交差反応アレルギーの一覧と詳細
この記事のポイント
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交差反応の基本
花粉症と食べ物の間には、アレルゲンが似ているために起こる「交差反応」があります。代表的な組み合わせを一覧で確認しましょう。
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口腔アレルギー症候群
口の中のかゆみや腫れは「口腔アレルギー症候群(PFAS)」かもしれません。具体的な症状と危険性を解説します。
🩺
検査と対策
アレルギー検査の種類や専門医の探し方、日常生活でできる対策まで、具体的なアクションを紹介します。
交差反応の代表的な原因と花粉症と食べ物の組み合わせ一覧
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交差反応とは、ある特定の
アレルゲン(アレルギーの原因物質)に対する抗体が、構造がよく似た別のアレルゲンにも反応してしまう現象です 。特に農業従事者の方々にとって身近な花粉症は、この交差反応と深い関係があります。花粉に含まれるアレルゲンと、特定の野菜や果物に含まれるタンパク質の構造が似ているため、花粉症の人がそれらの食べ物を摂取した際にアレルギー症状を引き起こすことがあるのです 。これは「花粉・
食物アレルギー症候群(PFAS)」とも呼ばれ、花粉症の人の約10人に1人が発症するともいわれています 。
原因となるアレルゲンタンパク質はいくつか種類がありますが、代表的なものに「PR-10」や「
プロフィリン」などが挙げられます。これらは様々な植物に共通して存在するため、幅広い交差反応の原因となります。
主要な花粉とその交差反応が報告されている食べ物の組み合わせを以下に示します。ご自身の
花粉症の種類と照らし合わせて、注意すべき食材を確認してみてください。
以下の表は、代表的な花粉と交差反応を示す可能性のある食物をまとめたものです。
参考:花粉と交差反応を示す食物一覧(PDF)
花粉の種類(飛散時期) |
交差反応を示す可能性のある食べ物 |
シラカンバ、ハンノキ (春) |
🍎 バラ科:リンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、イチゴ、ビワ 🥝 マタタビ科:キウイフルーツ 🥕 セリ科:セロリ、ニンジン 🥔 ナス科:ジャガイモ、トマト 🌰 その他:大豆、ピーナッツ、クルミ、ヘーゼルナッツ |
スギ、ヒノキ (春) |
🍅 ナス科:トマト |
イネ科(カモガヤなど) (夏) |
🍈 ウリ科:メロン、スイカ 🥔 ナス科:トマト、ジャガイモ 🍌 その他:バナナ、オレンジ、キウイ、ピーナッツ |
キク科(ブタクサ、ヨモギ) (秋) |
🍈 ウリ科:メロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリ 🍌 バショウ科:バナナ 🥕 セリ科:セロリ、ニンジン 🥭 その他:マンゴー、スパイス類 |
※上記は代表例であり、すべての人に症状が出るとは限りません。また、これら以外の食物で反応が出る場合もあります 。
交差反応でみられる口腔アレルギー症候群の主な症状
交差反応によって引き起こされる症状の中で最も代表的なものが「
口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome, OAS)」です 。これは、原因となる食べ物を口にしてから比較的短時間(多くは15分以内)で、食物が直接触れた口の中やその周辺に症状が現れるのが特徴です 。
主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 👄 口や唇、舌の症状: かゆみ、ピリピリとした刺激感、腫れ
- 😣 喉の症状: イガイガ感、かゆみ、締め付けられるような感覚
- 👂 その他の症状: 耳の奥のかゆみを感じることもあります
これらの症状は、多くの場合、食後数分から数十分で自然に軽快します 。なぜなら、原因となるアレルゲンタンパク質の多くは熱や消化酵素に弱く、口の粘膜で反応しても、胃に入ると分解されてアレルゲン性を失うためです。
しかし、注意が必要な点もあります。まれに、症状が口の中だけでなく全身に及ぶことがあります。
- 💨 呼吸器系の症状: 鼻水、くしゃみ、咳、喘息発作
- 😫 消化器系の症状: 腹痛、吐き気、下痢
- 👁️ 皮膚・全身の症状: じんましん、皮膚の赤みやかゆみ
さらに、ごく稀ではありますが、血圧低下や
意識障害などを伴う重篤なアレルギー反応である「アナフィラキシーショック」を引き起こす可能性もゼロではありません 。特にモモやキウイなどは、他の果物に比べて全身症状に発展しやすいという報告もあります 。口の中の違和感だからと軽く考えず、症状が強い場合や、これまでと違う症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
交差反応の検査方法とアレルギー専門医の探し方
「この症状、もしかして交差反応かも?」と感じたら、自己判断で原因食物を決めつけ、過度な食事制限をするのは避けるべきです。まずは専門の医療機関で適切な検査を受け、正しい診断を得ることが大切です。
