チャノホコリダニ 農薬 イチゴ 防除対策

チャノホコリダニでイチゴの新芽や果実が傷んだとき、農薬だけに頼らず被害を最小限に抑える現場目線の防除対策はどう組み立てるべきでしょうか?

チャノホコリダニ 農薬 イチゴ 防除

チャノホコリダニとイチゴ防除の全体像
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チャノホコリダニの発生生態

イチゴで被害が出やすい部位や、ハウス環境・温度帯と発生ピークの関係を押さえ、どこを重点的に見回るべきかを整理します。

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農薬散布とローテーション

チャノホコリダニに登録のある農薬の特徴、散布タイミング、成分系統の組み合わせ方を、抵抗性対策も含めて具体的に解説します。

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天敵・物理的防除を組み合わせる

カブリダニなど天敵利用、UV-Bや水洗い・湿度管理、株の抜き取りなど、農薬に頼り切らないIPMの考え方を紹介します。

チャノホコリダニ イチゴ 被害症状と発生生態


イチゴでチャノホコリダニが発生すると、若い葉や芯葉が縮れ、茶色く変色してカールしたような姿になり、外見は一見「肥料障害」や「薬害」とも紛らわしいのが特徴です。
特に新芽や葉柄の付け根、果実のヘタ周辺など、目視では見つけにくい隠れた部分に集中して寄生し、症状が出る頃にはすでに密度が高くなっているケースが多く見られます。
果実では、ヘタ周りや日陰側の果面がざらついたように変形し、着色むらや商品性の低下につながるため、出荷選別時に初めて被害に気づくことも少なくありません。
チャノホコリダニは、温度20〜30℃程度、高湿度条件を好み、多化性で短期間に世代交代を繰り返すため、ハウスイチゴでは冬場でも密度が上がりやすい点が厄介です。


参考)チャノホコリダニを駆除、防除する農薬について


卵から成虫までの発育期間は25〜30℃でおよそ5〜7日とされ、見逃したまま1〜2週間放置すると、局所発生が一気にほ場全体へ広がる危険があります。


参考)ハダニ・ホコリダニ


寄主範囲はナス・ピーマン・トマトキュウリカンキツ・チャなど多種に及び、隣接作物や雑草からの飛び込みもあるため、イチゴ単体だけを見ていると発生要因を見落としがちです。


参考)http://www.mikan.gr.jp/byocyu/gaichu/hokoridani/index.html


発生の初期には、株全体ではなく「一部の株」だけが不自然に生育不良を示すことが多く、その株の新葉や芯部をルーペで確認すると、0.1〜0.2mmほどの微小なダニが集中的に見つかります。


参考)チャノホコリダニを防除する方法|農業・ガーデニング・園芸・家…


CO2発生器付近や、ビニール被覆直後の乾燥しやすい場所など、局所的に温度・湿度条件が変化する箇所は増殖源になりやすく、巡回時には重点的なチェックポイントになります。


参考)https://boujo.net/handbook/saien/saie-54.html


一度被害を受けたイチゴの葉や果実は回復しないため、「症状が出てから治す」という発想ではなく、「症状が出る前に発見して芽を摘む」ことが防除成否を大きく左右します。


チャノホコリダニ 農薬 イチゴ 登録薬剤と成分の特徴

チャノホコリダニに効果がある農薬としてよく名前が挙がるのが、サンマイト、カネマイト、スターマイト、ダニトロン、ピラニカ、ダニサラバ、ハチハチなど、いわゆるダニ剤(殺ダニ剤)と呼ばれる薬剤です。
これらは有効成分の系統や作用機構が異なり、例えばβ-ケトニトリル誘導体(スターマイト、ダニサラバ)やMETI剤(サンマイト、ピラニカなど)、ベンゾイル尿素系IGR(カスケード)、アセキノシル系(カネマイト)など、多くのグループが存在します。
それぞれ卵・幼虫・若虫・成虫のどのステージに強いかが異なるため、発生状況や密度に応じて薬剤を選ぶことで、防除効率が大きく変わります。
サンマイトフロアブルはチャノホコリダニやシクラメンホコリダニに登録があり、育苗期から収穫前まで比較的幅広いステージで使用できること、気門封鎖型で抵抗性リスクが低く、環境への負荷も抑えやすい点が特徴です。


