ハクサイ栽培で最も重要なことは、品種ごとの「種まき時期」を守ることです 。時期が早すぎると病害虫の被害に遭いやすくなり、遅すぎると寒さで十分に大きくならず、うまく結球しない原因となります 。家庭菜園でハクサイを育てるなら、秋まきがおすすめです。
栽培カレンダーの目安は以下の通りです。
春まき(2月~3月まき)も可能ですが、気温の上昇とともに病害虫が増えたり、とう立ち(花が咲いてしまうこと)しやすくなったりするため、初心者には秋まきが育てやすいでしょう。
品種選びも成功を左右する重要な要素です。品種によって、栽培期間や耐病性、結球のしやすさが異なります。初心者の方は、以下のような特徴を持つ品種を選ぶと失敗が少なくなります。
例えば、「きらぼしシリーズ」などは栽培時期に合わせて品種が用意されており、家庭菜園でも安定した収穫が期待できるでしょう 。
ハクサイ栽培のポイントについて、農協(JA)のサイトでも詳しい解説がされています。
美味しいハクサイを育てるには、根がしっかりと張れるふかふかの土が不可欠です。ハクサイは多肥を好む野菜なので、植え付けの2週間前には準備を始め、栄養たっぷりの土を作りましょう 。
【土作りの手順】
良い土ができたら、いよいよ植え付けです。種から育てる「直播き」と、苗を植える「定植」の二通りの方法があります。
【種まきと間引き】
種は、深さ1cmほどの穴に4〜5粒ずつ点まきします 。発芽後、子葉が開いたら最初の間引きを行い、生育の良いものを3本残します。その後、本葉が2〜3枚の頃に2本に、本葉が5〜6枚になる頃に最も元気な1本に絞ります 。間引きは、残す株の根を傷めないよう、ハサミで根元から切り取るのがおすすめです。
【苗の植え付け】
本葉が5〜6枚に育った苗を植え付けます。株間は40cm〜50cmほど広くとり、根鉢を崩さないように優しく植え、たっぷりと水を与えましょう。このとき、深植えにならないよう、根鉢の表面と地面の高さが同じになるようにするのがコツです。
以下のリンクは、写真付きでハクサイの土作りから植え付けまでを解説しており、非常に参考になります。
植え付け後、ハクサイが立派に結球(葉が巻いて球になること)するためには、適切なタイミングでの「追肥」と「水やり」が欠かせません。特に、結球が始まるまでに外葉をいかに大きく育てられるかが、その後の球の大きさを左右します。
【追肥のタイミングと量】
追肥は、収穫までに2〜3回行います 。
肥料が直接葉にかかると肥料焼けを起こす可能性があるので、株元から少し離して施すように注意しましょう。
【水やりのコツ】
ハクサイは乾燥に弱いため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるのが基本です。
ただし、常に土が湿っている状態は根腐れや病気の原因にもなるため、「土が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと」というメリハリをつけた水やりを心がけましょう。
ハクサイは比較的育てやすい野菜ですが、病気や害虫の被害に遭うことも少なくありません。早期発見と適切な対策で、大切なハクサイを守りましょう。
【注意すべき主な病気】
| 病名 | 症状と特徴 | 対策 |
|---|---|---|
| 軟腐病(なんぷびょう) | 細菌による病気。地際部が溶けたように腐敗し、強い悪臭を放つ 。高温多湿で発生しやすい。 | 水はけを良くする。泥はねを防ぐためマルチを敷く。発病した株はすぐに抜き取り、畑の外で処分する。 |
| 根こぶ病 | 根に大小のこぶができ、生育不良になる。酸性土壌で発生しやすいカビが原因。 | アブラナ科の連作を避ける。土作りの際に苦土石灰で酸度を調整する。水はけの良い畝を作る。 |
| べと病 | 葉に淡い黄色の斑点ができ、裏側にはカビが生える 。低温多湿の環境を好む。 | 日当たりと風通しを良くする。密植を避ける。被害の葉は早期に摘み取る。 |
【代表的な害虫とその対策】
これらの害虫対策として最も効果的で安全なのは、種まきや植え付け直後から防虫ネットや寒冷紗(かんれいしゃ)でトンネルを作ることです 。成虫の飛来や産卵を物理的に防ぐことで、農薬の使用を最小限に抑えられます。
病害虫の詳しい情報と防除方法については、以下の専門サイトが参考になります。
YMMファーム|ハクサイ(白菜)の病気と害虫|症状の特徴と防除方法
収穫したハクサイ。硬くて緑色の濃い「外葉」を、捨ててしまっていませんか?実は、この外葉には内側の白い部分とはまた違った魅力と、豊富な栄養が詰まっています。
【意外と知らない外葉の栄養】
一般的に、色の濃い野菜の部分には栄養が多く含まれています。ハクサイの外葉も例外ではありません。
白い部分に比べて少し硬く、苦みを感じることもありますが 、これは栄養が豊富である証拠とも言えます。加熱することで、甘みが増し、美味しく食べられます。
【外葉のおすすめ活用レシピ】
硬い外葉は、細かく刻んだり、じっくり煮込んだりすることで美味しく活用できます。
細切りにした外葉をごま油で炒め、豚肉と合わせます。ニンニクやショウガを効かせ、醤油やオイスターソースで味付けすれば、ご飯が進む一品に。外葉のシャキシャキとした食感が楽しめます。
韓国では、干したハクサイの外葉を煮込んだ「ウゴジク」というスープが二日酔いに効くとして親しまれています 。外葉を一度茹でてから、牛肉や豚肉、味噌、コチュジャンなどと一緒に煮込むと、深い味わいのスープになります。体を温める効果も期待できます 。
外葉を細かく刻み、塩もみして浅漬けにするのも手軽でおすすめです。昆布や唐辛子と一緒に漬け込むと、風味が増します。ご飯のお供や箸休めにぴったりです。
ハクサイを丸ごと使い切ることは、食品ロスを減らすだけでなく、家計にも優しく、栄養を余すところなく摂取できる賢い方法です。ぜひ、次回の収穫から外葉を捨てずに活用してみてください。

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