ロブラール治療効果と灰色かび病菌核病

ロブラールの治療効果はどの病害で強く、散布や常温煙霧、使用回数や収穫前日までの注意はどう整理すべきか、耐性菌対策も含めて現場目線で確認してみませんか?

ロブラールと治療効果

ロブラール治療効果の要点
狙う病害を絞る

灰色かび病・菌核病など「効く場面」を決めると、治療効果も安定しやすい。

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作用機作を理解

イプロジオンは浸透圧シグナル伝達系をかく乱して発芽や菌糸伸長を止める。

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使用時期と回数を守る

「収穫前日まで」「収穫7日前まで」など適用と回数の上限を守ることが結果的に効き目を高める。

ロブラール治療効果と灰色かび病の散布


ロブラール水和剤は有効成分イプロジオン50.0%の殺菌剤として登録され、野菜・果樹・芝など幅広い適用を持ちます。
現場で「治療効果」を期待しやすい代表が灰色かび病で、いちごは1500倍で収穫前日まで散布が可能、なす・きゅうり等も1000~1500倍で収穫前日まで散布できる適用が並びます。
治療目的の散布では「病斑が増え始めた初期」を逃さないことが重要で、灰色かび病は進行すると灰色の胞子が大量に舞い、散布ムラがあると再燃しやすいので、葉裏・花・果実の接触部まで濡れムラを減らす意識が効き目を左右します。
散布量の設計も治療効果の一部で、例えばいちごは100~300L/10a、果樹では200~700L/10aなど、作物ごとに「付着させる前提の量」が適用表に組み込まれています。


参考)ロブラール水和剤

この前提を崩して少量散布で済ませると、濃度が合っていても到達しない部位が増え、結果的に「治療効果が弱い」と感じる原因になります。

一方で過度な濡れもハウス内湿度を押し上げ、灰色かび病の環境を助長し得るため、換気・暖房・除湿とセットで“薬が効く環境”を作るのが現実的です。

ロブラール治療効果と菌核病の使用時期

菌核病は、作物残渣や土中の菌核が起点になり、発病してから一気に株元側へ侵入するため、治療効果を狙うなら「侵入直後~初期」を当てる必要があります。
ロブラール水和剤はキャベツの菌核病に1000倍・収穫7日前まで・4回以内の散布適用があり、作型によっては防除の柱になり得ます。
同じく、だいずの菌核病にも1000倍・収穫21日前まで・3回以内といった適用があり、畑作でも選択肢として成立します。
菌核病は「畝間の風通し」「下葉の枯れ込み」「地表面の湿り」が引き金になることが多いので、治療効果を高めるコツは薬剤選定以上に“侵入ルート”を減らす管理にあります。

具体的には、散布の際に株元へ薬液が落ちるようノズル角度を調整し、地際の葉が泥はねで汚れている場合は軽い整枝やマルチ見直しも同時に行うと、再発を抑えやすくなります。

また適用表には「イプロジオンを含む農薬の総使用回数」も併記されるため、別製品で同成分を使っている圃場では合算管理が必要です。

ロブラール治療効果と常温煙霧の灰色かび病

ロブラール水和剤の適用表には、温室・ガラス室・ビニールハウス等の密閉できる場所で、きゅうり・トマト・ミニトマト・ぶどうの灰色かび病に「常温煙霧」が設定されています。
例えばトマトは200g/10aを5L/10aにして、収穫前日まで・3回以内で常温煙霧が可能で、散布が入りにくい葉陰や通路奥への到達性が武器になります。
この使い方は「治療効果を狙う」というより、発病部位の増殖を止めつつ、ハウス内に残る胞子源を抑える“面で効かせる”運用に向きます。
ただし常温煙霧は、密閉性・気流・ハウス内の結露の有無で結果が変わりやすく、湿度が高いまま行うと煙霧後に結露→感染チャンス増加、という逆転が起き得ます。

そこで、煙霧前に換気や加温で葉面を乾かし、終了後も一定時間は過湿を避ける運用にすると、「効いたのにまた出る」を減らしやすいです。

散布と煙霧を同じ感覚で回すのではなく、病斑が見える列は散布で“狙い撃ち”、ハウス全体は煙霧で“押さえ込み”のように役割分担を作ると組み立てが明確になります。

ロブラール治療効果と耐性菌のイプロジオン

イプロジオンはジカルボキシイミド系殺菌剤で、植物病原菌の細胞膜内で浸透圧信号伝達系をかく乱し、胞子発芽や菌糸伸長を阻害する作用が示されています。
このタイプは効き目がはっきり出やすい一方、同系統の連用は選抜圧を高め、圃場によっては「効きが落ちた」と感じる場面が出やすくなるため、治療効果を維持するにはローテーションが前提になります。
日本語で読める資料として、環境省の評価資料は作用機構(FRAC:2)や分解特性(加水分解半減期など)までまとまっており、現場判断の裏付けになります。
また、学術側ではジカルボキシイミド系の作用機構や耐性機構に関する講演要旨が公開されており、OS-1を介した経路など分子レベルの理解も進んでいます。


参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpestics/32/Special/32_32S.S37/_pdf/-char/en

耐性対策としては、単に「別剤に替える」だけでなく、灰色かび病なら花がら・枯れ葉の除去、菌核病なら残渣処理と土壌表面の管理など、胞子・菌核の“供給源”を断つほうが薬剤の治療効果を押し上げます。

現場の言葉に落とすと「効く薬を探す」より「効く条件を作る」ほうが再現性が高い、という整理です。


参考)https://www.env.go.jp/content/000242123.pdf

ロブラール治療効果と意外な水質汚濁の現場視点

意外に見落とされがちですが、薬剤の“効き方”は散布後にどれだけ残るかだけでなく、環境中での分解のされ方にも影響されます。
イプロジオンはpHによって加水分解半減期が大きく変わり、pH7で6.4日、pH9では27.2分といったデータが整理されています。
つまり、ハウス内の培地・排液・貯留水などがアルカリ寄りになる条件では、圃場外に流れた成分の挙動が変わり得るため、「圃場内で効かせる」ことと同時に「外に出さない」管理が合理的です。
環境省資料では水質汚濁に係る登録基準値0.05 mg/Lや、非水田使用時の水濁PECの算出例も示されており、周辺水域を意識した使い方の説明材料になります。

ここを押さえると、上司や指導員から「その使い方は周辺に説明できるか?」と問われたときに、感覚論ではなく根拠で返せます。

治療効果を狙うほど散布回数は増えがちなので、結果として“適用回数を守る”“排水を管理する”“散布液を余らせない”が、農場の信頼を守る技術になります。

効果・適用表(ロブラール水和剤の公式登録情報)
ロブラール水和剤
作用機構・安全性・環境中での挙動(イプロジオンの評価資料PDF)
https://www.env.go.jp/content/000242123.pdf
作用機作分類の確認(FRACコード表 日本版PDF)
https://www.midori-kyokai.com/pdf/FRAC_code-202404.pdf
作用機構・耐性機構の研究背景(J-STAGE掲載PDF)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpestics/32/Special/32_32S.S37/_pdf/-char/en




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