ゆず 肥料 施肥 基準 時期 追肥 春肥 秋肥

ゆず栽培で迷いやすい「肥料の時期・量・成分バランス」を、施肥基準と現場調整の考え方で整理します。樹勢と品質を両立しつつ、やりがちな失敗(効かせ過ぎ・効かなさ過ぎ)を避けるには何から見直すべきでしょうか?

ゆず 肥料 施肥

ゆずの肥料は「時期×樹勢×土壌」で最適化
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基準は「春肥・夏肥・秋肥」の分施

成園の施肥基準では、春肥(3月上旬)・夏肥(6月中旬)・秋肥(9月上旬、10月下旬)の組合せが提示されています。

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有機物と苦土石灰で土づくりが効く

樹勢を強く保つため、有機物の投入とpH管理(苦土石灰など)が重要とされています。

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9月の肥料は「着色遅れ」に注意

9月の施肥量が多いほど着色が遅れる傾向がある一方、品質への影響は小さいとされ、目的に応じた調整が必要です。

ゆず 肥料 施肥 時期 春肥 夏肥 秋肥


ゆずの施肥は「一発でドン」より、年に複数回に分けて樹の吸収リズムに合わせる方が安定します。福岡県の果樹施肥基準では、ユズ(目標収量2,500kg/10a)について春肥(3月上旬)・夏肥(6月中旬)・秋肥(9月上旬、10月下旬)の時期別施肥が示されています(年4回の分施)。
また、高知県の「ユズの施肥」でも、2月下旬~3月上旬(有機配合肥料)・5月下旬~6月上旬(化成肥料)・8月下旬~9月上旬(化成肥料)・10月下旬~11月上旬(化成肥料)という、季節を刻んだ設計が公開されています。
現場でのポイントは「その時期に何を狙うか」を言語化することです。


  • 春肥:春の芽動きと初期生育(新梢、葉づくり)に備える、効かせ過ぎると徒長・花芽の質低下につながることがあるので樹勢を見て調整。
  • 夏肥:果実肥大が進む時期に樹勢を落とさない、ただし過剰は病害や樹の消耗(秋以降の樹勢低下)に波及しやすい。
  • 初秋~秋肥:翌年に向けた樹体の回復と貯蔵養分の積み上げ、遅れすぎると吸収が進みにくくなる。

特に「秋は忙しいからまとめて施す」運用は、樹や土が受け止め切れず、効率が落ちたり根を傷めたりするリスクが上がります。基準はあくまで基準ですが、分施の考え方そのものは、規模が大きい園地ほど効きます。


ゆず 肥料 施肥 量 10a 基準 N P K

量の目安がないと現場はブレやすいので、まずは公的な基準を“仮の設計図”にします。福岡県の施肥基準(ユズ)では、年間の施肥成分量が「窒素29.0kg/10a、りん酸23.0kg/10a、加里20.0kg/10a」で、春肥・夏肥・秋肥(2回)の分施割合として、春30%・夏20%・秋20%・秋30%が示されています。
このように「成分量(N-P-K)で設計」しておくと、銘柄肥料が変わっても計算し直せますし、コスト高騰時にも代替が効きます。


一方、高知県の資料は「肥料の種類と施用量(kg/10a)」で具体例を出しており、2月下旬~3月上旬に有機配合肥料(12-8-10)80kg/10a、5月下旬~6月上旬に化成肥料(14-10-13)40kg/10a、8月下旬~9月上旬に同40kg/10a、10月下旬~11月上旬に化成肥料(16-10-14)60kg/10a、さらにpHが低い園では1~2月に苦土石灰160kg/10aを混和、という整理になっています。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/f670e1090072cd0f6876c80899555decfb6d14fc

この「kg/10a」の形は、作業計画や散布機の段取りに落とし込みやすいので、実務では重宝します。


ただし、施肥量は“樹の器”と“土の器”が変わると適正も変わります。例えば、土壌が肥沃な場所や水田転換地、堆肥を多く入れている園では、基準どおりに入れると過剰になりやすいので、土壌診断や樹勢の観察に応じて減らす発想が必要です(福岡県資料でも、施肥量は樹勢等を診断しながら調節する考え方が各所で示されています)。


