タラリアは、中国・重慶発の電動オフロードバイクブランドで、同じく電動オフロードで知られるサーロンのライバルとして紹介されています。 オフロード走行を前提としたフレーム設計と電動モーターの組み合わせにより、静粛性と瞬発力を両立させたのが大きな特徴です。
東京モーターサイクルショーなどでは、TALARIA MIRAIシリーズとして「xXx」「MX4」といったモデルが展示されており、重量およそ58〜69kg、最高速度約60〜70km/hクラス、エコモードでの航続距離は70〜85kmといったスペックが公開されています。 これらは家庭用100Vコンセントから専用充電器で約4時間で充電でき、バッテリーは着脱式のため、屋内での保管や予備バッテリーの運用もしやすい設計です。
参考)(3ページ目)最先端の電動モトクロッサーが続々登場!東京モー…
タラリア Sting系では60V 38Ah前後のリチウムイオンバッテリーを採用し、一充電あたりおおむね40〜70km前後の実用航続距離が想定されています。 オフロード指向のR-MX4グレードでは、ピーク出力が8kWクラス、最高速度が約85km/h、最長航続距離が120km程度とされており、軽量な66kg前後の車重と相まって高い登坂力と加速性能を持ちます。
参考)EMX Motors L.L.C
また、MTBグレードのサスペンションやブレーキメーカーの部品を多用していると紹介されており、同価格帯のオートバイと比べてもコストパフォーマンスの高い足回りを備えている点がユニークです。 一部モデルではベルトドライブではなくギアボックスを採用し、砂や泥でベルトが鳴く現象を抑えつつ静粛性を高めているとのテストレポートもあります。
農業目線で見ると、軽トラやトラクターよりはるかに軽く、原付二種〜中型オフ車よりも軽量な車重のため、軟弱地盤や棚田周りの細い農道でも取り回しやすいのがタラリア バイク の大きな魅力になり得ます。圃場の端まで短時間で往復したり、畦の見回りを繰り返すような作業で真価を発揮しやすい構成です。
タラリアには、私有地専用の競技向けモデルと、L1e規格などに準拠し、公道走行を前提に開発されたモデルが存在します。 EU向けのL1e対応モデルでは、ウインカーやヘッドライト、テールランプ、ナンバープレート台座など、公道走行に必要な保安部品一式が標準装備され、道路運送安全基準に適合すると案内されています。
日本国内では、実際にMIRAIブランドとしてナンバー登録された電動バイクが流通しており、原付一種・二種区分の電動スクーターやミニバイクとして紹介されています。 最高速度が45km/h前後、モーター出力500〜1000W程度のモデルは、原付一種または二種の枠で登録され、公道走行が可能な「MIRAI S」なども例として挙げられます。
参考)MIRAIの特徴やスペックを紹介
農家がタラリア系電動バイクを導入する場合、圃場と自宅・倉庫が離れているなら、公道仕様・ナンバー登録可能なグレードを選ぶことで、軽トラを出さずに圃場へ直接向かえる導線を作ることができます。自賠責保険や任意保険は通常の原付・軽二輪と同様に加入できるため、移動中のリスク管理のしやすさもポイントです。
一方で、競技専用のオフロードモデルを農地で使う場合、公道を走らないのであればナンバー登録は不要ですが、圃場へ行くまで軽トラに積載して運ぶ手間が発生します。公道区間がどれほどあるのか、農道が私道かどうかといった条件を整理したうえで、公道仕様か私有地専用かを選び分けると導入後のストレスを減らせます。
Talaria Sting R-MX4のような上位モデルは、海外通販サイトなどでは8kWクラスの電動ダートバイクとして紹介され、航続距離最大120km、60V 45Ahクラスの大容量バッテリーを搭載するモデルも見られます。 車両重量はバッテリー込みでおよそ66kgとされており、このクラスとしては軽量であることが特徴です。
一方、MIRAIブランドで展開されている500〜1000Wクラスの電動バイクでは、最長航続距離30〜80km、最高速度はおよそ45〜60km/hといったスペックが公表されており、価格は20〜30万円台後半のレンジが中心です。 ガソリンを使わず、家庭用コンセントから約3〜6時間でフル充電できるため、電気代は1回の満充電あたり数十円〜100円前後に収まるケースが多いです。
参考)COSWHEEL JAPAN
