「外芽の上で切る」が常識ですが、デビッド・オースチン社の専門家はそのルールを無視して剪定しています。
バラの冬剪定で最も大切な「切る場所」の基本は、外芽(そとめ)の上約5mmの位置です。外芽とは、株の外側方向に向いた芽のことで、葉が付いていた節の脇に小さく膨らんでいます。ここより上で斜めにハサミを入れることで、芽が外側に向かって伸び、株の中心部に日光と風が通りやすくなります。
「赤い芽」であることも重要な判断材料です。冬のバラの枝を見ると、芽の色が緑がかったものと赤みを帯びたものがあります。赤みのある芽は生命力が強く、春に良い花を咲かせる傾向が高いことが現場で確認されています。赤い芽が見つかったら、その上5mmがベストな切り位置です。
ただし、外芽の上で切ることに神経質になりすぎる必要はありません。世界最大級のバラ専門育種会社であるデビッド・オースチン・ロージズの剪定動画でも、必ずしも外芽の位置を厳密には守らずに剪定している場面が確認されています。バラは頂芽優勢(一番上の芽が優先して伸びる性質)ではあるものの、内側からも複数の芽が出てくるため、多少内芽の上で切っても生育に致命的な影響はありません。大切なのは「赤くて太い良い芽の上で切る」という原則です。
枝を切る際は、切り口がギザギザにならないよう、切れ味のよいハサミを使うことが前提になります。切り口がなめらかでないと、雑菌が侵入して「枝枯病(キャンカー)」の原因になることがあります。作業前にはハサミを100倍に希釈した消毒液に2分ほど浸け、水洗いしてから使うと安心です。
| 切る位置 | 結果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 外芽の上5mm(やや斜め) | 外向きに枝が伸び、風通し・日当たりが良くなる | 最もスタンダードな基本位置 |
| 赤い芽の上5mm | 生命力の強い芽から良い花が咲きやすい | 芽の色を必ず確認してから切る |
| 古い枝の途中(赤い芽がない場合) | 芽が出ないことがある | 芽がなければ付け根から除去が望ましい |
外芽の選び方が基本です。ただし、横張り性の品種(枝が外側に広がりすぎる性質のもの)については、内芽の上で切ることで株姿がまとまる場合もあります。品種の特性を確認してから判断しましょう。
参考:バラ剪定の切り位置と外芽・内芽の考え方について専門家が解説
京成バラ園芸株式会社 – 剪定・誘引(外芽の上で切る理由と品種別の対応)
切る「位置(芽の上)」だけでなく、切る「高さ(どこまで切り戻すか)」も重要です。品種によって適切な高さが異なりますが、大まかな目安は以下の通りです。
「浅く切ると花が多く、深く切ると花が大きくなる」という関係はとても実用的な知識です。例えばハイブリッドティーで切り花として出荷する場合、茎が長く大きな花が求められるため、深め(1/3残し)の剪定が適しています。一方で観賞用として花数を増やしたい場合や花期を早めたい場合は、浅め(1/2残し)の剪定が有利です。
「鉛筆より細い枝(直径7mm以下程度)は残さない」という目安も覚えておくと現場で迷いません。ペンシルサイズ以下の細い枝からは咲かせるだけの力が出にくく、残しておくと栄養だけが消費されます。つまり、細い枝を残すのは損です。
参考:品種ごとの剪定高さと浅・深剪定の違いについて詳しく解説
タキイ種苗 – バラの冬剪定のポイントを解説(品種別の剪定方法と高さの目安)
切る位置が正しくても、時期を外すと春の花数が大幅に減るリスクがあります。これが、農業的に最も見落とされやすいポイントです。
関東・温暖地では1月中旬〜2月10日頃が冬剪定の適期とされています。2月10日という日付は意外に厳しい締め切りですが、理由があります。暖かくなるにつれてバラが休眠から目覚め、根が冬の間に蓄えた栄養を枝へと移動させ始めるのが、おおむね2月の中旬以降です。この栄養が枝に渡ってしまってから剪定すると、蓄えた養分ごと切り捨てることになります。結果として、5月の開花時期に栄養不足で花が少ない、小さいという事態につながります。
