ツルニチニチソウの花言葉は怖い?由来と毒の危険性

ツルニチニチソウの美しい花に隠された怖い花言葉の噂や、死刑囚との関連、致死性の毒について解説します。庭を飲み込む繁殖力の脅威も紹介しますが、あなたはそれでもこの花を植えますか?

ツルニチニチソウの花言葉は怖い

ツルニチニチソウの真実
💀
死と処刑の歴史

死刑囚が身につけた伝説

⚠️
猛毒アルカロイド

全草に含まれる危険な毒

🌿
増えすぎる繁殖力

重点対策外来種のリスク

ツルニチニチソウの花言葉の由来と思想家ルソーの逸話

 


春から初夏にかけて、プロペラのような形をした紫色の美しい花を咲かせるツルニチニチソウ。地面を這うように広がるその姿は、一見すると穏やかで平和な春の訪れを告げる植物のように見えます。一般的に知られている花言葉には、「生涯の友情」「楽しい思い出」「優しい追憶」といった、温かみのあるポジティブな言葉が並んでいます。これらの花言葉は、18世紀のフランスで活躍した偉大な思想家、ジャン・ジャック・ルソーの有名な自伝的作品告白』に由来しています。

ルソーはかつて、彼が「ママン」と呼んで慕っていたヴァランス夫人と共に過ごした幸福な日々がありました。ある日、二人が散歩をしているときに、道端に咲いているツルニチニチソウ(フランス語でペルヴァンシュ)を見つけます。夫人は「あら、ツルニチニチソウがまだ咲いているわ」と何気なく口にしました。その時はただそれだけの出来事でしたが、それから30年という長い年月が過ぎた後、ルソーは植物採集の最中に偶然この花を再び目にすることになります。その瞬間、彼の脳裏にはヴァランス夫人と共に過ごした、若き日の輝かしい記憶が鮮明に蘇ったのです。「ああ、あそこにツルニチニチソウがある」と彼は叫び、過去の楽しい思い出と、生涯忘れることのない友情の証として、この花が記憶されたと言われています。

このように、本来のツルニチニチソウの花言葉は、過去の美しい記憶を慈しむような、文学的でロマンチックな背景を持っています。決して「怖い」意味合いを含んで名付けられたものではありません。しかし、インターネット上で検索される「怖い」というキーワードは、このルソーの逸話とは全く異なる、ヨーロッパの暗い歴史や民間伝承から派生したイメージが混ざり合って生まれたものです。花言葉そのものが怖いのではなく、この花が背負ってきた歴史的背景や、人間との関わりの中に、背筋が凍るようなエピソードが隠されています。

参考リンク(外部サイト)
参考 花言葉-由来 | ツルニチニチソウの花言葉とルソーのエピソード詳細
※上記リンクには、ルソーとヴァランス夫人の逸話や、ポジティブな花言葉の由来について詳細に記述されています。

ツルニチニチソウが「死の花」と呼ばれる怖い理由と海外の伝承


日本では園芸植物として親しまれているツルニチニチソウですが、ヨーロッパの一部の地域、特にイタリアやイギリスでは、古くから「死」と密接に結びついた不吉な植物として扱われてきた歴史があります。イタリアでは、この花を「fiore di morte(死の花)」と呼ぶ地域が存在します。かつて、幼くして亡くなった子供の葬儀の際、遺体をこの花で飾り、墓前に供える習慣があったためです。常緑で冬でも枯れないツルニチニチソウの葉は「不死」の象徴でもありましたが、それが転じて「死者のための花」としての役割を担うようになったと考えられています。

さらに衝撃的なのは、中世イギリスにおける処刑の歴史との関連です。当時のイギリスでは、死刑判決を受けた囚人が絞首台へと向かう際、ツルニチニチソウで作られた花冠を頭に被らされたという伝承が残っています。このことから、ツルニチニチソウは「死刑囚の花」あるいは「処刑のシンボル」として恐れられるようになりました。美しい紫色の花が、死にゆく者の頭上を飾るという皮肉で残酷なイメージは、人々の心に強い恐怖として刻まれたことでしょう。英語の古い俗称の一つに「Sorcerer's Violet(魔術師のスミレ)」という呼び名がありますが、これもまた、処刑や死、そして魔術といった暗い側面を暗示しています。

ウェールズ地方の迷信もまた、この花の怖い側面を強調しています。言い伝えによれば、墓地に生えているツルニチニチソウを摘み取ると、その後の1年間、悪夢にうなされ続けたり、死者の霊に取り憑かれたりすると言われています。墓地は死者の領域であり、そこに根付いた植物もまた死者の所有物であるという考え方が背景にあるのでしょう。このように、単なる園芸植物として見るにはあまりにも重く、暗い歴史の影を落としていることが、「怖い」という検索ワードの正体なのです。

参考リンク(外部サイト)
参考 GreenSnap | イタリアでの「死の花」の呼び名や処刑時の伝承について
※上記リンクでは、イタリアで亡くなった子供に供えられた背景や、死刑囚との関連について言及されています。

ツルニチニチソウに潜むアルカロイド毒の危険性と中毒症状


ツルニチニチソウが「怖い」と言われるもう一つの、そしてより現実的な理由は、その植物体が持つ強力な毒性にあります。ツルニチニチソウはキョウチクトウ科に属しており、この科の植物の多くがそうであるように、全草に有毒成分を含んでいます。特に注意が必要なのは「ビンカアルカロイド」と呼ばれる成分です。これは細胞分裂を阻害する作用を持っており、現代医学ではその作用を応用して、白血病や悪性リンパ腫などの治療に使われる抗がん剤の原料として利用されています。しかし、それは厳密に管理された医療用としての話であり、一般の人間や動物が摂取すれば、命に関わる猛毒となります。

