微量要素肥料fteの効果と使い方と欠乏症状

植物が健全に成長するために欠かせない微量要素とは何か。FTE肥料が含む6つの要素の働きと、土壌pH、施用方法、作物別の使い方について解説します。あなたの作物に微量要素欠乏症状は出ていませんか?

微量要素肥料fteの基本

微量要素肥料fteの基本

この記事でわかること
🌱
FTE肥料とは

6つの微量要素をガラス状に固定した緩効性肥料で、過剰害が出にくく使いやすい総合微量要素肥料です

⚗️
微量要素の役割

鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、モリブデンが酵素活性化や光合成、細胞壁形成などに関与します

📊
施用方法と注意点

10アール当たり4〜6kgを基肥として施用し、土壌pHを5.5〜6.5に保つことが重要です

微量要素fteとは何か

FTE肥料は「Fritted Trace Elements(焼成微量要素)」の略称で、植物に必要な6つの微量要素をガラス状に焼成固定した肥料です。TOMATECの釉薬製造技術を応用して開発された製品で、マンガン、ホウ素、鉄、亜鉛、銅、モリブデンという6つの微量要素がバランスよく含まれています。


参考)微量要素肥料|製品一覧|TOMATEC

FTE肥料の最大の特徴は「く溶性」という性質にあります。ガラスが土の中で徐々に溶けていく性質を利用しているため、作物の生育期間中に継続的に微量要素が供給され、過剰害の心配がほとんどありません。この緩効性により、水溶性の微量要素肥料と比較して使いやすく、安全性が高いのが特徴です。


参考)TOMATEC 肥料 『微量要素肥料 F・T・E』 TOMA…

施用効果は約1年間持続するため、三要素肥料と共に毎年基肥として施用することで、作物を健全に育てることができます。標準施肥量は10アール当たり4〜6kgで、果樹や野菜など幅広い作物に使用可能です。


参考)https://ja-kyotoninokuni.or.jp/blog/wp-content/uploads/2022/11/FTE.pdf

微量要素の種類と働き

植物の必須微量要素は、多量要素の窒素・リン酸・カリウムとは異なり、ごく微量で重要な生理機能を担っています。各微量要素には以下のような働きがあります。


参考)微量要素(びりょうようそ)

【鉄(Fe)】

  • 葉緑素の合成に不可欠で、光合成に必要な成分です

    参考)微量要素について - ゼロアグリ

  • 酸化還元反応に関与し、植物の代謝を支えます​
  • 欠乏すると新葉が黄白化する症状が現れます

    参考)鉄欠乏

【マンガン(Mn)】

【ホウ素(B)】

【亜鉛(Zn)】

【銅(Cu)】

  • 酵素の構成要素として植物の代謝反応を支えます​
  • 欠乏すると葉の黄化と奇形が生じます​

【モリブデン(Mo)】

微量要素fteの施用方法と使用量

FTE肥料の効果的な施用には、適切な使用量とタイミングが重要です。基本的には基肥として土壌に施用し、三要素肥料(窒素・リン酸・カリウム)と併用することで作物の健全な生育を促します。


参考)https://tomatec.co.jp/images/products/fertilizer/pdf/fte.pdf

【作物別の標準施肥量(10アール当たり)】

施用のタイミングは、植え付けの2週間前が理想的です。堆肥や苦土石灰、化成肥料と共に土壌に混ぜ込み、よく耕して土と肥料をなじませることが重要です。FTE肥料の効果は約1年間持続するため、毎年基肥として施用を続けることで、微量要素の安定供給が可能になります。

TOMATECのFTE肥料に関する詳細資料(PDF)
FTE肥料の成分構成と施用効果について、製造元が公開している技術資料です。


微量要素欠乏症が発生してからの治療では手遅れとなることが多いため、生育初期から充分な供給を心がけることが大切です。また、葉面散布による補給も効果的で、0.1〜0.25%の濃度で2〜3回散布する方法もあります。

