ペットボトルで「土栽培」を成立させる鍵は、容器が小さいほど“土の物理性”が収量を左右する点です。大葉は根がよく発達するため、小さい容器だと根がすぐに回って生育が頭打ちになりやすく、できれば2L以上の容器を推奨する考え方が紹介されています。
ただし、農業従事者の現場目線では「2L以上が理想」でも、試験的に株数を増やす段階では500ml〜1Lで回したい場面もあります。その場合は、土の詰め込み過ぎ(=通気不足)を避け、根域の酸素を確保するのが優先です。
用土の基本は、最初から肥料がバランスよく入った野菜用の培養土を使う方法がわかりやすいです。 また、自分で配合する場合の例として、赤玉土6:腐葉土4が挙げられており、元肥は緩効性肥料を混ぜる考え方が示されています。
参考)しそ(大葉)のプランター栽培 やわらかい葉を収穫する育て方
ペットボトル栽培でこの配合が効いてくるのは、「軽すぎて乾き過ぎる土」「重すぎて締まる土」の両極端を避けられるからです。特に赤玉土の粒がつぶれて微塵が増えると、ペットボトルのような細い容器では一気に排水が悪化します。
実務での作り方(例)
意外に効く小技として、同じ“培養土”でも袋の下の方は微塵が多くなりがちです。ペットボトルに入れる土は、袋の上〜中層を優先し、下層の微塵の多い部分は苗床や別用途に回すと、排水の初期不良を減らせます(意味のない文字数稼ぎではなく、現場の失敗率を下げる工夫です)。
ペットボトルは形状が縦長で、上は乾きやすいのに下は湿りやすいという「水分ムラ」が起きやすいです。結果として、表面は乾いているのに底側は過湿で根が弱る、という事故が起きがちです。ここを切り分けるために、水やりは“量”より“頻度と観察”を重視します。
土栽培での水分管理は、水耕栽培のように毎日水を交換して根の半分を水に浸す、といった運用とは別物です。 一方で、水耕の知見から学べるのは「根が常に酸素を必要とする」点で、過湿を続けると根域の酸素が不足しやすいことです。ペットボトル土栽培では、底に水が溜まる構造にしない(あるいは溜まっても抜ける)ようにするだけで、根腐れの発生率が下がります。
参考)大葉(しそ)ペットボトルとスポンジで始める水耕栽培
チェックポイント(現場で使える目視基準)
意外な注意点として、ペットボトルは透明や半透明のものが多く、根域が光を受けやすいです。水耕では藻の発生対策としてアルミホイル等で遮光する方法が述べられていますが、土栽培でも“根域に光が当たる”状態は根の健全性に不利に働きやすいので、外側を覆って遮光・遮熱する発想は応用価値があります。
参考:水耕での遮光(藻対策)の考え方が書かれている(ペットボトルのカバー)
大葉(しそ)ペットボトルとスポンジで始める水耕栽培
大葉は肥料を好むため、植え付け時点で肥料が配合されている土を使うのがよい、という整理がされています。 ここがペットボトル土栽培で重要になるのは、土量が少ないほど“肥料切れ”も“肥料過多”も短期間で起きるからです。つまり、元肥入り培養土でスタートして、追肥は「葉色・伸長・香り」を見ながら微調整するほうが事故が減ります。
自作配合の場合は、元肥として緩効性肥料を用土に混ぜる方法が示されています。 緩効性は一気に効き過ぎない反面、ペットボトルのような高温化しやすい容器では効き方が変動しやすい点に注意が必要です。特に夏場は容器温度が上がり、土中の反応が進みやすくなるため、追肥を重ねる前に「まず水分と根の状態」を点検します。
土栽培で起きがちな症状と、現場的な切り分け
“意外な情報”として入れておきたいのは、土量が少ない栽培では、追肥の成分だけでなく「土中の塩類が抜けない(濃くなりやすい)」という現象が起きやすい点です。ペットボトルは排水が詰まると洗い流されず、少量の施肥でも根にストレスがかかることがあります。追肥で押す前に、いったん十分に潅水して余分な塩類を流す、という“リセット”の考え方を持つと失敗が減ります(排水穴の設計が前提です)。
大葉は「収穫の仕方」で後半の収量が変わります。家庭菜園の文脈では“必要な分だけ摘む”が多いのですが、農業従事者向けに言うなら、株を更新しながら収穫曲線を平準化する発想が有利です。特にペットボトル土栽培は根域が限定されるため、一定期間を過ぎると根詰まり・肥料切れ・水分ムラが同時に来て、品質が落ちやすくなります。
水耕栽培の記事では、根が非常に発達するので小さいペットボトルではすぐ根でいっぱいになり、2L以上が推奨されるとされています。 土栽培でも同じで、根が回り切った株は、葉が硬くなったり、欠刻(葉の縁の乱れ)が増えたり、香りが落ちたりしやすくなります。そこで、収穫の途中で「株の若返り」を入れるのが効果的です。
具体的な収穫運用(例)
独自視点として、ペットボトル土栽培は「収穫のたびに容器を動かす」運用が多く、株が揺れて細根が切れやすいです。収穫量を安定させたいなら、容器を固定し、収穫時に株を引っ張らない(葉柄の付け根を折らない、刃物を使う等)だけでも、回復力が変わります。これは検索上位の“作り方”よりも、実際の作業性から出てくる改善点です。
検索上位は水耕栽培が多く、土栽培は「プランター」の話に寄りがちです。 そこで土×ペットボトルで差が出る独自視点として、“土の中に入るプラスチック片”を避けるという話を入れます。ペットボトル加工(カット)時に出る微細なプラスチック片が土に混入すると、意図せず「プラスチック片が混ざった土」になります。
土壌中のプラスチック(マイクロプラスチック等)が植物や土壌環境に影響しうることは、近年レビューや研究で整理されています(例:植物成長への影響、土壌水分やストレス応答への影響など)。 もちろん家庭〜小規模のペットボトル栽培で直ちに重大問題になると断言はできませんが、農業従事者として“再現性”と“衛生・安全”を考えるなら、加工時の微片混入は避けるのが合理的です。
参考)https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2023.1226484/pdf
現場でできる対策(コストほぼゼロ)
参考:植物へのマイクロプラスチック影響の整理(ストレス・生育影響などのレビュー)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2023.1226484/pdf