かぼちゃ日焼け防止の対策と原因!新聞紙や葉で栽培を守る方法

かぼちゃの日焼け防止は収穫直前の重要課題です。白化や腐敗を防ぎ、秀品率を上げるための新聞紙や専用テープの活用法、そして意外な肥料による皮の強化策まで、プロの農家が知るべき栽培テクニックとは?
記事の要約
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日焼けの原因とリスク

急な直射日光による果実温度の上昇が、澱粉の結晶化(白化)や組織の壊死(腐敗)を引き起こします。

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効果的な防止資材

コスト重視の「新聞紙」と作業性重視の「専用テープ」を使い分け、労働時間を削減します。

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肥料による耐性強化

カルシウムやケイ酸の施用で細胞壁を強化し、高温障害に強い果皮を作る予防策も有効です。

かぼちゃ日焼け防止の対策

かぼちゃ日焼け防止の基本!新聞紙と専用テープの使い分け


かぼちゃの栽培において、収穫直前の日焼け防止対策は、秀品率を維持し売上を確保するために避けては通れない作業です。特に近年の猛暑により、露地栽培では短時間の直射日光でも果実温度が急上昇し、深刻なダメージを受けるケースが増加しています。物理的な遮光資材として代表的な「新聞紙」と「専用テープ」には、それぞれ明確なメリットとデメリットが存在します。農場の規模や労働力に応じてこれらを適切に使い分けることが、経営効率を高める鍵となります。


1. 新聞紙による被覆(コスト重視)
古くから行われている新聞紙を使う方法は、資材コストがほぼかからない点が最大のメリットです。しかし、単に被せるだけでは風で飛ばされるリスクがあるため、正しい巻き方を習得する必要があります。


  • 巻き方の手順: 新聞紙を見開き1枚(または半紙)使用し、果実全体を包み込みます。重要なのは、新聞紙の端を果実の底面(接地面)に入れ込むことです。これにより、風で飛ばされるのを防ぐと同時に、地面からの放射熱も多少和らげる効果が期待できます。
  • ホッチキスの活用: 風が強い地域では、新聞紙の合わせ目をホッチキスで数箇所留めるのが確実です。ただし、収穫時の取り外しに手間がかかるため、作業時間とのバランスを考慮しましょう。
  • 注意点: 雨に濡れると破れやすくなるほか、通気性が悪くなると蒸れてカビの原因になることがあります。新聞紙は湿気を吸うため、長雨が続く時期にはこまめな見回りが欠かせません。

2. 日焼け防止専用テープの活用(効率・品質重視)
近年、プロの農家の間で導入が進んでいるのが「日焼け防止テープ(例:かぼちゃまもるテープなど)」です。これは表面が白色、裏面が遮光性のある素材で作られた粘着テープで、果実の上面に貼り付けるだけで対策が完了します。


  • 温度抑制効果: 白色の表面が太陽光を反射するため、無処理や新聞紙に比べて果実表面温度を約3℃〜5℃低く抑える効果が実証されています 。この数度の差が、細胞の壊死を防ぐ境界線となることが多々あります。

    参考)カボチャの日焼け対策 – 株式会社ファームプロ

  • 作業効率の劇的な向上: 新聞紙で包む作業に比べ、テープを貼る作業はワンタッチで済むため、作業時間を約60%削減できるというデータもあります 。大規模な圃場であればあるほど、人件費の削減効果は資材費を上回るでしょう。

    参考)かぼちゃの日焼けに悩む農家のために、粘着テープでロスゼロへ!…

  • 耐候性: 雨に濡れても剥がれにくく、風で飛ぶ心配もありません。収穫まで貼りっぱなしで良いため、メンテナンスの手間が省けます。

以下の表は、両者の特徴を比較したものです。


比較項目 新聞紙 専用テープ
資材コスト 非常に安い(ほぼ0円) 有償(1玉あたり数円〜)
作業時間 長い(包む手間) 短い(貼るだけ)
耐水・耐風性 低い(破れ・飛散あり) 高い(安定している)
温度抑制効果 中程度(遮光のみ) 高い(遮光+反射)
推奨規模 家庭菜園〜小規模 中規模〜大規模