参考)いちごホコリダニおすすめ農薬!使用回数無制限のダニ剤, 天敵…

特にイチゴ育苗期に使用することで、定植前に株に潜むホコリダニ類をリセットし、本圃への持ち込みリスクを減らす使い方が推奨されています。


参考)https://www.sandonoyaku.com/?mode=f72


一方、化学合成のダニ剤は同じ系統を連用すると抵抗性を生じやすいため、系統の異なる薬剤とのローテーション散布が不可欠です。


チャノホコリダニは新芽やヘタ内部のような「薬液が届きにくい隙間」に潜る性質が強く、どんな薬剤でも「かけ方が甘い」と十分な効果が出ません。


そのため、散布時には葉裏を意識し、上位3葉を中心に、株の中心部へ薬液が入り込むようにノズル角度や圧力を調整することが重要です。

また、短期間に2〜3回程度の連続散布を行い、孵化してきた個体も叩き切るスケジュールを組むと、単発散布よりも高い防除効果が期待できます。


チャノホコリダニ イチゴ 抵抗性対策と薬剤ローテーション

チャノホコリダニは世代交代が早く、同じ成分の農薬を繰り返し使用すると、数シーズンのうちに効きが目に見えて落ちる「抵抗性ダニ」が台頭しやすい害虫です。
抵抗性を避けるには、FRACやIRACなどの作用機構コードに基づいて、有効成分の系統を把握し、同じ系統が連続しないよう散布計画を立てることが基本になります。
例えば、サンマイト(METI剤)とカスケード(IGR)を交互に使う、あるいはスターマイト(β-ケトニトリル)→カネマイト(アセキノシル)→サンマイトというように、異なる系統をシーズン内で回すイメージです。
ここで意外と見落とされるのが、「ハダニ用に組んでいるローテーション」と「チャノホコリダニ用のローテーション」が裏で重なってしまい、実質的に同じ系統を多用しているパターンです。


ハダニとホコリダニで登録薬剤が重なっているものも多いため、イチゴ園全体の防除歴を一覧表にして、「1シーズンで各系統を何回使ったか」を見える化しておくと、抵抗性リスクを管理しやすくなります。

また、シーズンの序盤は比較的安定性の高い薬剤で密度を抑え、中盤〜後半は収穫前日数や残留制限を考慮したマイルドな薬剤や生物農薬を使うなど、「時期で役割分担する」発想も実務上有効です。


抵抗性を抑える観点からは、化学農薬だけではなく、マシン油乳剤や気門封鎖タイプの剤、生物農薬(天敵製剤)など、作用機構の異なる手段を組み込むことも重要です。


特にマシン油は卵や幼虫への物理的な窒息効果が期待でき、成分系統に依存しないため、ローテーションの「中継ぎ」として使うと抵抗性発達を遅らせることができます。

ただし、マシン油は高温時や他剤との混用で薬害リスクが高まるため、気温・湿度・混用相手を必ず確認し、イチゴ品種ごとの敏感さも考慮して使用する必要があります。


チャノホコリダニ 農薬 イチゴ 天敵・物理的防除を活かしたIPM

チャノホコリダニは、カブリダニ類などの天敵による生物的防除も有効とされており、「生物農薬」として登録されている製剤を利用することで、有機JASでも適用可能なケースがあります。
天敵導入は、化学農薬と異なり「効きが出るまで時間がかかる」ものの、うまく定着するとシーズンを通して密度を低く保つ働きをしてくれるため、「立ち上がりは農薬+マシン油、後半は天敵主体」という設計が現実的です。
特に育苗段階からハダニ・ホコリダニ類に対して天敵を活用することで、本圃に定植した段階で「天敵がすでに株に住みついている状態」を作れれば、その後の化学農薬の回数を減らすことにもつながります。
物理的防除としては、被害株を早期に抜き取り廃棄する、被害の強い葉やランナーを切除する、水をかけて洗い流す、こまめなかん水で過度の乾燥を避けるといった方法が知られています。


