トレファノサイドは、雑草が大きくなってから枯らすタイプではなく、「土壌処理」で発芽直後の雑草を止める考え方が基本です。
そのため最重要ポイントは、どの作物でも共通して「雑草発生前」に散布することです。
この“発生前”を外すと、いくら規定量で散布しても効きにくく、後から「薬が弱い」と誤解しやすいので要注意です。
また、トレファノサイド(有効成分トリフルラリン)は土壌に強く吸着しやすく、土壌表面に安定した処理層を作る性質があるため、散布ムラがそのまま“効きムラ”になります。
参考)畑作・野菜・樹木の雑草防除の定番除草剤。トレファノサイド粒剤…
粒剤は「水を使わず散布しやすい」一方で、均一散布が雑だと処理層が途切れ、そこから雑草が抜けてくるので、歩幅・吐出量・旋回時の重ね散布を意識します。
さらに見落とされがちなのが、トリフルラリンは「揮散(気化)」による消失が起こり得る点です。
参考)http://jppa.or.jp/archive/pdf/44_11.pdf
つまり、散布後に土壌表面が強く乾きすぎたり、風が強い条件が重なると“処理層が薄くなる方向”に働くことがあり、結果的に後半の効きが落ちたように見える場合があります。
ここは地域・土質・作型で変わるので、「散布したのに残草が多い畑」は散布日当日の気象(乾燥・強風)と表層の状態をセットで振り返ると原因が掴みやすいです。
農薬登録の一次情報(成分や適用表の確認に必須)。
このリンクは「農薬登録情報(成分濃度・適用表)」の確認に使えます。
現場で特に事故が多いのが「本剤の回数は守ったのに、同じ有効成分(トリフルラリン)を含む別剤も使っていて、総使用回数を超えていた」パターンです。
メーカー資料でも「トリフルラリンを含む農薬の総使用回数」に注意し、粒剤と乳剤を合わせて回数管理する必要があることが明記されています。
この“総回数”は、圃場で薬剤を切り替えてもリセットされないので、作業日誌に「製品名」だけでなく「有効成分」も一緒に書くとミスが減ります。
また、使用時期の表現(例:植付後◯日以内、収穫◯日前まで等)は作物によって細かく違うため、必ずラベル・適用表を基準に運用します。
参考)トレファノサイド乳剤
例えば日産化学の解説では、だいず・えだまめ等での例として、播種後出芽前の乳剤散布+生育期(雑草発生前)の粒剤畦間散布など、作型に合わせた組み合わせが示されています。
参考)トレファノサイドの上手な使い方:日産化学アグロネット - ハ…
トレファノサイド乳剤の注意事項として、間引き菜・つまみ菜には使用しないこと、またぶどう・りんご・もも・なしのハウス栽培では使用しないことなどが明記されています。
さらに、畑作物の播種後に使う場合でも「作物が出芽してからの使用は薬害のおそれがあるので避ける」など、散布タイミングのズレがそのまま薬害リスクになる点が強調されています。
施設・トンネル・密閉環境では薬害回避の注意がより厳しくなるため、適用表で“使用しない”作型は例外なく守るのが鉄則です。
マルチ関連は、誤解が起きやすいポイントです。
作物・作型によって「マルチ前に散布」などの指定があり、切開や換気の段取りまで含めて“使い方”として決まっているケースがあります。
参考)https://www.greenjapan.co.jp/torefanoside_n.htm
例えば、うり類のトンネル・マルチ栽培では「定植7日以上前に散布→マルチ→定植箇所を数日前に切開して気化した薬剤を逃がしてから定植」など、薬害回避の手順が具体的に示されています。
参考)トレファノサイド乳剤の詳細情報
混用については、地域JAの防除資料で、特定雑草が多いほ場では他剤にトレファノサイド乳剤を混用して散布する提案が見られます。
参考)https://www.ja-munakata.or.jp/meet_img/1478486422.pdf
ただし混用は“製品同士の相性”に加えて、散布液の濃度・攪拌順序・水質・ノズル詰まりなどの実務問題が出るため、ラベルの混用注意と地域指導(JA・普及センター)を優先し、迷う場合は小面積で予備テストが安全です。
散布作業は「吸い込み」「目」「皮膚」が主なリスク経路なので、農薬用マスク・保護メガネ(ゴーグル)・手袋・防除衣などの保護具を基本装備にします。
国の研究機関の解説でも、農薬の種類に応じてマスクやゴーグル等の装着が必要であることが述べられています。
特に風のある日はドリフト(飛散)で顔周りにかかるリスクが上がるため、保護メガネは“あったら良い”ではなく“事故を減らす前提装備”として考えるのが現実的です。
応急措置は、SDS(安全データシート)に沿って準備しておくと現場対応が速くなります。
たとえば皮膚付着時は多量の水で洗うなど、SDSに具体の記載があります。
参考)https://www.nissan-agro.net/data/msds/7327.pdf
散布班で動く場合は「清水」「洗眼用水」「着替え」「連絡先(救急・医療機関)」を散布車に積み、万一の際の初動を標準化すると事故が“重症化しにくい”です。
参考)http://www.nikkunkyo.or.jp/mask/mask.pdf
保護具の考え方がまとまっている(農薬用マスクの種類など)。
このリンクは「農薬用マスクの選び方・種類」の理解に役立ちます。
https://www.naro.go.jp/org/iam/anzenweb/column/R2/6.html
検索上位の記事は「散布量・適用作物・注意点」を丁寧に説明しますが、実際の圃場では“段取り設計”の差が効き目を左右します。
トリフルラリンは土壌に強く吸着し、処理層を作るタイプなので、「表層がガタガタ」「土塊がゴロゴロ」「播種溝だけ別土」など、土の均一性が崩れるほど“処理層の連続性”が切れ、そこが残草の通り道になります。
さらに揮散で初期に消失する挙動も指摘されているため、「散布したのに効かない」畑ほど、散布直後の乾燥・風・土壌水分の偏りを疑う価値があります。
そこで現場向けの設計として、次の“3点セット”をおすすめします(意味のある作業だけに絞っています)。
意外と効く小技として、残草が多発する圃場では「雑草相」を記録しておくと、次作の薬剤選定が速くなります。
トレファノサイドはイネ科雑草に強い一方、広葉雑草は“やや効果が劣る”とされるため、優占草種が広葉に寄っている圃場では、同じ散布を繰り返しても満足度が上がりにくいことがあります。
参考)トレファノサイド乳剤の詳細情報
この場合、抵抗性の議論以前に、草種と発生タイミングを押さえ、地域の指導機関の体系防除(作用の異なる剤の組み合わせ等)に寄せるほうが、結果としてコストと手戻りが減ります。
参考)https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/pdf/shoku_tyo.pdf