農業の現場でコストを考える際には、「1日あたりどれくらい走るのか」「どの程度の頻度で充電サイクルが回るのか」を具体的に見積もることが重要です。たとえば、1日20km前後の農道+圃場の移動であれば、Talaria StingやMIRAIクラスの航続距離なら、エコモードを意識した運転で1充電で十分にこなせる可能性が高いでしょう。
参考)TALARIA STING
電動バイクはオイル交換や点火系部品の交換が不要で、チェーンやブレーキパッドなどの消耗品メンテナンスにコストが集中します。ガソリン代やエンジン車の定期整備費を考えると、長期的には維持費が抑えられやすく、複数人で共同利用しながら走行距離を伸ばすほど投資回収しやすくなります。
農繁期に集中して走行距離が増える農業なら、「繁忙期は予備バッテリーも含めてフル稼働させ、閑散期は最低限の充電・メンテに抑える」といった使い方で、バッテリーの劣化と電気代のバランスを取りやすいのも、タラリア バイク のメリットです。
タラリアのような電動オフロードバイクは、モーター特有の瞬時トルクにより、発進直後から力強く加速できるため、畦の出入りや傾斜地からの立ち上がりが多い圃場でメリットが出やすい乗り物です。 航続距離の観点では、電動ダートバイクのレンジは路面状況とスロットルの開け方に強く左右されるため、農地周りでは急加速を避け、一定速度で淡々と走る運転スタイルがバッテリーの持ちを大きく伸ばします。
具体的な運用の工夫として、以下のようなポイントが考えられます。
また、静粛性が高いことから、牛舎や鶏舎付近での移動にも向いており、内燃機関バイクより家畜のストレスを抑えやすいのも利点です。モーター音とタイヤノイズのみのため、早朝の散水準備や夜間の見回りでも近隣への音の影響を抑えつつ、必要な時間帯に柔軟に移動できます。
牧場など広い敷地では、牛群の位置確認や牧柵の点検ルートをあらかじめGPSアプリで記録し、タラリア バイク でなぞるように巡回する運用も考えられます。充電スタンドを牛舎・堆肥舎・機械倉庫のいずれかに固定しておけば、「戻ったついでに差しておく」を徹底しやすく、バッテリー残量を気にし過ぎず運用できます。
タラリア向けには、リアラックや荷物レールといったアフターパーツが海外通販や専門ショップで販売されており、小型のリアキャリアやサイドバッグステーを追加することで、軽量な荷物なら安定して運べるようになります。 ここに小型噴霧器や肥料の小袋、電動工具セットなどを積み、圃場での細かい作業の「移動式ツールボックス」として使うのが、農家ならではの実用的なカスタムです。
独自視点の活用法としては、「電動モビリティの共同利用インフラ」としてのタラリア バイク があります。例えば集落内で1〜2台を組合名義で導入し、圃場見回り、獣害柵の点検、用水路の確認など、共通業務に優先的に使うルールを作れば、一戸あたりの導入コストを抑えつつ、走行距離を確保して投資回収を早めることができます。
さらに、ソーラーパネル+蓄電池システムと組み合わせることで「圃場側で充電できる移動手段」としても機能させられます。施設園芸ハウスや共同の育苗施設に小型の太陽光電源を設置し、そこでタラリアのバッテリーを充電すれば、移動そのものが再生可能エネルギー由来となり、燃料費とCO₂排出の両方を削減しやすくなります。
参考)COSWHEEL JAPAN
トレーラー牽引に対応するほどの公式情報は現状限られていますが、高トルクな電動オフロードバイクであるTalaria Sting系は、オフロード走行や登坂に強いことから、軽量な1輪トレーラー程度であれば低速域での牽引活用の余地があります。 実際に導入する場合は、牽引装置の強度や道路交通法上の扱いを必ず確認し、安全マージンを十分取りながら、私有地内から試すのが現実的です。
参考)In the first year, we broke th…
最後に、農機との連携という意味では、「タラリア バイク で事前巡回→問題箇所を写真・位置情報付きで記録→後から軽トラやトラクターでピンポイント対応」というワークフローが考えられます。これにより、重機を動かす回数と距離を減らし、燃料費・時間・人員のいずれも削減できる可能性があるため、単なる移動手段ではなく「情報収集と現場把握のための電動モビリティ」として位置づけておくと投資対効果を説明しやすくなります。
タラリア MIRAIやStingシリーズの公式仕様や展示内容を詳しく把握したい場合は、東京モーターサイクルショーの電動バイク特集記事が、スペックや背景説明を日本語で整理しているため、公道仕様モデルを検討する際の参考になります。
タラリアを含む電動オフロードバイクを紹介するDIMEの特集ページ