ブルースター花時期の開花と剪定・種取り・冬越し方法

ブルースターの花時期はいつ?開花後の剪定や種取り、冬越しの方法まで、農家目線で徹底解説します。青い星のような花を長く楽しむための栽培管理のポイントとは?
ブルースターの花時期と栽培管理
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開花時期と特性

5月~10月の長期開花。暑さに強く寒さに弱い多年草。

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剪定と切り戻し

8月頃に草丈の半分までカット。白い液は洗い流す。

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種取りと冬越し

種は1鞘だけ残して採取。冬はマルチングか室内へ。

ブルースターの花時期

ブルースター(和名:ルリトウワタ)の花時期は、一般的に5月から10月にかけての長い期間続きます。この植物は初夏から秋にかけて、星の形をした美しい青色の花を次々と咲かせるのが最大の特徴です。原産地はブラジルやウルグアイといった南米地域であり、その気候特性から夏の暑さには非常に強い耐性を持っていますが、日本の高温多湿な環境下でも十分にパフォーマンスを発揮します。

 

開花のピークは大きく分けて「春蒔き(または春植え)による初夏の開花」と「切り戻し後の秋の開花」の2回訪れます。気温が20℃~25℃程度に安定すると花芽分化が促進され、美しいスカイブルーの花弁を展開します。咲き始めはやや紫がかった色味を帯びていますが、開花が進むにつれて鮮やかな青色(オキシペタラムブルー)へと変化し、終わりかけにはピンク色へと移ろう様子も楽しめます。

 

農業従事者や園芸家にとって、この「花時期の長さ」は大きなメリットですが、同時に長期間の株疲れを防ぐための肥培管理(肥料管理)が重要になります。開花期間中はリン酸成分を多めに含む緩効性肥料を定期的に施し、次々と上がる花芽をサポートする必要があります。また、梅雨時期の過湿による根腐れや、真夏の水切れには注意が必要ですが、基本的には強健で育てやすい品目と言えるでしょう。

 

参考リンク:ブルースターの開花時期や育て方の基本情報(HanaPrime)

ブルースターの苗の選び方と開花時期の育て方

 

ブルースターを健全に育てるための第一歩は、良質な苗の選定から始まります。春(4月~5月)にホームセンターや園芸店に出回る苗を選ぶ際は、以下のポイントをチェックしてください。

 

  • 節間の詰まり具合: 間延び(徒長)しておらず、節と節の間が詰まっている株は、日光を十分に浴びて育った証拠です。
  • 葉の色と厚み: 葉が濃い緑色をしており、厚みがあるものを選びます。黄色く変色していたり、下葉が落ちているものは避けます。
  • 病害虫の有無: 葉の裏や茎の付け根にアブラムシがついていないか確認します。

定植と土壌作り
ブルースターは水はけの良い土壌を好みます。地植えにする場合は、腐葉土苦土石灰を混ぜ込み、酸度を調整するとともに排水性を高めます。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で十分ですが、赤玉土を少し混ぜると通気性が向上し、根腐れリスクを低減できます。定植の適期は、遅霜の心配がなくなった4月中旬以降です。根鉢を崩しすぎないように植え付け、たっぷりと水を与えます。

 

開花時期の管理(5月~10月)
開花期間中は「日当たり」と「水やり」が鍵となります。

 

  • 日当たり: 半日以上直射日光が当たる場所が理想です。日照不足になると花数が減り、茎がひょろひょろと弱々しくなります。
  • 水やり: 土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。ただし、ブルースターは多湿を嫌うため、常に土が湿っている状態は根腐れの原因になります。「乾いたらやる」のメリハリが重要です。
  • 支柱立て: 草丈が高くなると倒れやすくなるため、開花が進んで背が伸びてきたら、早めに支柱を立てて誘引します。特に梅雨時の雨風で倒伏すると、そこから病気が発生しやすくなります。
  • 花がら摘み: 咲き終わった花はこまめに摘み取ります。そのままにしておくと種を作ることにエネルギーを使ってしまい、次の花が咲きにくくなります。花茎の付け根から切り取るのがコツです。

参考リンク:ブルースターの育て方や植え付け時期の詳細(GreenSnap)