菊水テープ株式会社:かぼちゃまもるテープ(製品詳細と遮光・放熱のメカニズムについて解説されています)

かぼちゃ日焼け防止の前に知る白化や腐敗の原因

効果的な対策を講じるためには、なぜかぼちゃが日焼けを起こすのか、その生理的なメカニズムを深く理解しておく必要があります。「日焼け」と一言で言っても、その症状には段階があり、軽度の品質低下で済むものから、出荷不能となる腐敗まで様々です。


1. 葉の枯れ上がりによる急激な環境変化
かぼちゃの日焼け(高温障害)の多くは、収穫間近になってうどんこ病などで葉が枯れ上がり、それまで葉の陰にあった果実がいきなり直射日光にさらされることで発生します 。人間の肌と同様、植物の果皮も徐々に光に慣れればある程度の耐性を持ちますが、急激な紫外線と熱の暴露には耐えられません。


参考)https://www.shuminoengei.jp/?m=pcamp;a=page_qa_detailamp;target_c_qa_id=13338

2. 「白化(クリスタル)」のメカニズム
日焼けの初期症状としてよく見られるのが、果皮の一部が白く変色する現象です。これは専門的には「クリスタル」とも呼ばれ、果肉中の水分が急激な高温により蒸発し、糖質やデンプン質が結晶化したものです 。


参考)商品検査室だより|生活協同組合おおさかパルコープ

  • 品質への影響: 白化した部分は硬くなり、加熱してもホクホク感が失われ、独特の青臭さや苦味が出ることがあります。見た目が悪いだけでなく、食味も著しく低下するため、市場では「規格外」として扱われることが一般的です。
  • 発見の難しさ: 軽度の場合、外見上の変化が乏しく、カットしてみて初めて中の果肉が白くなっている(シロ変)ことに気づくケースもあります。

3. 組織壊死と腐敗への進行
さらに高温にさらされ続けると、果皮の細胞そのものが死滅(壊死)し、茶色く変色します。この状態になると、壊死した部分から細菌が侵入しやすくなり、二次的な腐敗を招きます。


  • 炭疽病などの併発: 日焼けで弱った組織は、炭疽病菌などの格好の侵入口となります。収穫時には小さな傷に見えても、流通過程や貯蔵中に一気に腐敗が広がり、クレームの原因となるため注意が必要です。
  • 自己発熱: 強い直射日光を受けた果実は、外気温以上に高温になります。特に濃緑色の品種は熱を吸収しやすく、内部温度が50℃近くに達することもあります。この熱がタンパク質の変性を引き起こし、不可逆的なダメージを与えます。

このように、日焼けは単なる「変色」ではなく、果実の生理機能を破壊する深刻な障害です。葉が健全に保たれている間は葉自体が最良の日傘となりますが、葉が衰え始めた瞬間からリスクが跳ね上がることを認識しておきましょう。


かぼちゃ日焼け防止に関わる収穫時期と追熟のポイント

日焼け被害を最小限に抑えるためには、物理的な遮光だけでなく、「いつ収穫するか」というタイミングの判断と、収穫後の「追熟(キュアリング)」の管理が極めて重要です。日焼けのリスクを恐れるあまり早獲りしすぎると味が乗らず、逆に畑に置きすぎると日焼けによる廃棄ロスが増大します。


1. 積算温度と葉の状態を見極める
かぼちゃの収穫適期は、一般的に開花後45日〜50日程度、あるいは積算温度(日平均気温の合計)が1000℃〜1100℃に達した頃とされています。しかし、猛暑の年は葉の老化が早く進み、果実が露出する時期が早まる傾向にあります。


