ケイ酸15mg/100g以上が目標値)で施用量を最適化
ケイカルを「コスト」ではなく「農薬削減への投資」として位置づけると、1シーズンで費用対効果が見えてきます。
これは使えそうです。
ダイセン アグリ事業部:ケイ酸の施用効果詳解(農薬削減栄養素としての最新知見)
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