白菜で一番事故が起きやすいのは、「効く薬を選べたのに、登録の条件(使用時期・回数・希釈倍数)を外してしまう」ケースです。現場では“いつまで使えるか”の確認が後回しになりがちなので、作業前に「収穫前日まで/収穫3日前まで/収穫7日前まで/収穫14日前まで」などの区切りで線を引いておくと、判断が速くなります。
たとえば、登録表には、病害側でも「収穫3日前まで」の薬剤(例:ストロビーフロアブル等)や「収穫7日前まで」の薬剤(例:ダコニール1000等)が並び、同じ“べと病・黒斑病・白斑病”でも使える時期が違います。 収穫期が近い圃場ほど、薬効だけで選ばず「収穫前日数で落ちる薬」を先に除外し、残った候補でローテーションを組むのが現実的です。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/9a2e833bf15b4f7c0f21bc403ee8b1b4521cdd79
また、殺虫剤側の表では、同じアブラムシ類でも薬剤ごとに「収穫前日まで」「収穫3日前まで」「収穫7日前まで」など条件が異なり、使用回数制限も別です。 ここを曖昧にしたまま散布すると、出荷直前の手直しが効かず、経営上のリスクが跳ね上がります。
運用のコツは、圃場ごとに次の2行だけを作業日誌の先頭に固定しておくことです。
病害・害虫が混在する時期は、登録表の「適用病害虫」欄を見て、1回で同時防除できる組み合わせを狙うと散布回数を抑えられます(ただし、混用可否はラベル優先)。
白菜は生育中に、アオムシ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コナガ、タマナギンウワバ、カブラハバチなどの食害、さらにアブラムシ類の吸汁害が問題になりやすい作物です。 特にチョウ目害虫は、若齢幼虫のうちに当てられるかどうかで、後半の立て直し難易度が変わります(大きくなってからだと食害も止まりにくい)。
全農の資料では、育苗期後半に灌注処理、定植時の植穴処理などを行うと、薬剤によって「処理後2週間~1か月くらいの防除効果が期待できる」とされています。 ここが“省力化の山場”で、定植直後の防除を固めると、その後の葉面散布を「本当に必要なタイミング」に寄せられます。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/2aff1091214f7c4b9943a31310138254b84e0e0f
ただし、その効果が切れる頃から産卵・ふ化が始まり、発生に気づかず手遅れになると、幼虫の食害で商品価値の低下や減収につながる点が明確に注意されています。 つまり、定植処理をした圃場ほど「しばらく虫が見えない→油断→一気に食われる」が起こりやすいので、残効の終わりを意識した見回り(特に外葉の食痕、葉裏の卵・若齢幼虫、芯周り)をルーチン化するのが得策です。
現場でよく使う考え方として、害虫の“優先順位”を決めます。
薬剤名の丸暗記より、資料にある「分類(IRACコード)」を見て、同じ分類を続けないことが実務上の再現性を上げます。
9月以降は、曇雨天が増える年ほど病害が出やすく、べと病や白斑病、軟腐病、黒斑細菌病、黒斑病などの予防と早期防除が重要だと整理されています。 病気は“見えてから”だと遅いものが多いので、結球開始前後の散布設計を「雨の前に予防」「病斑を見たら治療寄り(登録の範囲で)」に分けておくと迷いが減ります。
資料では、病害についてもFRACコード(作用点)を示し、同一分類(コード)の連用を避けるよう注意されています。 これは「効く・効かない」の体感だけでなく、次作以降も含めて薬効を守るための設計図になるので、圃場ごとの散布履歴にFRACを併記すると、上司チェックでも説明が通りやすくなります。
登録表の例を見ると、同じ病名でも薬剤ごとに使用時期が異なります(例:ストロビーフロアブルは収穫3日前まで、ダコニール1000は収穫7日前まで等)。 収穫が詰まってくると“選択肢が狭くなる”のが病害防除の現実なので、収穫14日前・7日前・3日前の3つの窓で候補薬剤を用意し、そこから天候に合わせて前倒しするほうが失敗しにくいです。
意外と見落とされがちなのが、軟腐病や細菌病は「病斑が見えた時点で畑の条件が整っている」ことが多い点です。雨の後に圃場へ入る回数が増えると、泥はね・傷・作業接触で広がりやすくなるため、作業動線(収穫・中耕・追肥)と薬剤散布の順番を一体で見直すと、薬だけに頼らない抑え込みにつながります(薬剤は登録とラベルを守る前提)。
抵抗性対策は“理屈”より“運用”が難しいのですが、資料には「同一分類(コード)は作用点が同じなので、連用は避けてください」と明確に書かれています。 さらに、コナガは抵抗性が発現しやすく、IRACコード28(例:ジアミド系剤)で殺虫効果が低下した事例があるため、その場合は他分類の薬剤で対応するよう注意されています。
抵抗性が怖いのは、効かなくなった瞬間に散布回数が増え、結果としてコストもリスクも増えるところです。だからこそ、圃場でできる最小の対策として、次の3つだけは徹底すると効果が出やすいです。
病害側も同様で、FRACコードで連用回避が推奨されています。 混合剤は“2つの作用点”を持つ場合がありますが、片方に抵抗性が進んでいると実質1剤扱いになりやすいので、「混合=安心」と決めつけず、履歴の見える化が重要です。
検索上位は「この害虫にこの薬」「希釈倍数」「収穫前日数」に寄りがちですが、農業従事者の現場で効くのは“作業の山”を崩す設計です。育苗期後半の灌注処理や、定植時の植穴処理は、薬剤によって2週間~1か月の防除効果が期待できるとされ、初期の防除をまとめて前倒しできます。
ここでの独自視点は、「薬効のため」だけでなく「人と機械の都合」で防除を組むことです。たとえば、収穫が始まると散布の時間が取れず、雨の合間に無理に入って散布ムラが出ます。そこで、定植期に初期害虫(アブラムシ類・コナガ等)を狙える処理を入れておき、葉面散布は“発生初期のポイント散布”に寄せると、繁忙期の無理打ちを減らせます。
注意点もセットで押さえます。定植処理は「効果が切れる頃から見落とすと手遅れになり、商品価値の低下や減収を招く」と明確に書かれているため、残効終了を起点に見回り計画を組む必要があります。 つまり、省力化の鍵は「定植処理を入れたからラク」ではなく、「定植処理を入れたので、次の観察タイミングが固定できる」点にあります。
現場向けに、最低限の運用テンプレを置きます。
有用:はくさいの殺虫・殺菌の「希釈倍数」「使用時期(収穫前日数)」「使用回数」「IRAC/FRACコード」を確認する
はくさい登録農薬適用表(殺菌・除草/殺虫)
有用:ハクサイの主要害虫・主要病害の防除で、育苗期灌注や定植時処理の考え方、コナガ抵抗性の注意点、IRAC/FRACの連用回避がまとまっている
ハクサイの主な病害虫の薬剤防除(全農)

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