シソ肥料と追肥と元肥と苦土石灰管理方法

シソ肥料の元肥と追肥の基本、N-P-Kの考え方、肥料切れと肥料過多の見分け方まで農業従事者向けに整理し、収量と香りを落とさない施肥の組み立てを解説しますが、あなたの圃場ではどの型が当てはまりますか?

シソ肥料と追肥と元肥

シソ肥料の全体像(元肥→追肥→診断)
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まずは元肥で土台

植え付け前に緩効性中心で初期生育を安定させ、土壌pHも同時に整えると後の追肥が読みやすくなります。

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追肥は「回数」より「反応」

目安は月1〜2回ですが、葉色・葉サイズ・香りなど作物のサインで前倒し/後ろ倒しして無駄打ちを減らします。

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過不足の診断が収益に直結

窒素不足は黄化、窒素過多は濃緑や徒長など、症状を整理して「止める/薄める/足す」を即決できる状態にします。

シソ肥料の元肥の考え方(地植え・プランター)


シソは収穫期間が長く、たくさん収穫したい場合は肥料切れを起こさない設計が前提になります。肥料が不足すると葉が小さくなったり香りが薄くなったりする一方、与えすぎると肥料やけ(過剰施肥障害)を起こすため、「最初に入れすぎない」元肥が安全です。元肥は定植前に土へ施して初期生育を助けるもので、緩効性・遅効性中心に組みます。


元肥を考えるときは、N-P-K(三要素)の役割を一度分解すると判断が速くなります。窒素(N)は葉や茎の成長に関わり「葉肥」、リン酸(P)は開花・結実に関わり「実肥」、カリウム(K)は根の発育や抵抗力に関わり「根肥」という整理が基本です。シソは葉を収穫する作物なので窒素の比重が意識されがちですが、窒素だけを押すと徒長や柔らかすぎる組織になりやすいので、現場では「バランス型を基準に微調整」が事故りにくいです。


地植えの元肥は、土づくりと一体で行うのが定石です。例えば家庭菜園向けの目安として、苦土石灰でpH調整(必要なら1㎡あたり100g)→一定期間おいてから畝を作り、牛ふん堆肥と有機配合肥料を入れて溝施肥する、という流れが紹介されています。ここで重要なのは、化成肥料は植え付けの約1週間前、有機肥料は約2週間前と、資材によって「入れるタイミング」が変わる点です。ガスや未熟分解のリスクを避けるためにも、完熟堆肥を選び、未発酵資材は余裕を持って施すのが無難です。


プランター栽培では、元肥入り培養土を使うと設計がシンプルになります。肥料が入っていない土を使う場合は、緩効性肥料を混ぜて元肥を作り、その後の追肥で帳尻を合わせます。プランターは土量が限られて肥料濃度が上がりやすいので、「最初から濃くしない」「追肥で細かく刻む」の方が失敗しにくいです。


参考:大葉(シソ)の元肥・追肥の考え方と施肥量目安(地植え/プランター/水耕)
https://www.noukaweb.com/shiso-fertilizer/

シソ肥料の追肥のタイミングと量(追肥・液体肥料)

追肥は「いつ・どれくらい」の型を持っておくと、忙しい時期でも判断がブレません。地植えで種から育てた場合は、間引きが終わって株が整った段階から追肥を開始し、目安として月1〜2回程度、葉が小さくなったり色が薄くなったタイミングで同様の追肥を繰り返す、という考え方が示されています。苗から育てた場合は、植え付け後2〜3週間ほど経ってから追肥を始め、その後は生育サインを見て月1〜2回程度、という設計になります。


プランターでは追肥開始が少し遅れ、苗なら植え付けから1か月後、種なら2回目の間引き後からが目安です。固形の化成肥料であれば月1回、液体肥料なら2週間に1回という頻度の目安がよく使われます。液肥は効きが速い反面、頻繁に入れると過剰に寄りやすいので、「水やりの代わりに何となく毎回」は避けるべき運用です。


追肥のコツは、回数の暗記よりも「作物が求めているか」で切り替えることです。シソは旺盛に伸びるため、追肥ゼロで走らせると途中で失速しやすい一方、追肥を入れ続けると品質面での違和感(葉がやわらかすぎる、香りが抜ける、害虫が寄る等)も出やすい作物です。だから現場では、追肥の前にまず葉色と葉サイズを見て、足りないなら少量を足し、濃いなら一旦止める、という“可変”が収量と品質の両方に効きます。


水耕栽培の場合は前提が変わります。発芽直後は肥料を使わず、発芽後1〜2週間してから薄い培養液で始め、以降は培養液を継ぎ足しながら管理する、という流れが一般的に解説されています。土からの緩衝がないので、必ず水耕用肥料を使い、濃度や状態のブレを小さくするのがポイントです。


参考:青シソの栽培準備(苦土石灰・肥料、追肥の資材例 N-P-K 表示)
https://media.oat-agrio.co.jp/howto/herbs/shiso/

シソ肥料の過不足サイン(窒素・肥料やけ・葉色)

シソ肥料の管理で一番の“時短”は、過不足のサインを現場で即読みにすることです。肥料が切れると葉が小さくなり、下葉から緑が薄くなって黄色っぽくなる、といった症状が出やすいと整理されています。窒素不足は葉の黄化として現れやすい、という一般的な栄養診断の基本とも整合します。


