レーキ農機具は大きく「爪で集めるタイプ」と「面でならすタイプ」に分けて考えると、選び間違いが減ります。
代表例のガーデンレーキは、落ち葉・刈草・雑草など“軽くて細かいもの”をかき集める目的に特化し、爪が多い設計が基本です。
農業現場では、収穫後の残渣(葉・つる)を通路側へ寄せて回収しやすくしたり、防草シート際のゴミを寄せたりと、片付け工程の時短に直結します。
使い勝手を上げるコツは「集める幅を欲張らない」ことです。
参考)作業にあったレーキを使ってみよう!
一度に広く集めようとすると、草が爪に絡んで抵抗が増え、腕・腰が先に負けます。
圃場の端から“薄く集めて山を育てる”ように寄せると、絡みが減ってテンポが上がります。
土塊を砕く・石を寄せる・駐車場や圃場周りの砂利を均す、といった硬めの対象にはアメリカンレーキが向きます。
ガーデンレーキより爪間隔がやや広く、葉のような軽量物の“回収効率”は落ちる一方、爪の強度で押し負けにくいのが利点です。
畝間の通路を軽く整えるときも、表面だけを浅く引いて凹凸をならす用途なら相性が良いです。
土をならすときの具体手順は、まず「深く刺さず、左右に細かく動かして土塊を浮かせる」→次に「大きく動かして面を均す」が基本です。
この2段階を意識すると、いきなり面を作ろうとして土塊を引きずり続ける失敗が減ります。
なお、土の水分が多いと土が団子状にまとまり、レーキ作業が重くなるので、表面が乾き始めたタイミングを狙うと効率が上がります。
グランドレーキ(ならしレーキ)は、爪ではなく“板状の面”で土を引き、広い範囲を平らに整える道具です。
爪がない構造のため、集草というより「仕上げの均し」に強く、播種前の最終整地や通路の段差ならしに向きます。
木製が多く軽量に作られている点も特徴で、面積のある場所を長時間扱う前提の設計です。
畝づくりにレーキを使う場合は、通路側から畝の中心へ土を集めて“かまぼこ状”にし、その後に表面を凹凸なくならす、という流れが紹介されています。
ここで意外に効くのが「低いスポットを残さない」意識で、凹みがあると雨水が集まり、そこだけ締まって硬くなる原因になり得ます。
種まき直後の小さな凹みは発芽ムラにもつながるため、ならし工程を“最後に1回だけ”追加するだけで結果が安定します。
「レーキ」という言葉は手工具だけでなく、牧草を集めて集草列(ウインドロー)を作る“ヘイ・レーキ”などの作業機も指します。
日本農業機械化協会の資料では、ヘイ・テッダーは牧草を反転・攪拌して乾燥を促進し、ヘイ・レーキは拡散した牧草を集めて集草列を作ることが主目的、と整理されています。
さらに、テッダー・レーキは転草と集草の両機能を持つ兼用機で、構造として回転輪型・ロータリー型・ベルト/チェーン型・シリンダー型などが挙げられています。
PTOを使うレーキ農機具は、手工具の延長で考えると危険です。
参考)レーキの種類と使い方|目的に合ったものを選んで畑やグランドの…
安全作業のポイントとして、取扱説明書と安全ラベルの理解、PTO軸や可動部カバーの装着、点検・調整・修理はエンジン停止、着脱時の挟まれ注意、始動・発進・後進時の周囲確認、飛散物や巻き込まれへの注意などが明記されています。
特に「点検整備は必ずエンジン停止」は、慣れが出た現場ほど事故の芽を潰す重要ルールなので、作業前点検のチェックリスト化がおすすめです。
安全・管理の参考(PTOレーキ系の安全ポイントがまとまっている)
日本農業機械化協会PDF:テッダー・レーキの用途/構造/安全作業ポイント
検索上位では「種類」や「選び方」が中心になりがちですが、現場で効くのは“圃場の抵抗に合わせる”発想です。
同じ畑でも、①草が多い、②土塊が硬い、③石が混じる、④湿って団子化する、でレーキのストレス源が変わり、最適な形状も変わります。
例えば「草が多い圃場で土も重い」条件だと、爪が多いガーデンレーキで無理に土を動かすほど絡みと抵抗で疲労が増え、アメリカンレーキや用途分業(集草用と整地用を分ける)が結果的に早い、という判断になりやすいです。
また、レーキ作業は腰痛が出やすい工程なので、道具側の工夫として“柄の長さ”と“重量”を見直す価値が高いです。
AGRI PICKでは全長145cmなど「立ったまま作業しやすい長さ」の例が紹介されており、前傾が減るだけで作業継続時間が伸びます。
農繁期は毎日5分の無理が積み上がるため、「軽いレーキを1本増やす」「用途別に2本持つ」といった投資が、最終的にケガ・遅延・再整地のコストを下げることがあります。