参考)リン酸直下施肥と組み合わせた窒素・カリウム肥料の施用時期が春…

ゆず 肥料 施肥 土壌 pH 苦土石灰 有機物

ゆずの肥料設計で“効きの差”が出るのは、実はNPKより土壌条件です。高知県の資料では、土壌分析でpHが低い園はpH5.0~6.5を目標に、春肥前(1~2月)に苦土石灰を10a当たり160kg施用し、土壌とよく混和すると明記されています。福岡県のユズ施肥でも、樹勢を強く維持しないと良品ができないため、有機物や苦土石灰などの施用による土づくりを実施する、とされています。
ここで重要なのは「石灰を入れる=良い」ではない点です。石灰はpH調整という強いレバーなので、土壌分析なしに毎年同量を入れると、微量要素の吸収障害など別の問題を作りやすくなります。福岡県の基準書でも、土壌診断によりpHを目標範囲に保つことが重要で、石灰質資材は一度に多量施用すると欠乏症の恐れがある旨が整理されています。

有機物についても同様で、「何をどれだけ」が効きます。福岡県のユズ項では、有機物を施用して土壌中の腐植含量を高め、地力の維持増進に努めることが示されています。腐植が増えると、保肥力や保水性のブレが小さくなり、同じ施肥設計でも効きが安定しやすくなります。

実務での土づくりチェック(例)は次の通りです。


  • 🍂 秋~冬の落葉が早い、葉が薄い:窒素不足だけでなく、根域の乾燥・硬盤・pH不適の可能性。
  • 🌧️ 雨後に黄化しやすい:排水不良で根が傷み、肥料があっても吸えない。
  • 🧪 土壌pHが低い:苦土石灰で矯正を検討、ただし混和と施用時期を守る(春肥の前に)。​

ゆず 肥料 施肥 9月 着色 遅れ 独自視点

検索上位の多くは「いつ肥料をやるか」「おすすめ肥料」になりがちですが、実際のクレームや規格外の原因になりやすいのは“9月の効かせ方”です。福岡県の施肥基準(ユズの留意事項)には、施肥量が多いほど・夏肥の割合が高いほど樹勢がよく隔年結果が小さくなり収量が多くなる一方で、「9月の施肥量が多くなるほど着色が遅れる傾向」がある、と整理されています。さらに、着色遅れはあるが果汁量や酸度など品質への影響は小さい、とされており、目的(黄玉の色を早く乗せたいのか、樹勢回復を優先したいのか)で最適解が変わります。
この一文は現場的にかなり“使える”示唆です。つまり、9月は「樹勢・隔年結果対策のアクセル」になり得る反面、「色のブレーキ」にもなるので、同じ園地でも出荷先や作型で調整幅を持たせるべき、ということです。


  • 黄玉で見た目(着色)を重視し、早め出荷を狙う:9月の窒素を控えめにし、土壌水分や樹勢回復は10月下旬側(晩秋肥)や有機物側で補う発想。
  • 樹勢が落ち、隔年結果が強い園:夏肥・9月肥を“薄く回数で”効かせ、10月下旬の回復も確保して翌年の花芽を落とさない。

さらに独自視点として、9月は「雑草管理」とセットで考えるとブレが減ります。福岡県の果樹施肥基準(共通の留意点)には、春に雑草が繁茂すると肥料が雑草に吸収され樹体への供給量が減少するため、早めに除草して施肥効果を高める、という趣旨が示されています。ゆずでも同じで、9月の肥料が“効き過ぎた/効かなかった”の判断を誤らないために、施肥前後の草量・土壌水分・降雨を記録しておくと、翌年の再現性が上がります。

権威性のある施肥基準(ユズの分施割合・留意事項の根拠として有用)
福岡県果樹施肥基準(PDF)
施肥時期・肥料種類・施用量(kg/10a)とpH目標(pH5.0~6.5、苦土石灰160kg/10a)の具体例として有用
こうち農業ネット:ユズの施肥




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