腐植酸肥料使い方と効果や施用量注意点

腐植酸肥料は土壌改良や根張り促進に効果的な資材ですが、正しい使い方を知っていますか?元肥・追肥の施用方法から作物別の適量、液体・粒状の使い分けまで、腐植酸肥料で失敗しないための具体的な使い方を詳しく解説します。

腐植酸肥料使い方と効果

腐植酸肥料の主な効果
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土壌の保肥力向上

陽イオン交換容量(CEC)を高め、カルシウムやカリウムなど養分の流出を防ぎます

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根の生育促進

水溶性腐植酸が植物ホルモン様の働きをし、発根や根毛形成を促進します

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微生物の活性化

土壌微生物のエサとなり、団粒構造の形成や病害センチュウの抑制効果が期待できます

腐植酸肥料の基本的な効果と土壌改良


腐植酸肥料は土壌の陽イオン交換容量(CEC)を高める働きがあり、養分を保持しやすい土づくりに貢献します。CECが向上することで、カルシウムやカリウムなどの栄養素が土壌から流出しにくくなり、作物が必要な時に吸収しやすい環境が整います。また、腐植酸は有機高分子のコロイド状物質として接着剤の役割を果たし、粘土粒子を結合させて耐水性団粒を形成します。


参考)腐植酸とは?肥料としての効果と使い方を解説 - アグリスイッ…

腐植酸には土壌微生物を活性化させる効果もあります。微生物が腐植酸を棲み処とエサとして利用することで、土壌の物理性・化学性が改善され、窒素リン酸などの養分の無機化が進みます。研究では、腐熟の進んだ堆肥から抽出された溶存腐植酸を非常に薄い濃度(0.1ppm)で施用したところ、顕著な根の伸長効果が確認されています。ただし、腐熟が不十分な堆肥からの抽出液は高濃度で根の発育を阻害する可能性があるため、資材の品質選択が重要です。


参考)腐植酸:技術情報 - 株式会社ファイマテック -

腐植酸のもう一つの重要な効果は、リン酸の固定化防止です。リン酸肥料のリン酸は土中のカルシウム(Ca)や鉄(Fe)、アルミニウム(Al)などと結合して水に溶けにくくなる性質がありますが、腐植酸のキレート作用により固定化を防ぎ、難溶化したリン酸を可溶化して肥効を高めます。


参考)腐植酸を肥料(堆肥)として用いる効果とは?土壌改良で品質向上…

腐植酸肥料の施用量と作物別の使い方

腐植酸肥料の施用量は作物や土壌条件によって異なりますが、一般的な目安があります。水稲では10aあたり20kg~50kg、畑作物では30kg~80kgが標準施用量とされています。腐植酸苦土肥料「アヅミン」の場合、腐植酸を約50%含んでいるため、30~40kgの施用で堆肥1トン分の腐植酸を補給できます。


参考)アヅミンの特長・使い方

施用方法は、基肥として作付前の圃場に土壌混和するのが基本です。育苗段階での施用は初期成育を安定させ、定植後の活着も促進します。腐植含有量が低下している圃場や新規作付土壌では、10aあたり200kg(10袋)を推奨する場合もあります。液体タイプの腐植酸資材は、土壌潅注の場合1,000倍で10~15日間隔、点滴潅水養液土耕の場合は3,000~5,000倍で随時使用するのが効果的です。


参考)https://www.takii.co.jp/material/product/025/pdf/relate01.pdf

作物のストレスが高まる高温期や低温期の使用も有効で、無計画な多用は逆効果になることもあるため、推奨量を守ることが大切です。果菜類への追肥においても生育促進やなり疲れ防止の効果が確認されており、根圏に届くように施用することがポイントです。


参考)土にも根にも効く腐植酸とは? 話題のバイオスティミュラントと…

腐植酸肥料の元肥と追肥の使い分け

腐植酸肥料は元肥と追肥の両方で活用できる柔軟性がありますが、それぞれに適した形状があります。粒状タイプは主に元肥や土壌混和に適しており、土壌中で長期間残ってゆっくりと効果を発揮する「遅効性・持続型」の資材として機能します。主な役割は土壌の物理性改善(団粒構造の形成)や保肥力(CEC)の向上です。


