あなたが殺菌剤で抑えているその畑、実は菌を増やしているかもしれません。
アルテルナリア菌は「梅雨時期にだけ出る」と思われがちですが、実は平均湿度が60%を超える秋にも感染が拡大します。特に夜露が多い地域では、日中の葉温との温度差で胞子が活性化することが分かっています。
つまり、見た目が乾いていても油断はできません。
例えば、長野県の標高800m地帯では昼夜で15℃以上の温度差が生じ、キャベツ黒斑病の発生率が一気に2倍になったデータがあります。
結論は「湿度+温度差管理」が基本です。ハウス内では午前中の換気が感染抑制の鍵ですね。
防除剤を毎年同じ系統で使い続けると、菌が選抜され耐性化します。これは農薬会社の試験でも確認されており、2024年の報告書ではイプロジオン系に対し54%の耐性株が検出されました。
つまり、あなたが「効いている」と感じている防除が、実際には菌密度を保ってしまっていることがあるのです。
怖いですね。
この耐性問題は収量面に直結します。実験では耐性菌の混在区で平均収量が25%減少。特に初期の発病を見逃すと防除効果がほぼゼロになるケースも。
交互散布や多成分混合剤の利用など、施用ローテーションが不可欠です。
多剤耐性への対策が原則です。
驚くことに、アルテルナリア菌の一部は収穫後の残渣や土壌中で最大2年、生き続けるデータがあります。
つまり、放置した茎葉が翌年の感染源になるのです。
どういうことでしょうか?
原因は、胞子が腐植層で休眠形態を取るため。秋の耕起やすき込みが遅れると、春先の気温上昇とともに再活性化しやすい環境になります。
土壌中の生存率を下げるには、被害残渣の早期除去が最重要です。枯死直後の段階で圃場から撤去し、堆肥化工程を経て十分発酵させましょう。
これが条件です。
初期症状は「葉の水滴状のくすみ」です。これを虫害や乾燥だと誤認すると、発病拡大を許します。初期段階で斑点が1mmでも、3日で5倍まで拡大するケースも確認されています。
つまり「様子見」は最悪の判断です。
とくに気をつけたいのが下葉の裏面。
胞子はここに最も多く付着します。
光が当たらず湿気がこもる部位なので、葉裏を定期的に観察する習慣が欠かせません。
ドローン撮影では捉えにくいので、手作業の巡回が依然として有効です。
つまり観察の精度が鍵です。
最近注目されているのが、微生物資材による競合抑制です。例として「バチルス・アミロリケファシエンスFZB42株」は、アルテルナリア菌胞子発芽率を70%低減させた実験結果があります。
生物的防除は一見コスト高に思えますが、2年スパンで見ると薬剤費を約30%削減できた試験事例もあります。
長期的には経費削減につながります。
また、AI予測を用いた発病時期予測も有効です。環境データと葉面水分量を組み合わせた診断で、防除のタイミングを自動提案するシステムも登場しています。
具体的には、「アグリウェザーAI」などが代表的です。精密防除の実装を考えるなら一度チェックしてみると良いでしょう。
今後の主流になりそうですね。
参考情報として、農研機構の病害研究センターではアルテルナリア属の病理生態に関する実験データが公開されています。
実際の圃場発病事例を含む有益な資料です。