微量要素の欠乏症状と土壌pHの影響

微量要素の吸収効率は土壌pHに大きく左右され、pHが適正範囲から外れると欠乏症状や過剰症状が発生しやすくなります。野菜栽培における適正な土壌pHは5.5〜6.5の範囲です。


参考)植物がよく育つ土壌pH管理とは?最適なpHと測定のコツ【水耕…

【土壌pHと微量要素吸収の関係】

pH範囲 影響 主な症状
pH4.0〜5.0(強酸性) 鉄・アルミニウム・マンガンの濃度上昇 毒性が出やすい​
pH5.5〜6.5(適正) 微量要素の吸収効率が最適

健全な生育
参考)https://www.pref.chiba.lg.jp/annou/documents/2103mineral2.pdf

pH8.0〜9.0(強アルカリ性) リンや鉄が不溶化 吸収されにくくなる​

pH4.0以下の強酸性土壌では、多くの微量要素が植物に吸収されやすい形態に変化しますが、マンガンなどは過剰吸収による障害が発生します。一方、pH8.0を超える強アルカリ性土壌では、鉄やマンガン、ホウ素などの溶解度が低下し、欠乏症状が現れやすくなります。

【主な微量要素欠乏症状】

  • 鉄欠乏:上位葉の葉柄に近い部分から黄化し、新葉が黄白化する​
  • マンガン欠乏:葉脈が緑のまま葉が汚れた茶色に黄化、葉脈間に褐色の小斑点​
  • ホウ素欠乏:芯腐れ、空洞症、生長点の壊死​
  • 亜鉛欠乏:葉が小型化、成長遅延​
  • 銅欠乏:葉の黄化と奇形​

土壌pHの適正化は、苦土石灰や堆肥の施用により行います。また、リン酸肥料の過剰施用は鉄欠乏を誘発するため注意が必要です。


参考)土壌改良対策3/要素欠乏・過剰症の見分け方と対策 &nbsp…

微量要素fte施用における経済的メリット

FTE肥料の施用には、作物の品質向上と収量増加という経済的メリットがあります。微量要素が不足しがちな果樹や野菜の栽培において、FTE肥料は品質や収量の向上に役立つことが報告されています。


参考)F.T.E肥料とは?その効果と使い方を徹底解説!

【コスト面での利点】

  • マンガン成分の単価が水溶性の硫酸マンガン肥料より安く経済的です​
  • 少ない施肥量で効果が得られるため、長期的なコストパフォーマンスに優れています​
  • 緩効性のため一度の施用で約1年間効果が持続し、追肥の手間が削減されます​

FTE肥料に含まれる6つの微量要素は、酵素の活性化や光合成の支援といった植物の基本的な生理機能に関与しています。これにより、作物の代謝が正常に機能し、病害抵抗性の向上や品質改善につながります。特に、継続的に施用することで土壌の微量要素バランスが改善され、安定した生産が可能になります。

モノタロウのFTE肥料商品ページ
FTE肥料の購入価格や在庫状況を確認できる通販サイトです。


また、FTE肥料はホウ素欠乏対策だけでなく、マンガン・鉄・亜鉛・モリブデン・銅の欠乏症にも有効なため、複数の欠乏症を同時に予防できる利点があります。これにより、個別に微量要素肥料を購入・施用する手間とコストを削減できます。

【実践的な施用のポイント】

  • 土壌診断を行い、微量要素の過不足を把握してから施用量を調整する

    参考)https://www.zennoh.or.jp/operation/hiryou/pdf/minogashiteimasenka.pdf

  • 堆肥を併用することで、微量要素の供給と土壌改良を同時に行える​
  • 過剰施用は過剰害を引き起こす可能性があるため、標準施肥量を守る​
  • 砂質土壌では流亡しやすいため、毎年の施用が特に重要です​

農業生産において、主要三要素だけでなく微量要素まで適切に管理することが、高品質・高収量の実現につながります。FTE肥料は、その総合的な微量要素供給により、現代農業における土づくりの重要なツールとなっています。