真砂土を1立米(りゅうべい)購入しようとした際、購入先によって値段が劇的に変わることをご存知でしょうか。一般的に、真砂土を入手するルートは身近な「ホームセンター」と、専門的な「建材屋(建材店)」の2つに大別されます。この両者の価格差は、単なる誤差の範囲を超えており、大量購入であればあるほど建材屋の利用が推奨されます。
まず、ホームセンターでの購入ケースをシミュレーションしてみましょう。ホームセンターでは、真砂土は20kg(または18kg)程度の袋詰めで販売されていることがほとんどです。一般的な真砂土の比重を考慮すると、1立米は約1,600kgに相当します。これを20kg入りの袋で換算すると、なんと80袋も必要になるのです。
これに対し、建材屋での「量り売り(バラ売り)」価格は驚くほど安価です。建材屋では袋詰めという工程や資材費がかからないため、原価に近い価格で取引されます。地域や土の質にもよりますが、1立米あたりの単価は数千円で済むことが一般的です。
このように、同じ1立米の真砂土であっても、ホームセンターで購入すると2万円以上かかるものが、建材屋に直接買い付けに行けば数千円で手に入る可能性があります。特に、庭の整地や畑の造成などで数立米必要になる場合は、この差額だけで数万円から十数万円のコストカットにつながります。
参考)http://www.kitakenzai.com/ichiran.htm
ただし、建材屋を利用するハードルとして「一般客への対応」が挙げられます。すべての建材屋が個人への小口販売に対応しているわけではありません。電話帳やGoogleマップで近くの「建材店」「砂利販売」を検索し、事前に電話で「個人ですが、真砂土を1立米分けてもらえますか?」と確認することが重要です。
建材屋の価格が安い理由を解説した記事
建材屋の砂って安いの? 袋砂と量り売りの砂を選ぶ基準とは?
真砂土を購入する際、価格以上に深刻な問題となるのが「重さと配送」です。「たかが土」と侮っていると、自家用車や軽トラックでは到底運べない重量に直面し、計画が頓挫することになります。
真砂土の比重(密度)は、含水率や締め固まり具合によって変動しますが、一般的には1.6前後と言われています。つまり、1立米(1m³)の重さは約1.6トン(1,600kg)にもなります。これは普通乗用車はもちろん、一般的な軽トラック(最大積載量350kg)でも一度に運ぶことが不可能な重量です。
参考)1立米の真砂土とは、ホームセンターで売っている真砂土1袋18…
もしご自身で軽トラックを持っていたとしても、1立米の真砂土を運ぶためには、建材屋と現場を最低でも5往復する必要があります。往復1時間の距離であれば、運搬だけで5時間以上を費やすことになり、ガソリン代や労力を考えると現実的ではありません。
そこで重要になるのが「配送サービス」と「配送料(運賃)」です。多くの建材屋では、2tダンプや4tダンプでの配送を行っています。配送料の相場は、距離や地域によって大きく異なりますが、近隣であれば3,000円~10,000円程度が一般的です。
参考)https://www.ok-kenzai.com/products/%E7%9C%9F%E7%A0%82%E5%9C%9F%EF%BC%885%E3%8E%9C%EF%BC%89/
例えば、真砂土代が5,000円、配送料が5,000円かかったとしても、合計10,000円です。ホームセンターで袋詰めを24,000円分買い、自分の車を泥だらけにして何往復もする手間を考えれば、建材屋に配送を依頼する方が圧倒的にコストパフォーマンスが高いと言えます。
配送を依頼する際の注意点として、以下の項目を建材屋に伝える必要があります。
これらを事前に確認しておくことで、トラブルなくスムーズに真砂土を受け取ることができます。
立米とトンの換算について詳しく解説されているページ
一立米は何キロ?砂・土・コンクリートなど素材別にわかりやすく解説
「1立米」という単位は体積であり、実際に庭や駐車場に敷き詰めたときにどれくらいの広さをカバーできるのか、直感的には分かりにくいものです。DIYで失敗しないためには、必要な厚み(施工厚)から逆算して、必要な立米数を正確に算出する必要があります。
まず、用途別の推奨される厚みは以下の通りです。
例えば、庭に厚さ5cm(0.05m)で真砂土を敷きたい場合、1立米でカバーできる面積は以下の計算式で求められます。
つまり、1立米あれば、約6坪(畳12枚分)の広さに5cmの厚みで敷き詰めることができます。逆に、敷きたい面積が決まっている場合は、以下の計算式で必要量を求めます。