  • 緊急収穫の判断: もし葉が完全に枯れ上がり、果実が直射日光にさらされている状態で、かつ収穫適期まであと数日という場合は、日焼けのリスクを回避するために早めの収穫を行い、追熟で甘みを引き出すという選択肢も検討すべきです。
  • コルク化の確認: 果梗(ヘタ)がコルク状にひび割れていれば、多少日数が浅くても収穫可能です。日焼けでダメにするよりは、若干若くても収穫し、冷暗所で保管する方が安全な場合があります。

2. 収穫後の追熟と日焼け果の選別
収穫したかぼちゃは、風通しの良い日陰で1週間〜2週間ほど乾燥(キュアリング)させることで、デンプンが糖に変わり甘みが増します。しかし、すでに軽度の日焼けをしてしまった果実の扱いは慎重に行う必要があります。


  • 日焼け果は長期保存しない: わずかでも日焼け(変色)がある果実は、その部分から水分が抜けやすく、腐敗の進行も早いです。これらは長期保存や冬至かぼちゃ用には回さず、加工用や早期出荷用として区別し、早めに消費者に届けるルートに乗せることが損失を防ぐコツです 。

    参考)かぼちゃの日焼け - 包装資材で食品の鮮度と衛生を守ります。

  • 追熟中の環境: 追熟中も直射日光は厳禁です。ハウス内で乾燥させる場合は必ず遮光ネットを使用してください。収穫後にハウス内で日焼けさせてしまっては元も子もありません。温度は25℃前後が理想ですが、30℃を超えるような高温多湿環境では腐敗菌が活動しやすくなるため、送風機などで空気を動かす工夫が必要です。

農研機構・鹿児島県:粘着テープによるカボチャ果実の日焼け防止法(収穫前の具体的な日数と被害発生の相関について詳細なデータがあります)

かぼちゃ日焼け防止と肥料!カルシウムとケイ酸で皮を強化

ここまでは物理的な「遮光」に焦点を当ててきましたが、栽培技術の視点から一歩踏み込み、「日焼けしにくい強い果実を作る」というアプローチを紹介します。これは検索上位の一般的なまとめ記事にはあまり詳しく書かれていない、プロ向けの土壌肥料学的な視点です。日焼けは物理的な熱ダメージですが、それに耐える細胞壁を作ることで、被害を軽減できる可能性があります。


1. カルシウムによる細胞壁の強化
カルシウムは植物の細胞壁(ペクチン)を構成する重要な要素で、細胞同士の結合を強くする「セメント」のような役割を果たします。果皮のカルシウム濃度を高めることで、組織が緻密になり、外部からの物理的ストレス(熱や光)に対する耐性が向上します 。


参考)有機酸キレートカルシウム「本気Ca」(マジカル)

  • 欠乏のリスク: かぼちゃは成長が早く、果実肥大期には大量の養分を必要とします。この時期にカルシウムが不足すると、果皮の細胞構造が弱くなり、わずかな熱ストレスでも細胞崩壊(日焼け・腐敗)を起こしやすくなります。
  • 施用テクニック: カルシウムは植物体内での移動が遅い栄養素です。土壌施用だけでなく、果実肥大期に合わせて「葉面散布」や「キレートカルシウム剤」を使用することで、効率よく果実にカルシウムを送り込むことができます。特に梅雨明けの高温乾燥が予想される前には、予防的な散布が効果的です。

2. ケイ酸(シリカ)による耐暑性の向上
イネ科作物でよく使われるケイ酸ですが、近年ではウリ科野菜でもその効果が注目されています。ケイ酸は植物の表皮細胞に蓄積し、「クチクラ層」を強化します。


  • 天然のサンバイザー: 葉や果皮の表面がケイ酸で強化されると、過剰な蒸散が抑えられ、水分保持能力が高まります。水分が保たれている細胞は、脱水症状である「日焼け」になりにくいのです 。また、ケイ酸には紫外線を散乱させる効果も一部期待されており、植物体温の上昇を緩和する働きがあります。

