紫蘇(大葉)は収穫期間が長いぶん、途中で肥料切れを起こすと葉が小さくなったり香りが薄くなったりしやすい作物です。いきなり「おすすめ肥料の銘柄」から選ぶより、まず元肥(植え付け前)と追肥(生育中)に分けて管理すると、施肥設計がぶれません。
元肥の基本は、初期生育を支える“長く効く肥料”を土に混ぜることです。地植えなら、植え付け前に土づくりと合わせて行い、有機肥料を使う場合は植え付け2週間前、化成肥料を使う場合は1週間ほど前までに施す、という考え方が分かりやすいです。
参考)https://www.mdpi.com/2071-1050/9/5/841/pdf?version=1495111351
追肥は、定植後に株が動き出してから「不足しないように追加」する工程で、地植えでは植え付け2〜3週間後から始め、月1〜2回を目安に、葉の大きさ・色を見て続ける、という整理が実務に向きます。
プランター栽培の場合、元肥入り培養土なら元肥は不要なケースもあります。追肥は、苗からなら植え付け1か月後から、化成肥料は月1回程度、液体肥料は2週間に1回程度という目安で、栽培管理が組み立てやすいです。
また別の目安として、草丈が20cm程度になった頃から追肥を開始し、月1〜2回の頻度で施肥する考え方も紹介されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9076847/
現場で起きがちな失敗は「追肥が遅れて一気に濃く入れる」ことです。肥料は一度に多く与えると肥料やけのリスクが上がるため、少量を分けて入れるほうが結果が安定しやすいです。
「とりあえず迷わず使える」おすすめ枠として挙がりやすいのが、N-P-Kが均等な化成肥料(例:8-8-8)です。家庭菜園〜小規模圃場では、窒素・リン酸・カリが同量のタイプは多くの野菜に使いやすく、基準になりやすいとされています。
シソ(大葉青しそ)の栽培例でも、元肥で8〜10%程度の化成肥料を1㎡あたり100g、追肥で化成肥料(8-8-8)を1㎡あたり20〜30g程度、2〜3週間に1回という目安が示されています。
化成肥料の利点は、成分が読みやすく、臭いが少なく、施肥量の再現性が高い点です。特にプランターやベランダ栽培では、臭い・虫が気になる場合に化成肥料が選ばれやすい、という整理ができます。
一方で、化成肥料だけで回すと「土が硬くなった」「水持ちが落ちた」と感じる圃場もあります。そこで、土づくり(堆肥・腐葉土など)と、追肥(化成肥料)を役割分担させると、葉物としての紫蘇が狙う“やわらかい葉”に寄せやすくなります(肥料だけでなく、土の物理性も収量と品質に効くためです)。
有機肥料は、土壌改良(ふかふかにする)にも役立つ一方、効き方が土の状況に左右され、使い方を誤ると悪臭や害虫発生につながることがあるため、初心者には有機配合肥料や化成肥料がすすめられる、という整理がされています。
つまり「有機=上級者向け」「化成=初心者向け」と単純化するのではなく、“圃場の管理体制(切り返し、温度、施肥間隔)に合うか”で選ぶのが現実的です。
油かすは有機質肥料の代表格で、米ぬかより窒素が多く、リン酸が少なめという特徴が整理されています。
参考)https://www.mdpi.com/2223-7747/12/23/4062/pdf?version=1701595590
成分の目安として窒素5%前後で、リン酸・カリは1〜2%程度という説明があり、紫蘇の「葉を増やしたい」局面では窒素寄りの資材として理解しやすいです。
ただし油かすは、入れ方を間違えると根に悪影響が出る場合があります。水はけが悪い土壌で全層施用・層状施用をすると嫌気発酵に傾きやすいため、空気の多い表層施用がすすめられる、という注意点が明示されています。
さらに菜種油かすは、播種や移植の2週間前に施肥が必要(発芽を抑制する有害物質に言及)とされており、定植直前に入れる“速攻狙い”は事故の元になり得ます。
「油かすを使いたいが失敗したくない」場合のおすすめは、有機配合肥料で“有機の緩効性+化学肥料の速効性”を取り込む考え方です。有機配合肥料は元肥・追肥どちらにも使えるものが多く、少量パッケージもあるため、施肥量の調整がしやすいとされています。
紫蘇は水を好むため、追肥を「水やり作業に統合」できる液体肥料は相性がよいです。実際に、プランターでは化成肥料(固形)なら月1回、液体肥料なら2週間に1回という目安が提示されており、作業計画が立てやすいです。
また、地植えの栽培例でも、化成肥料の代わりに液体肥料を2週間に1回施してもよい、という選択肢が示されています。
液体肥料が効く場面は、葉色が薄い・新葉が小さいなど「不足を感じた時に、早めに戻す」用途です。逆に、株が濃緑で勢いがあるのに“保険で追加”すると、過剰になりやすいので注意が必要です(紫蘇は肥料を入れれば入れるほど良いわけではなく、過多で肥料やけが起きる可能性があるためです)。
水耕栽培の場合は、土から養分を取れないため、肥料を含んだ培養液で育てる必要があります。根が出るまでは肥料を使わず、発芽から1〜2週間程度で薄く溶かした培養液に移行する、という流れが紹介されています。
土耕用の肥料を流用せず、水耕栽培用の肥料を使うべき、という点も重要です(組成が異なるとされています)。
紫蘇は「収穫を続けるほど、株が消耗する」タイプなので、施肥判断はカレンダーより“葉のサイン”のほうが精度が上がります。肥料不足のサインとして、葉が小さくなる・香りが薄くなる・葉色が薄くなるなどが挙げられており、特に下葉から黄化してくるなら、追肥の合図として扱いやすいです。
逆に過多のサインとして、葉が丸まる・茶色くなるといった例が示されており、この段階では追肥を止めて水管理と土の状態を優先したほうが立て直しやすいです。
ここが“検索上位に多い施肥カレンダー記事”と差が出るポイントで、同じ「月1回追肥」でも、収穫強度が高い(毎日摘む)圃場ほど欠乏が出やすく、収穫が少ない圃場ほど過剰になりやすい、という非対称が起きます。だからこそ、追肥の量は固定せず、次のように「観察→少量→再観察」のループにすると事故が減ります。
✅ 現場で回しやすいチェック(例)
また、肥料を“混ぜて濃くする”のは避けるべきという注意点も強調されています。肥料同士を混ぜると化学反応で有害ガスなどの危険があるため、現場では「同日に複数資材を原液で混ぜない」をルール化しておくと安全です。
【参考リンク:シソの元肥・追肥の目安量、肥料不足/過多サイン、肥料を混ぜない注意点】
https://www.noukaweb.com/shiso-fertilizer/
【参考リンク:大葉青しその施肥量(元肥100g/㎡、追肥20〜30g/㎡など)と追肥頻度の栽培例】
https://nichinou.co.jp/saibai/18470
【参考リンク:油かすの成分特徴、施用法の注意(嫌気発酵リスク、施用の2週間前など)】
https://www.kaku-ichi.co.jp/media/crop/fertilizer/oil-cake