「毛管水を多いほど良い」と思っている人は、実は年間30万円以上も水代を損しています。
毛管水とは、土壌中の毛細管現象によって土粒子の間に保持される水分のことです。重力で流出しないため、根の吸収には最適です。
畑の深さ10〜30cmの層が主に毛管水を保持しています。この層は「有効水分層」とも呼ばれます。
つまり、過剰な水やりよりも、毛管水を保持できる土壌構造を作ることが重要です。
一方で、毛管水の量が少なすぎると、根が水ストレスを受けます。これは乾燥障害の原因です。
結論は、毛管水を「溜める」より「維持する」ことが大切ということですね。
毛管水の量は、土壌の粒径によって大きく異なります。粘土質は多く、砂質は少ない傾向です。
水田では、表層5cmにある粘土層が毛管水を維持する壁の役割を果たします。これを「透水遮断層」と呼びます。
この構造があるからこそ、灌漑間隔を長く保てるわけです。効率的ですね。
実験によると、腐植質を1%増やすだけで保水量が最大15トン/10a改善すると報告されています。
つまり、有機堆肥の投入は「水の節約策」に直結します。
毛管水は、地表温度が高いほど蒸発しやすくなります。夏場の裸地では表面20cmの毛管水が1日で消失することも。
この現象を防ぐ方法の一つが「マルチング」です。被覆資材で地表を覆うと、毛管水の上昇が30〜60%抑制されます。
つまり、マルチングは見えない保湿シールドです。いいことですね。
さらに遮光ネットを併用すると、土壌水分の蒸散が約40%抑制されるというデータもあります。
農研機構の資料では、黒マルチが最も毛管水保持に適するとの実験結果があります。参考にしてみてください。
農研機構:土壌の透水性と毛管水に関する資料(毛管現象の定量評価)
毛管水が減ると、苗の活着率が著しく下がります。特にトマトでは、地温35℃超で毛管水が不足し、根の伸長率が30%減少する事例があります。
農家のよくやる失敗は「朝の乾いた地表を見て追加灌漑する」ことですが、これで毛管水層を壊してしまう場合があります。
つまり、見た目で判断しがちな点が落とし穴です。痛いですね。
最近は、土壌水分センサー(EC-5やTEROS12)が毛管水量を直接測る手段として注目されています。導入コストは約3万円前後です。
導入すれば「過剰灌漑→CO2排出増→コスト増」という悪循環を断てます。
再生水(下水処理水)農業では、毛管水層にナトリウムや塩素が蓄積しやすい問題があります。これは「塩類集積」と呼ばれます。
静岡県の実証圃場では、2年でEC値が1.8mS/cmを超え、作物の生育障害が報告されました。
水質が良くても、毛管現象がミネラルを引き上げ続けるため、意外な場所で塩害が起きるのです。つまり、見えない塩分が敵です。
この問題の対策には、深耕と排水孔設置が有効です。
塩害を防ぎながら毛管水を確保できるバランス設計が、これからの再生水農業では不可欠です。
静岡県:再生水を利用した農業実証試験の報告(塩類集積問題)

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