    参考)高温障害から野菜を守る!効果的な対策法とは? - 農業屋

  • 実践導入: 追肥としてケイ酸カリなどの資材を投入するか、あるいは土作り段階でケイ酸資材を施用しておくことで、猛暑に負けない「硬く締まった」かぼちゃを作ることができます。

3. 窒素過多を避ける
逆に、窒素肥料が効きすぎていると、葉は茂りますが細胞壁が薄く、水っぽい軟弱な組織になります。こうなると、葉が枯れて果実が露出した瞬間に、あっという間に重度の日焼けを起こしてしまいます。収穫後半に向けて窒素を切り、リン酸・カリ・カルシウム主体の肥培管理に移行することが、結果的に最強の日焼け防止策となります 。

かぼちゃ日焼け防止に効果的な葉の管理と遮光ネットの活用

最後に、個々の果実を守る対策と並行して行うべき、圃場全体あるいは株全体での管理テクニックについて解説します。理想的なのは、資材を使わずに「自らの葉」で日陰を作ることですが、それが難しい場合のバックアッププランも必要です。


1. ツル引き(ツル直し)による天然の日傘作り
かぼちゃ栽培の基本テクニックですが、着果が確認された段階で、親ヅルや子ヅルを意図的に配置し直す「ツル引き」が有効です。


  • 位置調整: 果実の上に大きな葉が重なるようにツルを誘引します。ただし、葉の裏には気孔が多く蒸散が活発なため、葉が果実に密着しすぎると過湿になる恐れがあります。「ふんわりと覆いかぶさる」状態がベストです。
  • 着果位置のコントロール: 畝の南側に果実がなると、一日中強い日差しを浴びることになります。可能な限り、株の北側や、葉が密集している畝の中央付近に着果させるよう、初期の誘引で調整できれば理想的です。

2. 遮光ネット(寒冷紗)の展張
広範囲にわたって葉が枯れてしまった場合や、異常な猛暑で個別の対策が追いつかない場合は、遮光ネットの使用を検討します。


  • 遮光率の選択: 遮光率が高すぎると光合成が阻害され、果実の肥大や糖度上昇に悪影響が出ます。日焼け防止目的であれば、遮光率は20%〜30%程度の明るいもの(白寒冷紗など)で十分です。黒色のネットは熱を吸収して周囲の温度を上げてしまうことがあるため、熱を反射する白色や銀色のネットが推奨されます。
  • トンネル被覆: アーチパイプを使ってトンネル状にネットを掛けるのが一般的ですが、風通しが悪くなると高温障害を助長します。裾(すそ)を大きく開けて通気性を確保するか、天井部分だけを覆うような雨よけ形式の設置が望ましいです。

3. 敷き藁(わら)による地温抑制と照り返し防止
日焼けは上からの太陽光だけでなく、マルチや地面からの「照り返し」によっても発生します。特に果実の底面や側面が焼けるのはこのためです。


  • 座布団としての藁: 果実の下に藁や専用のマット(「カボちゃん座布団」などの商品名で流通)を敷くことで、地熱の直接的な伝達を防ぎます。
  • 空間遮熱: 藁は空気を多く含むため断熱材の役割を果たします。マルチの上に藁を散らすだけでも、果実周辺の気温上昇を緩和する効果があります。

生活協同組合おおさかパルコープ:かぼちゃの白変(クリスタル)現象についての詳細解説(消費者向けですが、現象の理解に役立ちます)


これら複数の対策を、気象条件や作物の生育状況に合わせて組み合わせることで、猛暑の中でも高品質なかぼちゃを収穫することが可能になります。まずはコストのかからない「葉の管理」と「肥料バランス」を見直し、その上で必要に応じて「テープ」や「新聞紙」という物理的な盾を用意する、という二段構えの戦略で挑んでください。




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