ブルースターの剪定と切り戻し手順

ブルースターを美しく、かつ健康に保つために欠かせない作業が「剪定」と「切り戻し」です。特に日本の高温多湿な夏を乗り越え、秋にもう一度満開の花を楽しむためには、適切なタイミングでの切り戻しが必須となります。

 

切り戻しの適期:6月~8月
一通りの開花が落ち着いた梅雨明け前後、あるいは株が乱れてきた8月頃が切り戻しのベストタイミングです。この時期に思い切って剪定することで、株の中の風通しを良くし、蒸れによる枯死を防ぐことができます。また、新しい脇芽の発生を促し、秋の開花数を増やす効果もあります。

 

具体的な手順

  1. 位置の決定: 地面から草丈の半分~3分の1程度の位置を目安にします。この時、必ず葉が残っている節の上で切るようにしてください。葉が一枚もない状態で茎だけ残すと、そのまま枯れ込んでしまうリスクがあります。
  2. カット: 清潔な剪定ばさみを使用し、節の少し上でスパッと切ります。
  3. 白い液の処理: 切り口から出る白い乳液は、皮膚につくとかぶれることがあるため、手袋を着用して作業します。また、ハサミについた液は錆びの原因になるため、使用後はきれいに拭き取ってください。

日常的な剪定(整枝)
大掛かりな切り戻し以外にも、混み合った枝や細くて弱い枝を間引く「透かし剪定」は随時行います。特に株元付近の風通しを確保することは、灰色かび病などの病気予防に直結します。黄色くなった下葉もこまめに取り除きましょう。

 

切り戻し後は、株に負担がかかっている状態なので、薄めの液体肥料を与えて樹勢の回復を図ります。これにより、秋(9月~10月)には再び若々しい葉が茂り、美しい花を咲かせてくれます。

 

参考リンク:ブルースターの剪定時期と方法(PictureThis)

ブルースターの種取りと冬越し注意点

ブルースターはこぼれ種でも増えるほど繁殖力が旺盛ですが、意図的に種を採取して翌年蒔くことも可能です。また、本来は多年草ですが、寒さにはやや弱いため、地域に応じた冬越し対策が必要になります。

 

種取りの方法

  1. 鞘(さや)の選定: 花が終わると、インゲン豆のような細長い鞘ができます。種を取りたい場合は、株の勢力を維持するために、1株につき1~2個の鞘だけを残し、他の花がらは全て摘み取ります。全ての鞘を放置すると、株が消耗しすぎて枯れてしまうことがあります。
  2. 採取のタイミング: 鞘が緑色から茶色に変わり、乾燥して少し裂け目ができ始めた頃が採取の適期です。
  3. 種の保管: 鞘が開くと中から綿毛のついた種(タンポポの綿毛のような形状)が出てきます。採取した種は、紙袋などに入れて通気性の良い冷暗所で保管し、翌年の春(4月~5月)に蒔きます。

冬越しの手順
ブルースターの耐寒温度は約0℃~5℃程度です。関東以西の暖地であれば、屋外での冬越しが可能ですが、寒冷地では室内への取り込みが必要です。

 

  • 暖地(関東以西)の場合:
    • 地植えの株は、株元に腐葉土や敷き藁、バークチップなどでマルチングを行い、根が凍結しないように保温します。
    • 寒風が直接当たると葉が傷むため、不織布をかけたり、風よけを設置するとより安心です。
    • 地上部が枯れても、根が生きていれば春に新芽が出てきます。枯れた地上部は短く刈り込んでおいても構いません。
  • 寒冷地・寒さが厳しい地域の場合:
    • 鉢植えで管理し、霜が降りる前に日当たりの良い室内(窓辺など)に取り込みます。
    • 室内でも夜間の窓辺は冷え込むため、夜は部屋の中央に移動させるなどの工夫が必要です。
    • 冬の間は休眠状態に近いので、水やりは控えめにし、土が完全に乾いてから数日後に与える「乾かし気味」の管理を徹底します。肥料は不要です。

    適切な冬越しを行えば、翌春には一回り大きく成長した株から、より多くの花を楽しむことができます。

     

