しそ栽培で「肥料が効かない」「途中から急に弱る」原因は、追肥のテクニックより先に、元肥の設計がズレているケースが少なくありません。元肥は“スタートの燃料”であると同時に、土の状態を整える工程でもあります。
まず畑の準備として、タネまきの2週間以上前に苦土石灰を1㎡あたり約100g散布して混和し、酸度を整える方法が紹介されています。酸性寄りの土で無理に窒素だけを足すと、根が伸びにくくなって追肥が効きづらくなり、結果として「もっと肥料を入れてしまう」悪循環に入りやすいので注意が必要です。
元肥としては、タネまきの1週間ほど前までに完熟たい肥を1㎡あたり1~2kg、さらにN・P・Kが各8~10%程度の化成肥料を1㎡あたり100g程度全面施肥して耕す、という目安が示されています。ここで重要なのは、たい肥=万能な肥料と誤解しないことです。たい肥は土をふかふかにして水持ち・水はけのバランスを整えますが、速効性の養分供給は化成肥料ほど安定しません。つまり「たい肥を入れた=追肥がいらない」ではなく、「たい肥で根が働きやすい土台を作った=追肥が効きやすい」状態を作るのが狙いです。
また、元肥は一度入れたら基本的に“後戻りが難しい”工程です。特に窒素は入れ過ぎると後で調整しにくく、過繁茂・病害虫・品質低下につながります。元肥は盛りすぎず、追肥で微調整できる余白を残す方が、農業従事者の現場では作業設計が安定します。
参考:大葉青しその畑準備(苦土石灰・たい肥・化成肥料の目安)
https://nichinou.co.jp/saibai/18470
追肥は「いつ」「どれくらい」を固定すると失敗しやすく、葉の状態で判断すると成功率が上がります。しそは収穫期間が長いぶん、途中で肥料切れを起こすと葉が小さくなり、香りが薄くなるなどの品質ダウンが出やすいとされています。
地植えの場合、直播なら最終間引きが終わったタイミングから追肥を開始し、化成肥料を1㎡あたり30g程度まいて土と混ぜ、土寄せする方法が紹介されています。苗の定植なら、植え付けから2~3週間後に追肥を始め、以後は葉が小さくなる・色が薄くなるなどのサインが出たら同様に追肥し、目安は月1~2回とされています。ここでのポイントは「回数より観察」です。月1~2回はあくまで目安で、気温・降雨・土質・収穫頻度で必要量は変わります。
鉢・プランターでは、土量が少ないため肥料切れが早く起きます。追肥の目安として、化成肥料なら1か月に1度、液体肥料なら2週間に1度という考え方が示されています。液肥は効きが早い反面、入れ方が雑だと濃度障害(肥料やけ)になりやすいので、「規定倍率を守る」「乾ききった土に濃い液肥を一気に入れない」など、基本の安全策が重要です。
追肥判断の現場チェックは、次のように“葉で読む”のが実務的です。
この見分けができると、追肥は「予定」ではなく「調整」になります。結果として、肥料代も下がり、害虫・病気のリスクも下げやすくなります。
参考:大葉の追肥量・頻度・不足/過多サイン(地植え/鉢/水耕の整理)
https://www.noukaweb.com/shiso-fertilizer/
しその施肥で一番ありがちな失敗は、「葉物=窒素を増やせば増やすほど良い」という思い込みです。確かに窒素は葉や茎の生長に関わり、葉を大きくする方向に働きますが、過剰に効かせると“作りたい葉”から遠ざかることがあります。
具体的には、窒素肥料を多く使うと茎葉が繁茂して風通しが悪くなり、アブラムシの被害を受けやすいので与え過ぎに注意する、という注意点が明示されています。これは農家目線でかなり重要で、害虫が増えると防除の手間・コストが増え、収穫物の見た目や出荷適性にも影響します。つまり「肥料で増収のつもりが、防除で相殺される」という構図が起きます。
さらに風通しが悪い株は、葉の乾きが遅れ、病気のリスクも上げやすくなります。窒素過多の対策としては、単に施肥量を減らすだけでなく、追肥の粒を株元に寄せすぎない、土寄せで根域に急に濃い肥料帯を作らない、株間を確保して込み合いを防ぐなど、栽培管理の側もセットで見直すと効果が出やすいです。
現場で使える“窒素の安全運転”の考え方は次の通りです。
しその良さは、ただ大きい葉ではなく、やわらかさ・香り・収穫の回転です。窒素は“効かせる”のではなく、“効き過ぎない範囲で回す”のが上級者の施肥です。
参考:窒素肥料の与え過ぎ注意(繁茂→アブラムシリスク)
https://xn--m9jp4402bdtwxkd8n0a.net/howto/siso-tuihi
「葉が小さい」=即追肥、は半分正解で半分危険です。しそは肥料不足で葉が小さくなり、香りが薄くなる一方、肥料を与えすぎると肥料やけを起こすため、適期に適量が大切だと整理されています。ここを読み違えると、葉が小さい原因が肥料不足ではなく“根のダメージ”だった場合に、追肥でさらに悪化させます。
まず、葉が小さいときの現場チェックを順番に並べます(作業者間で共有しやすいように手順化します)。
肥料やけが疑わしいときは、“追肥で取り返す”発想を止めるのが最優先です。安全策としては、追肥を一旦止める、潅水で塩類を薄める(プランターは特に有効)、株元の肥料を軽く取り除く、根に酸素が入るように表土を固めない、などの対応が現実的です。逆に肥料切れが濃厚なら、粒肥を少量入れて土と混和し、液肥は規定倍率で薄く入れて反応を見る、という“リスクの低い入れ方”が安定します。
また、よくある事故として「肥料を混ぜて強い肥料を作ろうとする」行為が挙げられ、肥料同士を混ぜると化学反応で被害や有害ガスの危険もあると注意されています。現場で複数資材を扱うほど起きやすいので、施肥設計は“単純にして事故を潰す”のが、結果的に収量と品質を守ります。
検索上位の施肥解説は「元肥と追肥の時期・量」が中心ですが、現場で差が出るのは“収穫の仕方と施肥を同期させる”運用です。しそは摘み取りが続く作物で、収穫=栄養の持ち出しでもあります。つまり、収穫頻度が高いほど、追肥は「暦」より「収穫量」によって必要性が上がります。
そこでおすすめの運用は、追肥を「収穫のイベント」に結びつけてルール化することです(属人化を減らし、担当が変わっても品質を落としにくい)。
この考え方のメリットは、肥料の“効かせ過ぎ”を避けながら、必要なときに必要な分だけ足せる点です。特に窒素は、効かせすぎると繁茂→風通し低下→アブラムシ増加という流れを作りやすいので、「収穫が多い=窒素をドカン」ではなく、「収穫が多い=薄く刻む」が安定します。
最後に、しそ肥料で迷ったら、結局はここに戻ります。
以上を押さえると、しそは“毎週の収穫が楽になる作物”に変わっていきます。

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