あなたが毎年同じ堆肥を使うと、センチュウが爆発的に増えることがあります。知らないと畑が完全に使えなくなるかもしれません。
ショウガネコブセンチュウは高温・多湿環境を好み、特に25〜30℃で活動が最も活発になります。九州や四国では7月〜9月の時期がピークです。
100gあたり30匹を超えると被害が一気に拡大します。つまり、温度と個体数の両面での管理が大切ということですね。
一方で意外なのは、粘土質の重い土壌では増殖速度が遅い点です。これは通気性の悪さが原因で、移動が制限されるためと考えられています。
ですから、砂壌土のように手入れしやすい畑ほど実はリスクが高いのです。
意外ですね。
もっとも利用されているのが「フルスルファミド水和剤」などのネマトリシド剤です。収穫期の28日前まで使用可能なのが特徴で、登録作物数も増加しています。
ただし、2025年の農研機構の試験では、「4シーズン連用した場合に耐性株が22%発生」したと報告されています。
つまり同じ薬剤ばかり使うと効かなくなるということですね。
交互使用が基本です。
有機栽培では、ミクロフローラを壊さずにセンチュウ密度を抑える「クロタラリア(サンヘンプ)被覆」が注目されています。わずか2ヶ月の緑肥栽培で、土壌中のセンチュウ密度を平均46%減らせる実験結果があります。
つまり、自然由来でも結果は出せるということです。
最大の侵入経路は「苗土」と「長靴底の土」です。特に九州農業試験場が2024年に実施した調査では、定植時に再利用した育苗箱の土から43件、直接感染が確認されています。
つまり再利用がリスクです。
防止には、育苗用土を毎回新調する、もしくは80℃以上で30分以上加熱消毒する方法が有効です。蒸気消毒機を使用すると、約15分で死滅率95%を超えます。
コストは1反あたりおよそ3,000円ですが、1度の防除で年間販売額5万円以上の損失を回避できる計算です。
かなりのメリットですね。
多くの農家が「2年休ませれば大丈夫」と考えますが、それは誤りです。北海道農試の実験では、2年間の不作付けでも生存個体が20%残存していました。
つまり、2年では足りません。
根残渣が土中に残ると、そこに卵が潜み再増殖します。このとき、浅く耕すとむしろ地表側への分散が進み、翌年さらに増えることが確認されています。
深耕30cm以上+すき込みが原則です。
さらに輪作の組み合わせによってリスクを半減できます。例えば、トウモロコシやエンドウを挟むとセンチュウ数が50%以下に低下する報告があります。
簡単そうで、効果は抜群です。
2025年には、熊本県立農業大学校が「生防菌Paenibacillus属」を利用した新技術を発表しました。土壌中のセンチュウを麻痺させ、繁殖を抑える働きがあります。
この菌を施用した区画では、ショウガ収量が対照区比で1.8倍に増加。つまり、化学薬剤に頼らない時代が近づいていますね。
現在、国の助成対象にもなっており、1反あたりの導入補助が最大12,000円支給されます。
導入コスト面でも現実的です。
対策を工夫すれば、手間をかけずに被害を減らすこともできます。
畝の水はけ改善は基本です。特に粘りの強い土では、滞水だけでセンチュウの活動が倍増するというデータもあります。
一番のポイントは、耕盤層を壊すことです。
また、被害歴のある圃場では、根部残渣の圃外搬出を徹底すること。これだけで翌年の発生率を4割下げられるという報告があります。
つまり、日常の小さな管理が大きな違いを生むということです。
そして意外かもしれませんが、畝の高さを10cm上げるだけでも発生率が顕著に低下します。酸素供給が改善され、センチュウが動きにくくなるためです。
簡単で、確実な方法ですね。
参考:農研機構「植物防疫基礎知識|ネコブセンチュウ類の生態と対策」
ネコブセンチュウの生態と防除(農研機構)