地域別の目安は以下の通りです。
「寒いうちに早く剪定しておいた方がよい」と思って12月初旬に剪定してしまうと、かえって花が少なくなる場合があります。12月や3月以降の遅い剪定は、春の花数が減るリスクが高まります。バラが最も活動を抑えている「一番寒い時期」がベストです。
剪定時期の確認には、お住まいの地域のその年の気温推移も参考にするとよいでしょう。寒冷地では、最低気温がまだマイナスになる時期まで剪定を待つのが安全です。
参考:冬剪定を2月10日頃までに終わらせる理由と地域別タイミング
KINCHO園芸 – 休眠期の2月に行う「冬剪定」のタイミングと理由
どこで切るかと同じくらい重要なのが、「どの枝を残してどの枝を切るか」という選択です。正しく枝を選ばないと、残した枝が栄養を無駄に消費し続けます。
必ず切り捨てる枝は次の通りです。
残すべき枝の判断基準はシンプルです。
つるバラの場合は特別な注意が必要です。木立性とは逆に、基本的に元気な太い枝を残すことが優先されます。ただし、10月以降に出た若いシュートは寒さで枯れるリスクがあるため、生え際から10cm程度上で切っておく方が安全です。
枝を切った後の処理も忘れないでください。太い枝の切り口(直径1cm以上が目安)からは雑菌が侵入しやすくなります。「トップジンMペースト」などの癒合剤を塗布することで、切り口からの感染リスクを下げることができます。これは、特に枝枯病(キャンカー)が発生しやすい環境では省略しない方が無難です。
参考:バラの枝選びと枝枯病のリスク管理について
KINCHO園芸 – バラの病気一覧:枝枯病(キャンカー)の原因と対処法
剪定の位置と時期が正しくても、剪定後の管理を誤ると春の花が期待外れになるケースがあります。これは農業現場でも意外と見落とされがちな盲点です。
剪定の1〜2週間前には、残っている葉をすべて手で取り除く作業が必要です。葉を残したまま剪定する方も多いですが、この「葉むしり」には2つの重要な意味があります。1つ目は、葉を取り除くことでバラを完全な休眠状態に促し、剪定ダメージを最小化すること。2つ目は、葉の裏や表に潜んでいるハダニやうどんこ病の菌を物理的に除去することです。葉を残したまま放置すると、翌春に病気が一気に広がることがあります。
剪定後に「3月になっても芽が吹かない枝」が1本でも残っていたら、それは春に絶対に咲かない枝です。4月を待たずに根元から切り取りましょう。放置すると病気の温床になります。
もう一点、見逃されやすいのが「剪定後の寒肥のタイミング」です。剪定が終わったら肥料を与えたくなるのが自然な流れですが、根に元気がない状態で肥料濃度を上げると根に負担がかかります。順番は「活力剤を先に施す → 根力が高まってから有機質の寒肥を与える」が正解です。化成肥料は冬の寒肥には不向きで、土壌微生物の助けを借りてゆっくり効く有機質肥料(牛ふん堆肥など)が適しています。
また、鉢植えのバラは剪定と同時期に植え替えも行うことで、翌年の根の張りが大きく変わります。2年以上植え替えていない鉢バラは、根詰まりと土の栄養枯渇が同時に起きていることが多く、剪定だけでは花数の回復が難しい場合があります。植え替えの際には、根鉢をほぐして古い土を落とし、バラ専用の新しい土に切り替えることで開花数を取り戻せます。
春の開花に向けた冬の準備が整うということです。剪定の位置・高さ・タイミングに加えて、葉むしり・消毒・寒肥・植え替えまでを一連の作業として捉えることで、初めてバラの冬剪定は完結します。
参考:剪定後の管理と寒肥・活力剤・植え替えの流れ
花ごころメディア – 冬のバラ管理3ステップ(剪定・寒肥・土づくり)
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