あなたの畑の「安全な薬散」が、実は被害を増やしているかもしれません。
ヤサイゾウムシ幼虫は年に2回、4月と9月にピークを迎えます。特に4月中旬は、成虫が産卵した卵が孵化し始める時期です。この孵化率は気温18℃前後で急上昇し、定植直後の苗が最も危険です。
つまり、春先の油断が被害拡大の入り口ということです。
幼虫は直径1~2mmの白い体で、土中に潜り根をかじります。そのため、表面的には「元気に見える苗」が数日後にしおれることがあります。
これは根の吸水能力が失われている証拠です。
見た目では判断できませんね。
効率的な確認法は、苗を抜いて根部を水洗いすることです。被害があれば、根から切り粉のような土が出ているはずです。
清掃時の観察が基本です。
キャベツ、ブロッコリー、ダイコンなどアブラナ科野菜に多発します。特にキャベツでは外葉に被害が出ず、球形成直前で急激に萎れます。
これは幼虫が根を食い尽くすためです。
被害に気づいた時には手遅れというケースも多いです。
農林水産省の資料では、被害面積が1町歩あたり最大25%減収と報告されています(参考:栃木県農試、2023)。
金額換算では約30万円の損失です。
痛いですね。
ブロッコリーでは、根茎部が空洞化して二次感染を誘発します。特にリゾクトニア菌との複合被害が増加しています。防除時に根腐れと誤診されやすいのが厄介です。
診断の精度が収益を左右します。
多くの農業従事者が使っている「クロルピリホス系」は、すでに一部地域で耐性が確認されています(JA全農調査2024)。実験では、体重あたりの致死濃度が約1.8倍になっていました。
つまり、昔と同じ薬量では効かないということです。
そこで注目されているのが「ジアミド系+BT剤」の組み合わせ。BT剤は有機JASでも使用可能な微生物農薬です。根部浸透性は低いものの、成虫の産卵抑制効果があります。
BT剤は安全です。
もう一つの手段が物理防除。防虫ネットで地際を完全に覆うことで、成虫の侵入率を90%以上減らせます。
苗床からの徹底遮断が理想です。
物理的予防が原則です。
農林水産省 植物防疫対策ページ(薬剤抵抗性と防除技術について)
最近注目されているのが、天敵線虫「ヘテロラビディチス・バクチオフォラ」です。この線虫は幼虫に侵入して殺す働きを持ち、1㎡あたり200万匹単位で散布されます。
すごい数ですね。
費用はおおよそ1反あたり2万円前後。ただし、土壌水分が60%以上でないと効果が落ちます。つまり、潅水やマルチングとセットで導入すべき防除法です。
条件が重要です。
また、雑草対策にも効果的です。ヤサイゾウムシは雑草の根も加害対象とするため、周囲の雑草を減らすことで発生源を断てます。
天敵+環境整備での相乗防除が可能です。
環境管理が鍵です。
圃場の輪作周期を見直すことは、最も費用対効果が高い方法です。アブラナ科を連続栽培する場合、冬期の防除が緩むと翌春の密度が急上昇します。
前年との連動が被害を決めますね。
効果的な対策は「非宿主作物」への切り替え。例えば、ニンジンやネギなどでは被害発生率が1/10になります。2作分の輪作を取り入れるだけでも大きな差が出ます。
単純ですが強力です。
また、耕起深度を20cm以上にすると、越冬幼虫の生存率が60%以上低下します。トラクターの設定を再確認するだけで防除効果が出るのは驚きです。
耕深の調整が基本です。