プレミックス肥料の配合設計と施肥

プレミックス肥料は原料を混ぜて狙いの成分に整える手法ですが、配合設計・施肥・管理のズレが収量や品質に直結します。現場で失敗しない選び方と使い方を整理すると、何から見直すべきでしょうか?

プレミックス 肥料

プレミックス肥料の要点
🧪
「混ぜる」だけで終わらない

原料の粒径・比重・水分で偏りが出るため、配合設計と管理がセットで重要です。

📏
施肥は土壌診断と一体

pH・EC・可給態リン酸などの状態で効き方が変わるので、設計前に把握します。

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省力化の伸びしろ

局所施肥や二段施肥など機械と組み合わせると、肥料節減と安定化を狙えます。

プレミックス肥料の配合肥料と化成肥料の違い

 

配合肥料は、複数原料を「混ぜ合わせる」ことで目的の成分(例:N-P-K)を作る考え方で、化成肥料のように化学反応で成分を生成するものとは区分が異なります。
この違いは“効き方”そのものよりも、「原料の物性差がそのまま製品の均一性に影響する」点で現場のミス要因になりやすいのが特徴です。
例えば粒の大きさ(粒径)や比重がバラバラだと、運搬・袋詰め・散布の振動で層分離が起き、同じ袋でも上と下で成分比が変わる事故が起こり得ます。
混同しやすいポイントを整理します。

 

  • 配合肥料:原料を混合して狙いの成分に合わせる(設計自由度は高いが、均一化の技術が要)

    参考)意外と知らない!?肥料について

  • 化成肥料:化学的に反応・造粒されたものが多く、見た目の均一性が出やすい(ただし万能ではない)​
  • 有機質肥料・無機質肥料:原料由来の区分で、配合/化成の区分とは軸が違う(ここを混ぜると設計が破綻しがち)​

プレミックス肥料の成分分析と肥料分析の見方

プレミックス肥料は「設計値(狙い)」と「実測(現物)」の差が収益に直結するため、成分分析の考え方を持っておくと判断が速くなります。
普通肥料には単肥・複合肥料・石灰質肥料など多様な区分があり、登録や品質管理の場面で分析が必要になるケースがあります。
実務では、N-P-Kの表示だけでなく、ロット差・原料差(特に副産系原料)を疑って「同じ銘柄でも年や季節で挙動が変わる」前提で扱うとトラブルが減ります。
現場で役立つチェック観点です。

 

  • 施肥前:袋内の粒の混ざり具合(色・粒の均一性)を目視で確認し、偏りが疑わしければ袋をよく転がして均す。​
  • 設計時:微量要素の不足・過剰は症状が出てからでは遅いので、必要な作物・土壌条件では微量要素資材も視野に入れる。

    参考)マイクロマックスプレミアム

  • 記録:銘柄、ロット、散布量、散布日、天候、作柄をセットで残すと、翌年以降に「効いた/効かない」を科学的に潰せます。​

プレミックス肥料の土壌診断と肥料コストの動向

肥料は製造コストに占める原材料比率が大きく、原料価格の影響が国内肥料価格に波及しやすい、という前提があります。
そのため「毎年同じ設計・同じ量」ではなく、土壌診断を起点に施肥量を調整して、コスト増局面でも収益を守る発想が重要です。
また、可給態リン酸の過剰や高ECなどがあると施肥効率が落ち、結果的に“追い肥の追加”でコストが膨らみやすい点は見落とされがちです。
土壌診断をプレミックス設計に繋げるときの要点です。

 

プレミックス肥料の局所施肥と肥料節減の実務

近年は、施肥機の工夫で局所施肥を行い、肥料節減効果を狙う取り組みが報告されています。
例えば畝立てと同時に二段で局所施肥する機械の性能評価と、肥料節減効果に関する研究が公開されています。
プレミックス肥料は「狙いの配合を作れる」強みがあるため、局所施肥のように投入位置が明確な体系と相性がよく、設計の意図が収量に反映されやすいのが利点です。
現場に落とし込むときの段取り例です。

 

  • 施肥設計:基肥と追肥を分け、基肥は根域近くに“外さず置く”設計にする(局所施肥でブレを減らす)。​
  • 製品選定:粒の硬さや粒径が揃っているほど、施肥機での詰まり・吐出ムラが減る(結果的に狙い量が守れる)。​
  • 省力化:畝立て同時施肥など工程統合は、作業時間だけでなく「散布タイミングのズレ」も減らし、結果的に生育の揃いに効く。​

プレミックス肥料の微量要素と長期持続の独自視点

検索上位はN-P-K中心の説明が多い一方、実は「微量要素を“効かせ過ぎない”設計」がプレミックス肥料の差別化ポイントになり得ます。
微量要素は不足すると障害が出ますが、入れ方を間違えると拮抗(例:特定要素の過剰で別要素吸収が落ちる)や、pH条件での不溶化などで“入れたのに効かない”が起きます。
微量要素成分を土壌中で長期に持続させることを狙った資材もあり、露地では根が伸びるところに混和する、といった使い方が示されています。
ここは現場で効く「一段深い」工夫です。

 

  • 「欠乏が出たら足す」では遅い作物(果菜類施設栽培など)では、プレミックス肥料で“微量要素を薄く広く”持たせ、追肥や葉面散布で微調整する。​
  • 堆肥や有機質資材を入れている圃場ほど、微量要素は入っている気になりやすいが、実際はpH・CEC・有機物の分解状態で効き方が変わるので、症状と土壌データをセットで見る。​
  • 意外な盲点として、袋内の分離が起きると“微量要素だけ先に/後に偏る”ことがあり、少量成分ほど影響が大きいので、保管と運搬の振動(軽トラ荷台など)にも注意する。​

参考:肥料の区分(配合肥料・化成肥料の違いなど)を整理するのに有用
意外と知らない!?肥料について
参考:肥料原料と価格動向、土壌診断の重要性(施肥量削減・コスト削減の実証例の紹介)
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_rep/monthly/attach/pdf/r4index-98.pdf
参考:局所施肥・二段施肥による肥料節減効果(施肥機の性能と節減効果の検討)
畝立同時二段局所施肥機の性能と肥料節減効果

 

 


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