ここで非常に重要なのが「転圧による沈み込み(締め固め率)」です。真砂土は空気を含んだ状態で運ばれてきますが、敷き均して足で踏み固めたり、転圧機(プレート)をかけたりすると、体積が減ります。一般的には1.2倍~1.3倍の量を見積もっておくのがプロの常識です。
計算上1立米で足りる広さであっても、しっかりと転圧して平らにすると「あれ?土が足りない」という事態に陥りがちです。特に駐車場など、車が乗る場所では強固に締め固める必要があるため、多めの注文が必須です。
余った真砂土は、プランターの土として使ったり、庭の凹んでいる部分の補修に使ったりできるため、ギリギリの量で注文して後から追加注文(再度配送料がかかる)するよりは、余裕を持って多めに頼む方が経済的リスクは低いです。
真砂土を庭に使う際の施工方法と注意点
真砂土を庭に使う方法と注意点!水たまりや雑草対策まで完全ガイド
ここまでは建材としての真砂土について触れてきましたが、農業従事者や家庭菜園愛好家にとっての真砂土はどうでしょうか。真砂土は「単なる砂」ではなく、優れた農業用土壌のベースとなり得ますが、そのままでは作物が育たないという大きな落とし穴があります。
真砂土の最大のメリットは「清潔で安価なベース用土である」という点です。山から採取された直後の真砂土は、雑草の種や病原菌が少なく、非常にクリーンな状態です。また、粘土質と砂質が混ざった花崗岩由来の土であるため、一般的には水はけが良いとされています(粒度によります)。
しかし、農業利用においては以下の致命的なデメリットがあります。
したがって、真砂土を畑に入れる場合は、徹底的な土壌改良が前提条件となります。単に真砂土を畑に入れただけでは、野菜は黄色く変色し、大きく育ちません。
これらの資材を真砂土に3割~4割程度混ぜ込み、よく耕すことで「団粒構造」を作ります。真砂土の細かい粒子と、堆肥の繊維質が結びつくことで、通気性と保水性を兼ね備えた「ふかふかの土」に生まれ変わります。
特に「バーク堆肥」は真砂土との相性が抜群です。バーク(樹皮)の繊維が真砂土の粒子間に隙間を作り、空気の通り道を確保してくれるため、真砂土特有の「締まって固くなる」性質を緩和してくれます。農業用として真砂土を導入する場合は、土代と同じくらい、あるいはそれ以上に堆肥代がかかることを予算に組み込んでおく必要があります。
参考)真砂土を土壌改良してふかふかにするバーク堆肥と腐葉土の効果的…
真砂土畑の改良手順についての詳細
真砂土畑を作物向けに改良する手順|水はけ改善と堆肥で収量アップ
最後に、多くの人が誤解している真砂土の「独自のリスク」について深掘りします。検索上位の記事ではメリットばかりが強調されがちですが、実際に長期間使用した際に発生する「泥濘(ぬかるみ)」と「雑草」の問題は、導入前に必ず知っておくべき事実です。
よく「真砂土は水はけが良い」と言われますが、これは「粒度が調整された洗砂」に近い状態の真砂土に限った話です。安価な未選別の真砂土には、微細な粘土分(シルト)が多く含まれています。これにより、以下の現象が起きます。
また、「真砂土を敷くと雑草が生えない」というのは大きな間違いです。確かに施工直後は種が含まれていないため綺麗ですが、飛んできた雑草の種にとっては、遮るもののない格好の発芽ベッドとなります。特に、スギナやチガヤなどの地下茎植物は、真砂土の層を容易に突き破ってきます。さらに悪いことに、真砂土は乾燥して締め固まるとコンクリートのように硬くなるため、生えてしまった雑草を手で抜くのが非常に困難になります。
参考)真砂土の善し悪し – ZELF GARDEN(ぜるふ・が〜で…
「固まる土(防草土)」と「普通の真砂土」を混同してはいけません。ホームセンターで売られている「水をかけると固まる真砂土」は、セメントや固化剤が配合された特殊製品です。通常の建材屋で買う真砂土は、あくまで自然の土であり、最終的には雑草が生えます。
これらのデメリットを解消するための対策として、以下の方法が有効です。
真砂土は「素材」としては優秀ですが、メンテナンスフリーの魔法の土ではありません。その性質(粘土質、無菌、無栄養)を正しく理解し、用途(畑なのか、駐車場なのか)に合わせて適切な「一手間」を加えることが、後悔しない真砂土選びの鉄則です。
真砂土のデメリットと経年劣化について
真砂土の善し悪し – ZELF GARDEN

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