農薬選定で最初に固定すべきなのは「その薬が、今あなたの圃場の“だいこん”と“病害虫名”に登録があるか」です。登録がない薬は、効く・効かない以前に使えません。検索は農林水産省の「農薬登録情報提供システム」で、作物名・農薬名・病害虫名(雑草名)から条件を絞れます。
参考:公式の検索窓で、作物名/病害虫名から登録と使用条件(時期・回数・方法)を確認できる(登録確認の起点)
農林水産省 農薬登録情報提供システム
ここで重要なのが「ラベルの内容を守る」ことです。購入後に登録内容が変わっていたとしても、ラベル通りに使ったなら農薬取締法違反に該当しない、という整理が公的に示されています。一方で、登録や残留基準の変更があり得るため、都道府県やメーカーの最新情報も確認して使うことが推奨されています。
参考:ラベル遵守と登録変更時の考え方、登録情報システムの使い方がまとまっている(法令面の安心材料)
FAMIC(旧システム)Q&A:農薬の使用について
そして、だいこんで意外と見落とされやすいのが「間引き菜(つまみ菜)」です。生育初期に使うタイプの農薬では、間引き菜の残留データを求めたうえで、問題がある場合は注意事項に「間引き菜、つまみ菜に使用しないこと」と明記される扱いがあります。つまり“根を太らせて収穫する前提”の散布でも、間引き菜を出荷するなら追加で確認が必要です。収穫前日数で規定される薬剤も、当然その日数を守るのが前提になります。
現場の手順としては、次の順番が事故りにくいです。
だいこんでアブラムシを軽視すると、吸汁害だけでなくウイルス病の媒介が絡んで被害が読みづらくなります。だからこそ「発生初期の叩き」と「系統ローテーション」が現実的な守りになります。民間の技術記事でも、RAC(IRAC)コードを踏まえたローテーション散布が推奨されています。
参考:だいこんのアブラムシ防除で、IRAC(RAC)コード別に農薬を整理しローテ推奨(ローテの具体像)
農家web:大根(ダイコン)のアブラムシ防除と農薬
おすすめの考え方(銘柄の丸暗記より重要)は以下です。
また、アブラムシは葉裏や芯(生長点付近)に残りやすいので、薬剤選びと同じくらい散布の当て方が効き目を左右します。散布ムラが出ると「薬が悪い」のではなく「当たっていない」が原因になり、無駄なローテ崩れ(同じ系統を重ねる等)につながります。スプレイヤーの圧・ノズル・葉裏への到達、風の条件、展着の考え方は、少なくとも“再現性”を重視してください。
だいこんの生育初期で厄介なのがキスジノミハムシです。初期に葉が穴だらけになると、その後の生育が素直に戻らず、結果として防除コストも上がります。対策は「発生しやすいタイミングに、は種時処理などで先回りできるか」が分かれ目です。
実務で使われる粒剤では、ダイコンに対して「は種時処理が有効」とされ、キスジノミハムシ・タネバエを生育初期から狙う趣旨が明記されています。さらに発生回数の目安として、高冷地で2~3回、暖地で4~5回という整理も示されており、暖地ほど“油断したら再侵入が早い”前提で設計した方が安定します。
参考:ダイコンのキスジノミハムシに、は種時処理が有効/暖地は発生回数が多いという説明(初期設計の根拠)
シンジェンタ:フォース粒剤 製品情報
「おすすめ農薬」を一言で決められない理由はここで、圃場によって“は種時に処理できるか”“生育ステージがもう進んでいるか”が違うからです。生育が進んでしまった圃場では、は種時処理前提の設計は使えません。逆に、は種直後から仕込める作型なら、最初に守りを作る方が後半の散布回数を減らしやすいです。
キスジノミハムシは、周辺の雑草や残渣、圃場周囲の管理とも関係しやすく、圃場内だけの散布で完結しない年があります。薬剤に頼り切るのではなく、圃場周辺の草管理と、被害の出始めを早く拾う観察(見回り頻度)で“初動を遅らせない”のが結果的に薬剤コストを下げます。
だいこんを含むアブラナ科で問題になりやすい病気として、べと病は定番です。病害は「出てから追う」より「出始めを叩く」方が、同じコストで効果が出やすい領域です。実際に、野菜栽培向けの病害情報でも、べと病は“発生初期からの銅剤が有効”という書き方で、初期対応の重要性が明確です。
参考:べと病は発生初期から銅剤が有効、具体例として銅剤名が挙げられている(初期の指針)
タキイ種苗:べと病(病害情報)
銅剤は、いわゆる“多点作用(M系)”の考え方で抵抗性管理に寄与しやすい一方で、万能ではありません。散布間隔を伸ばしすぎる、降雨で流亡する、葉の展開が早い時期に追随できない、といった条件が重なると「効かない」ではなく「効かせ切れていない」状況になりがちです。だから、べと病は「予防寄りの初期散布」と「天候(特に雨)を織り込んだ再散布設計」がポイントです。
また、“おすすめ”を現場に落とすときは、同じべと病でも作型(春・秋・越冬)で難易度が変わる点に注意してください。夜温が下がって結露が出る圃場では、葉面が濡れる時間が伸びて病勢が進みやすく、散布の間隔を暦通りにすると負けることがあります。こういう年は、登録の範囲で散布間隔を短めに組むか、薬剤だけでなく換気・畝間風通し・過繁茂の抑制といった“濡れ時間を減らす設計”が効いてきます。
検索上位の「おすすめ農薬」記事は、どうしても薬剤名の一覧に寄りがちですが、現場で差が付くのは“出荷形態”と“観察指標”です。ここを押さえると、薬剤選択の失敗(過剰散布・効かない散布)を減らせます。
まず出荷形態としての「間引き菜」。先に触れた通り、だいこんの生育初期に使う農薬では、注意事項として「間引き菜、つまみ菜に使用しないこと」が付く場合があります。つまり、根を太らせる本収穫に問題がなくても、間引き菜を出す運用だとNGになる薬剤があり得ます。ここを最初に確認しておけば、あとから「間引き菜だけ出荷できない」という事故を避けられます。
次に観察指標としての「白変葉」。ハスモンヨトウなどの食害では、幼虫が齢を重ねるほど薬剤感受性が下がるため、老齢前に散布するのが重要とされています。そして防除のタイミングの目安として「白変葉(表皮が残って白く透けて見える葉が散見)」が挙げられています。だいこんでも、同じ“食害が進む前のサイン”を圃場で共有できると、散布判断がブレにくくなります。
参考:ハスモンヨトウは老齢前散布が重要、白変葉が防除タイミングの目安(観察→適期の実務指標)
農家web:ハスモンヨトウ防除と農薬
この独自視点の使い方はシンプルです。
| 目的 | 現場での判断軸 | ミスしがちな点 |
|---|---|---|
| 登録の担保 | 作物名・病害虫名・使用時期・回数・収穫前日数 | 「同じ成分ならOK」と思い込み、だいこん登録を見ない |
| 害虫(アブラムシ等) | 発生初期、IRACでローテ、葉裏まで当てる | 効きが弱いと同系統を重ねて抵抗性を呼ぶ |
| 生育初期害虫(キスジノミハムシ) | は種時からの先回り、暖地は再侵入も前提 | 初期を落として後半で取り返そうとして散布が増える |
| 病害(べと病) | 発生初期から、雨と葉の更新速度を織り込む | 暦だけで散布間隔を固定して濡れ時間の年に負ける |
(メモ)上司チェック向けに「登録確認→作型→ローテ→観察指標」の順で説明すると、銘柄の羅列より説得力が出ます。

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