    参考リンク:ブルースターの種取りは一鞘だけ残す理由(Cartolare)

    ブルースターの花言葉と怖い意味の真偽

    ブルースターには、結婚式で花嫁が身につけると幸せになれるという「サムシングブルー(Something Blue)」のアイテムとして人気の高い花ですが、一部では「怖い花言葉がある」と噂されることがあります。その真偽と本来の意味について解説します。

     

    ポジティブな花言葉

    • 「幸福な愛」: 結婚式のブーケに使われる最大の理由です。
    • 「信じあう心」: パートナーや家族との絆を象徴します。
    • 「星の精」: 5枚の花弁が星のように見えることに由来します。

    ネガティブ(怖い?)とされる花言葉

    • 「早すぎた恋」
    • 「身を切る想い」

    これらの花言葉は、決して呪いや不幸を意味するものではありません。「早すぎた恋」は、開花時期が長く、次々と花を咲かせては散っていく儚さや、未熟なうちに散ってしまう様子から連想されたと言われています。また、「身を切る想い」は、茎や葉を切った時に出る白い乳液が、まるで植物が涙を流しているように見えることや、その液が皮膚を刺激することから名付けられたという説があります。

     

    つまり、これらは植物の生態的特徴を詩的に表現したものであり、贈り物やウェディングに使用することを避けるべき「不吉な意味」ではありません。むしろ、その可憐な青色は多くの人に愛されており、安心して栽培やプレゼントに利用できます。ただし、プレゼントする際に誤解を招かないよう、ポジティブな花言葉を書いたメッセージカードを添えるなどの配慮があると、より丁寧で喜ばれるでしょう。

     

    参考リンク:ブルースターの花言葉の由来と意味(HanaPrime)

    ブルースターの切り花延命処理と白い液の対策

    ブルースターは切り花としても非常に人気がありますが、収穫後の処理(ポストハーベスト)を誤ると、すぐにしおれてしまいます。ここでは、農家やプロのフローリストが実践している、切り花の品質保持と「白い液」への専門的な対策を紹介します。

     

    白い液(ラテックス)の問題点
    ブルースターの茎を切断すると滲み出てくる乳白色の液は、植物体内の防御物質(ラテックス)です。これには2つの問題があります。

     

    1. 導管の閉塞: 液が切り口で固まると、水を吸い上げる管(導管)を塞いでしまい、水揚げが悪くなります。これが「すぐにしおれる」最大の原因です。
    2. 他への影響: 他の花と一緒に生ける際、この液が他の花の水揚げを阻害したり、水を汚したりすることがあります。

    プロが行う水揚げ処理(湯揚げ・薬品処理)
    切り花として長く楽しむためには、以下の手順で導管の詰まりを防ぐ処理を行います。

     

    1. 切り口の洗浄: 茎を切ったら、直ちに流水で切り口を洗い流し、白い液を完全に除去します。指で優しくこすり落とすのがポイントです。
    2. 湯揚げ(ゆあげ):
      • 沸騰したお湯を浅く張った容器を用意します。
      • ブルースターの切り口2~3cmをお湯に10秒~20秒程度浸します。これにより、切り口付近の組織内の空気を追い出し、導管内のラテックスを固めることなく排出させ、殺菌効果も期待できます。湯気で花が傷まないよう、花部分は新聞紙などで包んで保護してください。
      • その後、すぐに冷水(深水)に浸けて、1時間以上しっかりと水を吸わせます。
    3. 延命剤の利用: 市販の切り花延命剤(糖分と殺菌剤が含まれたもの)を使用すると、さらに日持ちが良くなります。ブルースターはエチレンガスの影響も受けやすいため、エチレン阻害剤(STS剤など)による前処理を行う生産者もいます。

    消費者へのアドバイス
    直売所などで販売する際は、「茎を切ったら必ず白い液を洗い流してください」というPOPを添えるだけで、購入者の満足度が大きく向上します。また、肌が弱い人はこの液でかぶれる可能性があるため、取り扱い時の手袋着用や手洗いの励行を促すことも、リスク管理として重要です。この「ひと手間」の知識こそが、プロとアマチュアの栽培管理の差となります。

     

     


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