誤ってツルニチニチソウの葉や茎、花を食べてしまった場合、激しい中毒症状が引き起こされます。初期症状としては、強い吐き気、嘔吐、腹痛、下痢といった消化器系の異常が現れます。摂取量が多い場合や、体の小さな子供、ペットなどが摂取した場合はさらに深刻で、手足のしびれ、筋肉の麻痺、全身の痙攣(けいれん)、そして最悪の場合は心機能障害や呼吸麻痺を引き起こし、死に至る危険性すらあります。農業従事者の方々にとって特に懸念されるのは、放牧中の家畜や、農場の番犬、猫などが誤食してしまう事故です。ツルニチニチソウは苦味が強いため、通常であれば動物は大量に食べることを避けますが、興味本位で噛んでしまったり、草刈り後の乾燥した草に混入していたりするケースには十分な注意が必要です。

また、剪定作業などを行う際にも注意が必要です。茎を切った際に出る乳液状の汁液に触れると、皮膚の弱い人は重度のかぶれや皮膚炎を起こすことがあります。作業を行う際は必ず手袋を着用し、汁液が目や口に入らないよう細心の注意を払ってください。子供が花の蜜を吸って遊ぶような真似も、絶対させてはいけません。美しく可憐な見た目の裏には、生物を死に至らしめるほどの科学的な「武器」が隠されています。

参考リンク(外部サイト)
参考 No Garden No Life | ツルニチニチソウのアルカロイド毒性と症状詳細
※上記リンクは、アルカロイド毒の具体的な症状や、ペット・人間への危険性について詳しく警告しています。

ツルニチニチソウは魔除けの力も?魔女とスミレの不思議な関係


ここまでツルニチニチソウの「死」や「毒」といったネガティブな側面ばかりを見てきましたが、実は古くから強力な「魔除け」の植物として信じられてきたという、興味深い一面も持っています。フランスやイギリスの一部の伝承では、ツルニチニチソウは「魔女のスミレ(Violette des sorciers)」と呼ばれ、邪悪な霊や魔女の呪いから身を守るためのお守りとして重宝されてきました。これは前述の「処刑」のイメージとは対照的に、人知を超えた力を持つ植物として神聖視されていたことを示唆しています。

中世の書物には、悪魔祓いの儀式にツルニチニチソウが使用されたという記録も残っています。乾燥させたツルニチニチソウを身につけたり、玄関先に吊るしたりすることで、悪霊が家の中に侵入するのを防ぐ効果があると信じられていました。また、夫婦の絆を強め、愛を永続させる力があるとも言われており、花言葉の「生涯の友情」や「優しい追憶」といったポジティブな意味合いは、こうした魔除けや守護の力への信仰とも結びついている可能性があります。

興味深いことに、この植物は「視線」とも関連付けられることがあります。常に緑を保ち、地面を覆い尽くすように広がる様子は、あたかも無数の目が大地を見守っているかのようにも見えます。この「見守る力」こそが、邪悪なものを退ける魔除けの力の源泉と考えられたのかもしれません。農業の現場においても、昔の人は作物を害虫や病気、あるいは目に見えない悪い気から守るために、畑の隅にこうした力のある植物を植える風習があったとも言われています。現代の科学的視点から見れば迷信に過ぎないかもしれませんが、ツルニチニチソウが持つ不思議な存在感は、昔の人々の想像力を強く刺激し、畏怖の念を抱かせるに十分だったのでしょう。

ツルニチニチソウを植えてはいけない?繁殖力と重点対策外来種のリスク


最後に、農業従事者として最も警戒すべき現実的な「怖さ」について触れておかなければなりません。それは、ツルニチニチソウの凄まじい繁殖力です。園芸店ではグランドカバーとして推奨されることもありますが、一度地面に根付くと、その制御は極めて困難になります。ツルニチニチソウは「ランナー(匍匐茎)」と呼ばれる茎を地面に這わせ、節々から新たな根を下ろして無限に広がっていきます。その生命力は圧倒的で、日陰でも痩せた土地でも旺盛に育ち、周囲の植物の生育領域を容赦なく奪い取ってしまいます。

この繁殖力の強さゆえに、環境省はツルニチニチソウ(および近縁のヒメツルニチニチソウ)を「重点対策外来種」に指定しています。これは、日本の在来生態系に悪影響を及ぼす可能性が高い植物であることを意味します。畑や果樹園の周辺に安易に植えてしまうと、あっという間に農地へと侵入し、除去不可能な雑草として猛威を振るうことになりかねません。除草剤を使っても、地下茎や根が少しでも残っていればすぐに再生してしまうため、完全な駆除には数年単位の労力と土壌の入れ替えが必要になることさえあります。

「植えてはいけない」と言われる理由は、単なる管理の手間だけではありません。密集して繁茂したツルニチニチソウの茂みは、ヘビや害虫の格好の隠れ家となり、農作業の安全を脅かすリスクも高めます。また、前述した毒性の問題もあるため、誤って収穫物に混入するリスクもゼロではありません。もし現在、所有地にツルニチニチソウが生えている場合は、エリアを明確に区切り、根止めフェンスを深く埋め込むなどの物理的な対策を講じるか、拡散する前に徹底的な駆除を検討することを強くお勧めします。美しさと便利さの裏には、農業経営を脅かす重大なリスクが潜んでいることを忘れてはなりません。

参考リンク(外部サイト)
参考 ミドリス | 植えてはいけないグランドカバーとしてのツルニチニチソウの解説
※上記リンクでは、重点対策外来種としてのリスクや、他の植物を駆逐する繁殖力について専門的な視点で解説されています。

 

 


斑入りツルニチニチソウの苗 4苗