参考)いちご|葉や茎が茶色に|チャノホコリダニ|ミライ菜園


チャノホコリダニは水を嫌う性質があり、葉面や株元に水をかけることで、ある程度は密度を下げる効果が期待できるため、小規模ハウスや家庭菜園では「定期的な葉面シャワー」が思った以上に役立つことがあります。

ただし、過度の葉濡れは灰色かび病など別の病害リスクを高めるため、換気やハウス内湿度のバランスを見ながら、あくまで「ダニ対策の一環」として位置づけることが大切です。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/aec2cfafc82c412afb96bfb51ea32842da39cf9d


近年は、UV-B照射によるイチゴ病害虫の減農薬防除技術や、モミガラ燻煙によるダニ・うどんこ病の抑制など、化学農薬以外の手段も研究されています。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/d17f2593fe9c3515a29addc41fef0a2ffadb61a4


UV-Bはダニや病原菌にストレスを与えつつ、照射強度と時間を調整することで、イチゴへのダメージを抑えることを狙った技術ですが、設備投資や作業手間が課題であり、現状は一部の先進的な農家で実証が進んでいる段階です。

モミガラ燻煙は、煙中の成分によりダニや病害を抑制する手法で、夜間の燻煙処理を定期的に行うことで、薬剤散布回数を減らせた事例も報告されており、環境負荷低減の観点からも注目されています。

チャノホコリダニ イチゴ 圃場設計と「見つけ方」を工夫する独自視点

他の害虫と比べて特に厄介な点は、「目で見つけにくい」ことですが、イチゴの圃場設計や見回り動線を工夫することで、発見のしやすさをかなり変えられます。
例えば、CO2発生器周辺、ハウス出入り口付近、ビニール被覆の継ぎ目近くなど、「環境が不安定で、かつ人の動線が集中しやすい」エリアに目印の旗やポールを立てておき、そのエリアを必ずルーペでチェックする習慣を作る方法があります。
同じ位置を毎週撮影し、葉色や葉形の変化を後から並べて見比べる「定点観察」を取り入れると、微妙な縮葉や色むらの変化に気づきやすくなり、チャノホコリダニの初期発生を捉える精度が上がります。
もう一つのポイントは、チャノホコリダニが好む「弱った株」を作らない圃場管理です。


過度の窒素施肥や水分ストレスは、イチゴの草勢バランスを崩して病害虫に弱い株を増やしてしまうため、肥培管理を「多め」から「適正」に見直すだけでも、ダニの増殖スピードを抑える効果が期待できます。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/5e228d5c0a26b3e0b2b579a75e0e70b249fffa13


特に収穫後半になると、つい追肥・追肥で帳尻を合わせがちですが、その時期にチャノホコリダニが入り込むと、新葉と古葉のバランスが崩れ、被害が一気に表面化しやすいため、後半こそ施肥と灌水のメリハリを意識したいところです。


さらに、圃場内での情報共有の仕組みを整えることも、ダニ対策では「意外と効く」ポイントです。

例えば、「怪しい株を見つけたら赤い洗濯ばさみを挿しておく」「週1回、ルーペを持った担当者がその株だけを集中的に点検する」という簡単なルールを決めるだけで、発見から防除までのタイムラグを縮められます。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/8a62785347e27f7e0f017af9b89d9c38c3c9e08c


こうした小さな工夫を重ねることで、チャノホコリダニの農薬使用量だけでなく、見逃しによるロスや手直し作業の負担も減らすことができ、結果としてイチゴの収量と品質の安定につながっていきます。


チャノホコリダニの基礎情報と防除の考え方が整理されている解説資料
https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/276627.pdf
イチゴ栽培におけるホコリダニ類の発生条件と防除ポイントの整理に役立つページ
ハダニ・ホコリダニ
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