あなたの畑の辺縁焼け、実は「カルシウム追肥」で悪化することがあります。
辺縁焼け(葉の縁が褐変する現象)は、多くの農家が「カリウム不足」や「日照不足」と考えがちですが、実際には土壌中の塩類集積が主要な原因である場合が6割を超えます。特に、EC値が0.4 mS/cmを超えると根の吸水バランスが崩れ、葉縁部に水分が届かず乾燥→褐変が進行します。
つまり、見た目は「栄養不足」に見えても、実際は“過多”が引き金になっていることが多いのです。
つまり逆効果ということですね。
近年では、トマト・ピーマン・ネギといった作物で辺縁焼けが報告される割合が増加し、特にハウス栽培では66%が「施肥過剰型」の事例です。
そのため、単純な追肥ではなく「根圏の塩分除去=EC調整」が第一歩になります。簡易ECメーター(約5000円前後)を用い、定期測定するだけでも効果は明確です。
参考(EC管理についての解説)
日本植物工場学会:土壌ECの管理と塩類集積の対処
最も誤解されているのは、「葉が焼けた=カルシウム不足」と即断し、石灰追肥を行うことです。この行為は、土壌pHを急激に変化させ、マグネシウムやカリウムの吸収を阻害。結果としてさらに辺縁焼けが悪化するケースが全体の4割を占めます。
痛いですね。
肥料の種類により「即効性」と「残留性」が異なるため、追肥前に必ず葉面診断または土壌分析(1回3000円前後、JAで対応)を行うのが原則です。
また、トマトやきゅうりでは、硝酸態窒素が250ppmを超えると顕著に発症率が上がるため、施肥ノートでの記録管理が不可欠です。
つまりデータ管理が鍵です。
辺縁焼けは肥料要因だけでなく、気象条件と密接に関連しています。特に2024年のような猛暑年には、葉面温度が実測で38℃を超えることが多く、細胞膜のタンパク質が変性して“熱ストレス型辺縁焼け”が多発しました。
この現象は水分や肥料だけでは防げず、遮光ネットによる“日射カット率の最適化”が有効です。遮光率35%前後(例:ダイオ化成製サンガード35)なら生育を損なわず葉焼け防止効果が確認されています。
対策はこれが基本です。
また、夜間の湿度が85%以上のままだと、葉からの蒸散が抑制され、翌朝に急乾し焼けを招くこともあります。温湿度ロガーで24時間の変化を確認するだけでも、発症リスクを事前察知できます。
いいことですね。
参考(気温・湿度・蒸散に関するデータ)
農研機構:葉面温度と蒸散バランスの観測研究
辺縁焼けと混同されやすいのが「褐斑病」や「灰色かび病」です。特に遠目では症状が似ていますが、違いは“発生の広がり方”にあります。
病害の場合、斑点は葉脈を避けるように広がり、縁ではなく中央部にも発生します。一方、辺縁焼けは葉の端から均一に進行し、乾いた紙のようにパリッとした質感が残ります。
区別が重要です。
また、病害なら殺菌剤(例:アミスター20フロアブルなど)が有効ですが、辺縁焼けには無効果。無駄な散布は経費と時間の損失につながります。
つまり見極めが経済判断に直結します。
写真アプリで拡大して観察するだけでも見分けられるので、スマートフォンを活用するのもおすすめです。
技術の時代ですね。
青森県のねぎ農家・佐藤さん(栽培面積5ha)は、毎年発生していた辺縁焼けを、ドリップ灌水時のEC自動調整システム導入により約70%削減しました。
EC値を0.25〜0.35mS/cmに維持し、週1回の排水チェックを続けた結果、葉色保持期間が平均14日延長し、販売収量が前年比で18%アップしています。
つまり数値管理が成果に直結する例です。
一方で、石灰散布を優先した農家では逆に収量が8%減少。
意外ですね。
要因は、根の局所高pHと微量要素欠乏の複合でした。
この結果からも分かるように、“見かけの症状”に惑わされず、データで原因を突き止める姿勢こそ最も有効です。
導入コストを抑えるなら、EC+pH同時測定機(例:タニタ製 EW-313、約1万円)が使いやすく、家庭用電源でも稼働可能です。
価格相応に精度も十分です。
結論は継続測定です。
参考(現場導入事例と比較テスト)
青森県農林総合研究センター:ネギ辺縁焼け低減の実証報告