アレルギー検査は、主に内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、小児科などで受けることができます 。どの科を受診すればよいか迷う場合は、アレルギーの原因や症状に応じて選ぶか、かかりつけ医に相談してみましょう。より専門的な診断や治療を希望する場合は「アレルギー科」を標榜する医療機関がおすすめです。アレルギー専門医は、複雑なアレルギーの病態について深い知識と経験を持っています 。
主なアレルギー検査には、以下のような種類があります。
- 🩸 血液検査(特異的IgE抗体検査): 血液を採取し、特定のアレルゲンに対して体が作る「IgE抗体」の量を測定する検査です。一度の採血で多くのアレルゲン(例:VIEW39など)を調べられるのが利点ですが、数値が高くても必ずしも症状が出るとは限りません 。
- 🩹 皮膚プリックテスト: アレルゲンエキスを皮膚に一滴垂らし、専用の針でごく浅く刺して反応を見ます。15分ほどで結果が分かり、赤みや腫れの大きさで陽性・陰性を判断します。
- 🍽️ 食物経口負荷試験: アレルギーが疑われる食物を、医師の管理下で実際に少量から摂取してみる検査です。最も確実な診断方法とされていますが、強い症状を誘発するリスクがあるため、入院またはそれに準じた環境で慎重に行われます。
信頼できるアレルギー専門医を探すには、以下のウェブサイトが役立ちます。地域や専門分野から専門医を検索できます。
参考:一般社団法人日本アレルギー学会 専門医・指導医一覧
交差反応と間違いやすい?知られざるラテックス・フルーツ症候群
花粉症と食物の交差反応はよく知られていますが、実はもう一つ、農業従事者の方々が注意すべき意外な交差反応があります。それが「
ラテックス・フルーツ症候群」です。
これは、天然ゴム製品の原料である「ラテックス」にアレルギーを持つ人が、特定の果物や野菜を食べた際にアレルギー症状を起こす現象です 。ラテックスに含まれるアレルゲンと、一部の果物に含まれるアレルゲンの構造が非常に似ているために起こります 。
農業では、作業用の手袋などで天然ゴム製品に触れる機会が多いため、ラテックスアレルギーは決して他人事ではありません。ラテックスアレルギーの人が交差反応を起こしやすい代表的な食べ物には、以下のようなものがあります。
- 🥑 アボカド
- 🍌 バナナ
- 🥝 キウイフルーツ
- 🌰 クリ
症状は口腔アレルギー症候群と同様に口の中の違和感などが多いですが、ラテックス・フルーツ症候群の場合、原因となるアレルゲンが消化されにくいため、じんましんや腹痛、呼吸困難といった全身症状やアナフィラキシーショックなど、より重篤な症状を引き起こす可能性が花粉の交差反応よりも高いとされています 。
「ゴム手袋を使うとかゆくなる」「最近、アボカドやバナナを食べると口がピリピリする」といった経験がある方は、ラテックス・フルーツ症候群の可能性も視野に入れる必要があります。この症候群は、まずラテックスへの感作(アレルギー反応を起こす準備ができた状態)が成立し、その後に交差反応性のある果物を食べることで症状が誘発されるというメカニズムを持っています 。心当たりがある場合は、アレルギー専門医に相談することをお勧めします。
交差反応を防ぐための日常生活での注意点と対策
交差反応によるアレルギー症状は、日常生活の少しの工夫でリスクを軽減することが可能です。原因を正しく理解し、ご自身の体質に合った対策を取り入れましょう。
1. 原因となる食物の摂取を避ける最も基本的な対策は、アレルギー反応を引き起こすことが分かっている食物を食べないことです。ただし、過度な自己判断による除去は栄養の偏りにも繋がるため、必ず医師の診断に基づいて行いましょう 。
2. 加熱や加工でアレルゲン性を低減させる 🔥花粉と交差反応する食物アレルゲンの多くは、熱に弱い性質を持っています。そのため、生で食べると症状が出るけれど、加熱すれば食べられるケースが少なくありません。
- 有効な調理法: 煮る、焼く、炒める、揚げるなど。
- 加工品の活用: ジャム、コンポート、缶詰、野菜ジュースなども、製造過程で加熱処理されているため、アレルゲン性が低下していることが多いです。
- 注意点: すべての食物アレルゲンが加熱で無害化するわけではありません。例えば、牛乳や一部のナッツ類のアレルゲンは熱に強いとされています 。また、加熱の程度によってはアレルゲンが残る場合もあるため、初めて試す際は少量からにしましょう。
3. 花粉の飛散シーズンは特に注意する 🤧体内に花粉が大量に入ってくる花粉シーズンは、体がアレルギー反応に対してより敏感になっています。そのため、普段は症状が出ない、あるいはごく軽い症状しか出ない食べ物でも、この時期は強い反応が出ることがあります。花粉の飛散が多い日は、原因となりうる生の果物や野菜の摂取は慎重になるのが賢明です。
4. コンタミネーション(意図しない混入)に気をつける調理器具を介したコンタミネーションにも注意が必要です。例えば、アレルギーの原因となる果物を切った包丁やまな板で、次に食べるものを切ると、微量のアレルゲンが付着して反応してしまうことがあります 。アレルギーを持つ方の食事を先に調理する、調理器具をしっかり洗浄するなどの工夫が有効です 。
これらの対策を日々の生活に取り入れ、アレルギーとうまく付き合っていくことが大切です。
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