里芋の追肥は「植え付け直後に多回数で薄く」ではなく、「生育が乗ったところで2回、要所で効かせる」考え方が基本です。奈良県の栽培ポイントでも、サトイモは5月下旬〜6月下旬に追肥とともに土寄せを行う、と整理されています。
では現場で迷うのが、「カレンダー通りにやるべきか」「株の状態で決めるべきか」です。結論としては、カレンダーは目安、最終判断は株の状態が安全です。たとえば家庭菜園向け情報では、1回目の追肥は5月下旬〜6月中旬の本葉3枚ごろ、2回目はその約1か月後(6月下旬〜7月中旬)に行う例が示されています。
ここで重要なのは、追肥と土寄せを分離しないことです。追肥のタイミングで土寄せをセットにすると、肥料が株元の根域に入りやすくなり、同時に芋が太る「空間」も増えます。実際、里芋を大きく育てる方法として「土寄せは追肥のタイミングで行う」と説明されることが多いです。
作業の段取りを、農業従事者向けに“崩れにくい形”で書くとこうです。
「いつやる」の迷いは、結局「いつ効かせたいか」に置き換えると判断が速くなります。1回目は“株を立ち上げる”、2回目は“芋の肥大に乗せる”。この目的に合うタイミングが、あなたの圃場の正解です。
参考:追肥と土寄せの時期(公的情報の目安)
奈良県の「サトイモづくりのポイント」:追肥と土寄せの時期・施し方がまとまっています。
https://www.pref.nara.jp/16266.htm
「追肥の時期」だけを詰めても、元肥が過多・不足なら結果が安定しません。里芋は栽培期間が長めで、途中で効きが切れると芋の太りが止まり、逆に効きすぎると地上部だけが伸びる、というブレが出ます。
元肥は、植え付け前の土づくり段階で土に混ぜ込み、初期の生育を支える位置づけです。家庭菜園向けの解説でも「土づくりの際に元肥として化成肥料を混ぜ、追肥が必要」と整理されています。ここで意外と現場トラブルになりやすいのが、元肥を“深く入れすぎる/近すぎる”問題です。
実務のコツは「根が張る層に、均一に、濃度ムラを作らない」。里芋は水を好むため、局所的に濃い肥料があると、雨や灌水のあとに根が当たって障害が出ることがあります(葉の縁が傷む、伸びが鈍る、など)。だからこそ、元肥は“帯状に固めて入れる”より、“畝全体に混ぜる”方が管理が楽になります。
追肥は、元肥の“燃料切れ”を防ぐ補給と、芋を太らせるスイッチの役割があります。農家向けの解説では、追肥は発芽後に1回目、その約1か月後に2回目、さらに2回目は梅雨明け前が理想と書かれており、気象(雨の利用)も含めた設計になっています。
「いつやる」を現場で一段ラクにする方法として、追肥の合図を“観察項目”に落とすのが有効です。
参考:追肥タイミング(農家向けの整理)
追肥の回数・時期の目安がまとまっています。
「追肥の時期」は検索で出てきますが、「量と施し方」は圃場で差が出る部分です。量は土質・地力・作型で変わるため、固定の正解はありません。ただし、基準の考え方を持つと事故が減ります。
奈良県の資料では、追肥は株間に施し、1回につき窒素量として1平方mあたり20g置き、土寄せする、と具体的な指標が示されています。家庭菜園向けでも、1株あたり10〜20gの化成肥料を株元にまき、混ぜ込んで土寄せする、という運用例が提示されています。
この2つを見比べると、共通しているのは「株に直接当てない」「混ぜ込んで土寄せ」「やる回数は多すぎない」です。現場で起きるミスは、次の3つに集約されます。
施し方の実務手順を、作業者が迷わない粒度で書くとこうなります。
注意点として、里芋は水管理が収量に直結します。追肥しても乾いていると効きが出にくく、逆に多湿で根が傷んでいると肥料が逆効果になることもあります。追肥の前後は、土が“しっとり”を保っているか必ず確認してください。
参考:追肥・土寄せの具体例(企業メディアだが実用情報が多い)
追肥の目安時期と土寄せのやり方が整理されています。
https://www.hyponex.co.jp/plantia/plantia-10429/
里芋で怖いのは「少なすぎて収量が落ちる」より、「多すぎて草だけ立派、芋が太らない」事故です。特に窒素が強いと、地上部が繁りすぎて“草でき”になり、腐敗が増える、と栽培マニュアル系の資料で注意されています。つまり「追肥を遅らせない」だけでなく「追肥しすぎない」も同じくらい重要です。
肥料切れ(不足)のサインは、葉色が薄くなり、伸びが鈍る、下葉が早く傷む、などが目安になります。逆に肥料過多(特に窒素過多)のサインは、葉や茎がやたらと大きいのに芋が太らない、葉が軟弱で病害虫に弱そう、過湿と重なると腐りやすい、などです。家庭菜園向けの解説でも、肥料過多で葉の黄変や枯れ、窒素過剰で葉茎ばかり育って塊茎(芋)の発育が悪くなる、といった説明があります。
現場で役立つ“判断の順番”を提示します。
ここで“意外と見落とされがち”なのが、窒素過多=常に濃い緑、とは限らない点です。窒素が過剰でも、梅雨の長雨で根が弱れば吸えず、結果として葉が黄化することがあります。つまり「黄化=不足」と短絡すると、追肥の追い打ちでさらに根を傷めることがあるので、土の状態(臭い、ぬかるみ、根域の酸欠感)も合わせて見てください。
参考:窒素過多のリスク(現場向け資料)
「窒素過多は草できになり腐敗も多くなる」など、過剰施肥の方向性が確認できます。
https://www.ja-nanto.or.jp/farming/document/family-farm/satoimo.pdf
検索上位は「5月下旬〜」「6月下旬〜」のように月で書かれがちですが、農業従事者にとって本当に効くのは“梅雨前後”で設計を切り替える視点です。理由は単純で、追肥は「土に溶けて根に届く」ことで効きますが、その運搬役は雨と土中水分だからです。
たとえば、2回目の追肥は「梅雨明け前が理想」とする整理があります。これは、梅雨の雨で肥料が根域に入りやすい一方、梅雨明け後に乾燥が来ると効きが止まりやすい、という現場の“効かせ方”の都合です。つまり同じ暦でも、梅雨入りが早い年・遅い年で、ベストの施肥日がズレます。
ここからが独自視点の提案です。あなたの圃場で再現しやすいよう、追肥を「雨の予報」とセットにします。
さらに、土寄せの意味を「雑草抑制」だけで終わらせないでください。土寄せは根域環境の再設計であり、梅雨の過湿期は排水と通気、夏の乾燥期は保水に寄与します。追肥の効き方に直結するので、肥料を議論するときほど土寄せが重要になります。
以上を踏まえると、「里芋の肥料いつやる」の答えは、単なる日付ではなく、①株のステージ、②梅雨前後の水分、③追肥と土寄せのセット運用、で決めるのが最短ルートです。