
市販のビニールハウスはサイズが合わなかったり、高額だったりして導入をためらっていませんか。実はダイソーやセリアなどの100均ショップには、本格的な小型温室を自作できる資材が豊富に揃っています 。園芸コーナーだけでなく、キッチン用品やインテリア用品を組み合わせることで、既製品にはない機能性やデザインを持たせることが可能です。ここでは、初心者でも失敗しない材料選びから、意外なアイテムを使った裏技的な製作方法まで、3000文字以上のボリュームで詳しく解説していきます。
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最も強度が高く、サイズ調整もしやすいのが「ワイヤーネット(メッシュパネル)」を使用したボックス型の温室です。
ダイソーやセリアで販売されているワイヤーネットは、サイズ展開が非常に豊富です。プランターの大きさに合わせて、側面板2枚、背面板1枚、天板1枚、前面(扉用)1枚の計5枚を用意しましょう 。色は白や黒、シルバーなどがありますが、光の反射を考慮すると白、または熱吸収を狙うなら黒など、栽培環境に合わせて選ぶのがプロのコツです。さらに、これらを固定するための「結束バンド(インシュロック)」は、屋外で使う場合、紫外線に強い「耐候性」タイプを選ぶと長持ちします 。
まず、側面と背面のネットを結束バンドで固定し、コの字型を作ります。この時、結束バンドは仮締めにしておき、全体の形が整ってからペンチなどで強く締め上げ、余分な部分をカットすると歪みが少なくなります 。天板を取り付けたら、底面はあえてネットを張らず、プランターに上から被せられる「カバー式」にすると、水やりや移動が格段に楽になります。
骨組みができたら、保温のためのビニールを張ります。ここでのポイントは「テーブルクロス」の活用です。100均の透明テーブルクロスは厚みがあり、園芸用ビニールよりも透明度が高いものが多いです 。これを骨組みに合わせてカットし、大きめのダブルクリップや洗濯バサミで固定します。接着剤を使わずクリップ留めにすることで、気温が上がった時にすぐに取り外して換気できるメリットがあります。
風が強いベランダでは、軽量なワイヤーネット温室は飛ばされる危険があります。対策として、底部のネットの端にペットボトルに水を入れた重石を結束バンドで括り付けるか、プランターの縁とネットを紐で結んで固定しましょう 。
プランターや畝(うね)に直接トンネルを作りたい場合は、園芸用の「支柱」や「アーチ」が活躍します。店舗によって取り扱いサイズが異なるため、使い分けが重要です。
一般的に、ダイソーは大型の資材が充実しており、太めの支柱や長いアーチが手に入りやすい傾向があります。一方、セリアはデザイン性が高く、細めの「グラスファイバー支柱」やおしゃれな色の資材が見つかることが多いです 。小型のプランターにはセリアの細いアーチがフィットしやすく、大型の野菜用プランターにはダイソーの太いアーチが安定します。
プランターの土にアーチ支柱を2〜3本差し込みます。この時、支柱がぐらつかないよう、プランターの底に届くまで深く差し込むのがコツです 。次に、頂点部分に直線の支柱を1本渡し、クロスする部分を結束バンドや専用の「クロスバンド(100均でも入手可)」で固定します。これにより、横方向の揺れに強くなり、ビニールを張った時の沈み込みも防げます 。
アーチ型の場合、ビニールが風でバタつきやすいのが難点です。ここで活躍するのが「園芸用パッカー」や「洗濯バサミ」です。特に100均の「竿用ピンチ(Y字型の洗濯バサミ)」は挟む力が強く、太い支柱もしっかり固定できるため、専用パッカーの代用として非常に優秀です 。ビニールの裾(すそ)は長めにとり、土をかぶせるか、レンガなどを置いて隙間風を防ぎましょう。
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ダイソー|豊富なサイズ展開と大型資材が魅力の100円ショップ
※店舗検索や新商品の確認に便利です。
小型温室で最も難しいのが温度管理です。昼間は高温になりすぎ、夜間は冷え込むため、こまめな調整が必要です。
日中、直射日光が当たると内部温度は40度を超えることがあり、植物が「蒸れ」て枯れてしまいます。これを防ぐため、前面のビニールは「巻き上げ式」にしましょう。ビニールの下端に突っ張り棒をテープで貼り付け、それを芯にしてクルクルと巻き上げ、上部を洗濯バサミで固定します 。こうすることで、天候に合わせて開口部の広さをワンタッチで調整できます。
夜間は放射冷却で急激に冷え込みます。ビニール1枚では断熱性が低いため、100均の「アルミ保温シート」や「プチプチ(気泡緩衝材)」を活用しましょう 。夕方になったら、ビニールハウスの上からアルミシートを被せるだけで、内部の熱が逃げるのを防げます。また、北側の側面(日光が当たらない面)にあらかじめプチプチを二重に貼っておくと、冷気の侵入を大幅にカットできます。
意外と見落としがちなのが「下からの冷気」です。コンクリートの床に直接プランターを置くと、冷気が根に伝わります。これを防ぐため、100均の「発泡スチロールブロック」や「ジョイントマット」を敷き、その上に温室を設置しましょう 。これだけで根の温度が数度変わり、生存率が上がります。
ここでは、園芸用品以外のアイテムを使った、独自視点のユニークな温室アイデアを紹介します。見た目にこだわりたい方や、もっと手軽に作りたい方におすすめです。
セリアなどで売っているA4やB5サイズの「木製フォトフレーム」を使うと、まるでアンティークなガラス温室のようなおしゃれなケースが作れます 。
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これならインテリアとしても美しく、多肉植物やサボテンの冬越しに最適です。隙間は「すきまテープ」で埋めると気密性が高まります。
もっと手軽な方法として、「ランドリーバスケット(ポップアップ式)」の活用があります 。メッシュ状の筒型バスケットに、大きめの透明ゴミ袋(45L〜70L)を上からすっぽり被せるだけです。
これは一時的な寒波対策や、育苗(いくびょう)初期の簡易ハウスとして最強のコスパを誇ります。
キッチン収納などに使う「スタッキングラック」や「スチールラック」も温室の骨組みとして優秀です 。これらはもともと重いものを乗せる前提で作られているため、非常に頑丈です。ラック全体を透明な「テーブルクロス」や「シャワーカーテン」で覆い、テープで留めるだけで、棚付きの多層式温室が完成します。狭いスペースで縦に植物を並べたい場合に最適です。
最後に、初心者がよくやる失敗と、それを防ぐための賢い資材選びについてまとめます。
「半透明」のゴミ袋や養生シートを使うと、光量不足で植物が徒長(ひょろひょろに伸びること)してしまいます。必ず「透明」と記載されたテーブルクロスや、園芸専用のシートを選びましょう 。パッケージ越しに指を当ててみて、指紋がはっきり見えるくらいの透明度が理想です。
植物は成長して背が伸びます。今のサイズギリギリで作ると、葉がビニールに触れてしまい、そこから冷害やカビが発生します(結露した水滴が葉につくため)。必ず植物の成長を見越して、高さに20cm以上の余裕を持ったサイズ設計にしましょう。
Seria(セリア)|おしゃれなDIY素材が見つかる100円ショップ
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これらの100均アイテムとアイデアを駆使すれば、高価なキットを買わなくても、十分に機能的なビニールハウスが手に入ります。まずは小さな一鉢用のハウスから自作に挑戦してみてはいかがでしょうか。自分で作った温室で育つ野菜や花は、愛着もひとしおですよ。