参考)腐植酸の肥料の使い方と効果や選び方を解説

液体タイプの腐植酸資材は追肥として葉面散布や潅水施用に適しています。液状腐植酸資材アヅ・リキッド』は果菜類への追肥においても生育促進、なり疲れ防止の効果が確認されており、根圏に届くように施用することで効果を発揮します。葉面散布にも使用できるため、作物のストレスが高まる時期に迅速に対応できる利点があります。

元肥として使用する場合は、植え付け前に土に混合することで根の初期生育を促進します。リン酸が多くゆっくり効く緩効性肥料として元肥に混ぜ込むのがおすすめで、植え付けから1カ月間は根の生育を大切にすることが重要です。追肥として使用する場合は、株を健全に育て収量や品質を高めるために、生育段階に応じた適切なタイミングで施用します。


参考)【第3回】野菜作りのための元肥の基本|土と根がカギ 吉田流プ…

腐植酸肥料と堆肥の併用方法

腐植酸肥料は堆肥の代替資材として、または堆肥と併用して使用できます。充分な堆肥を施用できない場合に、腐植酸資材で腐植酸を補給するのが有効です。例えば、堆肥の施用量を1/2程度に減らし、その分を腐植酸資材で補うことで、運搬労力を削減しながら必要な腐植酸を確保できます。


参考)堆肥から腐植酸資材へ変更するか検討中。メリット・デメリットを…

一般的な堆肥には平均して腐植酸が約2%含まれているため、堆肥1トンを施用すると腐植酸を15~20kg施用できます。一方、腐植酸を約50%含む資材であれば、30~40kgの施用で堆肥1トン分の腐植酸を補給できる計算になります。これは堆肥の約30倍もの腐植酸を含むことになり、土壌の保肥力を効率良く高めることができます。


堆肥と腐植酸資材を併用する場合は、土壌条件、作物、栽培法、栽培時期等によって適宜加減することが推奨されています。腐植は一度に改善することは非常に難しいため、堆肥や腐植酸資材などの施用は連用を心がけ、長年の集積効果を活用することが重要です。土壌診断の結果に基づいて施用量を調整することで、より効果的な土づくりが可能になります。


参考)https://www.zennoh.or.jp/operation/hiryou/pdf/06_azumin.pdf

腐植酸肥料施用の注意点とセンチュウ対策

腐植酸肥料を使用する際にはいくつかの注意点があります。腐植酸を豊富に含む資材は、未調整の場合pHが3~4と低い傾向があるため、施用後の土壌pHの変動に注意が必要です。ただし、リン酸過剰な畑では土の化学性の緩衝性(pHが変動しにくくなる)要因の炭酸石灰も過剰にあることが多く、土に腐植が定着することでも緩衝性が高まり、栽培時のpHによる不調が軽減されます。


参考)リン酸過剰問題に対して腐植酸の施用は有効か?

腐植酸苦土肥料は苦土のほか、少量の窒素(約2%)しか含まれていないため、養分としての効果が期待できません。そのため、土壌改良に重点を置いた使い方が基本となり、必要な養分は別途補給する必要があります。また、堆肥の過剰施用と同様に、腐植酸資材の過剰施用も生育障害を引き起こすリスクがあるため、推奨量を守ることが重要です。


参考)腐植酸苦土:技術情報 - 株式会社ファイマテック -

腐植酸肥料には連作障害の原因となるセンチュウ害を軽減する効果が報告されています。作付け前に腐植酸資材を土壌に入れることで、ネコブセンチュウの病害が軽減したと話す農家もいます。これは、腐植酸が土壌微生物を活性化させ、有害微生物とのバランスを整えるためだと考えられています。センチュウ対策を目的とする場合は、基肥として土壌混和し、微生物相の改善を長期的に図ることが効果的です。


参考)腐植酸とは? 腐植酸(フミン酸)を肥料に投入する効果について…

デンカ株式会社のアヅミン使い方ガイド - 腐植酸苦土肥料の具体的な施用方法と効果について詳しく解説されています
エコロジア - 腐植酸を肥料として用いる効果と土壌改良における品質向上のメカニズムについて詳細に説明されています
アグリジャーナル - 腐植酸のメリットと効果的な使い方を初心者にもわかりやすく解説した記事です




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