一方で、肥料は入れれば入れるほど良いわけではありません。過剰になると肥料やけを起こし、葉が丸まったり茶色くなるなどのサインが出ることがある、と説明されています。特に液肥を高頻度で入れている場合、「栄養が過剰で葉や茎が育ちすぎて反り返る」型が起きやすい、という整理もあります。濃い深緑・徒長・葉が反る(上向きに反り返る)といった症状は、窒素過多の可能性が高いので、まず追肥を止めて様子を見る判断が現実的です。


ここで重要なのは、症状を見た時に“すぐ足す”よりも、“まず止める”選択肢を持つことです。窒素過多は、作物が窒素を吸っている量の割に窒素が多い状態で、他の養分の吸収が相対的に阻害されたり、生産に悪影響を与える、と施設園芸向け解説でも整理されています。シソでも同様に、窒素に寄せすぎると、葉は一見大きく見えても組織が弱くなり、結果として病害虫リスクや品質低下につながりやすくなります。


現場で使える簡易チェック(入れ子なしで要点だけ)を置いておきます。


  • 葉色が全体に薄い・下葉から黄化:肥料切れ(特に窒素不足)を疑い、薄めの追肥で回復を確認。
  • 葉が反る・濃緑・徒長:窒素過多や液肥過多を疑い、追肥停止→水管理で塩類を薄める(鉢は灌水で流す)。
  • 葉先が傷む・茶色化が進む:肥料やけの可能性、特に鉢は濃度が上がりやすいので注意。
  • 生育は良いが香りが弱い:肥料切れでも起きるため、葉サイズ・葉色とセットで判断。

参考:大葉の肥料切れ/肥料過多の症状整理(葉が小さい・黄化、丸まりや茶色化)
https://www.noukaweb.com/shiso-fertilizer/

シソ肥料と土壌pHと苦土石灰(6.0〜6.5)

シソの施肥設計で見落とされやすいのが、肥料そのものより「土壌pHと石灰の段取り」です。シソ(大葉)は酸性土壌に弱く、好適土壌pHは6.0〜6.5とされ、あらかじめ苦土石灰をまいて土壌酸度を調整する、という栽培解説が複数あります。pHがズレたままだと、同じ肥料を入れても吸収効率が落ちたり、症状が“肥料不足っぽく見える”ことがあるため、追肥で追いかけても改善が鈍いことがあります。


苦土石灰の使い方の要点は、「今のpHと目標pHの差」を把握して量を決めることです。つまり、毎年同じ量を漫然と入れるのではなく、測ってから調整するのが合理的です。家庭菜園レベルでも土壌酸度計などで測ることが推奨されており、pH調整が必要なら元肥の前段で入れて時間を置く、という段取りが紹介されています。


実務的な注意点として、苦土石灰は“効かせたいタイミング”から逆算して早めに入れるのが基本です。植え付け直前の投入は、資材や条件によっては根にストレスを与えるリスクがあるため、元肥設計と同時に前倒しで組み込みます。特に露地で連作気味の圃場は、前作の施肥残りやpHの癖が出やすいので、土壌診断の1項目として固定化すると施肥の再現性が上がります。


参考:シソの好適土壌pH(6.0〜6.5)と苦土石灰での調整
https://xn--m9jp4402bdtwxkd8n0a.net/howto/siso

シソ肥料の独自視点:収穫の「頻度」で追肥設計を変える

同じ「シソ肥料」でも、出荷・利用スタイルで最適解が変わる、という視点は検索上位でも深掘りされにくいポイントです。例えば、葉を“少しずつ長期で摘み取る”場合と、“一度にまとめて枝ごと切る”場合では、植物体のダメージと再生スピードが違い、必要な追肥の出し方も変わります。頻繁に葉を収穫する運用は、見た目以上に窒素とカリウムの消費が進みやすく、追肥を「暦」だけで打つと途中で香りや葉サイズが落ちやすいです。


ここでのコツは、追肥を「定期便」ではなく「収穫イベント後の回復サポート」として捉えることです。特に、摘心後に脇芽を伸ばして収量を稼ぐ型では、脇芽が動き始めるタイミングに合わせて、少量の追肥を早めに入れると形が整いやすいです。逆に、収穫が一時的に止まる(気温や日照で伸びが落ちる、病害虫対応で摘み取りを控える)時期に追肥を入れると、吸収の“受け皿”が小さいため過剰になりやすく、濃緑・反り・徒長など品質面のトラブルに寄りやすいです。


もう一つ、現場で意外と効くのが「追肥の粒度(1回量を小さくして回数を増やす/減らす)」です。プランターや施設の小区画では、少量追肥で様子を見る方が、肥料やけの事故コストを抑えやすいです。露地で面積が大きい場合は、全面で同じ施肥を打つより、圃場内の生育ムラ(地力差、排水差)に合わせて追肥を分けるだけで、同じ総施肥量でも歩留まりが上がることがあります。


最後に、やってはいけない事故パターンも押さえます。複数の肥料を原液や高濃度で混ぜると化学反応で危険があるため、自己流ブレンドで濃くするのは避けるべきだと注意喚起されています。追肥で焦った時ほど、混ぜて強くしたくなりますが、シソは繊細な葉を収穫する作物なので、結果的に商品価値を落としやすいです。


参考:肥料を混ぜる危険性(事故・ガス等)と過不足トラブルの注意点
https://www.noukaweb.com/shiso-fertilizer/




株式会社トーホク 大葉青しそ 01330